財務諸表分析入門の入門


財務諸表の分析が苦手な方に共通していることは、財務諸表の難解で大量

の勘定科目が原因の場合が多いようです。


財務諸表分析に限らず、分析対象のものが大量にあったりすると、

どこから手をつけていいのか、途方に暮れる方もいるかと思います。


ここで、皆さんに理解して頂きたいことは、データ分析とは、

データが大量にあり、一目見て分かりづらい時にはじめてするものなので、

そのような時にこそ、理解しやすいように分析をするのです。


データ分析では、一目見て分かりやすく加工することからはじめますので、

経営分析である財務諸表分析のスタートも、まずは、一目見て分かりやすい状態

にして、全体の概要を掴むことが重要です。


例えば、貸借対照表を分析する際は、次のようにデータを集約します。

①流動資産
②固定資産
③流動負債
④固定負債
⑤純資産


ここまで勘定科目データを集約すると、難しそうな勘定科目がほとんど

なくなり、これぐらいの状態までデータを集約すれば、一目見て分かり

やすい状態になっているはずです。


貸借対照表を分析する際は、最初に、固定資産と純資産を比較して、

次に、固定負債と純資産を足した数値と固定資産を比較します。


何故、上記を比較するのかの意味を説明することは、入門のレベルを

超えていますので、ここでは単純に、キュッシュフローの安定性や

資金調達のバランスを把握する為と覚えて下さい。


なお、詳細な財務諸表分析をする際は、流動資産と流動負債に含まれている、

運転資金に関係する勘定科目の分析が、キャッシュフロー分析のポイント

であると覚えておいて下さい。


次に、損益計算書を分析する際は、次のようにデータを集約します。


①売上高
②売上総利益
③営業利益
④経常利益
⑤当期純利益


損益計算書を分析する際は、最初に、各利益段階で、黒字か赤字かを確認し、

次に、各利益率が把握できれば充分なので、上記の5つの項目があれば

入門レベルでは問題ありません。


損益計算書の分析は、他の財務諸表の分析と比べると、最も容易であると

感じる方が多いのですが、実は、損益計算書の分析は、他の財務諸表の分析

と比べると、最も難しいといえます。


その理由は、損益計算書は、数字だけを見ても意味が無いので、

会社の経営戦略やマーケティング戦略の分析も合わせてする必要が

あるからです。


最後に、キャッシュフロー計算書を分析する際は、

次のようにデータを集約します。


①営業キャッシュフロー
②投資キャッシュフロー
③財務キャッシュフロー


キャッシュフロー計算書を分析する際は、最初に営業キャッシュフローが

黒字であるか赤字であるかを確認します。


次に、投資キャッシュフローが、営業キャッシュフローの範囲内であるか

を確認します。


最後に、営業キャッシュフローと、投資キャッシュフローを足して計算できる、

フリーキャッシュフローの範囲内に、財務キャッシュフローが収まっている

かを確認するのです。


営業CF>  投資CF + 財務CFの関係になっていれば、年間の現金収入で、

年間の現金支出を全て賄っていることになりますので、会社の現預金残高が、

前期よりも増えていることを意味するのです。


これで財務3表についての簡単な分析ポイントを説明したことになりますが、

財務分析のスタートラインは、これくらいの大まかな概要を最初に掴んで

おいて、その後に、各財務諸表の詳細な分析をしていくことになります。


しかし、上記の大まかな概要を最初に掴むだけでも、財務諸表分析の入門

の入門レベルでは充分な内容といえますので、財務諸表分析に慣れるまでは、

分析する対象を絞ることが重要なのです。