財務計画


■財務計画の役割


財務計画とは、利益計画と資金計画(総合予算)のことです。


財務計画は、経営計画の主要な構成要素であり、経営戦略に基づいて財務目標を

設定し作成されることになります。


財務計画の作成方法は、経営者だけではなく、経理部、財務部、経営企画部に所属する

社員であれば、 理解しておくべきことです。


この計画は、起業する時に作成する事業計画書や、企業の単年度経営計画・

中期経営計画等に必要で、中小企業の経理の仕事の中では最も重要な業務といえます。


財務計画は、経営者の理想の企業の姿を明確にし、経営者の頭の中に

ぼんやりとある起業のアイデア、将来ビジョン・事業コンセプト・

マーケティング戦略等の方針や前提条件を具体的な数字で表現したもの

であり、一般的に、財務計画は予算と呼ばれています。


この計画は、経営計画の方針を諸々の前提条件で経営した場合、

どんな売上と利益になり、その事業に必要な資金が何時どれ位必要かを

明らかにし、その結果会社の財政状態がどのようになるのかを事前に

教えてくれるのが財務計画なのです。


また、財務計画を作成することで、経営管理をすることが可能となります。


そして、財務における経営問題と経営課題を的確に掴む為にも、

財務計画は必要不可欠です。


更に、この計画を作成する事によって、予算実績管理を実施することができ、

計画数値と実績数値のギャップの原因を特定し、そのギャップを克服する

為の具体的な施策を考え改善する業務プロセスであるPDCAサイクルを

運用できます。


しかし、もし具体的な数字で表現した財務計画がなければ、PDCAサイクル

の運用もできませんし、残した実績が良い結果なのか悪い結果なのかも

分からないはずです。


このように、結果が良いのか悪いのかを判断する為には、何かと比較する

しかありません。


その比較対象にぴったりなのが財務計画なのです。


そして、資金繰りをする際には、正確な資金繰り表を作成する必要がありますが、

その正確な資金繰り表を作成する為にも、財務計画は欠かせません。


また、資金繰りは、損益計算書(PL)の売上・利益より、貸借対照表(BS)

の売上債権や棚卸資産、仕入債務の影響を強く受けます。


ゆえに、財務計画を作成し、貸借対照表(BS)についても予算実績管理をすることで、

運転資金(WC)現金循環化日数(CCC)のコントロールをする必要があります。


以上のように、この計画は企業経営をするうえでは必要不可欠なものであり、

管理会計の役割として、最も重要な業務が財務計画の作成なのです。


ちなみに、財務計画の前提でもある、財務戦略は、難解で専門的なスキルが

ないと立案は難しいと考えられている方は、財務戦略の考え方の頁を御覧ください。


■財務計画の作成方法


次に、財務計画の作成方法ですが、標準的な財務計画の構成要素は、損益計算書(PL)、

貸借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書(CF)の財務計画3表があります。


その財務計画3表は、事業計画の諸々の前提条件に基づいて作成された、

損益予算(売上高や売上原価等)、資金予算(現金収支等)、資本予算(設備予算等)

などを基に作成されています。


それらの予算を基に資金移動表や資金運用表等の資金表を作成して、予算の静態的分析

や動態的分析で資金調達と運用のバランスや支払能力の分析を繰り返すことで、

精度の高い財務の計画を作成することができます。


また、詳細な財務計画の作成に入る前に、交差比率等を分析して、適正在庫

を実現する計画である、在庫計画を含んだ運転資金計画を準備して、資金計画

を作っておけば、ざっくりとした計画の方向性を示す、年次BS・PL・CF

を作成することができます。


そのざっくりとした年次BS・PL・CFが、詳細な財務計画を作る為の、

設計図にもなります。


尚、財務計画は、理想の計画、現実的な計画、保守的な計画の3パターン作成

しておけば、実績がどのように変化してもある程度参考にすることができます。


ちなみに、財務計画作成の手順概要は一般的に下記の順番です。


①売上見込みの策定

②設備投資計画の策定

③事業に必要な組織や設備を基に販売費及び一般管理費などの経費を策定

④売上債権の回収サイトの策定

⑤仕入債務の支払サイトの策定

⑥棚卸資産の回転期間の策定

⑦最低保持すべき現預金残高の策定

⑧有利子負債の調達額策定

⑨支払利息の策定


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