財務部の役割


財務部の役割とは、資金の観点から、キャッシュフローの創造や、財務体質の

改善・強化、収益力の強化など、会計上ではなく、実質的な資金ベースの改善

をすることです。


この組織の役割として最も重要な業務が、企業の生命線でもある資金繰りです。


企業に財務部が存在する場合は、資金管理は、経理の仕事ではなく、

この組織が中心となって、業務を遂行することになります。


財務部は、企業の血液でもある資金を常に会社全体に循環させる為に、

日々の資金の入出金を管理して、必要に応じて資金調達をする役割もあるのです。


この組織の役割となる主な財務の仕事は下記の通りです。


財務部の主な業務

①財務戦略・財務目標の策定

②バランスシートの管理(ALM管理)

③資金出納管理(CMS管理)

④直接金融や間接金融による資金調達

⑤調達した資金の運用管理

⑥銀行などの金融機関や格付機関への対応

⑦デリバティブ取引(オプション取引・先物取引)の管理

⑧財務管理(財務計画・財務統制・戦略活動修正)

⑨企業価値評価

⑩各種投資の決定


上記以外の業務では、新規事業の法令適用事前調査も担当する場合がございます。


上記に示した様な、この組織の役割を果たすことができる人は、

意外に多くありません。


財務部の役割を果たすことができていない原因の1つは、

運転資金現金循環化日数の関係を理解できていないことです。


この関係が理解できていなければ、総合予算を作成することも不可能でしょう。


また、この組織の仕事をするうえで、財務部長や財務部スタッフに最低限必要な

スキルとしては、次のようなものがあります。


財務部長や財務部スタッフに最低限必要なスキル

①計数能力

②金融・投資に関する知識

③計画化スキル

④計画や企画書を表現するスキル

⑤管理会計の業務領域である、経営計画に必要な総合予算の作成スキル

⑥経営分析スキル

⑦経営管理スキル


ところで、この頁を御覧になっている皆さんに質問しますが、

キャッシュフロー改善のために、財務部ができることは何がありますか?


この質問に対して、直ぐに具体的な改善策が浮かんだ方は、

財務管理のスキル身についていますか?の頁を御覧頂いて、ご自身の財務スキルの

レベルをご確認ください。


改善策に確信がない方は、もう少し、この頁にお付き合いください。


キャッシュフローの改善の為には、財務戦略が欠かせませんが、

財務戦略は、どのように策定するものでしょうか?


財務戦略には、具体的な策定手順が存在しますが、財務戦略の考え方が身に

ついていない方には、どこから手をつけるべきかも検討がつかないことでしょう。


この財務戦略は、財務の方向性を明確にするものなので、この戦略が決定して

いなければ、単年度予算や、中長期予算の作成に取り掛かることすらできません。


要するに、財務戦略を策定せずに、財務部の業務を遂行することは、

目的もなく、森の中を彷徨うようなものなのです。


そのような企業は、キャッシュフローの改善どころか、資金ショートへの道

を突き進んでいるといえます。


企業の財務部には、財務の知識は充分な方が多いのですが、その知識は、

無数の点という、点と点が孤立した状態になっており、点と点が全て結びついて、

線になっている人は、驚くほど少ないのが現実です。


そのほんの一例として、自社の財務分析をする際に、財務指標の、各回転期間と

各回転率の計算を、両方とも必ずする方が非常に多いことを挙げることができます。


また、資金繰り表を作成した経験がある方は多いと思いますが、

作成の際に、下記の項目を、どのように考慮して、資金繰り表を作成していますか?


①売上の見通し(どのように把握するか?)
②仕入の見通し(適正な仕入とは?)
③在庫の見通し(適正在庫とは?)
④借入金の返済と調達(無駄な借り入れは無いか?)
⑤最低保持すべき現預金残高(算定根拠?)


上記は、全て重要な項目ばかりですが、あえて一点だけ問題提起をするとすれば、

新規の借入金調達をする際に、その借入が、一円単位まで、必要な金額であることを、

具体的に説明することはできますか?


もし、経営者の方が、この頁をお読みの場合は、自社の財務担当者が、資金繰り表を

作成する際に、上記の項目について、どのように対応しているのか確認することを、

お勧めいたします。


財務管理は、誤解を恐れずに説明すると、非常にシンプルで、やるべきことは

限られています。


しかし、大多数の方は、財務管理の肝が理解できていないので、何時までたっても、

財務部が、何をするべきかが、分からないのです。


その財務管理の肝は、分厚い財務の専門書を全て読破しなければ理解できない

ことではなく、ごく当たり前なシンプルな原理原則を利用しているだけなのです。


これらのことを理解していなければ、財務部社員の存在価値は無く、この組織の社員が

出納管理や支払業務だけしかできないようでは、経営者からは、一般事務員の評価

しかされることはありません。


このように、財務部の社員が、会社の利益に貢献できる、この組織の役割を果たす

為には、財務管理の肝を理解して、利益貢献度の高い財務管理スキルを身につける

ことに力を入れるべきであるといえるでしょう。


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