予定原価計算における副産物等の処理


副産物・仕損・作業屑・の処理方法と歩減・歩留率をどのように考えるかは、

製造予算の作成である、予定原価計算の重要な論点です。


説明するまでもなく、製造業においては、予算の製造原価を算定することは

最も重要なプロセスてもあり、製品の予定販売単価を決定するうえでも、

重要な要素なので、副産物等の処理方法と、歩留率をどのように予算に反映

していくかは、製造予算作成においても疎かにできません。


また、実績の原価計算においても重要な論点であることに変わりわないので、

製造業の経理部の業務においても、副産物等の処理方法の理解は必須といえます。


この製造予算を作成する際は、副産物等の取扱い方法を定め、過去の事業年度の

歩減を考慮して、歩留や歩留率の予算を設定する必要があります。


歩留や歩留率が設定されていなければ、製品の生産計画を作成することが

できないので、製造予算を作成することもできません。


よって、副産物・仕損品・仕損費・歩減などの概念を正確に把握しておく

必要がありますので、これらについての解説をします。


・副産物

副産物とは、主産物である製品の製造プロセスにおいて付随して得られる

産物のことです。


副産物は、価値があるので、製品を作る為の材料が製品として実際に活用

されない歩減とは異なり、原価計算においては、主産物のコストから控除

されます。


この副産物の会計処理方法は、副産物の原価を、正味実現可能価額などを

用いて算定し、この原価は、主産物の総合原価から差し引かれることに

なります。


ちなみに、副産物の例としては、具体的には、次のようなものがあります。


副産物の具体例

①豆腐の製造で生じる、おから。
②石油精製で生じる、ナフサ・硫黄・コールタール 。
③清酒の製造で生じる、酒かす。


・仕損

仕損とは、自社の品質基準や規格に適合しなかった、失敗作品や不合格作品

として、形が残っている製品が発生したことです。


仕損によって発生した失敗作品のことを、仕損品と呼んでおり、仕損は、

副産物や減損とは全く異なるものです。


この仕損を処理する方法には、度外視法と非度外視法があります。


仕損によって発生した仕損品の評価は、正味売却価額を時価とすることが

原則です。


正味売却価額とは、売価(販売実績や契約の売価)から追加になるであろう

見積製造原価と見積販売直接経費を控除したものです。


・減損

減損とは、材料が、製品の製造過程において、様々な原因により、

形として残っておらず、消失してしまったことです。


減損してしまった費用のことを、減損費と呼んでおり、減損は、副産物や

仕損とは全く異なります。


この減損を処理する方法には、度外視法と非度外視法があります。


また、減損会計とは、企業が保有する土地や建物等の固定資産が、

資産の収益性低下により投資額の回収が見込めない状態の時に行なう会計処理

のことでなので、原価計算における減損とは全く異なります。


尚、原価計算において、投入数量合計と完成数量合計を比較し、完成数量合計

のほうが少ない場合は、減損や仕損が原因した、歩減が生じていることになり

ます。


・作業屑

作業屑とは、製品の製造過程において、材料を加工する際に発生する

材料の屑のことです。


作業屑は、売却をすることが出来たり、再利用のできる価値があるものです。


この作業屑の、原価計算における評価額の計算方法は、加工が不要な場合と、

加工が必要な場合で異なります。


更に、売却する場合と自家消費する場合で、評価額の計算方法が変わってきます。


加工が不要な場合の作業屑の評価額計算方法

①売却する場合・・・見積売却価額-見積販管費=作業屑の評価額

②自家消費する場合・・・見積購入価額=作業屑の評価額


加工が必要な場合の作業屑の評価額計算方法

①売却する場合・・・加工が不要の作業屑の評価額-見積加工費=作業屑の評価額

②自家消費する場合・・・見積購入価額-見積加工費=作業屑の評価額


・歩減

歩減とは、製品の製造過程における、投入数量合計と完成数量合計を比較し、

減損や仕損が原因で、完成数量合計のほうが少ない場合のことです。


歩減にならない、製品として完成したものが歩留であり、

歩減を減らすことで歩留率が向上します。


この歩減の原因には、減損や仕損があります。


・歩留

歩留とは、製品の製造過程において、減損や仕損により歩減していない、

完成数量のことです。


歩留は、歩減を減らすことで増やすことが可能であり、歩留の語源としては、

生産の取り分である、製品の留まり具合からきているようです。


この歩留は、一般的には、原材料の投入量に対する製品の割合として

使用されることが多いのですが、歩留を、原材料の投入量に対する

製品の割合として使用すると、歩留率と歩留の違いが、曖昧になりますので、

歩留は、完成品数量として用い、歩留率は、完成品数量の割合として

用いるほうが分かりやすいといえます。


・歩留率

歩留率とは、製品の製造過程において、減損や仕損により歩減していない、

原材料の投入量に対する製品の完成数量の割合のことです。


歩留率は、歩減を減らすことで向上させることが可能です。


この歩留率は、製品の製造過程における、失敗や欠陥が無い製品の比率の

ことなので、良品率と呼ぶこともでき、歩留率は、不良品率を下げることで

向上します。


歩留率の計算式

①歩留率=製品の完成数量÷投入数量
②歩留率=1 - 不良品率


・仕損品

仕損品とは、製品の製造過程において、自社の品質基準や規格に

適合しなかった、失敗作品や不合格作品のことです。


仕損品の評価は、正味売却価額を時価とすることが原則であり、仕損品は、

副産物や作業屑とは全く異なるものです。


この仕損品に評価は、正味売却価額を時価とすることが原則であり、

正味売却価額とは、売価(販売実績や契約の売価)から追加になるであろう

見積製造原価と見積販売直接経費を控除したものです。


仕損品の発生により生じた費用のことが仕損費です。


なお、仕損費の処理方法には、度外視法と非度外視法があります。


度外視法とは、仕損費を考慮せずに原価計算をする方法で、非度外視法とは、

仕損費を計算する原価計算の方法です。