予算管理制度


■予算管理制度とは

予算管理制度とは、経営問題と経営課題を解決し、企業のあるべき姿を実現する為の、

経営管理の仕組みです。


予算管理制度は、経営計画の利益計画と資金計画を策定し、それら予算と実績を分析

して、その分析結果に基づき戦略や活動の修正をするPDCAサイクルまでのシステム

全体のことです。


この予算管理制度は、大きく次の3つのプロセスに分類することができます。


①予算編成のプロセス
②予算統制のプロセス
③戦略や活動の修正のプロセス


予算管理制度の中の予算編成のプロセスとは、単年度経営計画や中期経営計画

を策定するプロセスであり、これらの計画は、予算管理のスタートライン

となるプロセスで、予算編成は、予算編成方針の作成が出発点です。


次に、予算管理制度の中の予算統制のプロセスとは、単年度経営計画や

中期経営計画の定量目標である予算と実績を比較分析するプロセスであり、

企業のあるべき姿である予算と実績を比較することで問題が顕在化します。


尚、予算統制のプロセスが、予算実績管理であり、一般的に、予実管理や

予実と呼ばれています。


ちなみに、ギャップをタイムリーに特定し、直ちにその課題に対する対策

を実施できるのが優れた企業の条件ですが、一般的な企業で作成されている

予算の内容と予算実績管理の方法では、予算と実績のギャップを埋めること

は難しいでしょう。


最後に、予算管理制度の中の戦略や活動の修正のプロセスとは、

予算統制のプロセスにて、顕在化した問題を解決する為の課題に対処する

為に、当初の戦略や活動を修正するプロセスです。


このプロセスを実行することで、当初計画とのマイナス乖離を最小限に

留めたり、当初計画を達成することが可能となり、このプロセスこそが

予算管理制度構築の最大の目的といえます。


よって、予算管理制度は、予算編成のプロセス、予算統制のプロセス、

戦略や活動の修正のプロセスまでがシステムとして確立してこそ、

企業にとって有効な制度となりえますので、予算を作成するだけで

終わっていたり、予算統制をするだけで終わっていては、全く意味が

ありません。


■予算管理制度と株式公開準備

予算管理制度は、株式上場審査において大きなウェイトを持っています。


予算管理制度の構築は、組織に経営企画部が存在しない場合は、経理の仕事です。


その理由としては、予算管理制度が確立していなければ、ディスクロージャー

の重要な要素である、株主などの外部の第三者に対して、業績予想などの

経営状況を客観的に開示することができないからであり、予算管理制度の整備

は、上場を目指す企業には、最も重要な株式公開準備の業務といえます。


■予算管理制度と月次決算

単年度経営計画の定量計画である予算が有効に機能する為には、

月次決算が重要になってきますが、この月次決算には、特に迅速性が

求められますので、翌月の5営業日以内に月次決算を作成する仕組みを

確立する必要があります。


また、経営企画の仕事である予算を作成する際に、セグメント別に細かく作成

していれば、月次決算においても同じレベルで作成して、予算実績管理をする

必要があります。


■予算管理制度と中期経営計画

単年度経営計画の定量目標である予算については、予算実績管理を

している企業は多いのですが、中期経営計画の定量目標である予算

については、予算実績管理をしている企業は少ないようです。


単年度経営計画は、中長期経営計画に沿って、作成するものなので、

中期経営計画の予算実績管理は、単年度予算の予算実績管理より、

より重要といえます。


■予算管理制度と経営企画室

会社の組織内に、経営企画室が存在する場合は、予算管理の仕組み構築は、

経営企画室が中心になってシステムを確立すべきですが、会社の組織内に、

経営企画室が存在しない場合は、経理部などが中心となり予算管理制度を

確立すべきです。


予算編成業務の問題と課題を解決する役割も、経営企画室の役割といえます。


■予算管理制度の限界と進化

大半の企業では、月次決算が纏まり、予算実績管理表などの資料が完成

してから、経営会議が開催され、予算と実績の差異について検討されています。


そして、経営会議の中で、予算に対する未達の原因がはっきりしない場合は、

次の経営会議までに、その原因を調査して報告をするということになる

ケースが多いと思います。


しかし、そのようなことでは、予算に対する未達の原因である課題が解決

されるどころか、課題が山積みになっていくばかりで、予算を達成すること

などは到底不可能で、一般的な予算実績管理手法の限界といえます。


また、経営会議の中で、未達の原因が分からないなどは論外で、

そのような状態を放置していることが、会社を傾かせる原因の一つ

となるのです。


このように、一般的な企業で行われている予算実績管理の方法を進化

させなければ、経営課題を適時に把握して解決することは不可能なので、

経営の見える化が必要となるのです。


予算編成の方法や事業計画に必須の財務計画作成スキルを身に付けたい方には、

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