売掛金管理の基本


経理の仕事でも、企業規模によって個人が担当する業務範囲は

大きく異なります。


比較的小規模な企業では、全ての経理業務を1人で担当することになりますが、

大企業になると、売掛金や買掛金などのある一つの勘定科目だけを担当

したりします。


更に、大企業では、経理の役割が、財務会計だけに限定されていると、

売掛金の管理に関しても、財務会計上で求められる売掛金の管理業務

だけが担当になるのです。


そうすると、大企業の経理部で働いている売掛金担当の方は、

本来の売掛金管理業務のごく一部だけを担当していることになります。


売掛金管理というと、一見するとたいした仕事の様に見えないと思われる方

もいるかと思いますが、会社にとっては、非常に重要な業務なのです。


では、なぜ売掛金の管理業務が、企業にとって非常に重要な業務

といえるのでしょうか?


このような質問を大企業の経理部で売掛金担当の方にすると、

「正確な取引先別の売掛金残高を外部に開示する必要があるからです」

と返答される方が多い傾向にあります。


確かに、大企業の経理部で売掛金担当の方の立場からすると、

適切な返答であることは間違いないのですが、売掛金管理業務のあるべき姿

や売掛金管理業務の本来の目的からすると、ものたりない返答なのです。


それでは、売掛金管理業務のあるべき姿や売掛金管理業務の本来の目的とは、

一体どのようなものでしょうか。


それは、形式的な取引先別の売掛金残高だけを把握することだけでは

ないことは、間違いありません。


そのような形式的なことよりも、会社にとって、もっと重要で会社の経営

を左右しかねないことがあります。


売掛金管理業務のあるべき姿や売掛金管理業務の本来の目的とは、

会社のキャッシュフロー管理に活用することです。


企業がキャッシュフロー管理をするに当たって重要なことは、

計画ベースの資金計画の諸々の前提条件と実際の入出金状況に乖離

があるかどうかを把握することなのです。


例えば、実際の入出金状況が、計画ベースの資金計画の諸々の前提条件

とほとんど乖離していなければ、想定通りの資金繰りの状況といえるので

問題はありません。


しかし、計画のある一部分と実績のある一部分に乖離が発生している場合は、

その乖離をしている部分が、企業の資金繰りの見通しに影響を与える

ことになるのです。


そのような計画と実績に乖離がある部分が、至るところで確認されてきた

場合は、どうなるのでしょうか?


当然、そのような状況が発生すると、企業によっては、資金ショートにも

繋がりかねない事態に陥りますので、だからこそ、当初に計画をしておいた、

資金計画の諸々の前提条件と乖離している項目がないかについて、

目を光らせる必要があるのです。


キャッシュフロー管理をする場合に、最も不確定要素がある項目については、

最大限の注意を払っておかなければ、キャッシュフローの管理をしている

ことにはなりません。


そのキャッシュフロー管理をする場合に、最も不確定要素がある項目こそが、

売掛金なのです。


売掛金は、取引先であるクライアントが、自社に対して支払をしてこなければ、

売掛金が入金になることはありませんので、自社で完全に入金の時期を

コントロールすることはできないのです。


資金繰りが厳しいクライアントは、取引当初に決めておいた支払期日までに

支払をしないことなど珍しいことではありません。


しかし、そのような支払が遅れるクライアントが多数あると、当然、

当初の資金繰りの見通しが狂ってくるので、特に、キャッシュフローの管理に

おいては、売掛金の回収状況を注視する必要があるわけです。


だからこそ、企業では、売掛金の回収状況を把握する為に、売掛金年齢表

などの管理手法を用いて、売掛金管理業務が遂行されているのです。


このように、売掛金管理の基本とは、キャッシュフロー管理をするめために、

計画ベースの売掛金回収サイトと実績ベースの売掛金回収サイトをチェック

することであるといえます。