特別用途地区


■特別用途地区


特別用途地区とは、用途地域の制度を補完する為に地域の特性に応じて、

特定用途の利用を促進したり、環境保護の実現を図ったりするために建築規制の

強化又は緩和がされた地域のことです。


特別用途地区の規制内容は、地方公共団体の条例で定めることになっています。


この特別用途地区に関する規制緩和をする為には、地方公共団体が国土交通省の承認

を得て、条例により建築基準法の規定制限を緩和することになります。


また、特別用途地区は、1998年に都市計画法が改正される前は、下記の11種類に限定

されていましたが、現在では、地方公共団体の判断によりさまざまな特別用途地区が

設置することができるようになりました。


都市計画法改正前の特別用途地区の種類

・文教地区
・厚生地区
・特別工業地区
・特別業務地区
・中高層階住居専用地区
・商業専用地区
・小売店舗地区
・娯楽・レクリエーション地区
・観光地区
・事務所地区
・研究開発地区


特別用途地区のその他の地域地区の種類としては下記の通りです。


特別用途地区のその他の地域地区の種類

・防火地域
・準防火地域
・高度地区
・高度利用地区
・特定街区
・景観地区
・風致地区
・災害危険区域
・地区計画区域
・特例容積率適用地区
・特定用途制限地域
・高層住居誘導地区
・駐車場整備地区
・都市再生特別地区
・特定防災街区整備地区


尚、商売をはじめる際は、どんな不動産でも、全ての商売ができるわけでは

ありませんので、用途地域や特別用途地区などを調査したうえで、営業所や

店舗の選定をする必要があります。


企業における、工場等の建設予定地に関する調査業務は、総務部の役割です。


■都市計画法改正前の特別用途地区の種類

・文教地区

文教地区とは、学校や図書館などの教育や文化活動が行われる文教施設が

多く集まる都市計画法において定められている特別用途地区の1つです。


文教地区では、風営法の適用をうける施設、ホテル、映画館などの建築物は

建てられません。


この文教地区は、良好な生活環境が保たれている地域なので、

ファミリー層を中心に人気の高い地域であり、東京23区内の文教地区としては、

東京大学を抱え高級住宅街でもある文京区が有名です。


・厚生地区

厚生地区とは、病院や介護施設などの医療施設や社会福祉施設などの厚生施設の

周辺環境を守る為に都市計画法において定められている特別用途地区の1つです。


厚生地区では、条例による制限や規制により建築することができない建築物があります。


この厚生地区は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制の内容は

各市区町村の条例で定められています。


・特別工業地区

特別工業地区とは、製造業の利便性の増進を図るために一戸建てやマンション等の

共同住宅の建築を規制した都市計画法において定められている特別用途地区の1つです。


特別工業地区は、工業の発展と住環境の保護を実現する為の地区といえます。


この特別工業地区は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制の内容は

各市区町村の条例で定められています。


・特別業務地区

特別業務地区とは、流通関連施設の物流拠点(物流インフラ)となる倉庫や

トラックターミナルなどが集積する都市計画法において定められている

特別用途地区の1つです。


特別業務地区は、流通業務機能が集積した地区といえます。


この特別業務地区は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制の内容は

各市区町村の条例で定められています。


・中高層階住居専用地区

中高層階住居専用地区とは、都心部やその周辺部などの建物を一定の高さまでを

商業施設や事務所等しそれより上の高さを住居専用とする立体用途規制をしている

都市計画法において定められている特別用途地区の1つです。


この中高層階住居専用地区は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制

の内容は各市区町村の条例で定められています。


・商業専用地区

商業専用地区とは、店舗や事務所の利便性が向上するように店舗や事務所を

低層階とする規制をしている都市計画法において定められている特別用途地区

の1つです。


商業専用地区では、住宅や工場などの建物を建築することを制限しています。


この商業専用地区は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制

の内容は各市区町村の条例で定められています。


・小売店舗地区

小売店舗地区とは、生活していくために必要な物である日用品の小売店舗が並ぶ

商店街に、一定規模以上の店舗などの建築を規制をしている都市計画法において

定められている特別用途地区の1つです。


小売店舗地区が対象としている日用品の小売店舗とは、食料や衣料品を除く、

文房具やキッチン用品などの生活雑貨です。


この小売店舗地区は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制の内容は

各市区町村の条例で定められています。


・娯楽・レクリエーション地区

娯楽・レクリエーション地区とは、娯楽やスポーツ関連の施設を集積する為に

娯楽やスポーツ関連の施設の発展を阻害する建築を規制をしている都市計画法において

定められている特別用途地区の1つです。


娯楽・レクリエーション地区では、住宅の建築が規制されている場合があります。


この娯楽・レクリエーション地区は、各市区町村が指定した地区であり、

この地区の建築規制の内容は各市区町村の条例で定められています。


・観光地区

観光地区とは、温泉地や景勝地周辺にホテルや旅館が集積するように

建築を規制している都市計画法において定められている特別用途地区の1つです。


観光地区は、観光資源を保全する為に指定された地域です。


この観光地区は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制の内容は

各市区町村の条例で定められています。


・事務所地区

事務所地区とは、企業の本社などの事務所や国や地方公共団体などの

行政機関が集積するように建築を規制している都市計画法において定められている

特別用途地区の1つです。


事務所地区は、中枢管理機能の集積を目的とした地域です。


この事務所地区は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制の内容は

各市区町村の条例で定められています。


・研究開発地区

研究開発地区とは、国・地方公共団体・特殊法人などの研究機関や

企業の研究施設などが集積するように建築を規制している都市計画法に

おいて定められている特別用途地区の1つです。


研究開発地区では、大規模な娯楽・レクリエーション施設などの建築が規制されており、

代表的な研究開発地区としてしは、筑波研究学園都市があります。


この研究開発地区は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制の内容は

各市区町村の条例で定められています。


■特別用途地区のその他の地域地区の種類

・防火地域

防火地域とは、市街地を火災の危険から守る為に建物の構造に制限が定められた

都市計画法に基づいた特別用途地区の一つです。


防火地域では、3階建て以上の建物か、延床面積が100㎡を超える建物は

鉄筋コンクリート造り耐火建築物とし、それ以外の建物も、耐火建築物か

準耐火建築物とする規制があります。


建築基準法における、耐火建築物とは、屋内にて火災が発生した場合の火熱に

建築設備が、火災が終了するまで建築物の倒壊や延焼を防止する耐火構造で

あることです。


この防火地域は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制の内容は

各市区町村の条例で定められています。


・準防火地域

準防火地域とは、市街地を火災の危険から守る為に建物の構造に制限が定められた

都市計画法に基づいた特別用途地区の一つです。


準防火地域では、建物の構造によっては、木造建築の建物も建築することは可能です。


また、準防火地域では、4階建以上延床面積1500㎡を超える建物は耐火建築物と

する必要があります。


延床面積500㎡をこえ1500㎡以下の建物は耐火建築物か準耐火建築物としなけけば

ならず、3階建延床面積500㎡以下の建物は耐火建築物か準耐火建築物又は防火上必要

な技術的基準に適合する必要があり、2階建以下延床面積500㎡以下の建物は、基本的

に木造モルタル造りが可能です。


準防火地域は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制の内容は

各市区町村の条例で定められています。


・高度地区

高度地区とは、市街地の環境を維持し土地を効率的に利用する為に、

建築物の高さ制限が定められた都市計画法に基づいた特別用途地区の一つです。


高度地区では、建築物の高さについて、最高限度と最低限度を定めている

場合があります。


高度地区は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制の内容は

各市区町村の条例で定められています。


・高度利用地区

高度利用地区とは、市街地において土地を効率的に利用する為に高度利用を

する為の規制が定められた都市計画法に基づいた特別用途地区の一つです。


高度利用地区では、 建築面積の狭小な鉛筆ビルやペンシルビルと呼ばれる

形状の建物を建築することも規制されています。


この高度利用地区では、下記の項目について規制が定められています。


高度利用地区の規制

①容積率の最高限度と最低限度
②建ぺい率の最高限度
③建築面積の最低限度
④壁面の位置の制限


高度利用地区は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制の内容は

各市区町村の条例で定められています。


・特定街区

特定街区とは、都心などの市街地を再開発する際に街区を単位として

特別の容積率・建ぺい率・高さ制限等の規制が定められた都市計画法に基づいた

特別用途地区の一つです。


特定街区は、都市機能をリニューアルしたり、歴史的建築物の保存、

魅力的な都市空間を創造して、その環境を保護することを目的としています。


また、東京都の特定街区の事例としては下記の様な事例があります。


東京都の特定街区の事例

・西新宿の超高層ビル街
・池袋サンシャイン60
・世界貿易センタービル
・霞ケ関3丁目霞が関ビル
・紀尾井町ホテルニューオータニ
・有楽町一丁目第一生命・農林中央金庫共同ビル
・明石町聖路加国際病院
・三井本館・日本橋三井タワー
・新丸ビル
・COREDO日本橋


特定街区は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制の内容は

各市区町村の条例で定められています。


・景観地区

景観地区とは、市街地の良好な景観や伝統的な町並みを保護することを

目的として建築物の形態意匠や建築物の高さ等の規制が定められた都市計画法に

基づいた特別用途地区の一つです。


代表的な景観地区としては、歴史的な街並みや伝統的な建築物等が多い

趣のある町並みのある京都や倉敷などがあります。


景観地区は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制の内容は

各市区町村の条例で定められています。


・風致地区

風致地区とは、樹林地や水辺地などで形成されている自然景観を維持保全して、

都市と自然が調和した自然が豊かなまちづくりをする為の規制が定められた

都市計画法に基づいた特別用途地区の一つです。


風致地区では、建築物等の色彩を変更したり、木竹の伐採や土石の類の採取

などをするにも許可が必要です。


風致地区は、10ha以上は都道府県か政令指定都市が指定し、

10ha未満の場合は市町村が指定できることになっており、

この地区の建築規制の内容は各自治体の条例で定められています。


・災害危険区域

災害危険区域とは、津波、高潮、出水、土石流・地すべり・がけ崩れ等の土砂災害

などによる自然災害により被災のおそれがある地域を危険区域に指定した都市計画法

に基づいた特別用途地区の一つです。


災害危険区域の建築制限としては、基本的に、一戸建て、マンション、

老人ホームなどの住居系建築物の建築が禁止されています。


災害危険区域は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制の内容は

各市区町村の条例で定められています。


・地区計画区域

地区計画区域とは、安全で快適な住みやすい街をつくる目的でまちづくりの方針を定め

まちづくりの整備計画がたてられている都市計画法に基づいた特別用途地区の一つです。


地区計画区域内では、建物を新たに建築したり、建物の用途変更をする場合などには、

建物工事着手の一定期間前までに届出を提出する必要があります。


地区計画区域は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制の内容は

各市区町村の条例で定められています。


特例容積率適用地区

特例容積率適用地区とは、商業地域などの特定の地域に限定して、土地を有効活用し

高度利用を図るために特別の容積率を適用した都市計画法に基づいた特別用途地区の

一つです。


特例容積率適用地区では、利用されていない建築物の容積率を隣接する敷地など

に移転させて活用することができます。


特例容積率適用地区は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制

の内容は各市区町村の条例で定められています。


・高層住居誘導地区

高層住居誘導地区とは、利便性の高い都心エリアで土地を有効活用し居住スペースを

確保できる高層住宅の建設を促進する為の建築制限を緩和した都市計画法に基づいた

特別用途地区の一つです。


高層住居誘導地区では、日影規制の適用が除外されていたり、

斜線制限が緩和される措置が取られています。


高層住居誘導地区は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制の

内容は各市区町村の条例で定められています。


・駐車場整備地区

駐車場整備地区とは、自動車の利用が多い影響で混雑している商業地域や

近隣商業地域において道路交通の円滑化を目的として駐車施設の整備を

促進する条例が定められた都市計画法に基づいた特別用途地区の一つです。


駐車場整備地区では、一定要件を満たした建築物を新築や増改築したり

用途変更をする場合は、駐車場の設置義務があります。


駐車場整備地区は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制の

内容は各市区町村の条例で定められています。


・都市再生特別地区

都市再生特別地区とは、都市再生計画方針に沿った都市整備を迅速に行い

土地を有効活用し、高度利用を可能とする為に、用途、容積率などの規制を

適用除外とした都市計画法に基づいた特別用途地区の一つです。


都市再生特別地区では、民間企業が参入しやすい開発環境を整えた自由度の

高い都市計画を実現できる地区です。


都市再生特別地区は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制の

内容は各市区町村の条例で定められています。


・特定防災街区整備地区

特定防災街区整備地区とは、 防火地域や準防火地域に指定されている市街地に

おいて地震や火災等の災害に備える特定防災機能を確保した都市計画法に基づいた

特別用途地区の一つです。


特定防災街区整備地区では、敷地面積の最低限度、建物の高さの最低限度、

壁面の位置などが規制されています。


特定防災街区整備地区は、各市区町村が指定した地区であり、この地区の建築規制

の内容は各市区町村の条例で定められています。