定款


■定款とは

定款とは、会社法にて会社を設立する際に作成が義務付けられている、

会社の憲法ともいえる基本的なルールを定めたものです。


また、定款作成後、発起人全員により定款に署名・捺印し、公証人の認証を

受けることが義務付けられており、定款は、公証人の認証後、効力を発揮します。


定款を文書で作成する際は、4万円の収入印紙を定款に貼る必要がありますが、

定款を書面ではなく電子文書で作成した場合は収入印紙を貼る義務はありません。


この定款を変更するためには、株主総会の特別決議が必要になり、

企業が定款に沿い自主的に運営することを定款自治といいます。


企業は、定款に記載された以外の事業の営業活動を行うことはできない為、

定款に記載の無い新規事業を立ち上げる際は、定款の事業目的を追加する

必要があります。


企業で定款の管理をするのは、総務部の役割です。


尚、定款の内容は会社法で定められており、その内容は絶対的記載事項、

相対的記載事項、任意的記載事項に分類することができます。


ちなみに、定款の主な絶対的記載事項には下記の項目があります

①商号
②目的
③資本の総額
④出資一口の金額
⑤本店所在地
⑥公告の方法


■会社法とは


会社法とは、従来の商法や有限会社法等の会社関連法規が統合され

内容も改正されて制定された法律です。


会社法は中小企業の為に内容が改正された点が多く、改正されたことにより、

中小企業の経営の選択肢は広がっています。


会社法では、会社設立の際は、定款の作成後、発起人全員により定款に署名・捺印し、

公証人の認証を受けることが義務付けられています。


この会社法の改正点の大きなポイントの一つとして、最低資本金制度の

撤廃がありますが、最低資本金制度とは、従来の商法等では、株式会社の

最低資本金は1000万円、有限会社の最低資本金は300万円でした。


会社法の最低資本金制度が撤廃されて、特例制度によらなくとも

資本金1円からの会社設立が可能となり起業をすることが容易になっています。


また、会社法が改正されて、取締役が1人しかいない株式会社も認められる

ようになり、従来の様に取締役の人数を満たすだけの為に、名義だけの取締役を

会社におく必要がなくなりました。


中小企業の実務面でプラスになる会社法の改正ポイントとしては、

以前は取締役の任期は最長2年だったのが、取締役の任期を最大10年まで

延長することが出来るようになったことです。


取締役が変わらないケースが圧倒的に多い中小企業でも、今までは取締役が

変わらなくても最低2年に一回は登記をする必要がありました。


しかし、会社法改正のおかげで、定款で取締役の任期の期間を延長出来るよう

になったので、中小企業でも無駄な登記の手間と登記費用を削減することが、

可能となりました。


なお、会社法における会社の規模は、大会社か、それ以外の非大会社

(以前の中会社・小会社)として定義されています。


各会社の説明は下記の通りです。


大会社とは、会社法においては、資本金が5億円以上か、負債が200億円以上と

定義されています。


大会社は、公認会計士や監査法人の監査も要求されることになります。


大会社は、取締役会を設置し、3人以上の監査役を選任して、監査役の半数以上は

社外監査役とする必要があります。


尚、大会社が公開会社の場合で、委員会設置会社でなければ、監査役会を設置する

義務があります。


中会社とは、会社法施行前の商法により定義されていた、大会社や小会社以外の

株式会社のことです。


現在の会社法では、大会社とそれ以外の会社という定義があるだけなので、

中会社という定義は会社法にはありません。


この中会社という定義は、会社法施行前の商法にて、資本金が1億円超5億円未満で、

負債総額が200億円未満と定義されていました。


小会社とは、会社法施行前の商法により定義されていた、大会社や中会社以外の

株式会社のことです。


現在の会社法では、大会社とそれ以外の会社という定義があるだけなので、

小会社という定義は会社法にはありません。


この小会社という定義は、会社法施行前の商法にて、資本金が1億円以下で、

負債総額が200億円未満と定義されていました。


■定款で定める機関

・取締役

取締役とは、株主から会社の経営を委任された人のことです。


取締役は、株主総会で選任され、任期は選任後2年以内の最終事業年度の終了後の

定時株主総会の終結までです。


取締役が違法行為を行い、株主に損害を与えた場合は、株主代表訴訟を起こされる

ケースがあります。


取締役の職務内容は、意思決定、業務執行、監視・監督に分類できます。


取締役の種類としては、法的に会社を代表する代表取締役や、社長、副社長、専務、

常務などの役付取締役、独立性が高い社外取締役などがあります。


また、執行役員は、取締役ではありません。


この取締役と会社の関係は委任契約なので、会社と取締役はこの委任関係を何時

でも解消する権利がある為、取締役は従業員と異なり労働基準法などの法律で

身分が守られているわけではありません。


また、取締役には、善管注意義務と忠実義務という義務があります。


取締役へ就任される方は、新任取締役として相応しいスキルありますかの

頁を御覧ください。


また、取締役は一般的に役員と呼ばれることが多いのですが、会社法の役員とは、

取締役、監査役、会計参与のことです。


取締役は、取締役会非設置会社では会社に1名以上必要で、取締役会設置会社では

3名以上必要となります。


取締役の任期は、非公開会社に限り、定款を変更することにより、最長10年の任期と

することができます。


・代表取締役

代表取締役とは、意思決定機関である取締役会の決議に基づき専任された単独で

会社を代表し業務執行をなす機関とされている取締役のことです。


代表取締役は、1人だけではなく、2人以上選任することも可能です。


また、社長と代表取締役と代表取締役社長の違いですが、社長は会社の職責名で

社内のトップ、代表取締役は対外的な代表権を持つ取締役であり、代表取締役社長は

対外的な代表権を持つ取締役であり社内でのトップということです。


・役付取締役

役付取締役とは、社内での指揮命令系統を明確にし序列を示す肩書を付与された

取締役のことです。


法律上は、役付取締役は、代表取締役のような法的な権限があるわけではありません。


一般的な、役付取締役の名称としては、会長・副会長・社長・副社長・専務・

常務などがあり、これらの役付取締役の名称は、定款に名称を定めていることが

一般的です。


・社外取締役

社外取締役とは、過去から現在まで、当該会社又はその子会社の

取締役や従業員でなかった取締役のことです。


社外取締役の方的内容は旧商法における定義が引き継がれており、

社外取締役は、取締役会(役会)の監督機能強化には必要不可欠です。


この社外取締役は、コーポレートガバナンス(企業統治)の強化には欠かせませんので、

将来的には、会社法が改正されて、外部の視点から企業経営をチェックする

社外取締役の設置義務づけが実現することは間違いないでしょう。


社外取締役の役割として期待されていることとしては、近年企業の不祥事として多い

不正会計や暴力団との取引に関する不正を監視することなどがあります。


しかし、これらの不正のチェックは、社外監査役の役割なので、社外取締役に不正を

監視することを期待することは本来の社外取締役の役割に反しているといえます。


社外取締役の本来の役割とは、企業業績の向上に貢献することにつきるといえます。


社外取締役の理論と実務経験に基づいた深い知見を利用することで、これまで社内で

顕在化しなかったことが明らかとなり、大胆な社内改革が可能となるはずです。


この社外取締役は、取締役会の監督機能強化を目的としているので、

代表取締役などと過去又は現在において直接の利害関係がない独立した

有識者や経営者などから選任しなければ、社外取締役の意味がありません。


また、社外取締役には、会社に対する賠償責任の緩和措置があります。


その賠償責任の緩和措置とは、社外取締役が善意で重過失がない場合は、

責任限定契約を結ぶことにより責任を制限できることです。


賠償責任の緩和措置は、株主代表訴訟に備えるもので、定款に定めた額の範囲内で

あらかじめ定めた額と、会社法の責任限度額のどちらか高い方を限度とします。


会社法では、社外取締役の賠償責任限度額は、株主総会の特別決議が得られれば、

報酬等の2年分となっています。


また、社外取締役は、経営のご意見番としての機能や会社の違法行為や

代表取締役等の暴走をくい止める監視機能も期待されています。


社外取締役にふさわしい条件としては、現在の経営陣にはない知識や異業種での

経験等がある方が望ましく、会社の監視機能という点からは、高い倫理感が備わった

人が社外取締役としては、理想的な人物でしょう。


・特別取締役

特別取締役とは、取締役会の決議事項である重要財産の処分及び譲り受けと

多額の借財についての決議権限を持つ取締役のことです。


この特別取締役を選定する為には、取締役の数が6人以上で、取締役のうち1人以上

が社外取締役であることが条件となっており、特別取締役3名以上の過半数の賛成で、

重要財産の処分及び譲り受けと多額の借財についての決議をすることができます。


・取締役会

取締役会とは、経営者である取締役により構成された株式会社のうち

取締役会設置会社における会社の業務意思決定機関のことです。


取締役会の決議事項としては、株主総会の招集、代表取締役の選定と解職、

役付取締役の選定と解職、自己株式の消却、株式の無償割当等があります。


取締役会は、役会と略して呼ばれることもあります。


この取締役会は、基本的に、各取締役が招集することができますが、

取締役会を招集する取締役を定款や取締役会で定めているときは、

その取締役が取締役会を招集することができます。


取締役会の定足数は、原則、議決に加わることができる取締役の過半数です。


取締役会を招集する時は会社法368条で規定されている様に、原則、取締役会の開催日

の1週間前までに取締役と監査役に、日時と場所を定めて取締役会招集通知をする

必要があります。


取締役会の招集手続きを省略するには、定款や取締役会規程で、定例の取締役会開催

日時と場所を定めて置く必要があります。


ちなみに、取締役会の決議で、特別取締役を選任することができます。


取締役会開催頻度は、取締役会設置会社の場合は、取締役会を最低3カ月に1度は開催し、

取締役会議事録を作成する必要がありますので、取締役会開催頻度を、半年に一度と

いうことはできません。


会社法370条には、取締役会を開催せずに決議を省略できる、取締役会の書面決議が

規定されており、取締役会の書面決議ができる要件としては、定款に定めがあり、

全取締役が同意の意思表示を示し、監査役が異議を述べない、3つの要件を満たす

必要があります。


取締役会の目的には、重要事項を決議するだけでなく、取締役の職務の執行状況の

報告も目的の1つです。


会社法362条に規定されている取締役会の決議事項一覧は下記の通りです。


取締役会の決議事項

・取締役会設置会社の業務執行の決定
・取締役の職務の執行の監督
・代表取締役の選定及び解職
・重要な財産の処分及び譲受け
・多額の借財
・支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
・支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
・会社法675条に掲げる事項とその他の社債を引き受ける者の募集に関する
重要な事項として法務省令で定める事項
・取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
その他株式会社の業務の適正を
 確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
・会社法426条の規定による定款の定めに基づく第423条の責任の免除
・その他重要な業務執行の決定

また、主な取締役会の決議事項例としては下記の通りです。


主な取締役会の決議事項例

・株主総会の招集・日時・場所・議題・議案等の決定
・取締役と使用人人事に関する事項の決定
・代表取締役の選定と解職の決定
・役付取締役の選定と解職の決定
・特別取締役の選定と解職の決定
・常務会の設置および改廃の決定
・取締役会規定の制定と改正の決定
・譲渡制限付き株式の承認、譲渡の相手方の指定の決定
・定款授権による市場取引等による自己株式の取得の決定
・子会社からの自己株式の取得の決定
・自己株式消却の決定
・株式の無償割当等の決定
・募集株式の募集事項の決定
・新株予約権の発行に関する事項の決定
・社債の募集事項の決定
・剰余金の配当の決定
・計算書類・事業報告書・附属明細書の承認
・事業譲渡・事業譲受・合併契約等の決定 


取締役会の設置は株式公開企業では義務化されていますが、非上場会社では、

取締役会の設置は任意となっています。


取締役会を設置する場合は、取締役が最低3人は必要で、取締役会を設置しない場合は、

株主総会の権限が強化され、株主総会での決議事項が増えることになります。


また、株式譲渡制限がついた会社において、取締役会を設置する場合と取締役会を

設置しない場合の取締役会設置会社の場合の機関設計としては下記の通りです。


取締役会を設置する場合の機関設計

・取締役会・会計参与・株主総会

・取締役会・監査役又は監査役会・株主総会

・取締役会・会計参与・監査役又は監査役会・株主総会


取締役会を設置しない場合の機関設計

・取締役・株主総会

・取締役・監査役・株主総会

・取締役・会計参与・株主総会


・取締役会設置会社

取締役会設置会社とは、会社法施行以前の株式会社とほぼ同一の機関設計です。


取締役会設置会社は、一定の例外(閉鎖会社で会計参与を設置の時)を除き、

必ず監査役を設置する義務があります。


また、上場会社は全て取締役会設置会社とする義務があり、

非上場会社は会社の任意で取締役会設置会社とすることが出来ます。


取締役会設置会社の場合は、取締役の人数は3名以上必要になる為、

小規模な企業は無理に取締役会設置会社にする必要はありません。


設置義務がない非上場会社の場合は、定款変更をすることにより、

取締役会設置会社にすることが出来ます。


また、取締役会設置会社は、取締役会(役会)が重要な事項の決議権限を持つこととなり、

株主総会での決議事項は、会社法に関する事項と、定款に定めた事項に限定されます。


取締役会非設置会社の場合は、株主総会は、会社法に関する事項と株式会社の組織等、

その他株式会社に関する一切の事項について決議することになり、

会社の機動的な経営判断を妨げてしまいます。


ゆえに、取締役会設置会社は取締役会非設置会社と異なり、取締役会から執行役会に

業務執行権限を大幅に委譲することで意思決定を迅速化し、業務執行の機動性を高め

ることが出来ます。


取締役会設置会社の場合は、取締役の人数は3名以上必要で、

監査役の人数は1名以上必要になります。


なお、取締役会設置会社のメリットとデメリット、非取締役会設置会社のメリット

とデメリットは、下記の通りです。


取締役会設置会社のメリット

①取締役会の権限が強くなること
②所有と経営の分離の表れと評価され、社会的信用が増すこと。
③経営の効率化が実現できること。
④年1回に限り取締役会の決議で、剰余金の配当を行うことが可能なこと。
⑤自己株式の消却に関する事項を取締役会が決定することができること。
⑥株式無償割当てに関する事項を取締役会が決定することができること。
⑦新株予約権無償割当てに関する事項を取締役会が決定することができること。


取締役会設置会社のデメリット
①取締役の員数は、3名以上必要であること。
②代表取締役を選定する必要があること。
③監査役か会計参与が最低1名必要であること。
④株主総会の招集通知の手段が書面又は電磁的方法に制限されていること。


非取締役会設置会社のメリット
①取締役の員数が、1名でもよいこと。
②監査役の設置が任意であること。
③代表取締役の選定が任意であること。
④定時株主総会の招集通知に計算書類と監査報告書の添付が必要でないこと。
⑤株主総会の招集通知の期間を1週間以内にすることができること。
⑥株主総会の招集通知の手段に制限がなく、口頭でも可書なこと。


非取締役会設置会社のデメリット
①所有と経営が分離しておらず、社会的信用にやや欠けること。
②最低1株所有する株主は、株主提案権の行使が可能であること。
③将来、IPOをする場合は、取締役会を設置しなければならないこと。
④取締役会を再設置する場合は、登録免許税等のコストが発生すること。
⑤経営の効率化が実現できないこと。


・監査役

監査役とは、株主から会社の経営をチェックする委任を受けた人のことです。


監査役は、株主総会で選任され、任期は選任後4年以内の最終事業年度の

終了後の定時株主総会の終結までとなっています。


監査役の職務内容は、取締役の職務執行の業務監査と会社の会計監査です。


また、監査役が違法行為を行い、株主に損害を与えた場合は、株主代表訴訟を

起こされるケースがあります。


この監査役は、株主の代わりに取締役が会社の利益を損なうことがないように

監視監督し監査報告をし、必要に応じて取締役や従業員に対して、事業の

状況報告を求めることが出来る権利がある人なのです。


監査役設置会社の監査役は、業務及び財産の現状調査をすることが

できるため、不正を発見できる可能性があります。


また、取締役が不正や会社に不利益な行為をしたか、又は、する恐れがある場合は、

その旨を取締役会に報告する義務があります。


さらに、監査役は取締役会への出席義務があり、必要に応じて

取締役会で意見を述べなければなりません。


会社法が改正される以前は、資本金1億円を基準として、資本金1億円以下の企業

の監査役は会計監査権限のみで、資本金1億円以上の企業の監査役は会計監査と

業務監査の両方の監査権限がありました。


会社法施行後は、監査役の設置は一定条件のもとで会社の自由とし、資本金による

監査権限の区分をなくし、原則として全ての監査役は業務監査権限を有すること

になりました。


監査役会設置会社及び会計監査人設置会社でない非上場会社は、

監査役の監査範囲を会計監査に限定する旨を定款で定めることができます。


なお、監査役は、取締役会非設置会社では会社に1人も必要ではありません。


取締役会設置会社では1名以上必要となり、監査役の任期は、非公開会社に限り、

定款を変更することにより、最長10年の任期とすることができます。


・常勤監査役

常勤監査役とは、基本的に、他に常勤の仕事をせず、会社の営業時間中に監査役

として常に職務に専念できる状態にある監査役のことです。


・非常勤監査役

非常勤監査役とは、会社の営業時間中に、監査役として常に職務に専念して

いない監査役のことです。


・社外監査役

社外監査役とは、過去から現在まで、当該会社又はその子会社の取締役や

従業員でなかった監査役のことです。


社外監査役は、コーポレートガバナンスには欠かせません。


・監査役会

監査役会とは、1名以上の常勤監査役と2名以上の社外監査役の監査役の全員で

構成される適正な監査意見を調整する為の調整機関のことです。


監査役会の職務は、監査報告の作成、常勤の監査役の選定及び解職 、監査の方針、

監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の

執行に関する事項の決定です。


また、監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定することになり、

監査役は、監査役会の求めがあるときは、いつでもその職務の執行の状況を

監査役会に報告する必要があります。


株式公開企業で大会社の場合は、監査役会の設置義務がありますが、

非上場会社の場合は、大会社に該当しても監査役会の設置義務はありません。


・会計参与

会計参与とは、取締役と共同して、計算書類、附属明細書、臨時計算書類、

連結計算書類を作成する機関のことです。


会計参与の資格としては、会社法333条に、公認会計士、監査法人、

税理士、税理士法人であることと規定されています。


この会計参与は、取締役及び支配人その他の使用人に対して、いつでも、会計帳簿又は

これに関する書面による資料や電磁的記録された資料の報告を求めることができます。


・取締役会招集通知

取締役会招集通知とは、取締役会(役会)を招集する時に取締役や監査役等に

取締役会の開催日時と開催場所等を知らせることです。


また、定款や取締役会規程(取締役会規則)に、取締役会招集通知は書面による

旨の別段の定めがない場合には、取締役会招集通知書の作成を省いて、取締役会の

招集を口頭や電話で通知することも可能です。


・取締役会規程

取締役会規程は、取締役会(役会)の招集や意思決定機関構成や決議方法等の

運営等に関する規定を体系的にまとめた規定のことです。


取締役会規程は、取締役会規則とも呼ばれています。


また、取締役会の招集手続きを省略するには、定款や取締役会規定で、

定例の取締役会開催日時と場所を定めて置く必要があります。


・定足数

定足数とは、合議制である機関が議事を行い意思決定をするために最低限必要な

出席者数のことです。


取締役会の定足数は、原則、議決に加わることができる取締役の過半数です。


・取締役会議事録

取締役会議事録とは、取締役会での議事経過と結果である決議事項や取締役会

で発言された内容等を記載し取締役会に出席した取締役と監査役が内容の事実証明

の為に署名した議事録のことです。


・株主総会

株主総会とは、株主が出席して会社の基本的方針や重要事項を

決定する株式会社の意思決定機関です。


株主総会は定期的または必要に応じて臨時に開催され、定款変更、取締役・

監査役の選任、会社の解散・合併などの基本的な事項は株主総会でのみ決定できます。


また、株主総会の決議には、決議要件の違いにより、普通決議・

特別決議・特殊決議の3種類に分けられます。


最初に、株主総会の普通決議とは、株主総会の議長選出、

取締役・監査役の選任などを決める決議です。


普通決議成立の要件は、議決権を有する過半数の株式を所有する株主の出席があり、

その議決権の過半数を所有する株主が賛成することにより成立します。


次に、株主総会の特別決議とは、定款の変更、減資、合併、株式併合、

株式交換などの重要事項を決める決議です。


特別決議成立の要件は、議決権を有するの過半数の株式を所有する株主の出席があり、

その議決権の3分の2以上を所有する株主が賛成することにより成立します。


最後に、株主総会の特殊決議とは、特別決議より更に厳格な成立要件が

求められる決議です。


具体例としては、定款変更をすることにより株式を譲渡制限株式とする場合などです。


特殊決議成立の要件は、議決権を有する過半数の株主の出席があり、その議決権の

3分の2以上の株主が賛成することにより成立します。


株主総会も最近では、投資ファンドなどの、もの言う株主が増加して、株主総会の

形式化が崩れてきています。


ちなみに、世界で最も有名な株主総会は、世界で最も有名な投資家である、

ウォーレン・バフェット氏のバークシャー・ハサウェイの株主総会で、

この総会には数万人の株主が参加しています。


・責任限定契約

責任限定契約とは、株式会社において、社外取締役、会計参与、社外監査役、

会計監査人が損害賠償をする金額を事前に決定しておく契約のことです。


責任限定契約を導入する場合は、定款変更をする必要があります。


この責任限定契約は登記事項なので、責任限定契約を社外取締役等と結ぶ

場合は、定款に責任限定契約に関する定めを定款に盛り込んで登記をしな

ければ、責任限定契約を社外取締役等と結ぶことができません。


また、社外取締役等が責任限定契約を結んでおけば、年間報酬相当額の2年分か

定款で定めた額のいずれか高い額に損害賠償をする金額を限定することができます。


責任限定契約書の雛形は、ネットで検索すると無料のフォーマットを

手に入れることができます。


ちなみに、責任限定契約を結んだ社外取締役等の報酬が無報酬で、

株式会社が定款で定めた額が0円の場合は、損害賠償をする金額は0円と

なりますが、役員の損賠賠償を免除にする為には、総株主の同意が必要です。


■会社の機関である取締役や監査役が守るべき義務

・善管注意義務

善管注意義務とは、委託者から委任を受けた受託者の職業や社会的地位

又は能力等において、社会通念上、通常要求される注意義務のことです。


善管注意義務は、会社と委任関係にある取締役が守るべき義務の1つです。


この善管注意義務をもう少し噛み砕いて説明すると、委任する業務において、

一般的に現在の職業や社会的地位又は能力から見て、普通の注意能力を持つ者が、

ある業務において、当然注意する必要があると考えられる程度の注意義務のこと

を指しています。


一般的に、この善管注意義務に違反して会社等に損害を与えた場合は、

委託者が受託者に損害賠償を請求するケースにまで発展することがあります。


このような善管注意義務は、会社の経営者の一員である取締役に対して問われる

ことが多いのが一般的です。


取締役は経営のプロとみなされる為、善管注意義務が問われるようなケースが発生

したときに、気がつかなかったや知らなかったでは済まされないことが当然多く

なります。


場合によっては株主代表訴訟を受ける場合もありえます。


ただし、経営にはある程度のリスクや一般的な経営者では、予測もつかないような

事態が起こることも想定される為、会社の取締役が善管注意義務を問われる時は、

その取締役が明らかに社会通念上も過失があるとき認められる時です。


・忠実義務

忠実義務とは、委託者から委任を受けた受託者が当然に果たすべき、

社会通念上、通常要求される注意義務のことです。


忠実義務は、善管注意義務とともに、会社と委任関係にある取締役が守るべき

義務の1つです。


この忠実義務をもう少し噛み砕いて説明すると、委託者から委任を受けた

受託者が業務を遂行する場合は、委託者と受託者の利益が衝突するような

場面では、自分の利益を優先させるのではなく、委託者の利益を優先させな

さいという注意義務です。


一般的に、この忠実義務に違反して会社等に損害を与えた場合は、

委託者が受託者に損害賠償を請求するケースにまで発展することがあります。


このような忠実義務は、委託者から委任を受けた受託者からすれば

当然のことなので、忠実義務を守れるかどうかは、受託者の現在の職業や

社会的地位又は能力とは関係なく、受託者の人間性が最も重要なポイントでしょう。


この忠実義務は、会社の経営者の一員である取締役に対して問われること

が多いのが一般的です。


取締役が問われる主な忠実義務は、競合取引の制限と利益相反取引の禁止です。


これらをもし実行する場合は、事前に取締役会や株主総会の承認を受ける必要があり、

実際にこれらに該当する取引を行なった場合は、取締役会に報告しなければなりません。


独断でこのような取引を行い会社に損害を与えた場合は、場合によっては、

株主から株主代表訴訟を受ける場合もありえます。


尚、忠実義務の競合取引の制限とは、取締役自身が、会社と同じ業種の

事業を営むと、会社の利益を損なう可能性があるために、そのような行為を

制限しようとすることです。


忠実義務の利益相反取引の禁止とは、取締役自身が会社と直接取引きをすると、

会社の利益を損なう可能性があるために、そのような行為を制限しようとする

ことです。