収益性改善のポイント


収益性を高めるための方法としては、固定費と変動費を削減し、損益分岐点売上高を

下げることが考えられますが、収益性改善のポイントを纏めると下記の様になります。


収益性改善のポイント

①販売数量の減少や販売単価の低下に伴う売上高減少に対する対策

②変動費率の上昇に伴う、限界利益減少に対する対策

③固定費の増加に伴う、営業利益減少に対する対策

④支払利息などの営業外費用の増加に伴う、経常利益減少に対する対策


収益性を改善するポイントは、上記の4つの項目に集約することができますが、

皆さんが、収益性改善のプロジェクトリーダーであれば、収益性分析を

した後に、収益性改善のポイントである各項目に対してどのような対策を

取ろうと考えるでしょうか?


おそらく、①~④の各項目ごとに対策を考える方が大半であると思いますが、

果たしてそのような手順で、収益性改善の抜本的な対策となるのかを、

もう一度考えてみる必要がありますが、


その前に、収益性を改善する4つの項目についての改善策を確認

したいと思います。


例えば、売上高減少に対する対策としては、マーケティングを強化し、

顧客ニーズを調べ直して、競合他社との差別化を徹底することや、

営業力を強化するために、営業マンの活動を見直して、顧客と商談する時間

を増やせるように、無駄な業務を削減したり、営業日報を改善して、

営業管理体制の見直しも対象となるでしょう。


また、変動費の削減に対する対策としては、仕入ルートを変更することや、

常に相見積りをし、最も安い価格を提示した仕入業者を利用したり、

内製化から外注化してコストダウンを図る方法もあるでしょう。


更に、固定費の削減に対する対策としては、家賃や人件費の削減が考

えられますが、人件費を削減する場合は、闇雲に人件費を削減しよう

とするのではなく、自社の理想の人件費率を設定して、その人件費率に

達するまで、人件費を削減しようと考えるでしょう。


最後に、支払利息の削減に対する対策としては、過剰な借入金を削減する

ために、最低保持すべき現預金残高の金額まで、現預金を削減したり、

低金利の調達手段がないかを検討することになるでしょう。


確かに、上記の各項目ごとに対策を考えていくことは、間違っている

ということではないのですが、上記の各項目ごとに対策を考えても、

抜本的な収益性改善に繋がらないことが多いのです。


その理由を考える際は、次の言葉について考えてみると、

なんとなく意味することが分かってくると思います。


その言葉とは、「木を見ず森を見よ」という言葉です。


木を見ず森を見よとは、小さなことに心を奪われたり、細かいことだけ

に気を取られたりするのではなく、広く大きな視点で全体を見通さ

なければならないということを意味しています。


収益性改善のプロジェクトリーダーは、固定費と変動費を削減し

損益分岐点売上高を下げ収益性を改善するために、必要になる広く大きな

視点とは何かを知る必要があるのです。


その広く大きな視点とは、経営戦略という視点です。


企業として、企業の方向性を示す経営戦略が定まっていなければ、

何らかの改善に取組んだとしても、何時も行き当たりばったりで、

小手先の対策にしかならないのです。


では、経営戦略では、何を決定するのでしょうか?


それは、基本の事業方針と、複数の事業を営む企業においては、

どの事業に力を入れるべきかのプライオリティーを決定するのです。


基本の事業方針が明確になれば、企業のオペレーション方法の大枠も

定まりますし、どのような人材を採用すべきかも、明らかになり、

どの事業に経営資源を重点的に配分していくのかも明確になります。


個別具体的な改革である、固定費と変動費を削減し損益分岐点売上高を

下げ収益性を改善するための対策を考える前に、経営戦略を明確にする

ことが、収益性改善の抜本的な対策に繋がることを理解する必要があるのです。