損益計算書の読み方


財務諸表といえば、貸借対照表、損益計算書(PL)、キュッシュフロー計算書

の財務三表が基本なのですが、皆さんは、この財務三表を分析する場合、

どの財務諸表の分析が難しいと考えますか?


おそらく、大半の方が、貸借対照表分析が難しいと答えると思います。


貸借対照表の分析が難しいと感じる理由は、分析のポイントを理解

できていないことが原因です。


では、次に、難しいと感じる財務諸表は何ですかと尋ねると、

ほとんどの方は、キュッシュフロー計算書をあげると思います。


キュッシュフロー計算書は、現金収支を示した表なので、各活動段階で、

現金収支がどのようになっていたのかは見れば分かるのですが、営業CFの内訳

を示す各項目に拒否反応を示す方が多いようです。


そうすると、財務三表の中で最も分析が容易なのが損益計算書ということ

になりますし、損益計算書の読み方は、基本的な損益計算書の項目の意味

を知っていれば、比較的分かりやすい財務諸表といえなくもありません。


この損益計算書は、損益と名称がついているだけに、企業が、どれ位の利益

を稼いでいるのかを分析することが重要なのですが、損益計算書には、

○○○利益という表記が5つあります。


その損益計算書の5つの利益の種類としては、

①売上総利益
②営業利益
③経常利益
④税引前当期純利益
⑤当期純利益


以上の5つ種類です。


確かに、簿記の知識があれば、損益計算書の5つの利益の意味は分かる

でしょうが、その意味が分かるだけでは、損益計算書を読めるとはいえません。


では、ここで皆さんに、この損益計算書の5つの利益の中で重要な利益を

3つ選んで下さいと質問をした場合、皆さんは、どの利益を選択する

でしょうか?


おそらく、大半の皆さんは、営業利益、経常利益、当期純利益の組み合わせ

を選択する方が多いと思います。


確かに、この答えを間違いということはできませんが、損益計算書の読み方

が分かっている人なら、売上総利益、営業利益、経常利益の3つを選択

するはずです。


次に、損益計算書は、利益の金額だけを確認すればよいのではなく、

利益率を確認することも非常に重要なのですが、利益の金額と利益率は、

何を基準に良い悪いを判断することになるのでしょうか?


自社財務データの良い悪いを判断するためには、比較対象が必要になりますが、

その比較対象の代表的なものとしては、①自社の予算、②自社の過去の実績値、

③同業他社のデータがあり、その3つと比較することで、損益計算書の利益

の金額と利益率の実績値が良いのか悪いのか判断することができます。


しかし、このレベルで、損益計算書の分析が終わっているとすれば、

損益計算書の読み方が理解できているとはいえません。


なぜなら、損益計算書の読み方のポイントは、結果である利益や利益率

の原因を分析することが重要だからです。


この利益や利益率の原因を調査分析するためには、財務の知識を知っている

だけでは限界があり、財務の知識だけで利益や利益率の原因を考えよう

としても、大半の方は、その原因に辿り着くことはできないでしょう。


冒頭でも御説明したように、損益計算書は、財務三表の1つなので、

損益という財務の結果を示している表にすぎないのです。


要するに、財務三表は、全て、財務という結果を表現したものなので、

結果だけをみても、何故、そのような結果になったのかを突き止める

ことはできないのです。


ゆえに、損益計算書であれば、結果の原因である、経営戦略や各事業部

のマーケティング戦略を分析することになってくるのです。


そうすると、一見最も易しいと思われていた損益計算書の分析が、

実は、最も奥が深いということになるのです。


このように、損益計算書の読み方を理解する為には、財務の知識では限界

がありますので、損益計算書を読みこなすためには、経営戦略やマーケティング戦略

の知識が必要になってくることを認識する必要があるといえるでしょう。