資金繰り


■資金繰りとは

資金繰りとは、ある一定期間の直ぐに支払いに充当できる、現金預金等の残高

の変化を事前に把握することです。


資金繰りを英語で表現すると、fundraisingやfinancingと表記します。


一般的な、資金繰り意味としては、お金のやりくりをすることを

意味して使われています。


会社の資金繰りは、財務部の役割です。


資金繰りは、資金の収入・支払いの時期と額を把握し、資金を何時・どこから・

どうやって資金の工面や調達をするかの項目を計画に盛り込んで予測・見積もりをし、

予算と実績を比較して、分析・評価・対策までの活動全体を含む仕組みである

資金管理をすることでもあります。


よって、資金繰りには、利益計画と資金計画の作成も含まれていることになります。


ちなみに、資金繰り(資金繰り管理)とは、貸借対照表(バランスシート・BS)の管理

ともいえます。


また、資金繰りは、別な説明をすれば、倒産に直結する、経営の屋台骨を揺るがす

資金ショートを未然に防ぐ為のお金のやりくりをすることで、 その改善策を練る為に

必要な予定表ツールが、資金繰り表です。


そして、資金繰り表の役割や機能は、他の資金表とともに、資金ショートの危機を

未然に防ぐ事であり、この資金表は、経常収入から経常支出を差し引いた経常収支が

プラスになっているか以外に見る項目は無いと言っても過言ではありません。


ちなみに、資金表とは、資金繰り表、資金移動表、キャッシュフロー計算書、

資金運用表のことです。


こられらの表は、資金4表と呼ばれており、キャッシュフロー分析のポイントは、

資金運用表・資金移動表・回転期間を事業年度毎に分析することです。


短時間で、大まかな計画を作成したい場合には、資金運用表の仕組みを利用して、

資金計画を作成することが財務の基本です。


そして、資金繰りの精度を向上させるためや、表の作り方において基本となるのが、

予算貸借対照表(BS)と予算損益計算書(PL)を作成することです。


資金の入出金は、貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)と密接に関係しており、

資金の入出金予定だけで資金繰り表を作成しても、論理的に整合性がない表が完成

してしまいます。


予算資金繰り表を作成する際は、予算の貸借対照表(BS)と予算の損益計算書 (PL)

を合わせて作成することが、この表を作成する際の絶対条件 になります。


資金繰り表をエクセルで作成していても、その内容が総合予算を作成する際と

同レベルの内容でなければ、作成した表の精度に問題があります。


また、資金繰りソフトは、総合予算を作成できる機能があり、尚且つ、 運転資金計画

・適正在庫を実現する在庫計画を作成できる機能がなければ、 利用価値が全くない

ソフトです。


資金繰りソフトは万能ではないので、資金繰りの考え方が身についた人でなければ、

ソフトを使いこなすことは難しいでしょう。


ところで、キャッシュフローに大きな影響を与えるのは、運転資金(運転資本)

の増加です。


このキャッシュフローは損益計算書(PL)の売上・利益より、貸借対照表 (BS)

の売上債権や棚卸資産、仕入債務の残高増減と売上債権回転期間、 仕入債務回転期間、

棚卸資産回転期間の影響を強く受けます。


運転資金計画を作成し、運転資金についても予算実績管理をすることで、 運転資金に

関係する回転期間のコントロールをする必要があり、運転資金に関係する回転期間

の管理が、資金繰りを改善するポイントといっても過言 ではありません。


また、資金繰りについては、成長の初期段階の企業では、先を読み事前に対策を練る

企業よりは、どちらかというと成り行きに任せてしまいその場しのぎの企業が多い

ようです。


そして、成長の初期段階の企業が陥りやすい危機が、売上高が増加すれば するほど、

営業キャッシュフローが悪化しやすくなることです。


売上の増加は、資金繰りを楽にすることには必ずしも繋がりません。


企業経営と資金の関係は、人間と血液の関係と同じで、必要なプロセスに資金が循環

しなくなれば、経営に重大な危機を引き起こす原因になりますので、 交差比率を常に

チェックして、売上計画の売上構成を機動的に見直す必要もあります。


このように、資金繰りが悪化し、金詰まりの状態になって、倒産の危機に追い込まれる

前に、認識すべき事は、キャッシュフローの改善には特効薬はないということです。


ちなみに、資金繰りが苦しくなって、債務の返済が困難になった時に、返済可能な

スケジュールと返済額を考えて、金融機関に借入条件の変更等を交渉することが、

リスケジュールであり、リスケジュールは、一般的に、リスケと呼ばれています。


このリスケジュールの交渉は、非常に難しい交渉になることが多く、この交渉をする

際に、何も資料を用意せず手ぶらで金融機関に行くようでは、結果は目に見えている

ので、リスケジュールの交渉をする際は、今後の経営計画は必ず用意するべきです。


また、リスケジュールに必要な経営計画の資料の内容としては、最低限、

下記の内容を盛り込む必要があります。


リスケジュールに必要な経営計画の主な内容

①資金繰りが苦しくなった原因を、経営分析により明確にする。
②経営計画には、資金繰りが苦しくなった原因の対策を必ず盛り込む
③経営計画は、定性目標と定量目標を作成し、財務計画は、貸借対照表、
損益計算書、キャッシュフロー計算書又は資金繰り表を準備する


リスケジュールに必要な経営計画を作成するには、特に、自社の経理部や

財務部の協力が必要となります。


しかし、自社の経理部や財務部の社員が作成した経営計画が、論理的整合性の無い

経営計画であれば、経営不振の原因の一つが、普通レベルの経理や財務の社員すら

居ない、人災であると金融機関に判断されかねず、リスケジュール交渉にプラスに

働くはずの交渉資料が、逆に、マイナスに作用することにもなりかねません。


ゆえに、リスケジュールに必要な経営計画を作成する際は、自社の経理部や

財務部の社員が、経営計画の定性目標と矛盾しない、予測財務諸表の作成を

出来る必要があるのです。


■資金繰り改善の為の短期的対策と長期的対策

資金繰りの改善に特効薬が無いからこそ、企業活動に必要な運転資金に困る事は特別な

事ではなくむしろ普通な事なのですが、特効薬が無いとして も、資金面のやりくりが

非常に厳しい時には、何らかの対策を考えねば なりません。


資金繰りは企業の生命線なのです。


企業の生命線である、キャッシュフローが非常に厳しい時期に経営者が考えねば

ならない事としては、今現在のピンチをどうやって乗り越えるかということと、

今後同じようなピンチを起こさない為に今何を成すべきなのかということです。


以上が経営者が考えるべき2つのことですが、1つ目の考えるべきことが短期的改善対策

であり、2つ目の考えるべきことが長期的改善対策です。


短期的対策は当然最重要ですが、長期的対策にも日々取り組んでいかないと、

再度現在の様な資金繰りの危機的状況を招くことになりかねません。


短期的対策の主な具体的内容は下記の通りです。

①売掛金回収の前倒し
②金融機関その他から借入をする
③支払いを延期させてもらう
④外部から資本を調達する
⑤販売サイクルの短縮
⑥取引条件の見直し(回収サイトの短縮・支払サイトの長期化)


資金繰り改善のポイントは、利益を増加させる以外では、CCCを短縮させる

ことです。


次に、少し、横道にそれますが、銀行に融資を申し込んだ時に、 銀行がどのような

項目を見て融資を決定するのかを検証してみます。


まず、銀行は企業の決算の状況、担保状況、経営者の状況等を調査して信用各付けをし、

融資の基本方針を決定します。


そしてこの基本方針が決定される事により、各企業に対する融資限度額や融資利率の

条件が決定されるのです。


以上のように、銀行が信用格付けの際に重要視している項目は、 小手先のテクニック

でどうにもならないものばかりなので、銀行との関係を強化し銀行から必要な資金を

何時でも融資を受ける事ができるようになる為には、 抜本的な資金繰りの改善を継続的

に行なうしかありません。


そして、この抜本的な資金繰りの改善活動が長期的対策であり、 その対策とは銀行が

喜んで融資したくなる、理想の決算書の姿にすることで、 長期的対策に力を注ぐこと

こそが、会社の発展にも繋がることに なるはずです。