新任取締役として相応しいスキル


毎年6月は、3月決算の企業の株主総会が開催されるので、1年の中で最も

株主総会が集中する月になり、今年も経営初心者でもある新任取締役が

沢山誕生することになります。


新入社員は、直ぐに解雇される可能性はありませんが、取締役は、従業員と

異なり雇用関係がありませんし、会社とは委任関係なので、何時でも解任される

可能性があります。


また、取締役は、会社から経営を委任されていますので、民法の委任に関する

法律が適用され、善管注意義務をおうことになります。


取締役の善管注意義務とは、経営のプロとして、社会的に一般的に期待される

程度の注意義務が要求されるということです。


また、取締役には、忠実義務も要求され、取締役の忠実義務とは、自分の利益と

会社の利益が衝突するようなケースでは、自分の利益より、会社の利益を優先

させなければならないという義務のことです。


説明するまでもありませんが、取締役と執行役員は全く異なります。


ところで、新任取締役に就任される皆さんは、これまでの管理職という立場から、

経営者として働く心構えができているでしょうか?


働く環境が変わらず、これまでの従業員という立場から、取締役という経営者

の立場へ変わる場合は、なかなか実感が湧かないところはあると思いますが、

いくら新任取締役といえども、取締役に就任した直後から、皆さんは、

経営のプロとしての役割を期待されることになります。


この経営のプロとしての役割とは、社会的に一般的に期待される程度が要求

されますので、一般的な取締役であれば、当然、知っているべきことや、

取締役であれば、できて当たり前のことができなければ、その時点で、

経営のプロとしては失格なのです。


これまでの従業員の立場とは異なり、取締役は、一切の甘えは許されませんので、

結果があるのみなのです。


例えば、大企業では、担当役員制を敷いていますので、経理や財務の担当役員

は、基本的には、経理や財務部門について責任を持つことにはなりますが、

取締役は、経営のプロなので、経理や財務部門以外のことについても当然、

責任を問われることはありうるのです。


そうすると、営業やマーケティングの担当役員は、経理や財務のことを

知らないでは、済まされることはありませんし、経理や財務の担当役員は、

営業やマーケティングのことを知らないでは済まされないのです。


また、営業やマーケティングの担当役員であろうと、経理や財務の担当役員

であろうと、会社の経営戦略に責任がありますから、経営戦略についても、

知らないでは済まされないのです。


特に、取締役に求められている基本的役割としては、経営者として戦略を

立案し、その戦略をどのように戦術に落とし込み、結果をだしていくのかが

問われていますので、会社の基本的な目的でもある、どうやって儲けて

いくのかについて、具現化できるスキルが必須なわけです。


社交辞令として、新任取締役は、社長から、取締役という立場に慣れるまで

大変だろうから無理せず仕事に取り組んで欲しいというような言葉をかけ

られるかもしれませんが、新任取締役の皆さんは、取締役の辞書に、無理を

するなという文字は存在しないと認識するべきでしょう。


なぜなら、取締役は、従業員ではありませんから、労働基準法が守ってくれる

ことはありませんので、結果をだせない取締役は、情け容赦なく何時でも

クビにされることを覚悟しておかなければならないからです。


要するに、新任取締役は、経営に関することは、営業、マーケティング、

財務など、あらゆることに精通しておくことは当然なことであり、新任取締役

といえども、結果がでるまで24時間働く覚悟がなければ、取締役としての職責

を果たすことは難しいでしょう。


ゆえに、新任取締役として相応しいスキルがないと実感している方は、

取締役の職務を遂行する上で必要となるスキルについては、自分で自己投資

をするなどして早急に身につけるべきですし、このような背景があるので、

企業において、高い地位の方であればあるほど、ビジネススキルを

身につける為に、自己投資を惜しまないのでしょう。


取締役は、ビジネスに関して知らないことがあることは、罪であると認識し、

結果をだせない取締役は、会社のお荷物であるという意識を持って職務に

取り組むべきです。


ちなみに、新規事業部門の新任取締役は、新規事業の法令適用事前調査も重要な

業務の1つと認識すべきでしょう。


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