旅館業法違反調査


無許可でAirbnbに物件を広告掲載している方にとって一番の気がかりなことは、

行政機関が行う、旅館業法違反調査に関することでしょう。


旅館業法の所管は、厚生労働省なので、違反調査に関しても厚生労働省が担当する

ように思われる方が多いと思いますが、執行権限は各都道府県にあるので、

厚生労働省が指示をして各都道府県が調査をしたり、各都道府県が自らの意志で、

旅館業法違反調査をするわけです。


民泊は違法なので、厚生労働省は、各自治体に対して、旅館業法遵守の徹底を求めて、

平成26年7月10日付け健衛発0710第2号厚生労働省健康局生活衛生課長通知で

ある、「旅館業法の遵守について」を通知しています。


厚生労働省は、平成27年7月に、「旅館業法の遵守について」の各自治体の対応状況等

の調査をし、その調査結果を公表しています。


厚生労働省の旅館業法違反調査の対象は、142の都道府県や保健所を設置する市と

特別区です。


その調査結果は、次のような内容となっています。


Q1一般住宅等を使用した旅館業の営業許可に関する相談等の状況


相談等の状況 自治体数と割合
増加した 53( 37%)
減少した 9( 6%)
変わらない 32( 23%)
分からない48( 34%) 48( 34%)
合計 142(100%)



このQ1は、旅館業営業許可をとらずに、一般住宅等を使用して旅館業をしている方から

の、各自治体への相談等の状況についての質問です。


この調査結果でも、最近の民泊ブームの影響がでているようで、相談が増加したと回答

した自治体の割合が、最も多くなっています。


やはり、民泊が違法か否かを気にしている方が多いことを示している結果といえます。


当然、無許可営業をした場合には、旅館業法違反の罰則があります。


Q2一般住宅等を使用した旅館業の営業許可にあたり、営業の許可ができなかった
事例の有無


営業の許可ができなかった事例の有無 自治体数と割合
ある 46( 32%)
ない 96( 68%)
合計 142(100%)



このQ2は、旅館業営業許可をとらずに、一般住宅等を使用して旅館業をしていた方が

営業許可申請をして、各自治体が許可をしたかどうかを尋ねた質問です。


この調査結果では、許可をした自治体が68%となっており、意外に、許可が通ってい

るケースが多いことを示しています。


Q3上記Q2のうち、営業の許可ができなかった理由別内訳件数


営業の許可ができなかった理由 件数と割合
旅館業法関係 92件( 43%)
建築基準法関係 84件( 39%)
消防法関係 6件( 3%)
その他 33件( 15%)
合計 215件(100%)



このQ3は、営業許可申請をして、営業の許可ができなかった理由について尋ねた

質問です。


この調査結果では、許可条件で最も重要となる法令である、旅館業法、建築基準法、

消防法の3つが、営業の許可ができなかった主要な理由となっており、この点は、

想定の範囲内といえる調査結果です。


Q4上記Q3のうち、旅館業法のどの要件が原因で許可ができなかった理由別内訳件数


旅館業法のどの要件が原因で許可ができなかった理由 件数と割合
面積基準 47件( 51%)
面積基準以外の基準 31件( 34%)
その他 14件( 15%)
合計 92件(100%)



このQ4は、旅館業法のどの要件が原因で許可ができなかった理由について尋ねた

質問です。


この調査結果では、面積基準が51%を占めており、必要な広さを確保できなかった

ことが、最も多くなっています。


Q5無許可で旅館業を営んでいた事案を調査し把握した件数


年度 無許可営業の事案把握数
平成25年度 62件
平成26年度 131件
合計 193件



この調査結果を見ると、旅館業法違反している事案件数が平成26年度には

倍増していることからも、無許可で旅館業を営む人が増えていることと、

厚生労働省が、各自治体に対して違法営業の取締りの強化を指示したことにより、

行政機関が、違法営業の取締りに力を入れていることが分かります。


Q6無許可営業の把握方法


無許可営業の把握方法 平成25年度 平成26年度
保健所における巡回指導等 13件( 21%) 58件( 44%)
近隣住民・宿泊者等からの通報 34件( 55%) 54件( 41%)
警察・消防等の関係機関からの連絡 15件( 24%) 18件( 14%)
その他 0件( -%) 1件( 1%)
合計 62件(100%) 131件(100%)



この調査結果を見ると、各自治体の保健所における巡回指導と、近隣住民や宿泊者等

からの通報が大半を占めていますが、今後は、Airbnbなどの宿泊サイトをチェック

して、旅館業法違反調査をする方法が増加するはずですし、既に、一部の役所では、

Airbnbなどの宿泊予約サイトにアクセスして、旅館業許可を取得していない物件を探し、

違法民泊を発見したら、物件所有者に対して行政指導している自治体もあるようです。


Q7指導状況(件数)


行政指導をした後の状況 平成25年度 平成26年度
営業許可を取得した 18件( 29%) 25件( 19%)
営業を取りやめた 36件( 58%) 73件( 55%)
指導継続中 1件( 2%) 11件( 8%)
その他 7件( 11%) 24件( 18%)
合計 62件(100%) 133件(100%)



この調査結果は、各自治体が無許可営業を見つけて行政指導をして、

その後、どうなったのかを示しています。


やはり、最も多いのが違法な旅館営業を取りやめたというケースです。


現在、違法に民泊の営業をされている方は、無許可営業が発覚した場合の

旅館業法違反の罰則である、懲役6か月以下又は罰金3万円以下の罰金という規定

だけでなく、旅館業法違反で罰則を受けると旅館業営業許可や民泊特定認定申請

の欠格要件に該当する場合があることに留意するべきです。


もし、欠格要件に該当すると、一定期間は、旅館業や民泊の申請をしても許可が

おりることはありません。


このように、日本政府や各自治体も、違法民泊を発見し違法な民泊を取り締まるために、

旅館業法違反調査をしていますので、もし、今後も、何らかの形で宿泊ビジネスに

携わりたいのなら、旅館業法違反である無許可営業をやめるべきでしょう。


なお、厚生労働省は、平成28年4月1日から、旅館業法施行令の簡易宿泊所の

客室延床面積基準を大幅に緩和して、フロント設置も不要に改正しています。


最後に、2016年に入って、保健所による旅館業の違法調査が強化されており、

保健所等の行政機関から、「お尋ねの郵便」等が送付されてきた場合は、放置を

しておくと大変な状況になりかねませんので、弊所等の専門家に対応を相談される

ことをお勧めいたします。


民泊に関する御相談は、土曜日、日曜日、祝日でも、メールでご連絡頂き、

スケジュールに空きがあれば、当日にご連絡を頂いてもご対応が可能となっております

ので、お気軽にご相談くださいませ。