日本銀行


■日本銀行とは


日本銀行とは、日本の中央銀行のことです。


日本銀行の主な役割としては、下記の通りです。


・日本で唯一の発券銀行として、紙幣である日本銀行券を発行
・民間銀行の銀行として金融決済システムの運営
・最後の貸し手として金融システム全体を守る為に民間金融機関へ資金供給
・金融政策の実施
・日本政府の銀行として国の資金出納事務全般の管理等


最近、日銀の金融政策で有名なのは、ゼロ金利政策と量的金融緩和政策です。


この日本銀行の最高意思決定機関が、日本銀行総裁が議長となり運営される

日銀政策決定委員会です。


この日銀政策決定委員会は、日本銀行総裁と副総裁の2名、そして6人の審議委員の

合計9名で構成されています。


この日銀政策決定委員会で、金融政策が決定されており、この決定会合の内容が

公表されると、株式市場や為替の市場でも円高や円安が進行したりするなど、

マーケットから特に注目をされているイベントの1つです。


日銀が調査・公表している日銀短観も非常に注目されている経済指標です。


また、日本銀行が実施する金融政策の手段としては、公定歩合操作、

預金準備率操作、公開市場操作などがあります。


これら手段のうち公開市場操作は、日本銀行が直接金融市場に介入して、国債などの

債券や手形を売買することで、市中のお金の量や金利をコントロールする政策です。


日本の短期金融市場の短期金利は、日本銀行の金融政策スタンスによって事実上決定

されています。


日本銀行は、財政法や日本銀行法等で国債の直接引き受けは禁止されていますが、

現状は、この法律は、有名無実となっています。


尚、日本銀行法では、日本銀行の資本金のうち政府からの出資の額は、

55%を下回ってはならないと明確に規定されています。


現在の日本銀行の資本構成は、55%が日本政府が保有し、

45%が民間が保有しています。


その出資者には出資口数に応じて出資証券が発行され、出資証券はジャスダックに

上場されおり、一般の株式と同様に取引をすることが出来ます。


ちなみに、アメリカ政府は、FRB(アメリカ合衆国の中央銀行)には、

全く出資をしていません。


なお、日銀の金融政策の動向を調査対応するのは、財務部の役割です。


■日銀の金融政策とその影響

・ゼロ金利政策

ゼロ金利政策とは、日本銀行の金融政策の一つです。


短期金融市場の代表的な短期金利である無担保コール翌日物の金利の水準を実質ゼロ

まで下げる政策のことです。


ゼロ金利政策の目的は、設備投資や資産効果による景気刺激効果とデフレ回避

が主目的です。


このゼロ金利政策がはじめて導入されたのは、金融危機により景気が落ち込んで

いた1999年です。


その当時のゼロ金利政策を導入した主な目的は、金融システムの不安や

デフレスパイラルを防ぐためでした。


ゼロ金利政策の導入・再開とゼロ金利政策の解除の推移は下記の通りです。


ゼロ金利政策の導入・再開とゼロ金利政策の解除の推移

・1999年2月ゼロ金利政策の開始
・2000年8月ゼロ金利政策の解除
・2001年3月ゼロ金利政策の再開
・2006年7月ゼロ金利政策の解除
・2010年10月ゼロ金利政策の再開


また、日銀は、金利のコントロールであるゼロ金利政策だけでは、

なかなか目的を達成することが難しいとの判断から、マネー全体の量の側面

からコントロールする量的金融緩和政策も導入するようになりました。


尚、ゼロ金利政策の効果に関しては、景気が低迷して民間の資金需要が無い中では、

実際の政策効果に関しては限定的であるという意見が多いようです。


・量的金融緩和政策

量的金融緩和政策とは、日本銀行の当座預金残高を調節することによって

金融緩和を行う政策のことです。


量的緩和金融政策の導入の背景は、景気浮揚の為には、ゼロ金利政策とともに

マネー全体の量も調節する必要があるとの判断からです。


この量的金融緩和政策の目的は、世の中に出回るお金の流通量を増やすこと

によって、インフレ傾向に経済を誘導することです。


量的金融緩和政策は、需要と供給の原則に従った基本的なインフレ

金融緩和政策といえます。


また、量的金融緩和政策の導入・再開と量的金融緩和政策の解除

の推移は下記の通りです。


量的金融緩和政策の導入と量的金融緩和政策の解除の推移

・2001年3月量的金融緩和政策の開始
・2006年7月量的金融緩和政策の解除


・マネーサプライ

マネーサプライとは、世の中(国内)に出回っている通貨である

お金の流通している量のことです。


マネーサプライは、マネタリーベースの供給量が増加すると増えることになり、

マネーサプライの範囲は、現金通貨、預金通貨、準通貨、郵便局・農協・信用

・労金などの預貯金、CD(譲渡性預金)までが範囲となっています。


このマネーサプライの基となるものがマネタリーベースの供給量です。


マネタリーベースとは、世の中に出回っている日本銀行が供給している

通貨のことであり、マネタリーベースは、ベースマネーと呼ばれたり、

信用創造を創出できる力があることからハイパワードマネーと呼ばれる

こともあります。


また、マネーサプライの区分としては下記のようになります。


①M1(日本銀行券・硬貨・銀行・信金などへの流動性預金)
②M2(M1と銀行・信金などへの定期性預金)
③M3(M1とM2に郵便局や農協の貯金を加えたもの)
④CD(譲渡性預金)


ちなみに、1万円札・5千円札・千円札の紙幣は日本銀行が発行している

ので日本銀行券と呼ばれています。


500円硬貨、100円硬貨などの硬貨は日本政府が発行しています。


日本では日本銀行券のみが法定通貨です。


法定通貨は1回の使用量に法的制限が無く、補助貨幣である硬貨は

1回の使用につき20枚までしか法的に使用が認められていません。


商品やサービスの対価の支払の際に、相手であるお店などが日本銀行券や

硬貨の受け取りを拒否することが法的にできないため、このことを

強制通用力と呼んでいます。


また、法定通貨は一般的には中央銀行のみが発行権を保有していますが、

スコットランドポンドの発行権と香港ドルの発行権は民間の商業銀行も

保有しています。


・クレジットクランチ(信用収縮)

クレジットクランチ(信用収縮)とは金融システム不安のことです。


クレジットクランチの状態に陥ると、資金供給が極端に細り、世の中に

お金が行き渡らず、お金が滞ってしまいます。


クレジットクランチは、信用創造のメカニズムが逆転してしまい、

信用創造が機能不全を起している状態です。


このクレジットクランチ(信用収縮)が発生してしまうと、企業が、金融市場で

直接資金調達をすることが難しくなってしまいます。


更に、銀行などの金融機関も企業に対して貸し渋りをはじめるため、

企業は資金調達の手段を失ってしまい、上場企業で多額の利益を計上している

企業ですら、資金ショートを引き起こして黒字倒産に至る可能性が高くなります。


また、金融市場に信用不安が広がり、クレジットクランチ(信用収縮)が

発生すると、企業倒産が増加するだけでなく、社会不安の影響を受けて、

一般消費者の購買意欲も減退して消費も細ることで景気も低迷し、企業も

設備投資を先送りしたり設備投資規模を縮小することで、更に景気が

悪化していく悪循環に陥ってしまいます。


尚、サブプライムローン問題を発端とする金融危機の状況は、まさに、

クレジットクランチに陥った経済環境そのものだったといえます。


クレジットクランチ(信用収縮)が発生してしまうと、金融システム全体が

麻痺して経済も危機的な状態に陥ってしまうため、日本銀行などの中央銀行は、

クレジットクランチの状態から脱出するためや、クレジットクランチを回避する

目的で、資金の流動性を確保するためにマネーサプライを増やそうとします。


ちなみに、クレジットクランチのクレジットとは信用という意味で、

クランチとは危機という意味です。


・信用創造

信用創造とは、銀行が預金を集め、その資金を企業や個人に貸出をし、

再度、銀行が預金を集めて、その資金を企業や個人に貸出をすることを

繰り返すことにより、マネーサプライが増加していくことです。


信用創造は、信用創造の基となる本源的預金から派生的預金を

生み出しています。


この信用創造のメカニズムは、銀行が預金を集めて、その集めた預金を

企業や個人に貸出をすると、銀行から貸付を受けた企業や個人はその中の一部を

再度銀行に預けたり、あるいはその企業や個人から支払を受けた企業や個人が

その支払を受けた資金の一部を銀行に預けたりし、それらの銀行に預けられた資金が、

再度、銀行から企業や個人に貸出として資金が流通して、先程のような説明の流れ

を繰り返すことです。


企業や個人から最初に預けられた預金のことが本源的預金であり、

この本源的預金から信用創造のメカニズムにより生み出されたお金が

派生的預金です。


このような信用創造のサイクルが継続すると、経済は拡大していくことに

なります。


また、信用創造の規模は、日本銀行などの中央銀行が決定する

預金準備率(支払準備率)によって決まってきますが、その計算式は

下記の通りです。


(最初の預金額÷預金準備率)-最初の預金額=信用創造された金額


ちなみに、預金準備率とは、銀行の預金量に応じて、その預金残高の

何パーセントかを中央銀行に預け入れる比率のことです。


尚、本源的預金の金額ともいえる、日本銀行が発行している通貨の金額が

仮に1兆円だとすると、現在の日本銀行が決定している預金準備率は

1.2%なので、信用創造されている金額は約82.3兆円ということになります。


■FRB(アメリカ合衆国の中央銀行)は誰のもの?


FRBといえば、日本のニュースにおいても、FOMCに関することが報道される

こともあるので、アメリカ合衆国の中央銀行であることは、ご存知の方も

多いでしょう。


しかし、FRBがアメリカ合衆国の中央銀行であるにしても、日本の中央銀行である

日本銀行とは、かなり、その存在自体には、不可解さがあります。


例えば、日本銀行の株式は、当然日本国政府が過半数を所有しており、

日本銀行法では、日本銀行の資本金のうち政府からの出資の額は、

55%を下回ってはならないと明確に規定されています。


それに対して、アメリカ政府は、FRB(アメリカ合衆国の中央銀行)の株式を、

1株も所有していません。


このFRBの件は、現在の世界経済の闇の部分ともいえる問題といえるでしょう。


ちなみに、FRBの株主は、ロスチャイルド系、ロックフェラー系などの

国際金融資本が、現在に至るまで最大の株主となっています。


参考までに、FRBの設立当時の大株主は以下の銀行です。


FRBの設立当時の大株主

1.ロスチャイルド銀行・ロンドン
2.ロスチャイルド銀行・ベルリン
3.ラザール・フレール・パリ
4.イスラエル・モーゼス・シフ銀行・イタリア
5.ウォーバーグ銀行・アムステルダム
6.ウォーバーグ銀行・ハンブルク
7.リーマン・ブラザーズ・ニューヨーク
8.クーン・ローブ銀行・ニューヨーク
9.ゴールドマン・サックス・ニューヨーク
10.チェース・マンハッタン銀行・ニューヨーク


■通貨発行益(シニョリッジ)


中央銀行の最大の特権といえば通貨発行権です。


通貨発行権があるということは、通貨発行益(シニョリッジ)がある

ということになります。


その通貨発行益(シニョリッジ)とは、その言葉の通りに通貨を発行する

ことによる中央銀行の利益のことです。


例えば、日本銀行が1万円札を発行する際に要する1枚当たりの原価は20円前後

といわれていますので、通貨を発行したら発行価格のほとんどが利益になって

しまうほど非常に利益率が高くなっています。


歴史上の様々な時代で通貨が発行されてきましたが、昔は、現在と違い金貨や銀貨

などが通貨であったため、現在主流となっている紙幣の発行に比べると、国が極端に

ぼろ儲けできるようなことはありませんでした。


国の統治が乱れ国の末期になると、通貨である金貨や銀貨の金や銀の含有量を減らす

ことで、その時に統治をしていた国家が、国民の富を搾取していたましたが、当然、

そのような国が滅んでしまうことは歴史の必然です。


このように、通貨発行の特権は通貨発行者に自己規律がないと濫用されて、

インフレを引き起こし社会を混乱に陥れることが何時でもありうるのです。


このような理由から、世界のほとんどの国では通貨発行権は中央銀行のみが持つこと

がそれぞれの国の法律で許されていますが、スコットランドポンドと香港ドルの通貨

のみ、民間の銀行が通貨発行権を持ち、通貨発行益を享受しています。


スコットランドポンドの発行権は、スコットランド銀行(Bank of Scotland)、

ロイヤルバンクオブスコットランド(RBS)、クレデェデールバンクの3行が

通貨発行権を保有しています。


香港ドルの発行権は、香港上海銀行、スタンダードチャータード銀行、 中国銀行の

3行が通貨発行権を保有しています。


これらの通貨発行権を持つ民間銀行は、マネーサプライの基となる信用創造を創出

できるハイパワードマネーであるベースマネーと呼ばれるマネタリーベースを

コントロールする力を世界各国の中央銀行と同様に保有していることになります。


これらの通貨発行権の制度やアメリカの中央銀行であるFRBも含めて、自らに都合の

良い制度をつくり、世の中の大多数の人の目を欺き利益を享受している人達が存在

することは、矛盾する制度が存在していること自体がその証拠といえるでしょう。