無許可営業(違法営業)


神田、秋葉原、上野、御徒町、湯島、浅草、これらの地名に共通するのは、東京23区内

の「歓楽街」というキーワードです。


そして、もう一つ共通するキーワードは、「無許可営業」で、これらの地域は、

飲食店や風俗営業店の違法営業の一斉摘発が多い地域でもあります。


無許可営業という法律違反がバレて発覚するケースとしては、お客さん、周辺住民、

従業員、元従業員からの苦情、密告、通報等があり、悪質な場合は、警察が、内偵調査

で証拠を押さえてから摘発に入る場合もあります。


また、2015年からは行政手続法が改正されて、第三者が、行政機関に適法に違法営業の

行政指導の求め申出や行政処分の求め申出を行った場合は、行政機関は調査をする義務

が発生しますので、以前よりも、無許可営業が発覚するケースが増しているといえる

でしょう。


これら東京23区内の歓楽街界隈で、飲食店営業許可を取得してスナック、パブ、

ガールズバーなどの営業をされている方にとっては、これらの地域で、最近、無許可

営業を理由とした、警察の一斉摘発が増えているというニュースを耳にしても、特に、

この種の情報に、あまり関心の無い方もいることでしょう。


確かに、必要な免許を全く取得せずに違法営業をしているとお店と、必要な許可を得て

飲食業をされている方では、法的にも大きな違いがあります。


しかし、これらの界隈で、無許可営業として摘発された飲食店の多くは、正規に飲食業

の免許を取り、普通に、アルコールや食事の提供をしていただけのお店もあるのです。


では、何故、そのようなお店が、摘発を受けるケースが増えているのでしょうか?


そのキーワードは、接待行為基準です。


一般の方からすると、接待行為という言葉を見ても、非常に漠然としていて、

どこからどこまでが、この行為に該当するのかが、曖昧だと感じるはずです。


例えば、この行為に関するよくある誤解が、クラブやキャバクラのように、お客様の、

横に座って継続して会話をしたり、お酌をしたり、水割りを作るなどすると、この行為

に該当すると思われている方が多いようです。


しかし、スナックやガールズバーなどの飲食店を経営されている方は、接待行為に該当

するのは、上記のような行為に限定されず、非常にその対象範囲が広いと認識するべき

でしょう。


では、この行為を監督官庁である警察庁がどのように考えているのかを把握する

ために、風営法の解釈運用基準を確認してみます。


  • 接待について(法第2条第3項関係)

    1 接待の定義
    接待とは、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」をいう。

    この意味は、営業者、従業者等との会話やサービス等慰安や歓楽を期待して来
    店する客に対して、その気持ちに応えるため営業者側の積極的な行為として相手
    を特定して興趣を添える会話やサービス等を行うことをいう。

    言い換えれば、特定の客又は客のグループに対して単なる飲食行為に通常
    伴う役務の提供を超える程度の会話やサービス行為等を行うことである。

上記の解釈運用基準をご覧いただいても、あまりにも説明が抽象的で漠然としている


ので、どのような行為が、対象範囲となるのかが非常に分かりづらいと思います。


そこで、この運用基準をもう少し確認すると具体的な項目が登場してきますので、

下記に、警察庁が公表している、原文のまま、例示します。

  • (1) 談笑・お酌等

    特定少数の客の近くにはべり、継続して、談笑の相手となったり、酒等の飲
    食物を提供したりする行為は接待に当たる。

    これに対して、お酌をしたり水割りを作るが速やかにその場を立ち去る行為、
    客の後方で待機し、又はカウンター内で単に客の注文に応じて酒類等を提供す
    るだけの行為及びこれらに付随して社交儀礼上の挨拶を交わしたり、若干の世
    間話をしたりする程度の行為は、接待に当たらない。

  • (2) 踊り等

    特定少数の客に対して、専らその客の用に供している客室又は客室内の区画
    された場所において、歌舞音曲、ダンス、ショウ等を見せ、又は聴かせる行為
    は接待に当たる。

    これに対して、ホテルのディナーショウのように不特定多数の客に対し、
    時に、踊り、ダンス、ショウ等を見せ、又は歌若しくは楽器の演奏を聴かせる
    行為は、接待には当たらない。

  • (3) 歌唱等

    特定少数の客の近くにはべり、その客に対し歌うことを勧奨し、若しくはその客
    の歌に手拍子をとり、拍手をし、若しくはほめはやす行為又は客と一緒に歌う
    行為は、接待に当たる。

    これに対して、客の近くに位置せず、不特定の客に対し歌うことを勧奨し、
    又は不特定の客の歌に対し拍手をし、若しくはほめはやす行為、不特定の客か
    らカラオケの準備の依頼を受ける行為又は歌の伴奏のため楽器を演奏する行為
    等は、接待には当たらない。

  • (4) 遊戯等

    客とともに、遊戯、ゲーム、競技等を行う行為は、接待に当たる。

    これに対して、客一人で又は客同士で、遊戯、ゲーム、競技等を行わせる行為は、直ちに接待に当たるとはいえない。

  • (5) その他
    客と身体を密着させたり、手を握る等客の身体に接触する行為は、接待に当
    たる。ただし、社交儀礼上の握手、酔客の介抱のため必要な限度で接触する等
    の行為は、接待に当たらない。

    また、客の口許まで飲食物を差出し、客に飲食させる行為も接待に当たる。

    これに対して、単に飲食物を運搬し、又は食器を片付ける行為、客の荷物、
    コート等を預かる行為等は、接待に当たらない。

上記の具体例を確認すると、何が、接待行為に該当し、何が該当しないのかが、

なんとなくイメージがつくと思います。


ここで、皆さんが気になることとしては、ここまでの解説をご覧いただいて、

自分のお店で提供しているサービスがどれに該当するのかが分らない場合や、

全く該当する例がないと思われる場合です。


自分のお店が、提供しているサービスが無許可営業とみなされるかどうか判断が

つかない場合は、ネットで情報収集して自己判断するよりも、専門家の知見を活用

するほうが、摘発を防ぎ、営業停止 というリスクを回避する最善の方法といえます。


ちなみに、無許可営業は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金、またはこれらの

併科です。


違法行為に対する、警察のガサ入れが入った時に、お店のオーナーが「知らなかった」

では、済まされないのです。


また、風俗営業は、お店の名前で決まるのではなく、実質的なサービスの提供方法

により決定されています。


そうすると、お店の名称を、○○○スナックや、○○○パブという名前にしておけば、

風営法の適用を免れるということはないわけです。


要するに、接待行為のサービスを提供するお店は、通常の営業許可種類ではなく、

風俗店の免許が必要ということなのです。


一般の方が、風俗店という言葉を聞くと、性的サービスのお店を連想される方が大半

かと思いますが、それらのサービスを提供する業態は、法的には、性風俗関連特殊営業

に該当します。


よって、法律においては、風俗店営業と性風俗関連特殊営業は、明確に分類されて

いるのです。


ちなみに、最近都内各地域で、マジックミラーごしに、女性の着替え等をのぞき見

させるようなお店に保健所の調査が入り、興行場営業許可を取得するように指導される

ケースが増えているようです


また、全国的に、女子高校生に、会話、散歩、撮影、掃除などの、さまざまな接客行為

をさせる「JKビジネス」は、取り締まりが強化され摘発対象となっていますし、

事実、愛知県では、2015年7月1日から、全国で初めて、「JKビジネス」を全面規制

する改正青少年保護育成条例が施行されます。


今後は、各都道府県も、条例を改正して、現在の法律では締まりが難しいとされる、

法の抜け道にある様々なグレーゾーン営業を行うお店の摘発に踏み込める環境整備を

進めていくことは間違いないでしょう。


このように、近年は、違法営業の摘発は強化されていますので、飲食店営業許可のみ

で、お店を営まれている方の中にも、提供しているサービス方法によっては、風適法違反

として摘発される可能性があることを認識されるべきです。


神田、秋葉原、上野、御徒町、湯島、浅草界隈で、無許可営業とみなされる可能性が

高いお店を運営されている方は、一度、東京都千代田区秋葉原駅徒歩一分の場所を

士業ビジネス の拠点する、行政書士 緒方法務事務所にご相談くださいませ。