黒字倒産を防ぐキャッシュフロー経営


企業経営においては、黒字なのに倒産する企業もあれば、赤字なのに倒産しない

企業も存在します。


企業は、どんなに利益が順調に伸びたとしても、支払ができなくなると倒産という

事態に追い込まれてしまいますので、企業には、黒字倒産を防ぐキャッシュフロー経営

が必要なのです。


黒字倒産を防ぐキャッシュフロー経営の仕組みを導入するというと、一見大変なこと

のように感じる方もいらっしゃるかと思いますが、売上を増やすことや利益を計上

することよりは、遥かに容易なことなのです。


皆さんに、ここで理解して頂きたいこととしては、利益が順調に伸びているにも

関わらず、資金繰りが良くなるどころか、悪化しているような企業の大半は、

社内に財務に精通している人材がいないことが原因になっているということです。


黒字倒産を防ぐキャッシュフロー経営の仕組みを構築するには、企業に財務に精通

している人材が必要ではありますが、もし、社内に財務に精通している人材が

いなかったとしても、高額な年収で財務のスペシャリストを採用する必要は

ありません。


なぜ、そう言い切れるのかを説明すると、皆さんが想像している以上に、

財務はシンプルなので、経営者自らが、財務のポイントさえ掴んでしまえば、

黒字倒産を防ぐキャッシュフロー経営は、容易に実現することは可能なのです。


ここで注意して頂きたいことは、財務はシンプルではありますが、

財務は簡単で易しいということではないということです。


一見すると、財務は、非常に複雑な構造になっているように見えるのですが、

複雑に見えている財務の枝葉の余計な部分を削ぎ落とすことができれば、

財務の核心部分である、財務のシンプルな原則だけが残ることになります。


この財務のシンプルな原則が、どのようなことであるのかを理解しているのが、

財務の専門家です。


財務の専門家から見ると、資金繰りを改善する為の財務のポイントは、

財務のシンプルな原則に特化することなので、そのポイントさえ理解してしまえば、

キャッシュフローを管理することは難しくないのです。


そこで、黒字倒産を防ぐキャッシュフロー経営のためには、財務のシンプルな原則が

何かを知る必要がありますが、皆さんは、何故、このようなことが起こるのか、

想像できるでしょうか?


企業の黒字倒産の話で必ず論点になることが、在庫が急増して資金繰りを圧迫する

ということです。


ここで注意したいことは、在庫が増えている原因です。


売上不振によりデッドストックが増加することで在庫が増えているのか、あるいは、

それ以外の原因によるのかを見極める必要があります。


もう一つ、企業の黒字倒産の話で必ず論点になることとしては、売上債権の回収が

長期化することです。


ここで注意したいことは、売上債権の回収が長期化している原因です。


経営不振による資金繰り悪化により不良債権化するクライアントが増え、

売上債権の回収が長期化しているのか、あるいは、それ以外の原因によるのかを

見極める必要があります。


最後に、企業の黒字倒産の話で必ず論点になることとしては、仕入債務の支払が

短期化していることです。


ここで注意したいことは、仕入債務の支払が短期化している原因です。


仕入コストを下げる為に、支払条件を短期化しているのか、あるいは、それ以外の

原因によるのかを見極める必要があります。


ここまでに紹介した、在庫に関すること、売上債権に関すること、仕入債務に関する

ことを管理することが、黒字倒産を防ぐキャッシュフロー経営には必要不可欠です。


このことを違う表現で説明すると、黒字倒産を防ぐキャッシュフロー経営には、

運転資金をコントロールすることが必要であり、運転資金を管理する為には、

棚卸資産回転期間、売上債権回転期間、仕入債務回転期間を管理する必要が

あるわけです。


要するに、黒字倒産を防ぐキャッシュフロー経営とは、運転資金の管理が全て

言っても過言ではないのです。


しかし、この運転資金を管理するためには、運転資金の構造を理解しなければ、

財務の現場で何を管理すべきかが分からないということになります。


例えば、運転資金の改善策として、売上債権回転期間を改善する為に回収を早める

ということや、仕入債務回転期間を改善する為に、支払を遅らせるということは、

抽象的なことなので具体策とは呼べないのです。


そのような抽象的な指示をしても、指示をされた方は、どうやって改善するのかが

分からず途方に暮れて具体的な対策を取ることはできないでしょうし、そのような

抽象的な指示をするだけで、社員が期待通りに動いてくれるような企業なら、

キャッシュフローが悪化することはありません。


指示された社員が考え込むことなく動けるように、運転資金を改善するための対策を、

小学生が理解できるくらいに具体的に指示できなければ、キャッシュフローが改善し、

黒字倒産を防ぐことは難しいでしょう。


このように、黒字倒産を防ぐキャッシュフロー経営では、運転資金のコントロールが

必要不可欠なので、運転資金構造の理解が、営業キャッシュフローマイナスの改善

に繋がることを認識すべきでしょう。