顧客ランク付けとターゲティング


売上不振の梃入れをするために、ある企業にコンサルタントが訪問して、

企業に対して、質問している場面を想像して下さい。


その企業は、営業活動の質は以前より改善しているはずなのに、

なかなか営業成果が向上しないと頭を抱えているので、コンサルタントが、

「顧客ランク付けをしていますか」と質問すると、

その企業からは、「実施しています」と返事が返ってきました。


続いて、コンサルタントが、

「顧客ランク付けをしている理由を教えてください」と尋ねると、

その企業からは、

「営業効率を上げるためには、顧客のランク付けをして、ランクに応じた対応を

する必要があるからです」という内容の返事が返ってきました。


ここまでの質疑応答を確認すると、顧客ランク付けをしている理由は妥当

といえるので、続けて、コンサルタントが、

「具体的にどのような基準でランク付けをしているのですか」と尋ねてみると、

その企業は、「営業担当者の担当クライアントを契約の確率や契約見込金額等

でランク付けしています」という返事でした。


この返答内容も、理にかなっていると考えることができますので、

コンサルタントが、「他の場面で顧客のランク付けをしていませんか」と

尋ねると、その企業からは、

「他の場面では、顧客のランク付けをしていることはありません」

という内容の返事が返ってきました。


やっと、営業成果が向上しない原因に近付けてきたようなので、

更に、コンサルタントが、

「顧客の主な集客方法は、どのような手段を活用していますか」

と尋ねたところ、その企業からは、

「電話営業」、「ダイレクトメール」という内容の返事が返ってきたのです。


そして、コンサルタントが、

「電話営業をする対象の顧客やダイレクトメールを送付する対象の顧客は、

どのように決定しているのですか」という質問をすると、その企業からは、

「顧客になる可能性がある個人や企業のデータを集めて、片っぱしから電話営業

をしたり、ダイレクトメールを送付したりしています」

との返事が返ってきたのです。


ようやく、営業成果が向上しない原因に辿り着いたようですが、

皆さんは、先ほどまでの企業の返答内容を見て、営業効率という観点で考えて、

理にかなっていないと思われる点がありませんでしたか?


おそらく皆さんは、顧客データに記載されている企業や個人に対して、

片っぱしから電話営業をしたり、ダイレクトメールを送付したりという点

が理にかなっていないと思ったはずです。


営業の現場レベルでは、営業マンが担当しているクライアントを契約の確率

や契約見込金額等でランク付けして営業活動しているにもかかわらず、

営業効率に最も影響する、大元の顧客に対するアブローチの場面では、

顧客データを集めただけで、その集めた顧客データに何の判断基準もいれずに、

片っぱしから電話営業をしたり、ダイレクトメールを送付したりしているのです。


このようなやり方は、営業効率を考えると、全く理にかなったやり方

とはいえませんよね。


やはり、顧客になる可能性がある個人や企業のデータを集めたら、

そのデータを、自社の顧客に相応しいかどうかについて分類する必要

があるのではないでしょうか。


そして、自社の顧客に相応しいと分類されたクライアントを、

何らかの基準を元に、顧客ランク付けをして、各顧客ランクに相応しい

アプローチ方法を採用することが、営業効率という観点からも最も好ましい

ことでしょう。


要するに、記事で例にあげた企業の営業成果が向上しない最大の原因は、

ターゲティングができていないことなのです。


いくら、優秀な営業マンが揃っていたとしても、自社が提供する商品と

自社がターゲットとする顧客にずれがある場合は、売上という成果に

結びつく確率も低下してしまいます。


しかし、自社の商品を目の前に用意すれば、購入してくれるような顧客

だけをターゲティングすることができていれば、新卒社員や営業未経験

の社員でも営業成果を上げることはそれほど難しくないでしょう。


これこそが、企業において、売れる仕組みづくりを構築するための

ポイントでもあり、マーケットでの成功要因ともいえるものなのです。


このように、顧客ランク付けは、顧客へ最初にアプローチする前段階

でされておかなければ、営業効率が大幅に悪化する原因になりますので、

自社がターゲットとする顧客を明確にするためにも、内外環境分析

重視するべきでしょう。