顧客ニーズの把握方法


顧客視点のマーケティングの重要性が叫ばれる中で、顧客ニーズを把握

しなければならないと考える企業は多いのですが、その壁となっていることが、

どうやって調査分析するべきかという、顧客ニーズの把握方法です。


マーケティングの原点でもある、顧客ニーズの把握ができなければ、

マーケティング戦略も作成できませんので、外部に委託して市場調査

をしようと考える企業が多いわけです。


ここで考えなければならないことは、市場調査とは外部環境分析でもあるので、

企業にとって最も重要な経営プロセスの1つということです。


この調査分析の質が、企業のマーケットでの成功を決定づける要因と

なりますので、市場調査を外部に委託するということは、自社にとって

成功の為の最も重要な要素を他人に頼っていることになるのです。


ちなみに、市場調査を専門にしている企業は、何も特別な調査分析手法

を駆使して、顧客ニーズを調査しているのではなく、一般的に、誰しもが

知っているような手法を活用して調査分析をしています。


この市場調査を専門にしている企業の問題点を挙げるとすると、

市場調査を誰が担当するかによって、調査分析結果の質が大きく左右される

ことがあります。


もし、市場調査を担当した人が、自分が重要と思う情報だけに集約して、

顧客ニーズの調査レポートを作成していたとするとどうなるでしょうか?


取捨選択した情報が的確であれば問題ありませんが、取捨選択した情報の中

に有用なものがなかったり、取捨選択した情報がありふれたものばかりで

あれば、市場調査を外部委託した意味がありません。


取捨選択から外れた情報の中に、企業にとって必要な情報がある場合も

ありうるのです。


自社の社内のことを考えても分かりますが、会社の中の誰に仕事を任せる

かによって、仕事の質は大きく変わってくることは言うまでもありませんし、

外部の調査機関においても、全く同じことがいえますので、この点から考え

ても、必ずしも市場調査はあてになるとは限らないのです。


市場調査を外部委託する際には、このような点を考慮しなければなりません

し、自社で市場調査をするレベルと大差ない内容であれば、多額のコストを

掛ける意味がありませんので、市場調査を外部委託する場合は、市場調査を

どんな人が担当するのかについては気を配るべきでしょう。


ところで、現在は、顧客の数だけニーズが存在すると思えるほど、

顧客ニーズが多様化していますので、市場調査をしても、顧客ニーズが

把握しづらくなったといわれることがあります。


その理由の1つとして、誰しもが共通して感じる日常生活の中の不便と

感じることが少なくなったことをあげることができます。


例えば、1950年代後半から、三種の神器として、白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫

の家電が爆発的に売れ始めるのですが、その頃は、モノ自体が各家庭にほとんど

存在していなかったということと、誰が考えても、そのモノがある方が便利

だというモノ自体が各家庭に普及していなかったので、モノを作りさえ

すれば売れたわけです。


しかし、現代は、モノが溢れている世の中であり、モノがあること自体は、

当たり前な時代なので、そのモノが、個人にとってどんな有益性があるのかが、

売れる為の条件といえるのです。


要するに、良いモノや良いサービスの基準が多様化してるので、

顧客ニーズが把握しづらくなったわけです。


そのような多様化した顧客ニーズを掴むためには、従来からある、

教科書的なマーケティングの調査分析手法が機能しづらくなっているのです。


では、何を活用して顧客ニーズを把握すればよいのかということになりますが、

ポイントは、「試行錯誤」というキーワードです。


先ほども解説したように、現代は、顧客ニーズが多様化しており、

従来からある、マーケティングの調査分析手法が機能しづらくなってきて

いるので、考えられうるやり方を試行錯誤して、とにかくやってみる

ことが重要です。


例えば、ある顧客ニーズについての仮説に基づき、あるサービスを開発したとします。


そのサービスを実際に顧客に利用してもらい、顧客の反応を見るわけです。


そうすると、顧客満足のために工夫して開発した新サービスが、実は、全く顧客が望む

ことではなかったというようなことは往々にしてあるのです。


顧客ニーズを調査した結果、顧客は、このような商品やサービスを

求めているはずだと思って、新商品や新サービスを開発したとしても、

顧客が求めることと逆のことをしてしまうケースもあるので、

まずは、やってみて、顧客の反応を確かめることが重要なのです。


このような、顧客ニーズを調査し、顧客の反応を確かめて、試行錯誤

することによって、隠れた顧客ニーズを見つけることができますので、

外部の調査機関に多額のコストを掛けて市場調査をするよりは、

自社でできる範囲の顧客ニーズについての情報収集をして試行錯誤

を繰り返し、見えない顧客ニーズを発見する方が、より会社のマーケティング

の基礎体力を向上させることにも繋がるのです。


ゆえに、顧客ニーズの把握方法には、近道は存在しないということを認識し、

あてにならない外部の市場調査に頼らないことが、企業には求められるのです。