国際会計基準(IFRS)


■国際会計基準(IFRS)とは

国際会計基準(IFRS)とは、国際会計基準審議会(IASB)によって設定され、

世界の大半の国で採用されている、世界標準の会計のルールのことです。


国際会計基準(IFRS)を導入することにより、ステークホルダーによる

国際企業間の比較が容易になります。


この国際会計基準(IFRS)が導入されることによる重要なポイントに、

財務諸表での包括利益の表示があります。


包括利益とは、企業が営業活動にて獲得した最終的な儲けである純利益の外に、

資産から負債を差引いた差額である純資産の増減金額を加えたものです。


包括利益は、貸借対照表を重視した概念といえます。


国際会計基準(IFRS)における財務諸表は、財政状態計算書、包括利益計算書、

株主持分変動計算書、キャッシュフロー計算書にて構成されています。


尚、企業の経理部においては、包括利益を含む、国際会計基準(IFRS)の形式的な

ルールよりも、財務管理がより重要であることはいうまでもありません。


ちなみに、のれんに関する国際会計基準(IFRS)と日本の会計基準の相違は、

正ののれん償却に関する取り扱い方法だけになっており、国際会計基準(IFRS)

における固定資産の管理においては、資産除去債務などの業務が新たに増える

ことになります。


■国際会計基準(IFRS)における重要な概念

・包括利益計算書

包括利益計算書とは、国際会計基準(IFRS)における、一定期間の

経営成績を表わした損益計算書に相当する財務諸表のことです。


包括利益計算書のフォーマットには、1計算書方式と2計算書方式があり、

包括利益計算書では、保有する資産の時価を重要視しています。


この包括利益計算書の様式としては、1計算書方式と2計算書方式があります。


1計算書方式とは、当期純利益の表示と、包括利益の表示を1つの計算書にて

表示する書式です。


2計算書方式とは、当期純利益を表示する損益計算書と包括利益を表示する

2たつの計算書にて表示する書式です。


・財政状態計算書

財政状態計算書とは、国際会計基準(IFRS)における、企業のある一定時点での

財政状態をを表わした貸借対照表に相当する財務諸表のことです。


財政状態計算書は、資産、負債、所有者持分(純資産)で構成されており、

財政状態計算書は、資金の調達源泉と資金の運用形態を表しています。


この財政状態計算書の様式は、従来の貸借対照表のように、資産項目と

負債・資本項目をバランスさせて表示するのではなく、事業(営業・投資)、

財務、非継続事業、法人所得税、所有者持分に区分して表示しています。


各項目の数値や各項目の数値合計が貸方残高の場合は、その数値を()書きして

表示することになります。


なお、財政状態計算書の表示方法は、効率的にキャッシュフローに関する予測や

財務分析が出来るように配慮されています。


・資産除去債務

資産除去債務とは、将来、使用しなくなった有形固定資産を、売却・解体・

廃棄などの除去をする際に、法令や契約で負担が求められている有形固定資産の

除去費用債務のことです。


資産除去債務の英語表記は、asset retirement obligationsです。


資産除去債務は、資産取得時に、資産と負債に両建て処理し、資産除去債務は、

資産の耐用年数に応じて、減価償却費として費用化されることになります。


この資産除去債務は、基本的に、資産を取得し、資産除去債務を認識して、

会計処理する際は、貸借対照表の固定負債に表示することになります。


資産除去債務の履行が、1年以内に到来する場合は、流動負債に表示する

ことになります。


ちなみに、資産除去債務の説明の中で用いられている除去とは、有形固定資産を

使用しなくなった後に、売却、廃棄、リサイクルなどをすることが該当します。


また、資産除去債務の会計処理方法は、最初に、将来の支出が予想される費用を

見積もり、次に、無リスクの割引率を用いて現在価値を算定してバランスシートに

計上し、バランスシートに計上された資産除去債務は、資産の耐用年数に応じて、

減価償却費として費用化されることになります。


資産除去債務における割引率は、無リスクの税引前の利率であり、

将来のキャッシュフローが発生する迄の期間と同じ国債の利率を基準

として決定します。


資産除去債務税務としては、資産除去債務税効果処理では、将来減算一時差異

として繰延税金資産の計上が会計上必要となります。


資産除去債務の注記には、下記の様な項目があります。


・資産除去債務の内容の簡潔な説明
・資産除去債務費用支出発生までの想定期間
・資産除去債務を計算する際に適用した割引率等の前提条件
・資産除去債務の総額の期中増減内容


また、資産除去債務では、アスベスト処分や土壌汚染対策に関する対策費用は

金額も大きく査定にも時間と労力を要します。


尚、資産除去債務の対象有形固定資産としては、リース資産や建設途中の建設仮勘定、

投資その他の資産に計上されている投資不動産も含まれます。