金融


■金融とは


金融とは、お金の流れやお金の貸し借りのことです。


経済にとって金融は、人間の体に例えると血液のようなものなので、

経済の血液である金融が動脈硬化を起こしたりすることは、

経済にとって重大な病気を発症するようなものです。


この金融を事業として行っている企業には銀行・証券会社・生命保険会社・

損害保険会社などがあります。


銀行や証券会社などは、社会のお金の流れを円滑にするインフラであり、

お金の貸し借りをする機能も備えているので金融業と呼ばれています。


ちなみに、ファイナンス(finance)とは、金融という意味です。


なお、金融のお金の貸し借りは、企業の財務活動にとっては欠くことが出来ない

重要な機能なので、この分野での財務部の役割は、非常に重いといえます。


■短期金融市場と長期金融市場

・短期金融市場

短期金融市場とは、金融機関や事業法人が資金調達する、調達期間が1年未満

の金融取引が行われるマーケットのことです。


短期金融市場には、インターバンク市場とオープン市場があり、

短期金融市場は、日本銀行が金融を調節するマーケットです。


短期金融市場で一般的に利用されている用語に、ビッド(bit)とオファー(offer)が

ありますが、ビッド(bit)とは、この価格で買いますよという意味であり、オファー

(offer)とは、この価格で売りますという意味です。


・インターバンク市場

インターバンク市場とは、取引参加者が銀行などの金融機関に限定されている

調達期間が1年未満の金融取引が行われるマーケットのことです。


インターバンク市場には、コール市場、 手形市場、ドルコール市場があります。


このインターバンク市場に参加している金融機関には、銀行、証券会社、保険会社、

信用金庫、投資信託会社、短資会社などです。


また、インターバンク市場では、特定の取引所は存在しておらず、銀行などの金融機関

が、電話や専用情報端末などを利用することで成り立っているマーケットです。


尚、インターバンク市場では、資金需要がある銀行が多くなれば金利は上昇し、

逆に、資金供給をする銀行が多くなれば金利は下落します。


・コール市場

コール市場とは、取引参加者が銀行などの金融機関に限定されている

短期の一時的な資金過不足を調整するマーケットのことです。


コール市場には、有担保コール市場と無担保コール市場があり、

コール市場の代表的な短期金利が無担保コール翌日物金利です。


このコール市場は取引者間の意志決定が電話連絡で完結するテレフォンマーケットです。


コール市場において、調達側から見た場合の資金の名称がコールマネーで、

運用側から見た場合の資金の名称がコールローンと呼ばれています。


短資会社は、コール市場では、有担保コール市場ではデイーリング取引をおこない、

無担保コール市場では、取引のマッチングであるブローキング取引を行っています。


ブローキング取引では、短資会社が、オファービッド方式により、資金の調達側と

資金の運用側の仲介取引をしています。


また、コール市場において、調達側から見た場合の資金の名称がコールマネーで、

運用側から見た場合の資金の名称がコールローンと呼ばれています。


・オープン市場

オープン市場とは、金融機関だけでなく事業法人も自由に参加できる、

調達期間が1年未満の金融取引が行われるマーケットのことです。


このオープン市場に参加している金融機関には、銀行、証券会社、保険会社、信用金庫、

投資信託会社、短資会社などがあります。


このオープン市場の種類の説明は下記の通りです。


オープン市場の種類の説明

①譲渡性預金(CD)とは、第三者に譲渡可能な自由金利預金の取引を行うマーケット。
②債券現先とは、一定期間後に一定価格で売り買いすることをあらかじめ決定した
債券売買取引を行うマーケット。
③債券レポとは、現金担保付の債券の賃借取引をするマーケット。
④CP(コマーシャルペーパー)とは、企業が国内で発行する無担保の約束手形を取引するマーケット。
⑤FB(政府短期証券)とは、日本政府が一時的な資金繰りのために発行する債券を
取引するマーケット。
⑥TB(割引短期国債)とは、償還期間が6カ月または1年の国債を取引するマーケット。
⑦BA(Banker's Acceptance=銀行引受手形)とは、輸出入業者等が、貿易決済の為に振
り出した手形を銀行が支払人として引き受けた期限付為替手形を取引するマーケット。


・長期金融市場

長期金融市場とは、取引期間が1年以上の長期金融取引が行われる市場のことです。


長期金融市場は、資本市場(キャピタルマーケット)とも呼ばれており、長期金融市場

である証券市場は、株式市場と公社債市場に分類できます。


この長期金融市場である株式市場と公社債市場は、発行市場と流通市場に分類する

ことができ、長期金融市場は、企業にとっては、設備投資や長期運転資金などの

資金使途で利用するために株式や債券を発行することにより資金調達する市場でも

あります。


債券市場を分類すると、国内市場・海外市場、発行市場・流通市場、現物市場・

先物市場、取引所市場・店頭市場に区分することができます。


長期金融市場は、市場参加者による将来の景気予測や景気の実態により大きく

左右されます。


景気の拡大場面や景気が回復すると予想される時期は、長期金融市場での資金調達

コストは増加して、景気の下降局面や景気が悪化すると予想される時期では、

長期金融市場での資金調達コストは減少することになります。


尚、長期金融市場に含まれるものとして、東京電力などの電力会社が発行する電力債

がありますが、電力債は、日本国債に次いで信用力の高い債券であり、電力債は、

その高い信用力を背景にして、電気を安定供給するインフラ整備の為には欠かせない

仕組みです。


■無担保コール翌日物と短資会社

・無担保コール翌日物

無担保コール翌日物とは、コール市場において金融機関が無担保にて、

当日に資金を借りて翌日に返済する資金のやり取りのことです。


この資金のやりとりの金利を、無担保コール翌日物金利と呼び、無担保コール翌日物

金利は、日本の短期金融市場の代表的な短期金利の指標です。


この無担保コール翌日物は、無担保コールオーバーナイト物とも呼ばれています。


また、コール市場におけるコール取引には、有担保コール(担保が必要)と、

無担保コール(担保が不要)があります。


日銀がデフレからの脱却を目指して行うゼロ金利政策とは、日本銀行が政策ターゲット

にしている短期金利である無担保コール翌日物の金利を実質ゼロまで下げることです。


日銀は、コール市場に資金を大量供給して、無担保コール翌日物の金利の誘導目標を

実現します。


無担保コール翌日物の金利の推移を調べるには、日本銀行HPの各種マーケット関連統計

データの短期金融市場の項目で確認できます。


・短資会社

短資会社とは、金融機関向けのコール市場などの短期金融市場で、

銀行間の貸借取引の仲介を行う会社のことです。


短資会社は、日本の短期金融市場において重要な役割を果たしており、

短資会社は、出資法に基づく貸金業者で、金融庁の監督下におかれています。


この短資会社は、コール業者とかコールブローカーとも呼ばれています。


また、短資会社は日本銀行とも当座預金取引や為替相場取引があり、

日本の短期金融市場にて大きな役割を果たしています。


短資会社の業務内容は下記の通りです。


短資会社の業務内容

①コール資金取引とその媒介
②インターバンク預金の仲介
③政府短期証券(TB)の売買とその媒介
④譲渡性預金(CD)の売買とその媒介
⑤手形売買取引とその媒介
⑥金利先物等の受託
⑦外国為替売買の仲介


なお、日本の短資会社は、上田八木短資、セントラル短期投資、東京短資の3社のみで、

最近は、どの短資会社も、FX事業に参入して事業規模の拡大を図っています。