起業に向いている人、起業に向いていない人


起業家には、失敗を恐れずに挑戦する気持ちが必要だとよく言われます。


そうすると、失敗を恐れずに挑戦する気持ちを持っている人は、独立に向いている人で、

失敗を恐れずに挑戦する気持ちを持っていない人は、独立に向いていない人ということに

なるのでしょうが、ものごとは、そんなに単純ではありません。


誤解を恐れずに言うと、何にでも白黒はっきりつけようとする人は、

起業に向いている人とはいえないと思っています。


なぜなら、事業においては、白黒はっきりつけることができないことばかりだからです。


事業においてはと言うよりも、世の中においてはと言う方が、より適切であるかも

しれません。


世の中は、矛盾が満ち溢れていますので、現実の矛盾から目を背けることなく、

矛盾を簡単に解決しようとせず、矛盾に対峙する姿勢が必要なのです。


矛盾と対峙して、成功するまで諦めない気持ちを持ち続けられるような人は、

起業に向いている人といえます。


また、ものごとに対して、白黒はっきりつけないと気が済まない人は、

精神が弱い表れなのです。


精神の弱い人は、自分の中で、白黒はっきりつけないと、精神が不安定になり、

その不安定な気持ちに耐えることができないので、早く白黒はっきりつけようと

するのです。


しかし、事業においては、白黒はっきりつけられることよりも、いわゆる

グレーゾーンのことがはるかに多いので、起業家には、白黒はっきりつけられない

宙ぶらりんの状態に耐えることができる強い精神が必要なのです。


余談ではありますが、心の不安定さが特徴的な心の病に、境界性人格障害がありますが、

この心の病気は、白黒はっきりつけようとする二者択一的思考が目立ち、衝動的に

なりやすく、気分が冴えないことが多いようです。


また、境界性人格障害は、ストレスが影響する気分障害が影響していることが多いので、

ストレスに弱い人が多く抱えている症状であり、なにも特別な精神障害ではないのです。


しかし、このような精神状態では、起業という不安定な精神状態に身を置くことは難しい

といえますので、ストレスに弱い人は、独立に向いていない人といえるでしょう。


文芸評論家の亀井勝一郎は、「割り切りとは、魂の弱さである」と語っていますが、

起業家を志そうとする人達は、この言葉の重みをかみしめるべきでしょう。


また、成功の法則を探し求めるような人も、起業に向いていない人といえるでしょう。


なぜなら、永遠に成功する法則など存在しないからです。


例えば、学校の試験のように、必ず答えが1つであれば苦労はしないのですが、

世の中には、答えが1つというようなことは稀なので、その時の状況において、

無数にある選択肢の中から、最も適切な手段を講じる必要があるからです。


そのような、決断をする際に、以前は、この方法で上手くいったから、

今回もこの方法で上手くいくはずだと、考え、早く白黒はっきりつけようとする人は、

誤った手段を選択してしまうケースが往々にしてあるのです。


一見、同じような状況でも、その時の関係者やその時の周辺の状況によって、

微妙に変化があるので、以前、同じような状況で上手くいった方法が必ず有効とは

限らないのです。


では、ビジネスにおいては、何を判断の基軸にして決断をするべきなのでしょうか?


それは、ビジネスにおける、真理を基軸にするべきです。


ビジネスにおける真理とは、数千年前の昔から存在する、現代においても通用する

普遍的な考え方です。


ビジネスでは、そのような普遍的な考え方をベースにし、その時の状況にカスタマイズ

することが、成功への近道といえます。


そのような、ビジネスにおける、普遍的な考え方が何かを理解している人こそが、

起業に向いている人といえますし、成功する可能性が高い起業家といえるでしょう。


このように、独立に向いている人・向いていない人を、簡単に論じることは

できませんし、こんな人なら、起業をして、必ず上手くいくなどということは

ありませんので、独立に向き不向きについても、本質的な面を考慮すべきでしょう。