起業家と資金調達


素晴らしいビジネスプランや商品のアイデアはあるのに、先立つお金がないと

嘆く起業家は非常に多いようです。


起業家が独立を実現する為に、最初に壁になるのが資金調達の壁なのですが、

起業家が資金調達に対する認識が甘いと、独立を実現することも難しいでしょうし、

大半の中小企業は資金調達に苦労していますので、開業後も、資金調達で苦労する

ことは間違いないでしょう。


起業前の資金調達で、最も苦労することは、独立に必要な資金を確保することですが、

この創業資金を確保する上で、重要なことがあります。


それは、少なくとも、開業に必要な資金の最低半分以上は、自分自身が働いて貯めた

お金で準備するべきです。


なぜなら、自分自身が働いて貯めた貴重なお金を使用して独立する場合と、

親族や知人からお金を借入して開業する場合では、起業に対する真剣度合いが

全く異なるからです。


自分自身が働いて貯めたお金を使用して起業する場合は、不退転の覚悟で独立に

向き合う方が大半でしょうが、親族や知人からお金を借入して開業する場合では、

失敗してもやり直しがきくという、気安さがある方が多いのではないでしょうか。


起業は、中途半端な気持ちで成功できるほど簡単なものではありませんし、

もし、安易な気持ちで、独立しようと考えているのであれば、その安易な気持ちが

命取りになる可能性が高いでしょう。


次に、起業に必要な資金の考え方ですが、間違っても、会社の開業時に必要な資金

だけを想定しているようでは、その時点で、独立の成功確率は限りなく低いと

いえるでしょう。


なぜなら、起業した後は、事業が軌道に乗るまで、資金が持つかどうかが

最大の焦点になるからです。


どんなに、素晴らしいビジネスプランや商品のアイデアがあったとしても、

事業が軌道に乗る前に、資金が底をついてしまったら、会社を継続させる

ことができなくなります。


そうすると、起業に必要な資金を考える際は、事業が軌道に乗るのは何時頃に

なりそうかを決定することからはじまります。


どんなに、早期に事業が軌道に乗りそうだと考えたとして、自分が想定する時期

よりは、事業が軌道に乗る時期は遅れると想定しておく方が無難でしょう。


例えば、創業後、半年で事業を軌道に乗せる自信がある方は、事業が軌道に乗る

時期を創業後、1年後位に余裕を持たせた計画にしておくと、独立後に、不足の自体

が起きた時でも、資金繰りに支障がでることはないでしょう。


ちなみに、事業が軌道に乗るとは、単月で、売上が経費を上回る黒字となり、

その黒字傾向が継続することを意味しています。


このように、事業が軌道に乗る時期を決定すると、その時期までに会社に入って

くると資金と、会社から出ていく資金が明らかになりますので、開業時に用意する

資金に、事業が軌道に乗る時期までの入金合計金額を足して算出した金額から、

事業が軌道に乗る時期までの出金合計金額を引くと、その時点で会社に残る

現預金残高を計算することができます。


その現預金残高の金額が、プラスの数値であれば、資金繰りに支障がないと

いえますし、現預金残高の金額が、マイナスの数値であれば、資金ショートを

起こしていることになりますので、もう一度、資金計画を作成し直す必要があります。


資金計画を作成し直す際は、事業が軌道に乗る時期を見直したり、予定している

支出の金額を減らしたりして、計画訂正することが基本となります。


しかし、事業が軌道に乗る時期に関しては、慎重に想定しておくことが基本なので、

もし、事業が軌道に乗る時期を、相当前倒ししないと、資金繰りが回らないよう

であれば、その計画には無理があると認識するべきです。


無理な計画をやっても、起業の成功確率は高まりませんし、開業後に、不足しそうな

資金は、どうにかして資金調達するという運を天に任せるような考えで、事業を始め

ても上手くいくことはありません。


基本的に、起業した後は、金融機関から融資はしてもらえないという前提で、

資金繰りを考えておかなければ、間違いなく、資金繰りに行き詰ります。


ここまでに説明した内容を御覧頂いただけでも、独立前の起業家の資金調達を考える

上で、開業後の資金繰りの見通しが重要であることが御理解いただけることでしょう。


要するに、起業を成功させたければ、開業の際は、支出は限界まで切り詰めて、

会社の規模を可能な限り小さくして、会社の資金が余裕があるうちに、事業を軌道に

乗せることが求められるわけです。


このように、起業家の資金調達を考える際は、事業を軌道に乗せるまでの資金繰り

の見通しによって、独立に必要な資金が変化することを考慮することが最も重要な

ことといえるでしょう。