研究開発部が会社を変える


企業が急成長する際の牽引役になる要因は様々あります。


例えば、社長が交代して、企業が一変し業績が急拡大するケースや、

マーケティングや営業が強化されて売上が飛躍的に伸びるケースなど、

例を挙げていくときりがありません。


しかし、企業の外部から見た場合には、ある企業が急成長している理由が明確に

分かるケースは、企業が、マーケットで大ブームを起こすような新製品の開発

に成功した時でしょう。


現在は、数十年前と異なり、インターネットが普及したおかげで、業種に関係

なく短期間のあいだにマーケットにおいて爆発的なヒットを起こしている例が

数多くあります。


その良い例が、スマートフォンのゲームアプリビジネスです。


パズドラの空前の大ヒットで一躍有名になったガンホーは、売上高を2年間で

約96億円から約1630億円に18倍に増やしています。


売上規模の小さな企業では、数年で10倍どころではなく、100倍以上に売上が

急拡大している企業も珍しくないほどです。


会社を変えてしまう程の急成長をしている陰には、必ず新製品開発の成功

という原因が存在しているのです。


そのような背景があり、企業も、画期的な新製品の開発が企業業績を左右

することを理解しているので、新製品の研究開発に力を入れているわけです。


ゆえに、研究開発部の役割として期待されていることが、新製品の研究開発

ということになるのです。


研究開発部に所属する者の心得として、良い製品や優れた製品の開発を目指

してはいけないということを肝に銘じておかねばなりませんが、何故、良い製品

や優れた製品の開発を目指してはいけないのかの理由についてはこれから

説明していきます。


ところで、研究開発部に所属している皆さんにお尋ねしますが、会社の命運

を握っているともいえる新製品の開発業務をどのように遂行していますか?


新製品のコンセプトや企画などの、どのような新製品を開発するかについては、

マーケティング部や企画部など他の部署が考えた流れに沿って、新製品の開発

業務を遂行していませんか?


研究開発部が、そのような受け身の姿勢で業務を遂行していては、大ヒット

するような新製品の開発は難しいでしょう。


なぜなら、マーケティング部や企画部の人間は、技術的なことを理解している

とはいえず、どのような根拠があって、新製品のコンセプトや企画などを考えた

のかが、甚だピンとはずれのケースが多いからです。


その理由は、マーケティング部や企画部に所属している人の大半は、

マーケットの本質を理解できていないからです。


一般的に、新製品の開発というと、これまでにない画期的な製品を思い浮かべ

てしまいますが、既に、良い製品や優れた製品を開発すれば売れる時代は終わ

っていますし、そのような良い製品を開発すれば売れるという認識が誤っている

ということも、一般的にも、広がりはじめています。


ここで、何故、良い製品の開発を目指すことが誤っているのか理解できない方

の為に簡単に説明すると、良い製品とは、開発した本人達だけが良いと思って

いるだけで、製品を利用する消費者が良いと思うかどうかは別な問題である

からです。


要するに、消費者が良いと思い購入してくれる製品こそが良い製品なので、

研究開発部が目指すべきことは、良い製品や優れた製品を開発するのではなく、

売れる製品を開発することなのです。


売れる製品とは、消費者が良いと思い購入してくれる製品なので、自分達だけが

良い製品であると自己満足に浸っている新製品が、必ずしも消費者に売れ入れ

られるとは限らないのです。


では、売れる製品を開発する為には、何をするべきなのでしょうか?


それは、マーケティングにおける内外環境分析を行い、売れる製品の開発

にも繋がる、マーケットでの成功要因を見つけることです。


このマーケットでの成功要因を見つける内外環境分析を行う最適な人は、

技術のことが分かる人間であり、即ちそれは、研究開発部に所属している

人なのです。


技術のことが分かる人間が、現在のマーケットの状況を知れば、新しい製品開

発のアイデアが次から次にでることでしょう。


研究開発部に所属している人達が、現在のマーケットの状況を知り、

新しい製品開発のアイデアが次から次にでる理由は、あることを製品化できる

かどうかを技術的なアプローチにより判断することができるからです。


その点が、研究開発部の人とマーケティング部や企画部の人との決定的な

違いなのです。


しかし、ここで聞こえてきそうな意見としては、マーケットの分析も専門知識

や経験が必要ではないのかということですが、御心配には及びません。


マーケットの分析方法は、シンプルな基本的な理論さえ理解できれば、

研究開発部の人間が、明日からでもマーケットを分析して、分析した結果を、

新製品の開発に活かすことは可能なのです。


しかし、研究開発部に所属する人が、マーケティング業務にかかわることが

少ないのが現状ですし、そのことが企業の停滞を招いている原因の1つ

でもあります。


企業が脱皮する為には、受け身の姿勢で研究開発をしている研究開発部が

その姿勢を転換して、研究開発部が中心となり、新製品の開発をすることが

求められるわけです。


そのような変化を会社に起こすことができた時に、研究開発部が会社を変える

ことができるのです。


このように、新製品の開発業務のやり方を変えるだけで、研究開発部が会社を

変える可能性が高まることは間違いありませんので、研究開発部に所属する人間

こそ、マーケティングの知識が必要不可欠であるといえます。