景気サイクル


■景気サイクル


景気サイクルとは、景気の良い時期と景気の悪い時期が、ある一定の周期で交互に

循環することです。


景気サイクルの種類には、キチンサイクル、ジュグラーサイクル、

クズネッツサイクル、コンドラチェフサイクルがあります。


景気サイクルは、景気循環サイクルとも呼ばれています。


この景気サイクルは、株式相場、債券相場、商品相場、為替相場にも影響を及ぼし

ますので、景気サイクルと相場サイクルは密接な関係があるといえます。


また、景気サイクルを参考にして、経営戦略を見直すこともありうるでしょう。


ちなみに、景気サイクルの先行指標ともなりうる経済指標として、信頼されている

統計データとしては、GDP(国内総生産)、日銀短観、法人企業統計調査があります。


■景気サイクルの種類

・キチンサイクル

キチンサイクルとは、在庫投資の活動周期を原因とする、

短期の景気サイクルの1つです。


キチンサイクルの周期は、景気の山から山、もしくは、景気の谷から谷への期間が、

約40ヶ月とされています。


このキチンサイクルは、企業が好不況によって、在庫を増やしたり減らしたりする、

在庫投資の活動サイクルによって周期が決定されると考えられている景気サイクルです。


キチンサイクルは、アメリカの経済学者のキチンが発見したことにより、その名称が

付けられています。


有名な在庫の景気指標の1つに「BBレシオ」があります。


BBレシオとは、出荷額に対する受注額の割合のことです。


BBレシオは、需給関係を客観的に示す指標で、業績の先行指標であるといえます。


有名なBBレシオとしては、半導体製造装置のBBレシオが特に有名です。


この半導体製造装置BBレシオは、半導体関連企業で構成されている、

フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)に大きな影響を与える指標です。


BBレシオの、出荷額と受注額の割合を把握することにより、業界全体の

トレンドを知ることができます。


毎月のBBレシオの数値だけでは、特殊要因などの影響で変動が大きくなりやすいため、

BBレシオは、3ヵ月の移動平均値を用いる事が一般的です。


また、BBレシオの見方としては、例えば、BBレシオの算出結果が0.8であった場合は、

出荷額100に対して受注額が80であったことを示し、先行きの出荷額が直近の

出荷額よりも減少する可能性があることを示唆しています。


BBレシオが1を割り込と、業界全体の市況は低迷・悪化していることを示しているので、

受注をしてから実際に納品をするまでに期間を要する業界では、このBBレシオが業績の

先行指標であるといえます。


ちなみに、BBレシオのBBとは、Billing(出荷額)とBooking(受注額)の頭文字のBを

取ってBBレシオと呼ばれています。


・ジュグラーサイクル

ジュグラーサイクルとは、企業の設備投資の活動周期を原因とする、

景気サイクルの1つです。


ジュグラーサイクルの周期は、景気の山から山、もしくは、景気の谷から谷への期間が、

約10年とされています。


このジュグラーサイクルは、企業が好不況によって、生産設備を増やしたり

減らしたりする、設備投資の活動サイクルによって周期が決定されると

考えられている景気サイクルです。


ジュグラーサイクルは、フランスの経済学者のジュグラーが発見したことにより、

その名称が付けられています。


設備投資とは、製品の製造や事業活動に不可欠な、土地、建物、機械装置、

ソフトウエアなどを購入することです。


設備投資は、企業競争力の源泉となるもので、企業経営にとって重要な意思決定項目の

1つです。


設備投資は、長期的な経営計画の、設備投資計画に基づき資金調達計画を作成し

調達資金に目処を付けてから、投資を実行に移すことになります。


設備投資等の投資の採算性を判断するために用いられる指標としては、

ROI(投下資本利益率)があります。


また、設備投資計画を作成する際は、経済環境の変化により設備稼働率と

収益状況がどのように影響を受けるのかを充分シミュレーションする

必要があります。


設備投資を実行すると、資金を長期間固定化することになり、新たな維持管理コスト

が発生し、企業の資金繰りにも大きな影響を与えます。


そこで、長期で使用する固定資産は、財務の健全性を維持する為にも、返済期限がない

株主資本や返済期間の長い固定負債で資金調達すれば、適正な固定比率や固定長期適合率

を維持できます。


もし、設備投資を実行しても販売が想定よりも伸びない場合には、

過大な設備投資による減価償却費の負担と資金調達コストである金利負担、

資金返済原資の不足により企業の財務体質が悪化することで不況抵抗力を

弱める事態にもなります。


このように、設備投資を実行すると、固定資産の維持費用である様々な固定費が増加

することで、損益分岐点が上昇するので、収益構造の変化には注意が必要です。


・クズネッツサイクル

クズネッツサイクルとは、建物の建替え周期を原因とする、

景気サイクルの1つです。


クズネッツサイクルの周期は、景気の山から山、もしくは、景気の谷から谷への期間が、

約20年とされています。


このクズネッツサイクルは、建築物の建替え周期による建設需要や

建築投資によって周期が決定されると考えられている景気サイクルです。


アメリカの経済学者のクズネッツが発見したことにより、その名称が

付けられています。


・コンドラチェフサイクル

コンドラチェフサイクルとは、技術革新の周期を原因とする、

景気サイクルの1つです。


コンドラチェフサイクルの周期は、景気の山から山、もしくは、景気の谷から谷

への期間が、約55年とされています。


このコンドラチェフサイクルは、自動車・飛行機・パソコン等の様な

革命的な技術革新によって周期が決定されると考えられている景気サイクルです。


ロシアの経済学者のコンドラチェフが発見したことにより、その名称が

付けられています。