経費精算業務は無駄の温床


最近は、中小企業においても業務の効率化は進んでおり、経理部に関する業務

でも、会計ソフトを導入している企業は、ほぼ100%近くになっているので、

手作業でやっていた時代と比較すると、格段に業務の効率化が図れています。


しかし、経理の仕事に関する業務でも、業務の効率化が進んでいない分野が

あります。


それが、経費精算業務です。


経費精算業務とは、社員が、交通費、備品の購入、交際費、会議費、

その他雑費などを立替払いした経費を、会社に請求して経理が精算をする

業務のことです。


この経費精算業務を考える時には、2つの視点で考える必要があります。


それは、経費を立替える側の社員の視点と、経費精算業務に要する

手間の視点です。


皆さんも、会社で経費の精算をした経験があると思いますが、

経費の精算が数万円単位になった時は、どんな気持ちでしょうか?


おそらく、早く経費の精算をしたいと思う社員が大半でしょうし、

金欠の人にとっては経費の立替は死活問題です。


また、営業社員は、クライアントに訪問する等、外出をする機会が必然的

に多くなるので、交通費も馬鹿にならないくらい立替が多くなりますので、

酷い社員になると、交通費を立て替えるお金がないので、営業活動に支障が

出るとクレームをつける人もいるくらいです。


そのような現状を見かねた営業責任者は、社長や経理の責任者に掛け合い、

経費の精算ができる回数をもっと増やして欲しいと要求したり、毎日、経費

の精算ができるようにして欲しいと主張するようになります。


この辺までが、経費を立替える側の社員の視点です。


そして、社長や経理の責任者が、営業活動に影響を及ぼすことに配慮すると、

経費の精算回数を増やすようになる場合が多いのですが、経費の精算回数を

増やすとどこに影響がでるのでしょうか?


ここで、一般的な、経費精算業務のフローを確認してみたいと思いますが、

経費精算業務のスタートラインは、各社員が、経費精算申請書に、支払った

経費の金額や支払内容等の所定の事項を記載し、申請書に領収書を

添付することです。


次に、経費精算申請書を、自分が所属する部署の責任者に提出し確認を

してもらい承認印を押してもらいます。


そして、承認印が押された経費精算申請書が経理の支払担当者のもとに

集められ、経理の支払担当者と経理の責任者のチェックを通過した

経費精算申請書だけが、所定の日に支払われることになります。


しかし、各部署の責任者が忙しかったりすると、その経費精算申請書が、

その責任者の手許で滞り経費精算の期日に間に合わないこともしばしば

あるのです。


そのようなケースでは、経費精算の期日を過ぎていても、各部署の責任者が、

経理の支払担当者に、あれこれと無理難題を言って、支払をするように

頼んでくることは、どこの会社でもある光景です。


そのようなことが、度々起こると、経理の支払担当者の仕事の手間が

更に増えることは言うまでもありません。


ちなみに、各社員が、自分が所属する部署の責任者の承認を受けずに、

経理に経費精算申請書を回すことは、不正が起きる原因ともなり内部管理体制

に問題がありますので、必ず、各自が所属する部署の責任者に承認をもらい、

経理に申請書を回すことが基本となります。


なお、経理の支払担当者が、経費精算申請書が回ってきた時にする確認作業

としては、下記の項目があります。


①領収書の金額や内容と経費精算申請書に記載された内容を確認する。
②経費精算申請書に、各部署の責任者の承認印が押されているかを確認する。
③支払った内容や金額によっては、稟議書が必要になるので、稟議がおりて
いるか等を確認をする。
④申請した人に仮払いがあるかを確認し、仮払があれば経費の精算を仮払で
相殺する。
⑤誤りを発見したら、申請した人に経費精算申請書を返却して、
訂正を依頼する。


経理の支払担当者は、上記の項目をチェックして、経理の責任者の承認を

もらい、経費精算を申請した人にお金を支払うために、銀行に現金を引き出し

にいきます。


しかし、経理の支払担当者が、銀行から現金を引き出しす際にも一手間

かかるのです。


例えば、会社全体で経費精算の金額が100万円ピッタリで銀行から1万円札を

100枚現金を引き出しても、各人に支払うべき金額をみると、952円の人も

居れば、34500円の人も居たりするので、1万円札が100枚あっても、

各人に支払うごとに、お釣りをあげたりもらったりするなどの余計な手間が

発生するのです。


そこで、経理の支払担当者は、各人毎に支払う金額を仕分けできるように

するために、銀行から現金を引き出す際には、各金種が何枚必要かを事前に

把握して、必要な金種の枚数だけ銀行から現金を引き出しているのです。


そして、経理の支払担当者は、銀行から現金を引き出して、会社内にいる

各人にお金を配り歩くことになるのですが、お金をただ渡すだけではなく、

お金を渡す時は、お金を渡した人から確認の印をもらう必要があります。


そうすると、精算したお金を渡すべき本人が外出して社内にいなければ、

本人が外出から戻る迄、経理の支払担当者が本人に渡す精算したお金を

保管して、再度、本人を見つけてお金を渡しに行くことになるのです。


この辺までが、経費精算業務に要する手間の視点であり、経費精算業務は

無駄の温床といえることが御理解頂けることと思います。


このような経費精算を申請する人数が10人位までなら、経理の支払担当者も、

たいした業務負担とはならないでしょうが、経費精算を申請する人数が50人

や100人になったらどうでしょうか?


経理の支払担当者の視点で考えても、1人の経費精算の確認に要する手間が

平均3分かかるとすれば、経費精算を申請する人数が50人であれば、

2時間30分はその業務に時間が必要ですし、経費精算を申請する人数が

100人であれば、5時間も必要になるのです。


そのように時間がかかる業務を、一週間に何回もやることが会社にとって

プラスなのかどうかは甚だ疑問です。


しかし、経費精算業務は無くすことが不可能な業務なので、業務の効率化を

図る必要があるわけです。


このような背景があり、昨今は、企業において、経費精算システムを導入して、

申請する側も、申請を処理する側も劇的に手間を省いているわけです。


この経費精算システムとは、煩雑な経費精算業務を劇的に効率化し、

不正や単純な人為的ミスを防止したりして、経費の申請業務・承認業務・

精算業務の電子化を実現し、コスト削減を目指したい企業に最適なシステムです。


また、経費精算システムは、会計で使用する仕訳の出力までの対応も可能なので、

経理業務全体の効率化を図ることも可能です。


そして、経費精算システムは、スマートフォン等の携帯端末からもアクセス

可能で、社員が外出時の移動中でも経費精算の申請が可能なので、社員の生産性

の向上にも寄与します。


更に、経費精算システムでは、交通費の申請が妥当かどうかも、システムで

自動チェックが可能なので、経理担当者が、交通費の妥当性を1件ずつチェック

する確認作業を省くことも可能です。


ちなみに、経費精算システムを導入すると以下のようなメリットがあります。


経費精算システムを導入するメリット

①現金を多額に金庫に保管する必要が無い。
②経理の支払担当者が金庫内の現金を確認する手間が削減できる。
③経理の支払担当者が、経費の支払に関する出金伝票を起票する手間を
削減できる。
④経費を申請する社員が、簡単に経費精算申請業務をすることができる。
⑤経理の支払担当者が、銀行に行く回数を削減できる。
⑥経費の申請を承認する人が、何時でも何処でも申請を承認することができる。
⑦経理の支払担当者の、経費精算業務に関する確認作業や現金を手渡しする
作業を削減することができる。
⑧ペーパーレス化やキャッシュレス化を実現することができる。
⑨経理の支払担当者が、銀行に行き現金を引き出して会社に戻る際に、
強盗にあうリスクを排除できる。


このように、経費精算システムを導入すれば、ペーパーレス化や

キャッシュレス化の実現にも繋がり、業務効率が大幅に向上することは

間違いありませんので、人手を活用して経費精算業務をしている

社員数数十人規模以上の企業は、経費精算システム導入を躊躇する必要

がないといえるでしょう。