経営の常識を疑え


経営において常識と呼ばれていることは多々ありますが、皆さんは、

その経営の常識と言われていることを盲目的に受け入れていませんか?


例えば、経営の常識の一例として、月次決算の早期化があります。


皆さんに、何故、月次決算の早期化が経営の常識なのかと尋ねたら、

皆さんはどのように答えるでしょうか?


おそらく大半の方は、業績をタイムリーに把握して、直ちに経営課題に

対して対策を講じるためと答える方が圧倒的に多いことでしょう。


では、そのように答えた方に更に質問をしますが、月次決算の早期化を実現

できると、何故、経営課題を把握できるのですかと尋ねたら、皆さんは

どのように答えるでしょうか?


おそらく大半の方は、予算と実績を対比することで、財務数値の把握により

経営課題が顕在化し、経営課題を把握することができるからと答える方が

多いでしょう。


更に、質問を続けますが、売上の予算と実績を対比して、予算未達の場合は、

当然、経営課題ということになると思いますが、その予算未達の原因を、

どうやって突き止めますか?


この質問のレベルになると、経営管理が機能している企業と、経営管理が機能

していない企業では、返答の内容が大きく異なってきます。


経営管理が機能していない企業の代表的な返答例は、売上予算未達がどの

セグメントにあるのかを把握すれば、そのセグメントの梃入れができる

というものです。


確かに、月次決算においては、セグメント別に実績を集計して、予算と比較

している企業も多いので、予算未達の原因に、少し近づけるかもしれません。


しかし、一般的な月次決算のレベルでは、それ以上予算未達の原因に近づく

ことはできません。


何故、それ以上予算未達の原因に近づくことができないのか理由がお分かり

になるでしょうか?


理由は、大半の企業の月次決算で取り扱っている数値は、最終的な結果

だけだからです。


結果は、あくまでも結果なので、結果の原因である過程がどうだったのか

を把握しなければ、本当の予算未達の原因を把握することは不可能です。


要するに、最終的な結果だけを見て判断できることは、計画が達成できているか、

計画が未達であるかを把握できることだけなのです。


そのような結果だけを見て、予算未達の原因が的確に分かる人が居るとすれば、

その人は経営の神様でしょう。


私達一般人には、そのような芸当はできませんので、月次決算で取り扱って

いる結果の数値だけを見て、予算未達の原因を把握することなどできるわけ

がないのです。


そうすると、月次決算の早期化が経営の常識であるとの理由にもなっている、

タイムリーに経営課題に対して対策を講じるという理由そのものが、

揺らいでいると思いませんか?


要するに、月次決算の早期化を実現しなくても、月次決算の中で最も重要な

財務数値である売上不振の原因は把握できるのです。


それが理解できている企業が、経営管理が機能している企業であり、

それが理解できていない企業が、経営の常識を盲目的に受け入れている

企業なのです。


経営の常識と言われていること盲目的に受け入れるのではなく、新しい経営の

仕組みを導入する際は、その目的は何であるのかを理解し、その目的を達成

する為に何をするべきかを考えさえすれば、経営の仕組みが機能しない

などということはないのです。


このように、月次決算の早期化に限らず、他の経営の常識と言われている

ことでも、機械的に導入するだけでは、経営のメリットはほとんどありま

せんので、経営の常識と呼ばれていることは、一度疑ってみることも必要

といえるでしょう。