経営企画の仕事


■経営企画の仕事


経営企画の仕事は経営全般に渡り非常に多岐にわたりますが、経営企画部の役割

をその目的を基準として分類すると次の3つに分類できます。


経営企画部の仕事

①経営戦略と経営計画を作成する仕事

②経営の意思決定をサポートする仕事

③経営全般のマネジメントをする仕事


上記①の経営戦略経営計画を作成する仕事とは、会社の方向性を示す

経営戦略を作成し、その経営戦略に基づいて、単年度経営計画や中期経営計画

を作成することです。


経営戦略は、マーケティング戦略と重複する部分が多いといえますし、

経営とは、マーケティングそのものであるということもできます。


また、経営計画とは、定性目標と定量目標で構成されている、企業の理想の姿

を表現した計画です。


上記②の経営の意思決定をサポートする仕事とは、経営方針を決定する為に、

社内外の環境分析をして、外部環境のチャンスと脅威や会社の強みと弱みを

明確にし、外部環境の変化予測をすることや、新規事業の立案や事業撤退を

判断する為の調査をすることなどです。


この領域の仕事は、大半がマーケティングの領域に関わる仕事になります。


上記③の経営全般のマネジメントをする仕事とは、経営計画の壁となる、

経営課題をタイムリーに把握して、経営をコントロールすることや、

組織を改革・再編し社内を活性化することなどです。


ところで、皆さんは、経営企画部に所属する者にとって、最も初歩的な、

総合予算の作成スキルが身についていますか?


もし、そのような初歩的な財務管理に必要なスキルは、当然、身につけて

いるという方は、財務管理のスキル身についていますか?の頁をご覧頂いて、

ご自身の経営管理スキルのレベルを御確認ください。


なお、予算作成の実務経験が無い方は、「はじめての予算作成」の頁を御覧ください。


■経営戦略策定の基本理解していますか


経営企画の仕事の中で、最も重要な業務の1つといえるのが、

経営戦略の策定でしょう。


しかし、この経営戦略の考え方の基本が理解できている人は、

意外に少ないのです。


この経営戦略が定まっていなければ、会社の経営は行き当たりばったり

となりますし、経営戦略が定まっていなければ、基本的な事業方針が

何も決まっていないことと同じです。


また、経営戦略が定まっていなければ、経営計画を作成することすら

できないはずです。


この経営戦略理論の多くは、孫子の兵法やランチェスターの法則

などの軍事理論の知見が応用されています。


古い軍事理論が、現代の経営戦略に応用できるのなら、経営戦略の重要な理論

には普遍的な法則があることを証明しているといえます。


また、現代の経営戦略理論家である、ピータードラッカー、マイケルポーター、

フィリップコトラーが掲げる理論も、孫子の兵法やランチェスターの戦略

などの軍事理論の延長線上にある理論なのです。


ゆえに、時代に合った経営戦略や奇をてらった経営戦略は必要ないといえます。


このように、企業にとって必要不可欠な経営戦略は、シンプルな基本的な

考え方さえ理解すれば、複雑で難しいものではありません。


この仕事をする上では、経営戦略に関する基本的な考え方を理解する

ことが、この仕事を理解する上で必須といえるでしょう。


ちなみに、経営計画作成のスタートラインである、内外環境分析を

する際に、どこから手をつけるべきか悩んだ経験がある方は、

内外環境分析どこから手をつけるべきかの頁を御覧ください。


■マーケティングの重要性


経営企画の重要な業務は、経営戦略の策定ですが、この仕事をしている

皆さんは、次の質問に直ぐに答えることができるでしょうか?


・自社が事業を行っているマーケットはどんなマーケットですか?

・顧客のニーズを把握していますか?

・競合企業は、どんな商品やサービスを提供していますか?

・内外環境分析をする本当の目的を知っていますか?

・売上と利益を増やす方法を理解していますか?

・売れる仕組みづくりのフレームワークを知っていますか?

・自社が顧客にどんな価値を提供しているのか知っていますか?

・差別化戦略を選択する本当の理由を知っていますか?

・セグメンテーションをする本当の理由を知っていますか?

・自社のターゲットとするクライアントを知っていますか?

・ポジショニングをする本当の理由を知っていますか?


上記の質問に、1つでも答えられないようでは、経営企画の仕事をする資格

はありませんし、おそらく、上記の項目を知らない人が、いきなり起業を

すれば、起業の失敗確率は100%でしょう。


それくらい、上記に列挙している項目は、経営においては基本的なことなのです。


上記の項目は、全てマーケティングの領域であり、経営戦略と

マーケティング戦略は、大半が重複しているので、マーケティングを知らず

して、経営を語ることはできないのです。


ゆえに、この仕事をする者にも、マーケティングは必要なのです。


■リストラ対象になる仕事


業績不振に陥った会社の業績を立て直す時は、経営企画部が主導して計画

を纏めます。


特に、事務系である、各管理部門の仕事の中でも、ルーチン業務の仕事で、

アウトソーシングが可能な業務については、真っ先に、リストラの対象

として計画するでしょう。


当然、会社の業績を立て直すためには、人員整理や解雇などの社員を減らす

内容も計画に盛り込む必要があります。


この人員整理や解雇は、社員の士気に非常に影響しますので、基本的に聖域

をもうけることなく必要な社員と不要な社員を選別することになります。


このような理由もあり、幾ら経営企画部が会社再建計画を作成するから

といっても、経営企画部の社員が全員必要ということはないでしょうから、

経営企画部の社員でも、不要な社員には、会社を辞めてもらうことになる

わけです。


このようなことを考慮すると、業績不振の会社で経営企画部に所属

している方は、もう一度、自分がどんな業務を遂行していて、どんな業務が

できるのかを考えるべきです。


なぜなら、誰でもできるような業務しか担当していなければ、真っ先に

リストラの対象になることは目に見えています。


会社が業績不振の際は、組織を見直して、部署の統廃合をすることは基本です。


部署の統廃合をするということは、会社に残る管理系社員は、少人数で、

業務を遂行することを求められますので、必然的に、能力の高い社員だけが

会社に必要とされることになります。


また、会社内の業務を見直す際は、基本的に、ルーチン業務を外部に

アウトソーシングする比率が高まりますので、現在、ルーチン業務を

担当している社員は大半がリストラの対象となります。


ゆえに、経営企画部の社員であっても、ルーチン業務を担当している社員は、

会社の業績次第で仕事を失う可能性があるのです。


■経営企画部の仕事内容概要


この組織における仕事内容の主な具体例としては下記の通りです。


経営企画部の仕事内容の主な具体例

①外部環境と内部環境の分析をし、マーケットでの成功要因を把握する

②自社の強みと弱みを把握し、課題(ギャップ)を克服し、強みを更に強化する

③経営戦略の策定と中期経営計画や単年度経営計画の策定(総合予算作成含む)

④財務計画の貸借対照表・損益計算書・各種資金表の予算実績管理を実施する

⑤マーケティング業務(組織にマーケ専属部署がない場合)

⑥予算編成業務全体のマネジメント、予算管理制度の確立、予算規定の作成

⑦予算編成業務の問題と課題の解決

⑧新規事業計画立案や既存事業の撤退を判断する

⑨必要に応じて組織の改革と再編をする

⑩株主や投資家へ経営状況、財務状況、業績動向等の情報を発信するIR活動

⑪その他、経営陣の意思決定のサポート


以上が、主な具体例となりますが、経営企画部は、経営陣と行動を共にする

ことが多いので、経営陣のアシスタント的な仕事も多く、組織に秘書室や社長室

が存在しない場合は、それらの機能の役割も担うことになります。


経営企画の仕事は、多岐にわたりますが、この業務の中で、最も責任が重く重要

といえる 業務は、下記の業務です。


・内外環境調査分析業務
・経営戦略策定業務
・経営計画作成業務
・予算を達成する為の経営をコントロールする業務


■仕事の流れとルーチン業務


経営企画の仕事に決まった流れはありません。


また、経営企画は経理と異なり、定型業務はあまり多くはありません。


経営企画の毎月の決まった定型業務としては、予算実績管理の業務ぐらいです。


決まった定型業務が少ない経営企画部の社員は、今、何を為すべきかを

自分の頭で考えて行動する必要があります。


また、今後は、経営企画のルーチン業務についても、効率化・合理化が進む

ことは間違いありません。


よって、会社から与えられた仕事をこなすだけの社員は、何時でもリストラの

対象になりうると肝に銘じるべきでしょう。


■仕事の実情


経営企画の仕事の実情として、ほとんどの経営企画部に所属する人は、

経営企画部のアシスタント的な仕事しかできていません。


オーナー経営者の方から見ると、大半の経営企画部の人間がやっている

仕事内容は、経営ゲームのレベルであると言われる始末です。


一般的に、同じ経営者であっても、オーナー経営者とサラリーマン経営者は、

雲泥の差があることは、経営の世界では常識といえます。


経営企画部で働いている方は数多く存在しますが、経営企画の本来の役割を

果たせる人は、経営企画室長クラスの経験と知識を持ったごく一部の人だけなのです。


大半の企業の経営企画部には、経営企画という名にふさわしい仕事ができている人

がほとんどいないのが現実です。


■仕事のやりがい


経営企画の仕事のやりがいを感じる瞬間は、会社が発展を遂げている

時でしょう。


経営企画部の仕事は、会社の方向性、会社の将来性、会社の業績を左右する

大変責任の重大な仕事であるので、会社が経営計画通りに順調に成長している

時に、この仕事のやりがいを強く感じるはずです。


また、この仕事は、会社が発展してこそ評価される、厳しい仕事

でもあるので、この仕事を、経営計画の作成や予算実績管理をするだけの仕事

という認識があるようでは、何時までたっても、この仕事のやりがいを

感じることはないでしょう。


■必要な資格や知識


経理と異なり、経営企画の仕事には、必ず必要な資格はありません。


経営企画部の仕事に最低限必要な管理会計の知識さえ身につけてしまえば、

後は、物事の本質をどれだけ見抜くことができるようになるかが、仕事が

できる人間になる秘訣といえます。


要するに、この仕事は、未経験の転職も可能なのです。


経営企画は、経営に直結する仕事に携わっているので、経営という答えの

ない世界の中で、最も適切な意思決定が出来るスキルを磨く必要があるのです。


ゆえに、この仕事に特に必要なことは、物事の本質を見極める力といえます。


そして、この部署の社員には、会社の財務上の問題点を把握する為の

経営分析スキルと、資金繰りにも必要な、総合予算作成スキルは必須のスキルです。


■経営企画の最も重要な仕事


経営企画で最も重要な仕事の1つで、利益貢献度の高い業務は、

経営計画を達成へ導く為に経営をコントロールすることです。


経営をコントロールする為には、計画と実績のギャップをタイムリーに特定し、

直ちにその課題に対する対策を実施する必要があります。


しかし、一般的な予算実績管理手法では、予算に対する課題を適時に把握

することは不可能です。


よって、経営企画部が経営の見える化を進め、予算と実績のギャップの

原因である課題をタイムリーに把握できる、経営の仕組みを構築する

必要があります。


このような、課題をタイムリーに把握出来る、経営の仕組みを構築することが、

経営をコントロールする為には必要です。


■中期経営計画の位置づけ


中期経営計画(中計)は、長期経営計画で設定された経営ビションを、

3~5年(中期)でやり遂げるべき項目を明確にし、企業の進むべき方向性を

具体的に策定する経営計画です。


単年度経営計画は、中期経営計画に沿って作成されるので、中期経営計画を

策定することは、経営企画が最初に取り組むべき重要な仕事です。


この中期経営計画を作成する為には、定量目標、設備投資計画、

財務バランス改善計画を、論理的整合性を持たせ、各事業年度の財務計画に

落とし込む作成スキルを身につける必要があります。


■転職市場で評価されるスキル


経営企画の転職でも、人材紹介会社を経由した転職が増えていますが、

経営企画の転職を成功させる為には、総合予算の作成スキルぐらいは、

身につけておきたいところです。


経営企画の転職希望者は非常に多いので、この仕事において重要な、

総合予算の作成スキルを身につけておかなければ、経営企画の転職をする為の

スタートラインにすら立てないと認識すべきでしょう。


欲を言えば、経営戦略策定スキルや、経営管理スキルも身につけておきたい

ところです。


尚、少数ながら、ヘッドハンティングでの経営企画の転職のケースもあり

ますが、経営企画において、ヘッドハンティングをされるような人材は、

CFO(最高財務責任者)の役割を果たせるようなCFOクラスの人材に限られ

ているのが実情です。


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