経営企画部とマーケティング


規模の大きな企業では、組織の中に経営企画部とマーケティング部が両方ある

場合が珍しくありません。


新入社員の方や、企業の組織論について詳しくない方は、組織内に、経営企画部と

マーケティング部が両方あっても、特に疑問に思ったり、問題点について考える

ことはないと思います。


しかし、多少でも、各組織の役割や、各組織の機能について知識がある方は、

ある疑問が生じるはずです。


その疑問とは、経営企画部とマーケティング部の業務の棲み分けです。


ここで確認しておきたいことは、経営戦略の定義です。


経営戦略とは、自社の立ち位置や自社の進むべき道をどこに決める

のかという、会社の方向性に重大な影響を与えることです。


もう少し具体的に経営戦略の定義について説明すると、経営戦略には、

狭義の経営戦略と広義の経営戦略に分類できます。


狭義の経営戦略にて決定する主な事項は、下記の通りです。


  • 事業ドメインの決定

  • 基本事業方針の決定

  • 全社戦略の決定



広義の経営戦略にて決定する主な事項は、下記の通りです。


  • 人事戦略
  • マーケティング戦略
  • 研究開発戦略
  • 生産戦略
  • 営業戦略
  • 財務戦略



要するに、一般的に、経営企画部の役割として策定されるべき経営戦略には、

マーケティング部で策定されるべきマーケティング戦略が含まれています。


ここで考えなければならない点は、経営戦略において、最も重要な戦略は何か

ということです。


説明するまでもありませんが、経営戦略において、最も重要な戦略は

マーケティング戦略です。


この点が理解できていない方は、「マーケティングってなに」の頁を御覧ください。


マーケティング戦略が重要な理由は、この戦略で「儲ける仕組みづくり」を

明確にするからです。


要するに、企業がマーケットで成功するかどうかは、マーケティング戦略次第です。


一般的に、経営企画部とマーケティング部が両方ある企業においては、

マーケティング部において、「儲ける仕組みづくり」を構築することになります。


では、マーケティング部において、経営戦略の中で最も重要なマーケティング戦略を

担当すると、経営企画部は、何をするのかと疑問を持たれる方もいるでしょう。


確かに、企業にとって、マーケットで成功するためには、マーケティング戦略が最も

重要であることは間違いありませんが、企業において、重要な戦略は他にもあります。


それが、狭義の経営戦略です。


狭義の経営戦略には、先ほど示した主な事項だけでなく、各組織の行動指針となる、

最低、次のような事項のについても決定しておく必要があります。


  • 新規マーケットへの参入方針

  • 既存マーケットからの撤退方針

  • 各事業部の基本方針



例えば、やみくもに新規マーケットへ参入しても、成功することは難しいでしょうから、

会社としての、新規マーケットへの参入方針という指針があれば、参入の可否を迅速に

判断することができますし、企業経営の透明化にも繋がります。


また、参入したマーケットからの撤退基準が明確でなければ、赤字を垂れ流して傷口を

広げ、企業の屋台骨を揺るがすことにもなりかねません。


更に、各事業部の基本方針を定めていなければ、会社としてのブランドイメージを

損なうことになる場合がありますし、各事業部の基本方針すら定められない経営企画部

は、存在意義がないといえます。


このように、経営企画部にとって、マーケティングは重要な戦略の1つではありますが、

マーケティング戦略以外にも、重要な戦略は存在しますので、組織内に、経営企画部と

マーケティング部が両方あっても、明確に、業務の棲み分けをすることは可能なのです。


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