経営管理


■経営管理

経営管理とは、組織が利用できる経営資源(人・モノ・金・情報等)を

有効活用して、経営計画を達成する為の管理活動です。


この管理は、企業の経営目的を実現する為の様々な業務プロセスを、

あらゆる経営資源を活用して管理する活動のことです。


この管理の領域は、企業経営全般に及び多岐にわたりますが、

主要管理項目としては、情報管理、人事労務管理、固定資産管理、

財務の原因である経営全般の各業務活動管理、財務管理があります。


この管理をするためには、経営計画を作成しなければ管理のしようがありませんので、

この管理をするためには、経営計画の作成が必須といえます。


また、経営管理は、文字通り経営を管理することですが、管理をするのは

計画に対しての結果である実績だけでなく、実績に至る前の、特に重要な

業務プロセスについても管理する必要があります。


ちなみに、経営管理に利用する会計が、管理会計です。


そして、経営管理では、常に現状と理想(あるべき姿)の問題と課題を

把握する必要があります。


問題とは、理想(あるべき姿)と現実との差であり、課題とは、

解決しなければならない具体的なことです。


この管理では、常に様々な計画や業務プロセスの現状と理想(あるべき姿)を

突き詰める必要があります。


また、経営管理では、結果の原因である各業務プロセスの現状と

理想(あるべき姿)のギャップを埋めることが、結果として経営計画を

達成することに繋がる為、ギャップを埋める為のPDCAサイクルの運用を

定着させることが重要なことになります。


その、この管理の業務を遂行する上での重要なポイントの1つである

PDCAサイクルの構築と定着ができなければ、いくら優れた計画・方針・

戦略があっても経営計画を達成することは難しいでしょう。


尚、経営管理の方法は、企業の成長ステージや、その時の企業の状態により

変化させることは言うまでも無いことです。


■財務管理

財務管理とは、あるべき姿の、資産、負債、純資産、損益、キャッシュフローの

予算を作成し、その予算と実績を比較して、分析・評価・対策までの活動全体を

含む仕組みのことです。


この管理の英語表記は、Financial Managementであり、この頭文字を

取って、FMと略して呼ばれることもあります。


この管理は、経営をコントロールする為の仕組みであり、

この管理は、管理会計の概念の1つで、予算管理とも呼ばれています。


説明する迄もなく、この管理が対象とする財務諸表は、損益計算書(PL)

だけではなく、バランスシート(貸借対照表・BS)やキャッシュフロー計算書

も管理の対象であり、資金繰り表も対象であることは言うまでもありません。


この管理は、経営管理の主要な構成要素です。


FMのスタートラインは、長期経営計画や中期経営計画に含まれる、

中長期の財務戦略と財務計画を作成することからはじまり、中長期の時間軸に

沿って、単年度の総合予算(財務計画)を作成することになります。


財務管理の仕事を遂行する部署は、企業規模によっても異なりますが、

中小企業においては、経理の仕事となっているケースが一般的です。


この管理には、財務のスタートラインである損益の管理と、調達した資金を

どのように使用するかを管理するかに大きく大別することができますので、

利益管理と資金管理がFMといえます。


在庫管理は利益管理と資金管理を結びつける為の、財務管理においては

肝ともいえるものです。


また、この管理をするうえでは、財務の問題点を把握スキルも当然必須

となりますので、財務分析スキルのレベルが、財務管理のレベルを左右

すると言っても過言ではありません。


また、FMは、財務体質を改善する為には、必要不可欠な経営の仕組み

ですが、この管理をする為には、財務戦略と財務目標を時間軸ごとの財務計画

に反映することができるスキルが必要です。


有効な予算実績管理をする為には、どのような計画を作成すれば、

財務をコントロールすることができるのかを理解する必要があります。


そして、この管理で重要なことは、結果ではなく、その結果の原因である

プロセスが重要なので、何が原因となって、資産、負債、純資産、損益、

キャッシュフローが変化しているのかを掴むことが重要です。


このように、財務管理を理解する為には、利益管理と資金管理の関係を

理解する必要があるといえますが、誤解が多い資金管理について一言

触れておくと、資金管理とは、資金繰りであり、貸借対照表の管理、

キャッシュフローの管理でもあります。


ちなみに、財務とは、資金を調達して、その資金を運用した結果である、

資産、負債、純資産、損益、キャッシュフローのことです。


一般的に財務は、日々の資金の入出金を管理して、資金ショートを

起こさないように資金繰りをし、必要に応じて資金調達をすること等を

総称して財務と呼ぶことが多いようです。


次に、企業においての財務機能について説明しますが、財務の基本的な機能を

例としてあげると、出納業務、資金調達業務、調達した資金の運用管理業務があります。


出納業務には、現預金の管理を入出金の業務フローに基づいて

管理することとキャッシュマネジメントシステム(CMS)があります。


このキャッシュマネジメントシステム(CMS)とは、企業全体又は関連会社を

含めたグループ全体の資金を集中管理する業務です。


この業務は、資金の効率化やリスクマネジメントの観点、そして、企業内やグループ間の

資金決済手数料の削減や不要な手持ち資金の削減をし、バランスシートをスリム化する

ためにも必要な業務です。


資金調達業務には、大きく自己資本による調達と、他人資本による調達があります。


調達した資金の運用管理業務とは、企業が資金調達に要した資金調達コストを、

各部署の使用している資金量に応じて配賦することです。


この財務業務は、部門の正確な業績を掴む為には必要な業務であり、

資金調達コストは部門のバランスシートの資産と負債の差額である金額を

基準に配賦することになります。


また、財務においてバランスシートの管理に必要な管理方法がALMですが、

ALMとは、想定されるリスクを考慮し、資産と負債を総合管理することです。


このALMの管理方法は、自己資本比率を一定レベル以上に維持するために、

日経平均株価などの株式市場や短期金利・長期金利の動向、そして為替の

動きなどの金融市場の動向を予測し、リスクが発生した場合でも損失を最小限にし、

収益の最大化を図るための資産と負債の最適な組合せを決定する手法です。


■利益管理

利益管理とは、自社の目標利益を予算編成し、予算と実績を比較して、

分析・評価・対策までの活動全体を含む仕組みのことです。


この管理は、経営をコントロールする為の仕組みであり、

財務管理の構成要素の1つです。


この管理は、予算管理の一部でもあり、この管理を始めるには、損益予算を

作成する必要があります。


損益予算は、経営計画における総合予算の一要素なので、損益予算だけを

作成し、利益管理をしても、経営で最も重要な、キャッシュフローについて

の予算管理をしなければ、利益管理をする意味もありません。


また、この管理の最初のプロセスである、損益予算の作成は、貸借対照表計画や

キャッシュフロー計画を作成するスタートラインとなる計画なので、損益予算を

作成しなれければ、貸借対照表計画やキャッシュフロー計画を作成することは

できません。


ちなみに、予算貸借対照表は、損益予算である利益計画と、在庫計画、

運転資金計画、設備投資計画、財務バランス改善計画を作成することで

完成する資金計画を作成した結果、完成するものです。


尚、利益管理では、予算実績管理をして、予算と実績の乖離の原因を特定し、

その乖離の原因である戦略や活動の修正をすることになります。


利益の予算と実績の乖離の原因を特定するた為には、損益予算の裏づけとなる、

活動計画を作成しておかなければ、予算と実績のギャップの原因を特定する

ことはできませんし、活動計画を作成せずに、予算実績管理をしても意味が

ありません。


■資金管理

資金管理とは、ある一定期間に運用する資金を、何時・どこから・どうやって

資金の工面や調達をするかを計画し、計画と実績を比較して、分析・評価・

対策までの活動全体を含む仕組みのことです。


この管理のプロセスは、資金計画のプロセス、資金統制のプロセス、

戦略や活動の修正のプロセスで構成されており、一般的に、この管理は、

資金繰りと呼ばれています。


この管理は、財務管理の構成要素の1つです。


この資金管理をすることは、予算管理をすることと同様のことなので、資金管理を

始めるには、総合予算を作成する必要があり、総合予算を準備することは、

単年度経営計画や中期経営計画の定量計画を作成することといえます。


また、資金管理プロセスの資金計画とは、資金繰り表の構成要素を作成する

計画であるので、総合予算を作成する時と同様に、損益予算だけでなく、

事業活動の全てを網羅している計画でなければ意味がありません。


ちなみに、大まかな資金計画を作成したいときは、資金運用表の仕組みを

利用すると、簡単に論理的整合性のある資金計画を作成できますが、

この資金計画の作り方をマスターするには、回転期間や回転率の仕組みや、

各勘定科目とキャッシュフローの関係を理解する必要があります。


尚、経理・財務・経営企画の社員は、資金管理の達人といえる領域の仕事が

できるようになってこそ、経理・財務・経営企画の達人といえます。


会社の利益に貢献できる経営参謀としての役割を果たす為に資金管理の達人を

目指すなら、管理会計を極める必要があります。


■在庫管理

在庫管理とは、適正在庫を実現する為に、自社のあるべき姿の適正在庫量を

予算編成し、予算と実績を比較して、分析・評価・対策までの活動全体を含む

仕組みのことです。


この管理のプロセスは、在庫計画、在庫統制、戦略や活動の修正で構成

されています。


この管理は、利益管理の構成要素の1つです。


この在庫管理のプロセスには、一般的に、どの企業でも実施されている棚卸も

含まれており、棚卸の時期としては、定期棚卸、常時棚卸、不定期棚卸の

3つがあり、棚卸の方法としては、一斉棚卸と循環棚卸があります。


ちなみに、在庫は盗難や紛失等の可能性があり、それらの原因により帳簿残高と

実際の在庫残高が一致することはありえないないので、棚卸を、商品有高帳などを

利用して、帳簿棚卸だけで行なうと正確な在庫数量の把握は出来ません。


また、この管理の目的としては、適正在庫を維持して、在庫保有コストを削減し、

資金繰りの改善を実現することなので、これらの在庫管理の目的を達成する

為の適正在庫を維持するのに役立つ指標としては、棚卸資産回転期間、

棚卸資産回転率、交差比率などの財務指標があります。


そして、在庫管理のスタートラインである、在庫投資の量と金額を決定する

在庫計画を作成する際は、回転期間と回転率の理解が必要不可欠で、

在庫計画は、予算バランスシートを作成する際の、中核的な計画です。


尚、在庫管理の際は、管理会計の概念である、在庫金利という考え方も

用いる場合もあり、この管理は、管理会計のシステムを構築するうえでも、

重要な要素といえます。


■売上管理

売上管理とは、自社の目標売上高を予算編成し、予算と実績を比較して、

分析・評価・対策までの活動全体を含む仕組みのことです。


この管理は、経営をコントロールする為の重要な管理項目であり、

管理会計の概念の1つです。


この管理は、予算管理の一部であり、この管理を始めるには、

損益予算を構成する売上予算を作成する必要があります。


売上管理は、利益管理の構成要素の1つです。


単年度経営計画の売上予算は、中期経営計画に従い作成することになります。


この管理のポイントの1つは、売上達成の障害となる課題の抽出を、

いかにタイムリーに把握できるかです。


また、売上管理の最初のプロセスである、売上計画の作成は、経常予算や

資本予算を作成するスタートラインとなる計画なので、どのような売上予算

を作成するかで、他の予算が影響を受けることになります。


そして、売上統制のプロセスである、売上予算と売上実績を管理するプロセス

では、どのような、売上管理表のテンプレートや、どのような、

売上管理のソフトを利用するかが重要なのではなく、どの項目を予算実績管理

するかで、次の、戦略や活動の修正プロセスに大きく影響します。


尚、売上管理の要のプロセスであり、予算管理の最も重要なプロセスが、

売上に関わる、戦略や活動の修正プロセスであり、売上統制のプロセスで

把握された、課題を解決する為に、売上に関わる、戦略や活動の修正を

することになります。


■仕入管理

仕入管理とは、適正在庫を実現する為に、自社のあるべき姿の最適な

仕入量を予算編成し、予算と実績を比較して、分析・評価・対策までの

活動全体を含む仕組みのことです。


この管理のプロセスは、仕入計画、仕入統制、戦略や活動の修正で

構成されています。


この管理は、利益管理の構成要素の1つです。


この管理のプロセスには、仕入先の選定も含まれ、仕入先の選定とは、

自社の売上計画を達成する為の、商品供給、供給の安定性や、戦略・活動の

修正の参考となるトレンド情報の提供、仕入債務回転期間などを考慮して、

仕入先を決定することです。


なお、仕入管理は、適正在庫を実現する為の業務なので、在庫管理と

共通する業務プロセスがかなりあります。


また、この管理のプロセスには、仕入先毎の仕入債務回転期間の管理も

あります。


仕入債務回転期間は、運転資金に影響を与え、キャッシュフローを左右する

重要な要素の1つなので、実績の仕入先毎の仕入債務回転期間と、仕入計画

で決定した、仕入先毎の仕入債務回転期間のチェックは、資金繰りにおいては、

重要な業務です。


そして、この管理のポイントとしては、適正在庫を実現する為の、

最適な仕入量を計画することなので、仕入計画の作成は、在庫計画の作成と

並行して進めることになります。


尚、仕入管理のスタートラインである、仕入計画において仕入債務支払計画を

作成する際は、回転期間と回転率の理解が必要不可欠で、仕入計画は、

予算バランスシートを作成する際の、中核的な計画です。


■販管費管理

販管費管理とは、適正な販管費を実現する為に、自社のあるべき姿の最適な

販管費を予算編成し、予算と実績を比較して、分析・評価・対策までの

活動全体を含む仕組みのことす。


この管理のプロセスは、販管費管理計画、販管費管理統制、戦略や活動の修正

で構成されています。


この管理は、利益管理の構成要素の1つです。


この管理のプロセスには、取引先の選定も含まれ、取引先の選定とは、

自社の販管費計画を達成する為の、コスト、納期、品質、サービスなどを

考慮して、取引先を決定することです。


販管費管理では、予算統制するだけが目的ではなく、不正経理防止や、

支払決済業務の効率化など、様々な目的がありますので、

この管理にコストと手間をかける価値は充分あるといえます。


この管理を実施しているという企業でも、大半は、月次決算後に実施している

予算実績管理で、差異分析をすることだけで終わっています。


しかし、差異分析後に、差異の原因に対する対策まで実施しなければ、

販管費管理ができているとはいえないでしょう。


なお、経営戦略の作成方法、経営管理のスキル、予算作成の手法を身に付けたい方

には、 弊所の、「経営管理セミナー」が お勧めでございます。