借方と貸方の違い


経理の仕事をしようと思ったら、簿記の知識は身につけることは避けては

通れませんし、会社の数字を理解するためにも、簿記の知識は欠かせない

ものです。


しかし、はじめて学ぶ簿記は、初学者にとっては、専門用語のオンパレード

なので、学習をはじめた最初の段階で脱落してしまう人も多いようです。


簿記の初学者を最初に悩ますのが、借方(かりかた)と貸方(かしかた)という

ものです。


ほとんどの方が、借方と貸方の違いが理解できずに、借方は伝票や帳簿の左側

で、貸方は伝票や帳簿の右側と無理やり暗記している方がほとんどのようです。


簿記のテキストや簿記を教える人も、借方や貸方に意味はないので、借方は左側

で、貸方は右側と覚えましょうと説明し、借方や貸方の本当の意味に触れていな

いので、簿記の資格を持っている人でも、大半の人は、借方や貸方の本当の意味

を理解していない人が多いのです。


余談になりますが、簿記の最も重要な理論は、簿記を学ぶ際に最初に登場

してくる、「借方」、「貸方」の概念や、簿記の5つの要素である、「資産」、

「負債」、「資本」、「収益」、「費用」の概念なのです。


この簿記の基本的な概念を、覚えるのではなく理解することができれば、

会社の数字の見方は言うに及ばず、会社の財務計画でも、作成することは

可能なのです。


簿記の専門的な勘定科目を1つずつ覚えてるいることは、簿記検定試験を

受験する人や経理の仕事をする人だけに必要なものなので、簿記の知識を

使いこなせるようになりたければ、覚えるべきことは驚くほど少ないのです。


大多数の方は、簿記検定試験を突破するためだけに、試験で必要になること

を無理矢理に暗記しているのですが、そのような学習の仕方では、簿記検定試験

に合格することはできても、実務で簿記の知識を使いこなすことは不可能

なのです。


このような学習の仕方が影響しているのかは定かではありませんが、

会社には、簿記の資格だけは持っているが、簿記がわからない経理

多いのです。


この辺で本題の、借方と貸方の違いについての解説にはいりますが、

ほとんどの初学者の方は、借方という言葉を目にすると、他人から、

借りていることと思うでしょうし、貸方という言葉を目にすると、

他人に貸していることと思うはずです。


借方に関する認識については問題ありませんが、貸方に関する認識が理解を

妨げているので、皆さんは、今日からは、貸方という言葉を聞いたら、

他人が貸してくれたものと思い、借方という言葉を聞いたら、他人から借りて

いるものと思って下さい。


このように説明すると、借方も貸方もどちらも、他人から借りていることに

なるのではないかと思われるかもしれませんが、実はその通りなのです。


何故なら、会社には、会社自身のお金など1円もありませんし、

会社が保有している資産は、全てお金を貸してくれた人達から借りている

だけのものなのです。


このように説明すると、簿記の知識のある方は、純資産は会社のお金では

ないのかと主張されるかもしれませんが、純資産は会社のお金ではなく、

株主のお金なのです。


また、負債が他人のお金であることはいうまでもありませんので、

会社という立場から考えると、貸方に属する負債と純資産は、全て、

他人から貸してもらったものなのです。


そうすると、他人から貸してもらったお金で買った資産も、当然、他人から

借りているものということになるわけです。


このような背景があり、会社は、お金を貸してくれた人達に対して説明責任

がありますから、お金を幾ら貸してもらって、そのお金を何に使ったのか

説明するために、簿記を利用する目的でもある貸借対照表や損益計算書など

の財務諸表を作成するのです。


要するに、少しだけ専門的な言葉を使って説明すると、貸方は、資金の調達源泉

を示したもので、借方は、資金の使途を示したものなのです。


借方と貸方の違いが理解できたら、後は、簿記の5つの要素である、

資産、負債、資本、収益、費用の概念を理解すれば、簿記をマスターできた

ことになります。


資格を取る目的ではなく、実務で活かせる知識を身につけたい方は、

簿記の基本的な仕組みを理解することに専念するべきでしょう。