管理会計と財務会計の違いを知っていますか?


管理会計と財務会計の違いを、経理部で働いている方や簿記の知識がある方

に質問をした時には、的確な返答が返ってくるケースは多いのですが、

会社の数字に馴染みが無い方にとっては、どちらも似たようなものだと

思ってしまうことが多いようです。


そこで、最初に、管理会計と財務会計の違いを簡単に説明すると、

管理会計は、経営管理目的で利用する会計で、財務会計は、会社外部に報告

する目的で利用する会計です。


この両者の違いを確認すると、全く用途が異なることは理解できると

思いますが、そうすると、この両者の仕事に携わる為には、全く異なる知識

が必要になのかというと、実は、そうでもないのです。


管理会計は、財務会計という会計の理論がベースにあり成り立って

いますので、管理会計の業務を遂行する為に、最低限必要となってくる

のは財務会計の知識なのです。


冒頭で、管理会計は、経営管理目的で利用する会計で、財務会計は、

会社外部に報告する目的で利用する会計だと説明しましたが、

このことをもう少しだけ補足して説明します。


まず、管理会計は、会社内部で利用するので、その活用方法は、

会社の自由なのですが、財務会計は、会社外部に報告する目的で利用するので、

その利用方法は法律に従う必要がありますので、会社が自由に活用すること

が制限されています。


しかし、管理会計は、活用方法が法律で制限されている財務会計という

会計の理論がベースにあるにも関わらず、会社の自由に利用できるとは、

一体どういうことなんだと思われる方もいるでしょう。


この説明をする前に、企業での管理会計の位置づけについて説明したい

と思いますが、そもそも、管理会計とは、企業の経営管理に役立てる会計

なので、企業の財務を管理する為に利用する会計なのです。


財務を管理する際には、企業の実績値だけしか把握できなければ、

その実績値が良いのか悪いのか判断のしようがありませんので、

何かと比較する必要があります。


しかし、比較する対象が過去の自社の実績値だけであれば、

前より良くなったのか、悪くなったのかということしか判断できませんので、

もう少し、比較対象として相応しいものが必要になってきます。


その自社の実績値と比較する対象として相応しいものが、予算と呼ばれる

会社の財務計画なのです。


会社の予算は、企業のあるべき姿を数字という客観的なもので表現した

ものなので、企業の実績値と企業のあるべき姿を比較すれば、問題が顕在化

するのです。


問題とは、理想と現実のギャップのことなので、理想であるあるべき姿

が明確になっていなければ、問題が顕在化することはないのです。


そうすると、管理会計の最も重要な目的は、会社のあるべき姿である予算

を作成することといえるわけです。


この会社の予算は、財務会計のルールにのっとって作成される月次決算

の数字と比較するので、幾ら管理会計は、会社の自由に利用することが

できるといっても、財務会計のルールとかけ離れた作り方で予算を作成

すると、実績と予算を比較することも難しくなります。


ゆえに、管理会計にて、予算を作成する際は、予算を作成する為の基本的

なルールについては、財務会計の考え方を反映することになるのです。


では、管理会計にて、予算を作成する際に、どこに自由度があるのかと

いう点に疑問がでてくると思いますが、それは、見た目の部分です。


管理会計は、経営の意思決定に必要な会計なので、意思決定をするためには、

数値の分かり易さが重要になります。


財務会計では、数値の表現の仕方がルールで厳格に決められているので、

専門知識がないと分かりにくいところがありますが、管理会計は、会社内部

でしか利用しないので、数値の表現の方法は、分かり易ければどんな表現

でも問題はないのです。


ただし、会社の予算の数値は、実績値と必ず比較することになりますので、

予算管理をする際は、財務会計で使用している表現か、管理会計で使用

している表現のどちらかに統一しないと、比較をすることができませんので、

その点は要注意です。


これで、基本的な管理会計と財務会計の違いについては説明致しましたので、

最後は、管理会計の主役である予算について解説したいと思います。


予算とは、先ほども御説明したように、会社のあるべき姿を数値で表現

したものなので、予算の作成においては、現状の課題がある財務の項目を、

このような数値にしたいという意思が反映されていることになります。


そうすると、予算を作成する為には、財務の各数値が、どのような数値

があるべき姿であるのかを理解しておかなければ、予算を作成すること

すらできないのです。


特に、バランスシートとキャッシュフローを改善するためには、

運転資金と回転期間の理解が欠かせませんし、この2つの理解ができて

いなければ、あるべき姿のバランスシートとキャッシュフローの計画を

作成することは不可能といえます。


また、損益計算書においては、売上総利益率、営業利益率、経常利益率

の改善が重要なポイントになりますが、それらの各利益率は、どのような

ことをすれば、利益率が改善するのかを理解しておかなければ、机上の計画で、

利益率だけを改善したように計画しても何の意味もありません。


要するに、予算作成のポイントは、利益率は、どうすれば改善するのかを

理解することと、運転資金と回転期間の理解につきるということになるのです。


このように、経営管理をするためには、管理会計と財務会計の違いを理解し、

管理会計の役割をしっかりと認識することが求められるといえます。


予算編成の方法や管理会計の上級スキルである財務計画作成スキルを身に付けたい方

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