管理会計の基礎と応用


管理会計の基礎といえば、お決まりの様に、限界利益や固定費及び変動費の概念、

損益分岐点分析、設備投資の意思決定、などが必ず登場してきますが、 皆さんの会社の

経理部や経営企画部では、これらの項目について、どのように活用しているでしょうか?


限界利益や損益分岐点分析などは、管理会計の基礎といわれていますが、 実際に、

どれだけの企業が、実務において活用できているのかは甚だ疑問です。


限界利益や損益分岐点分析などが、管理会計の基礎というのなら、 どの企業でも当然に

利用されてしかるべきですが、せっかく実務で活かす ために学んだとしても、実際に

実務で活用されることがなければ、 ただの学問的な勉強で終わってしまいます。


そこで、まず確認しておきたいことは、管理会計の定義です。


管理会計とは、経営管理のための数値を根拠にしたマネジメント手法なので、

この管理会計を別な言葉で表現すると財務管理と呼ぶこともできます。


財務管理とは、あるべき姿の、資産、負債、純資産、損益、キャッシュフロー

の予算を作成し、その予算と実績を比較して、分析・評価・対策までの活動全体を

含む仕組みのことなので、当然、一般的な管理会計の対象とされている分野を網羅

しています。


要するに、管理会計とは何も特別なことではなく、企業の財務を管理する ことを、

別の言葉で表現したものにすぎないので、表面上の言葉の違いに 惑わされて、

管理会計を、特別なものだと思う必要はありません。


また、冒頭で、管理会計の基礎として紹介した、限界利益やCVP分析などの概念を、

実務で活かしている企業が少ないということは、裏を返すと、 限界利益や損益分岐点

分析といった考え方は重要ではあるが、 ビジネスの現場においては、それほど重要視

されていないということ になるのです。


ビジネスの現場は、学問の場ではありませんし、財務の研究をする場所でもありません

ので、簡単に活用できて、利用価値が高い管理手法でなければ、 迅速な意思決定が

求められる、経営の最前線においては、利用されることはないのです。


では、どの企業においても、ビジネスの現場において、必ず管理すべき財務項目には、

一体どんな種類があるのでしょうか?


それは、売上高の金額、各利益段階の利益率、各利益の金額、 キャッシュフローです。


どの項目も、至って当たり前の項目ばかりですが、逆に考えると、 それら以外に、

結果である数値に関しては、重要な項目など存在 しないのです。


財務を管理する際も、難しく考えてはいけません。


企業は、費用を賄うだけの売上が無ければ赤字になり、費用を超える売上を計上

できれば利益が発生し、その利益が多ければ、利益率が高まるのです。


会社の費用がどれだけ発生するのかを把握することは難しいことではありませんので、

後は、売上という結果がどうなるのかが全てなのです。


売上という結果は、管理会計で、あれこれ考えて増やせるものではなく、

経営戦略やマーケティング戦略に影響を受けるものなので、財務を管理するという

ことにおいては、売上の結果を受けて、キャッシュフローの変化に対して、どのように

資金繰りに対応するのかを考えることが実務では求められるのです。


このように考えていくと、売上という結果が変化することによって、 どの項目に注意を

するべきかが、財務を管理する者に問われてくる ことなのです。


それは、売上や費用という損益項目ではなく、キャッシュフローに最も影響を与える、

運転資金という項目こそ、財務を管理する者が、 その責任によって注意すべき対象

ですし、管理会計の基礎ともいえる 項目こそが、運転資金なのです。


売上、利益、キャッシュフローに関しては、どんな企業でも、 常に管理していますし、

財務を管理すべきものが、自分の責任として、 注意しなければならないことは、

キャッシュフローに最も影響を与える、 運転資金の管理なのです。


そうすると、管理会計の基礎が運転資金であり、運転資金を理解しなければ、

バランスシートの計画やキャッシュフロー計画を作成することは不可能です。


そして、管理会計の基礎を応用した管理会計の集大成といえるものが、

財務計画なのです。


財務計画は、財務管理をするうえではスタートラインであり、 財務計画を作成

しなければ、財務のPDCAサイクルを運用することもできません。 


管理会計というネーミングに騙されて、実務で重要視されていないような、

学問的な管理手法を学ぶのではなく、実務において必要とされていることこそ

学ぶ価値のあるものなのです。


ゆえに、一般的な、管理会計の概念を学ぶのではなく、実務で使える管理会計の考え方

こそ学ぶべきといえるでしょう。


なお、運転資金削減方法や財務計画の作成スキルを身に付けたい方には、

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