確定申告


■確定申告とは


確定申告とは、一年間の所得に対して納税義務者である個人や法人が納付すべき

納税額を自ら計算して管轄の税務署に申告することです。


確定申告では、納めるべき税金がある場合には、事業を行っていない個人でも申告を

する義務があります。


法人の確定申告業務は、経理部の役割です。


所得税の確定申告の時期である確定申告期間は、2月16日から3月15日で、

所得税の確定申告の期限は3月15日なので、所得税の税金の納期限についても

確定申告期限と同様に3月15日となっています。


この確定申告の種類には、青色申告と白色申告があります。


一般的に、確定申告というと、所得税の確定申告を思い出しますが、

法人税や消費税等についても確定申告をする義務があります。


納税義務者は、最低一年に一回はそれらの税金について確定申告をしています。


また、給与所得者や公的年金所得者が利用する確定申告は、源泉徴収された際に

納めすぎている税金(源泉税)を返してもらう手続きである、還付を受けるための

還付申告のケースが大半です。


給与所得者や公的年金所得者が還付申告をする場合は、税務署に行って還付申告書用紙

を入手するか、インターネットで国税庁のホームページにアクセスして、還付申告書用紙

をダウンロードして印刷し還付申告書を記載して源泉徴収費用や生命保険や損害保険の

保険料控除証明書等を添付して申告することになります。


給与所得者にとっては、確定申告と年末調整は、作業としては基本的に同じなのですが、

確定申告には年末調整以外の所得控除や税額控除があるところが確定申告と年末調整の

違いといえます。


確定申告書の提出は、3月15日迄に確定申告書を税務署に持参して提出するか、

確定申告書を郵送して提出することも可能です。


確定申告書を郵送して提出する場合に3月15日に発送する場合は、

普通郵便では、3月15日を過ぎて到着すると期限後申告となりますので、

確定申告書を郵送して提出する場合に3月15日に発送する場合は、簡易書留郵便で

発送する必要があります。


尚、所得税の確定申告をする必要がある人は下記の様な人です。


所得税の確定申告をする必要がある人

・給与所得者で年末調整をされなかった人
・給与所得者で年末調整をしたが年末調整以外の医療費控除等の税額控除がある人
・給与所得者で給与収入が2000万円を超える人
・給与所得者で2か所以上から給与手当を受けとっている人
・同族会社の役員やその親族が、同族会社から使用料等の名目で支払を受けた人
・給与所得者で災害減免法に基づき源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた人
・公的年金所得者で公的年金の収入金額が400万円以上の人
・外国企業から退職金を受け取り源泉徴収をされていない人
・マイホームや投資用不動産等の不動産等を売却して譲渡所得が発生している人


また、還付申告により税金を取り戻せる主なケースとしては下記の通りです。


還付申告により税金を取り戻せる主なケース

・年末調整をしたが年末調整以外の所得控除がある
・年末調整をしたが年末調整以外の医療費控除や寄附金控除等の税額控除がある
・年末調整に誤りがあった
・年末に退職し年末調整が行われていない
・その年に住宅ローンを利用してマイホームを購入し居住を始めた人


ちなみに、国税庁がネットで提供しているe-Taxを利用すれば、インターネットで

確定申告をすることが可能となりました。


また、確定申告をする場合には、所得から控除されるものが様々ありますが、

確定申告での所得控除の種類としては下記の通りです。


確定申告での所得控除の種類

・基礎控除
・配偶者控除
・老人配偶者控除
・配偶者特別控除
・扶養控除
・特定扶養控除
・老人扶養控除
・同居老親等扶養控除
・勤労学生控除
・障害者控除
・特別障害者控除
・寡婦控除
・寡夫控除
・特別寡婦控除
・医療控除
・社会保険料控除
・小規模企業共済等掛金控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・雑損控除
・寄付金控除



確定申告の必要書類としては、所得を計算するために必要な書類と所得控除と

税額控除を計算する為に必要な書類があります。


確定申告の必要書類の一覧は下記の通りです。

確定申告の必要書類①

確定申告の必要書類 所得を計算するために必要な書類
事業所得 収入を証明できる、現金出納帳、通帳、売上伝票などや経費を証明できる通帳、領収書、請求書など
不動産所得 収入を証明できる、現金出納帳、通帳、売上伝票などや賃料収入等を証明できる賃借人氏名、月額家賃、賃借期間、保証金、敷金、礼金、更新料を記載した資料・経費を証明できる通帳、領収書、請求書など
給与所得 給与所得の源泉徴収票
公的年金所得 公的年金(雑所得)の源泉徴収票
配当所得 配当金支払調書や支払通知書(利子所得は含まれず)
退職所得 退職所得の源泉徴収票
譲渡所得 売買契約書、売却に要した仲介手数料や印紙などの領収書
(山林所得は含まれず) 保険金の満期 通帳、計算明細書、契約書、
領収書(一時所得) 株式売却 売却益の計算明細書、証券会社から
取得する顧客元帳



確定申告の必要書類②

確定申告の必要書類 所得控除と税額控除を計算する為に必要な書類
医療費控除 医療費の領収書、保険金などで補填される金額を証明した書類
雑損控除 損失額の明細書、被災証明書、盗難証明書、災害関連支出の領収書 と保険金などで補填される金額を証明した書類
寄付金控除 政党等寄付金特別控除の計算明細書と寄付金の領収書・
寄付金の証明書
社会保険料控除 国民健康保険料や国民年金保険料を支払った証明書や領収書
小規模企業共済等掛金控除 小規模企業共済掛金払込証明書
生命保険料控除 生命保険料控除証明書
損害保険料控除 損害保険料控除証明書
各種扶養控除 扶養者の氏名、生年月日、収入の有無
住宅ローン控除 借入金の年末残高証明書・売買契約書・不動産登記簿謄本等



余談ですが、最近は、副業を禁止している企業が増えています。


サラリーマンやOLが勤務先の会社に内緒で、アフリエイト等の副業で収入を得ている

場合は、仮に、確定申告をすると税金が戻ってくるとしても、住民税の徴収方法を

特別徴収にしていると、副業をしていることが勤務先の会社にばれてしまうので、

副業をしているサラリーマンやOLは、よく考えて確定申告をするべきでしょう。


また、住宅ローンを組んでマイホームを購入した人は、住宅ローン控除を受けること

ができます。


住宅ローン控除を受ける初年度は、税務署に、マイホームを購入した内容を知らせる

必要がありますので、確定申告をして住宅ローン控除を受けることになります。


二年目からは、確定申告で住宅ローン控除を受けるのではなく、年末調整にて

住宅ローン控除を受けることになります。


確定申告書の書き方でわからないことがあれば、税理士や公認会計士に相談する

べきかと考えられる方もいるでしょう。


しかし、一般的な、確定申告書の書き方くらいであれば、税務署に行けば税務署

の職員が、確定申告書の書き方を教えてくれます。


ちなみに、最近は、税制が改正されて、サラリーマンの必要経費の対象が

拡大されています。


サラリーマンも特定支出控除制度を利用すると、これまで以上に、節税になるケースが

ありますので、サラリーマンの方は、確定申告の時期になったら、特定支出控除制度を

利用できるかどうか調べてみるべきでしょう。


■所得税と住民税

・所得税

所得税とは、個人がその年の1月1日から12月31日迄の1年間に得た、金銭・物・

権利等の人が得た経済的利得の合計である所得に対して課税される税金のことです。


所得税の種類としては、給与所得や不動産所得等の性質に違いにより

10種類に区分されています。


この所得税の確定申告の種類には、青色申告と白色申告があります


所得税の種類

・利子所得
・配当所得
・不動産所得
・事業所得
・給与所得
・退職所得
・山林所得
・譲渡所得
・一時所得
・雑所得


尚、所得税の税率は、課税される所得金額によって異なり、最低の所得税税率は10%で、

最高の所得税税率は37%となっており、課税される所得金額別の所得税の税率は下記

の通りです。


課税される所得金額別の所得税の税率(所得税の速算表)

・課税される所得金額が330万円以下の所得税の税率は10%
・課税される所得金額が330万円超~900万円以下の所得税の税率は20%
・課税される所得金額が900万円超~1,800万円以下の所得税の税率は30%
・課税される所得金額が1800万円超の所得税の税率は37%


・住民税

住民税とは、個人がその年の1年間に得た、金銭・物・権利等の人が得た経済的利得

の合計である所得に対して課税される都道府県民税と市町村民税を合わせた税金

のことです。


住民税は、給与所得者が所得が発生した時点で給与から差し引かれている所得税

である源泉税と異なり、前年の年収分の住民税を翌年の6月から再来年の5月迄に

支払うことになりますので、収入と住民税の納税までにタイムラグがあります。


個人の賦課課税方式による税金としては、住民税や固定資産税等が該当します。


人事部や総務部が設置されていない企業においては、住民税の申告業務は、

経理の仕事です。


給与所得者でも、年収が大きく下がった翌年に、年収が高かった時の住民税の

支払が発生しますので、年収が大きく変動するような給与所得者は、住民税の

タイムラグには注意が必要です。


住民税の計算方法は、住民1人につき一定額を課税する均等割と所得金額に

応じた所得割により計算されます。


住民税の税率が定まっている所得割は、課税される所得金額に応じて住民税

の税率が決まっています。


また、住民税の所得割は、国から地方へ税源移譲が行われたことにより、

どの地域でも同じ税率ですが、住民税の均等割は、地域によって異なり、

住民税の所得控除である基礎控除はどの地域でも変わりません。


尚、住民税の所得割の税率は、課税所得金額に全く関係なく、一律に、

都道府県民税が4%、市区町村民税が6%の合計10%が住民税の所得割の

税率になっています。


ちなみに、確定申告と住民税は、切っても切れない関係です。


確定申告をする際には、住民税の徴収方法を自分で選択することができます。


住民税の徴収方法には、特別徴収と普通徴収の方法があります。


住民税の納付方法としては、年間の住民税を一回で支払う一括払いか年4回

払いの何れかを選択して納入することになります。


年4回払いを選択した場合は、6月、8月、10月、翌年の1月に住民税を

納付することとなります。


■所得の種類

・給与所得

給与所得とは、サラリーマンやOLなどが勤務先から受ける給与手当や賞与などの

所得のことです。


給与所得は、所得税における10種類の課税所得の一つであり、基本的に、給与所得者

は年末調整をしているので、確定申告をする必要はありません。


給与所得には、給与所得者の必要経費というべき給与所得控除額が年収により定め

られています。


給与所得控除額の最低金額は65万円なので、年収が103万円以下であれば、誰にでも

所得控除額である基礎控除額の38万円が給与所得金額から差し引かれることになります

ので、所得税が課税されることはありません。


給与所得には、現物給与も含まれています。


また、主婦がパートによる給与所得がある場合に、年収が103万円以下で所得税が

課税され無い場合でも、年収が98万円以上103万円未満の場合は、住民税の計算の

場合の基礎控除が33万円になる影響により、住民税が課税されることになります。


主婦の方がパートで働いて所得税と住民税の両方とも課税されないようにする

為には、年収を98万円以下にする必要があります。


・公的年金所得

公的年金所得とは、国民年金法に基づく年金、厚生年金保険法に基づく年金、

公務員等の共済組合法に基づく年金、私的年金制度に基づく企業年金、外国の法令に

基づ年金による所得のことです。


生命保険会社の個人年金保険に加入し年金として支給された場合は、

公的年金所得できなく雑所得になります。


公的年金所得には、給与所得と同じように必要経費に相当する公的年金所得控除額

が年収により定められており、公的年金所得控除額は、年金を受け取る人の年齢が

65歳未満か65歳以上かによってもかわってきます。


尚、公的年金所得についても、確定申告をすることで税金が戻ってくる場合があり、

確定申告をする際に必要となる公的年金所得金額の計算方法は下記の通りです。

公的年金所得金額の計算方法

受給年齢 公的年金等収入合計(A) 割合(B) 控除額(C)
65歳未満 700,001円~1,299,999円 100% 700,000円
  1,300,000円~4,099,999円 75% 375,000円
  4,100,000円~7,699,999円 85% 785,000円
  7,700,000円以上 95% 1,555,000円
65歳以上 1,200,001円~3,299,999円 100% 1,200,000円
  3,300,000円~4,099,999円 75% 375,000円
  4,100,000円~7,699,999円 85% 785,000円
  7,700,000円以上 95% 1,555,000円

※公的年金等に係る雑所得の金額計算式 A×B-C=公的年金所得


・利子所得

利子所得とは、銀行の普通預金や定期預金、郵便貯金から得られた利息や

公社債の利子、公社債投資信託等の収益の分配による所得のことです。


源泉分離課税とされている預貯金の利息は、確定申告をしても、

利子所得から源泉徴収されている所得税が還付されることはありません。


この利子所得は、基本的に、利子所得が支払われる時に、利子所得の金額

に対して所得税15%・地方税5%の合計20%が課税されて源泉徴収され納税

が終了する源泉分離課税の対象です。


国際復興開発銀行債やアジア開発銀行債等の一部の金融機関の公社債の

利子所得に限り、その利子所得が確定申告をすることで還付されます。


・配当所得

配当所得とは、株主や出資者が法人から受ける配当金等に係る所得のことです。


配当所得は、基本的に、利子所得と同様に所得が支払われる時に、配当所得の

金額に対して所得税15%・地方税5%の合計20%が課税されて源泉徴収されて

いますが、配当所得は、原則として総合課税での確定申告が必要です。


この配当所得には、配当所得にだけ認められた配当控除という所得控除が

あり、配当控除の控除率は、配当所得が1000万円以下の部分対しては

控除率10%で、配当所得が1000万円超の部分に対しては控除率5%と

なっています。


・不動産所得

不動産所得とは、アパートやマンションを賃貸したり、 土地を駐車場等

として賃貸するなどによる土地や建物などの不動産等の貸付けに係る所得

のことです。


不動産所得には、不動産を売買したことによる所得は含まれません。


不動産所得は、他の所得と合算して課税される総合課税なので、

仮に、不動産所得が赤字の場合は、他の黒字の所得と不動産所得を損益通算

することができるので、投資用不動産の営業トークとして、確定申告をして

他の黒字の所得と不動産所得を損益通算することによる節税効果を強調する

ことかあります。


・事業所得

事業所得とは、自営業者が営む、農業、漁業、製造業、非製造業等の事業

により得られた所得のことです。


自営業者が不動産の貸付けや山林の譲渡をしたことによる所得は事業所得

とはならず、不動産所得や山林所得となります。


この事業所得が赤字の場合は、確定申告をすることにより、他の黒字の所得

と事業所得を損益通算することができます。


また、事業所得が確定申告不要となる場合は、副業の年間収入が20万円以下

の場合なので、基本的に、事業所得が確定申告不要ということはありません。


・退職所得

退職所得とは、勤務先を退職することにより会社から受けとる退職金である

退職手当等の所得のことです。


社会保険制度に基づき退職することで支給される一時金や適格退職年金契約に

基づき生命保険会社等から支給される退職一時金等も退職所得に含まれます。


退職所得が発生すれば、基本的に確定申告が必要になります。


この退職所得についても必要経費に相当する退職所得控除額がありますが、

退職所得控除額の計算方法は下記の通りです。


退職所得控除額の計算方法

・勤続年数が20年未満の場合は、勤続年数×40万円

・勤続年数が20年超の場合は、800万円+70万円×(勤続年数-20年)


・山林所得

山林所得とは、山林を伐採したり、立木のままで譲渡することにより発生する

所得のことです。


山林を伐採したりせず山林を山ごと丸ごと譲渡する様な場合の土地の部分は

譲渡所得となります。


山林所得が発生すれば、基本的に確定申告が必要になります。


また、山林を取得して5年以内に山林を伐採したり、立木のままで譲渡した

ことによる所得は、山林所得とはならず、事業所得か雑所得となります。


また、山林所得の計算方法は、下記の通りです。


山林所得の計算方法

譲渡した総収入金額-必要経費-特別控除額(最高50万円)=山林所得


・譲渡所得

譲渡所得とは、土地や建物などの不動産、ゴルフ会員権等の資産を譲渡する

ことによる所得のことです。


譲渡所得には、事業による棚卸資産の譲渡や山林の譲渡は、

譲渡所得には該当しません。


譲渡所得が発生すれば、基本的に確定申告が必要になります。


また、譲渡所得の計算方法は下記の通りです。


譲渡所得の計算方法

譲渡収入金額-(譲渡対象資産取得費+譲渡費用)-特別控除額=譲渡所得


この譲渡所得の特別控除額は、一定要件を満たした場合にのみ適用となり、

譲渡所得の特別控除額には下記の項目があります。


譲渡所得の特別控除額

・収用等による土地や建物の譲渡(5000万円)
・敷地とその敷地の上の居住用家屋の譲渡(3000万円)
・特定土地区画整理事業等の為の土地の譲渡 (2000万円)
・特定住宅地造成事業等の為の土地の譲渡 (1500万円)
・平成21年と平成22年に取得した国内の土地の譲渡(1000万円)
・農地保有の合理化等の為の農地等の譲渡 (800万円)


・一時所得

一時所得とは、雑所得を除いた他のどの所得にも該当しない所得のことです。


一時所得は、懸賞・福引の賞金品、競馬や競輪の払戻金、生命保険の一時金

や損害保険の満期返戻金等が該当します。


この一時所得の計算方法は下記の通りです。


一時所得の計算方法

一時所得の総収入金額-収入を得るための取得費-特別控除額(最高50万円)=一時所得


また、確定申告にて他の所得と一時所得を合算する際は、上記の一時所得の

計算方法にて算出した一時所得の金額の2分1部分が課税所得となります。


・雑所得

雑所得とは、利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得等の

他の何れの所得にも該当しない所得のことです。


雑所得の例としては、原稿料、講演料、公的年金、為替差損益、株主優待券、

割引債の償還差益、学校債、組合債の利子等があります。


雑所得が発生すれば、基本的に確定申告が必要になります。


この雑所得の計算方法は下記の通りです。


雑所得の計算方法

雑所得の総収入金額-雑所得の必要経費=雑所得


また雑所得は、雑所得を算定した後に、他の所得金額と合算して課税所得金額

を算定した後に、納税する税額を計算することになります。


雑所得に該当する、公的年金、原稿料、講演料等は、基本的に、支払をする際に

源泉徴収をすることになります。


■所得から控除される種類

・基礎控除

基礎控除とは、全ての納税者に一律に認められている所得控除のことです。


基礎控除は、所得税だけに認められている制度ではなく、住民税、相続税等の

様々な税金で認められている所得控除です。


この基礎控除の金額は、税金によって異なっており、所得税の基礎控除金額

は38万円で、住民税の基礎控除金額は33万円です。


・所得控除

所得控除とは、個人がその年の1年間に得た、金銭・物・権利等の人が得た

経済的利得の合計である所得に対して課税される所得税や住民税を計算する

ときに、所得金額から差し引くことができる控除の総称のことです。


所得控除の種類としては、全部で15種類の所得控除があります。


・特定支出控除制度(サラリーマンの必要経費)

確定申告の時期になると、収入を誤魔化すこともできず、必要経費も

ほとんど認められていないサラリーマンは、税金を少なくすることが

できないと嘆かれる方が多いと思います。


しかし、サラリーマンの皆さん、特定支出控除という制度をご存知でしょうか?


この特定支出控除制度は、サラリーマンが仕事をする上で必要と認めら

れた金額を、条件付きながら税金の控除の対象としようという制度なのです。


では、どのような項目が特定支出控除の対象となっているのかを国税庁の

HPで公表されている内容を確認してみましょう。


特定支出控除の対象項目(国税庁のHPより引用)

①一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出(通勤費)
②転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出(転居費)
③職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出(研修費)
④職務に直接必要な資格を取得するための支出(資格取得費)
⑤単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出(帰宅旅費)
⑥書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用(図書費)
⑦制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を
購入するための費用(衣服費)
⑧交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係の
ある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出(交際費等)

※④の項目は、平成25年分以後は、弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費も
特定支出の対象となります。
※⑤から⑧の項目は、その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円まで
の支出に限られ、
その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明が
されたもの (勤務必要経費)


上記の項目の中で、⑥から⑧の項目については、2013年度の税制改正によって対象

とされるようになりましたので、2014年から確定申告が可能です。


ちなみに、2013年度の税制改正によって、サラリーマンには必需品といえるスーツや、

スキルアップに欠かせない本の購入費用、営業マンには付き物の、接待交際費も対象

となっています。


また、給与所得控除額の2分の1を超えた金額が税金の控除対象となりますので、

特定支出控除の対象となる項目を支出した年の翌年に確定申告すると、納付した

所得税の何%かが還付されることになります。


よって、特定支出控除がどれくらい適用できるかは、給与所得控除金額を算定

しなければ明確になりませんので、下記の計算式に基づいて給与所得控除金額

を算定する必要があります。

給与所得控除金額の計算式

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
180万円以下 収入金額×40%(65万円に満たない場合は65万円)
180万円超360万円以下 収入金額×30%+18万円
360万円超660万円以下 収入金額×20%+54万円
660万円超1000万円以下 収入金額×10%+120万円
1000万円超1500万円以下 収入金額×5%+170万円
1500万円超 245万円(上限)



この特定支出控除制度で注意すべき点は、会社が個人の為に支払ったものは

対象とはなりません。


あくまでも、自分自身が支出したものだけが対象となる点と、支払を証明

する領収書の添付も必須なこと、会社から仕事に必要であると認められた

証明書を発行してもらう必要があることです。


また、会社が英語を公用語としている企業であれば、当然、英会話学校の

授業料も特定支出控除の対象となります。


経理部や財務部に所属している人が、財務に関するセミナーを受講したケースも

対象となりますので、資格取得やスキルアップの為に自己投資した方は、自分が支出

した学費やセミナー受講料などが対象となるのか確認すべきでしょう。


特に、年間数百万円の高額な授業料で知られるMBA取得の為の学費も、

特定支出控除の対象となりますので、忘れずに確定申告をしたいところです。


資格取得やスキルアップで特定支出控除の対象となるケース

・経理部や財務部に所属する社員が、簿記検定試験を受ける為に専門学校に通学
したり通信講座を利用する場合
・経理部や財務部に所属する社員が、公認会計士試験や税理士試験を受ける為に
専門学校に通学したりする場合
・法務部に所属する社員が、司法試験を受ける為に専門学校に通学したり通信講座
を受験する場合
・法務部に所属する社員が、司法書士試験を受ける為に専門学校に通学したり通信講座
を受験する場合
・法務部に所属する社員が、弁理士試験を受ける為に専門学校に通学したり通信講座
を受験する場合
・総務部に所属する社員が、行政書士試験を受ける為に専門学校に通学したり通信講座
を受験する場合
・人事部に所属する社員が、社会保険労務士試験を受ける為に専門学校に通学したり
通信講座を受験する場合
・経理部や財務部に所属する社員が、経営管理や予算の作成スキルを身につけるける
為にセミナーを受講する場合
・経営企画部に所属する社員が、経営戦略や経営計画の作成スキルを身につけるける
為にセミナーを受講する場合
・営業部に所属する社員が、営業スキルを身につけるける為にセミナーを受講する場合
・マーケティング部に所属する社員が、マーケティングのスキルを身につけるける為
にセミナーを受講する場合


■青色申告に関連する事項

・青色申告

青色申告とは、単式簿記ではなく複式簿記に基づいて記帳(帳簿を記載すること)をし、

その記録に基づいて課税所得を算出して個人や法人が所得税や法人税を計算して

税務署に申告する確定申告の種類のことです。


青色申告の適用を受ける為には、所得税の青色申告承認申請書を税務署に

提出する必要があります。


青色申告といわれている所以は、以前の所得税の確定申告書では、

青色の申告用紙を使用していたことから、この名前が使われるように

なっています。


現在は、所得税の確定申告書は青色の申告用紙ではなく、OCR用紙を除く

法人税申告書表紙である別表一のみが、現在も青色の申告用紙となっています。


また、個人事業主にとっての青色申告のメリットの代表例が、不動産所得又は

事業所得で利用できる青色申告特別控除、青色事業専従者給与、青色事業専従者給与

に関する届出書、損失の繰越控除、繰戻しによる所得税の還付、貸倒引当金や

退職給付引当金等の引当金の計上が認められていることです。


次は、青色申告のデメリットについてですが、最も大きな青色申告のデメリットは、

複式簿記による帳簿の作成です。


青色申告者自身や青色申告者の親族で簿記や経理の知識がある人がいなければ、

記帳を税理士事務所に依頼するか、簿記や経理の知識がある人を社員として

採用せざる負えなくなる可能性があります。


最近は、簿記に詳しくなくても使いこなせるが宣伝文句になっている、

安価な青色申告ソフトが多数あります。


しかし、簿記や経理の知識が無い人が青色申告ソフトを比較し選んで

青色申告ソフトを使用しても、帳簿の作成と決算の作成に膨大な時間がかかり、

その内容自体も心もたない内容であることがほとんどです。


結局、確定申告間際になって税理士や公認会計士に泣きつくことなるのが落ちです。


簿記や経理の知識が無い人が青色申告ソフトを利用するよりは、最近は、

会計事務所間の低価格競争が激しく、会計事務所の経営も苦しい所が多いこと

もあり、昔に比べると記帳代行料も大きく下がっていますし、このような記帳や

決算は、会計事務所の仕事の基本なので、青色申告会に相談するか税理士事務所に

丸投げする方がよいでしょう。


青色申告のメリットとしては、下記の通りです。


個人事業主にとっての青色申告のメリット

・青色申告特別控除制度を活用できること
・青色事業専従者給与制度を活用できること
・損失の繰越控除制度を活用できること
・繰戻しによる所得税の還付制度を活用できること
・引当金が計上できること


・白色申告

白色申告とは、青色申告のように複式簿記に基づいて記帳をする必要が無く、

領収書等の証票を基に、課税所得を算出し所得税を計算して税務署に申告

する確定申告の種類のことです。


白色申告は、事業を始める際にも、税務署への届出義務もなく、

領収書等の証憑を整理保存するだけでよい制度です。


この白色申告の最大のメリットは、不動産所得や事業所得の黒字金額である

所得金額が、300万円を超えていなければ、記帳をする義務がないことです。


このような白色申告のメリットを利用して、年商が1億円もあるような個人事業者

でも事業所得を300万円以下にしていれば記帳をする義務がないので、その点を悪用し

白色申告を利用して脱税に利用する人も多いようです。


そのような悪質な脱税行為をしているような個人事業者に対しては、税務署は、

推計課税という方法を取る場合があります。


・推計課税

推計課税とは、税務署が 怪しいと思った個人事業者に対して、

通帳や領収書等の資料を無視して、各種の間接的な事実に基づき

推計により実行する課税方法のことです。


青色申告を適用している個人事業者には、推計課税は適用されません。


・所得税の青色申告承認申請書

所得税の青色申告承認申請書とは、個人事業主が青色申告の適用を受け

青色申告をするために必要な税務署へ提出する申請書のことです。


一般的に、所得税の青色申告承認申請書は、開業届と一緒に税務署へ

税務署へ提出されることが多い申請書です。


この所得税の青色申告承認申請書は、最寄りの税務署へ行き取得するか

、国税庁のサイトへアクセスしダウンロードして印刷し、所定事項を

記載して税務署へ持参か郵送により提出します。


また、所得税の青色申告承認申請書の提出期限は、開業した日から2ヵ月以内か、

その年の1月1日から1月15日迄に開業した場合は、その年の3月15日までが

提出期限となっています。


所得税の青色申告承認申請書を提出し、青色申告の適用を受けることができれば、

確定申告にて青色申告者だけに認められているような様々な優遇制度を利用

することができます。


ちなみに、青色申告のメリットを確定申告の際に享受する為には、

開業後2ヶ月以内に青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。


・青色申告特別控除

青色申告特別控除とは、不動産所得又は事業所得から最高65万円か10万円を

所得控除できるという制度です。


不動産所得と事業所得の合計額が65万円より少ない場合には、

その合計金額が青色申告特別控除の限度額となります。


この青色申告特別控除のような青色申告のメリットを享受する為には、

開業後2ヶ月以内に青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。


また、青色申告特別控除と住民税の関係を気にされる方が多いのですが、

住民税を計算するベースになるのは、青色申告特別控除後の確定申告書に

記載された所得金額なので、当然、青色申告特別控除は、住民税にも

反映されていることになります。


・青色事業専従者給与

青色事業専従者給与とは、青色申告者と生計を一にする一定条件を満たした親族に

給与を支払った場合に、その支払った給料を必要経費に算入することができる制度です。


青色事業専従者給与の制度を利用できる親族は、下記の要件を満たし、

青色事業専従者給与に関する届出書を提出期限内に税務署に提出する必要があります。


青色事業専従者給与の制度を利用できる親族

・青色事業専従者はその年の12月31日時点で15歳以上であること
・1年を通じて6ヶ月を超える期間、その青色申告者の事業に従事していること


この青色事業専従者給与のような青色申告のメリットを確定申告の際に享受する為には、

開業後2ヶ月以内に青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。


また、青色申告者は、青色事業専従者を配偶者控除や扶養控除の対象にすることは

できません。


・損失の繰越控除

損失の繰越控除とは、青色申告の適用を受けている個人事業者が、事業で赤字が

出た場合は、その赤字を最長3年間繰り越すことができて、黒字の年の所得と差し

引くことができる制度です。


この損失の繰越控除のような青色申告のメリットを確定申告の際に享受する為には、

開業後2ヶ月以内に青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。


・繰戻しによる所得税の還付

繰戻しによる所得税の還付とは、青色申告の適用を受けている個人事業者が、

今年度が赤字となった時に、前年の所得が黒字で所得税を納税している場合は、

前年分の納付済みの所得税の還付を受けることができる制度です。


この制度を受ける為には、税務署に、純損失の金額の繰戻しによる所得税の

還付請求手続をする必要があります。


純損失の金額の繰戻しによる所得税の還付請求手続には、請求書を作成し、

その請求書を税務署へ持参か郵送により提出します。


この繰戻しによる所得税の還付のような青色申告のメリットを確定申告の際に

享受する為には、開業後2ヶ月以内に青色申告承認申請書を税務署に提出する

必要があります。


・青色事業専従者給与に関する届出書

青色事業専従者給与に関する届出書とは、個人事業主である青色申告者と生計を

一にする一定条件を満たした親族を青色事業専従者として給与を支払い必要経費に

算入するために税務署へ提出する為の届け出書のことです。


個人事業主が、青色申告の適用を受けていたとしても、青色事業専従者給与に

関する届出書を提出していなければ、青色事業専従者給与制度を活用すること

はできません。


・青色申告会

青色申告会とは、青色申告者である個人事業者が多数集まって自主的に組織

されている納税者団体のことです。


青色申告会では、加入者である青色申告者に対して、記帳の指導や決算の

指導サービス、法律相談サービス、各種融資制度の紹介サービス等を提供しています。


この、青色申告会の加入資格としては、加入者が青色申告者であることが条件と

なっています。


青色申告会は、各税務署の管轄区域毎に設けられていることが一般的で、

東京都内には、青色申告会が48あります。


また、青色申告会の加入すると、入会金が3000円前後、月額会費が2000円前後必要に

はなりますが、青色申告会費は、当然、諸会費などの名目で必要経費として認めら

れています。