株式公開(IPO)


■株式公開(IPO)とは


株式公開(IPO)とは、非上場会社が自社の株式を証券市場に流通させることです。


株式公開(IPO)することで、自社の株式を発行し投資家から資金調達ができ、

株式公開をすれば、自社の株式は証券市場を通して自由に売買されることになります。


上場をする前には、日本版SOX法(J-SOX)などの

内部統制に対応する準備をする必要があります。


公開企業に求められる経営管理体制の構築である、主要な株式公開準備の課題

としては、下記の通りです。


各種経営管理体制上の課題

・IPO全般の課題
・資本政策立案の課題
・会計に関する課題
予算管理制度に関する課題
・人事労務に関する課題
・税務に関する課題
・購買に関する課題
・販売に関する課題
・内部統制に関する課題
・コンプライアンスに関する課題


株式公開を達成する為には司令塔になる上場準備責任者(CFO)が

重要になることはいうまでもありません。


また、株式公開(IPO)を果たせば、資金調達が出来るだけでなく、

企業の知名度や企業の社会的信用力が向上し、優秀な人材も採用することが

出来る等のメリットがあります。


不特定多数の投資家が株式市場を通して企業の株式を取得し株主となることが

できるなどにより、会社の社会的存在や社会的責任が強くなることから、

株式公開会社はパブリックカンパニーと呼ばれています。


株式公開(IPO)後のデメリットとしては、買収リスク、業績向上や企業価値向上

への圧力、社会的責任の増加、上場維持費用、管理コストの増加等があります。


■株式公開準備とは


株式公開準備を始めるかどうかの判断は、会社の経営計画における成長戦略において

重要な経営判断の1つです。


株式公開準備のキックオフミーティングには、経理部や経営企画部のメンバーだけ

でなく、各部署の主要なメンバーが参加する必要があります。


株式公開(IPO)を実現するための株式公開準備には膨大な時間と労力が必要です。


もし、株式公開を視野に入れて起業をしたのであれば、会社設立時から公開を念頭に

置いた経営をしておけば、後々の株式公開準備の時間と労力が大幅に軽減されます。


また、株式公開準備とは一言で言うと、経営管理体制を確立することなので、

上場準備をするからといって何も特別な準備をするわけではありません。


上場会社は、株主などのステークホルダーに、タイムリーに業績を説明する義務が

ありますので、早期に業績の変化を把握できる管理体制の構築が求められること

になります。


そのような理由から、上場準備において、最も重視される審査チェックポイントの1つが、

予算管理制度というわけです。


また、株式公開準備室のメンバーの選定は慎重にすべきです。


なぜなら、株式公開準備の専門知識があるというだけの基準で、株式公開準備室の

メンバーを選ぶと、実務に全く対応できない、杓子定規な業務遂行をする部署に

なってしまう可能性もあるのです。

 
次に、資本政策以外の、株式公開準備の主な業務は下記の通りです。


株式公開準備の主な業務

①株式公開スケジュール策定
②上場市場の検討
③主幹事証券会社の決定
④監査法人の決定
⑤経営管理組織の整備
⑥社内規程の整備
⑦会計や予算制度の整備
⑧関係会社・利害関係者取引の整備
⑨上場申請書類の作成
⑩証券会社・監査法人への対応
⑪上場審査への対応


また、上場準備のチェックポイントしては、下記の項目があります。


上場準備のチェックポイント

①経営基盤
②大株主
③役員
④組織
⑤内部統制
⑥特別利害関係者・人的資本的関係会社等
⑦経理事務・会計処理
⑧資本政策
⑨親会社等に該当する会社が存在する場合
⑩労働基準法関連
⑪その他


このように株式公開を達成する為には、様々な上場準備をしていく必要があります。


しかし、株式公開準備をしている企業は、多数ありますが、実際に株式公開まで

辿り着ける企業はごく僅かなのです。


この株式公開準備で困難な事は、専門的な業務面ではなく、全社員を一致団結させて、

社内管理体制を構築することが最も大変で困難な事です。


そしてそのことは、株式公開準備をするからといって、公開準備責任者に、

監査法人出身の公認会計士の有資格者が着任しても、上手くいかないケースが

多い原因でもあります。


会社経営では当り前ですが、株式公開準備業務においても、公開準備責任者に

一番要求される資質はマネジメント能力なのです。


監査法人出身の公認会計士は、専門的な教科書的知識は充分持っていますが、

その知識を活かし公開準備業務を滞りなく進めるマネジメント能力に欠ける

ケースが多いのです。


このように株式公開準備は、杓子定規の専門知識だけで業務が円滑に進むものではなく、

他の業務と同様に専門知識を使いこなせるスキルがなければ、せっかくの専門知識も

輝きを失ってしまいます。


■上場に関連する重要な事項


・ベンチャーキャピタル(VC)

ベンチャーキャピタル(VC)とは、高い成長性が期待できる未上場企業の株式を

取得することで資金提供し、経営コンサルティングも行う投資家です。


ベンチャーキャピタルは企業の株式公開も支援し、高い投資資金のリターンを

狙うのがベンチャーキャピタルなのです。


ベンチャーキャピタル(VC)が投資を実行するときは、専門家による

綿密なデューデリジェンスを行い、独自の基準で企業の将来性を評価します。


投資実行後、ベンチャーキャピタルは、資金を出資するだけでなく、

株主総会で議決権を行使するなど様々な企業経営に深く入り企業を支援します。


ベンチャーキャピタル(VC)は、企業の資本政策に応じて、企業に資金の供給をする

役割があるのです。


また、主要なベンチャーキャピタル(VC)は、証券会社系が多く、それ以外では

銀行系や事業会社系、独立系や政府系のベンチャーキャピタルもあります。


そして、ベンチャーキャピタル(VC)の投資事業のゴールは、投資資金を

回収することです。


投資資金の回収方法はその企業のIPO(株式公開)か、その企業を他企業に売却

することです。


ベンチャーキャピタル(VC)の業績が向上する時は、株式市場が上昇相場で活況を

呈している時です。


そのような時期に、ベンチャーキャピタルが投資している企業をIPOさせることが

出来れば、ベンチャーキャピタルの売上であるキャピタルゲインは、株式市場が低調

な時期に上場した場合と比べて、数倍以上の差が出来ることも珍しくありません。


ちなみに、日本の主要なベンチャーキャピタル(VC)は、野村證券の系列の

ベンチャーキャピタル業界最大手のジャフコや大和証券の系列の大和SMBCキャピタル、

独立系で最大規模の日本アジア投資などがあります


・日本版SOX法(J-SOX)

日本版SOX法(J-SOX)とは俗称です。


金融商品取引法の第24条の4の4と同193条の2第2項に企業の内部統制について規定

されたところが日本版SOX法と呼ばれている部分です。


日本版SOX法(J-SOX)は、財務報告に係る内部統制報告制度なのです。


日本版SOX法(J-SOX)の目的は、企業の会計不祥事やコンプライアンス問題等を

防ぐ為で、日本版SOX法はそれらの問題に対処する為に会計監査制度と企業の内部統制を

強化しています。


日本版SOX法(J-SOX)は、米国のサーベンスオクスリー法(SOX法)に

内容や目的が近いことから、日本版SOXやJ-SOX等と呼ばれています。


日本版SOX法の基本的枠組みは、下記の4つの目的と6つの基本的要素で

構成されています。


4つの目的

1.業務の有効性および効率性
2.財務報告の信頼性
3.事業活動にかかわる法令等の遵守
4.資産の保全


6つの基本的要素

1.統制環境
2.リスクの評価と対応
3.統制活動
4.情報と伝達
5.モニタリング(監視活動)
6.IT(情報技術)への対応


経営者は上記項目である4つの目的と6つの基本的要素の内部統制の有効性を

評価して、内部統制報告書を作成して有価証券報告書と共に財務局長等に

提出することになります。


・内部統制

内部統制とは、ミスや不祥事を防ぐ管理体制の構築、企業活動の中の

リスク対策とそのルール作り、そしてそれらの業務が正しく機能する為に

徹底をすることです。


内部統制が出来ていることは内部管理体制が構築されていることです。


内部統制は経営活動のマネジメントプロセスに必要なものなのであり、

内部統制は、企業のリスクマネジメントといえます。


また、内部統制のPDCAサイクルが運用されていれば、企業活動の中で違法行為や不正、

ミスや間違いなどを防ぐ効果もあり、企業が各業務プロセスの基準や手続きに従い、

業務活動を管理体制を構築する為にも為に内部統制は必要です。


内部監査は、内部統制の重要なポイントの1つであり、コーポレートガバナンスを

支える役割を有します。


もし、内部統制が機能していなければ、社員が会社の規則を無視し自分勝手に

行動するようになって、組織が機能不全を起こしたり、業務上の失敗が多発するなどの

業務の非効率化をまねいたり、遅刻、無断欠勤、経費の水増しや法人クレジットカードの

不正使用、経費の不正請求などの不祥事の温床にもなりかねません。


内部統制が機能していない企業は、財務数値の信憑性も低下することで、

資金繰りなどの把握が困難になり経営判断に支障をきたすようになります。


仮に一部の役員や社員が暴走して粉飾決算やコンプライアンス上の問題などを

引き起こしたりすると、経営危機を招きかねません。


・内部監査

内部監査とは、業務活動の効率化・不正の発生防止・リスク管理と

その対策の為の体制やルールが出来ているか等の問題を発見し

改善提案をすることです。


内部監査は社長直轄の立場で監査をし、内部監査は企業のコーポレートガバナンス

を支える役割を有します。


この内部監査は、株式公開(IPO)をする為の、株式公開準備においても、

重要なポイントです。


内部監査は、金融商品取引法の一部である日本版SOX法(J-SOX)に対応した内部統制

の整備にも重要な役割があります。


それらの内部監査は上場審査において、1年以上の運用実績を残すことを

求められています。


このように、内部監査は、企業のリスクマネジメントの手段でもあります。


また、内部監査は、独立した専任の社員を置くことが望ましいのですが、

規模が小さな会社の場合には、経営企画室や総務部が代わりに代行する

場合があります。


内部監査の具体的な業務フローの概要は下記の通りです。

内部監査の具体的な業務フロー

①監査計画
②監査実施
③監査報告
④監査結果通知
⑤改善計画
⑥改善報告
⑦改善確認
⑧内部監査総括報告書


・IR

IRとは、企業が株主や投資家に向けて、経営成績や財政状態等の情報を

発信する活動です。


IRは、株主や投資家が投資判断に必要な情報を提供するものなので、必要な情報は

適時・公平に提供する必要があります。


IRの結果は、企業の取り組み方次第で大きく変化します。


このIRは、企業の重要なディスクロージャーの1つであり、

ディスクロージャーとは、情報公開のことです。


法的に必要なディスクロージャーでは、金融商品取引法と会社法によって

定められたものがあります。


金融商品取引法のディスクロージャーとは、上場している企業が、投資家に対して

十分な投資判断を行う情報を提供する為の制度です。


会社法のディスクロージャーとは、株主に対して、株主総会に必要な計算書類と

事業報告書の提供を義務付けているものです。


また、IRは、有価証券報告書等の開示が義務づけられている

情報開示に留まらず、企業が自主的に行なう会社説明会やHP等の

インターネットを活用してのIR活動等があります。


IRを担当する部門は、企業の正確な情報を開示・配信する役割があります。


近年、ネット上で企業の風評被害が多発していますが、ネットでの誹謗中傷・

風評被害による影響は、企業経営に重大な影響を与える場合がありますので、

経営に影響を与える可能性がある根拠の無い情報に対しては、IRを担当する部門

で適時に対応する必要があります。


IRを担当する専属部署が存在しない場合は、経営企画室経理部などで

対応している企業がほとんどです。


尚、IRの主なコミュニケションツールや項目は下記の通りです。

①決算短信
②有価証券報告書
③決算広告
④株主総会
⑤会社説明会
⑥株主通信
⑦決算説明会
⑧アナリストミーティング
⑨アニュアルレポート(年次報告書)
⑩ファクトブック(データ集)
⑪機関投資家訪問
⑫決算説明補足資料
⑬会社施設見学会
⑭合同説明会


・資本政策

資本政策とは、株式公開を前提とした場合、資金調達額、株主構成、

上場形式基準のクリア等を考慮した資本計画を作成することです。


株式公開準備における資本政策では、それらのスケジュールを組み立て、計画策定後は、

資本政策の内容に従い公開前の増資や株式移動等を実施することになります。


また、株式公開(IPO)を前提とした場合、資本政策の計画次第で

資金調達金額も変化し、想定する財政体質の強化・改善も影響を受けます。


更に資本政策の内容がオーナーの創業者利潤にも大きく影響を与えるので、

資本政策の策定の基本は企業業績も睨みつつ計画を作成することが

基本になります。


また、資本政策を実行する手続き等は、やり直しが出来ないものが

ほとんどなので、資本政策を策定するときは十分な検討が必要です。


株式公開(IPO)を前提とした株式公開準備での資本政策の

主な目的は下記の項目です。


①上場審査基準のクリア
②株主構成や持株比率の見直し
③資金調達
④創業者利潤の確保
⑤事業承継
⑥役員従業員のインセンティブ


また、株式公開後の資本政策の主なポイントとしては、株主資本、配当、

自社株買い、自己株式消却があります。


株主資本については、企業業績拡大の為の必要な資本の確保と財務バランスを

考慮して、必要に応じて資金繰りの改善や財務体質の強化・改善に繋がる

エクイティファイナンスを検討します。


株主への還元としての配当は、配当性向と配当利回りを常に考慮し、

配当政策の一環でもある自社株買いと自己株式償却は、経営環境の変化に応じた

機動的な対応と株主価値の向上の為にも必要になります。


・幹事証券会社

幹事証券会社とは、企業に対して資金調達のサポートや証券業務全般の

コンサルティングをする証券会社です。


幹事証券会社の中で、主導的な役割を果たす証券会社が主幹事証券会社で、

それ以外が副幹事証券会社です。


幹事証券会社は、資本金が30億円以上必要です。


この幹事証券会社が、株式公開準備から株式公開(IPO)時迄に行なう

主要業務は、公開準備指導、公開準備審査、株式の引受になります。


幹事証券会社が、株式公開後に行なう主要業務は、株式全般のコンサルティング、

資金調達のサポート、国内外の経済情報の提供になります。


また、幹事証券会社でのシェアが高い証券会社は、国内の証券会社では、

野村證券、大和證券SMBC、日興コーディアル証券、三菱UFJ証券などで、

外資系証券会社では、JPモルガンやゴールドマンサックスなどのシェアが

高くなっています。


そして、株式公開(IPO)をする為には、必ず幹事証券会社が必要になりますが、

主幹事証券会社を選定する際は、公開を成功させる為に必要な株式公開準備の

指導をしっかりとしてくれる証券会社を選ぶことが重要です。


そのような幹事証券会社であれば、会社の管理体制の基盤作りにも役立ちます。


また、公開をする為には、社内の管理体制を整備しないことには、何時までたっても

株式公開をすることはできませんし、株式公開準備は、膨大な時間と労力を要する為、

最低限の時間とコストで株式公開準備に対応する為にも、幹事証券会社の指導や

アドバイスは欠かせません。


・ステークホルダー

ステークホルダーとは、企業活動をする中で関係がある利害関係者のことです。


企業はステークホルダーと良好な関係を築くことが会社発展には必要であり、

企業は全てのステークホルダーとバランスを取りながら企業経営をする必要が

あります。


このステークホルダーの具体例としては、クライアント(消費者)、株主、従業員、

債権者、仕入先、投資家、国や地方の行政機関等あらゆる利害関係者が存在します。


これらステークホルダーには、それぞれの特性に応じた経営内容の説明を

する必要があります。


また、企業の経営活動の中の意思決定は、ステークホルダーに様々な影響を

与えるので、企業には、ステークホルダーとの関係を重視した企業経営が

求められます。


様々なステークホルダーとの関係を重視した企業経営をし、その企業経営の結果説明

をしていくことは、企業価値を高める効果も期待でき、企業が利益の追求のみに走り、

コンプライアンス違反などの企業の不祥事を防ぐ効果もあります。


これまでの日本企業が重視してきた、ステークホルダーは、株主や銀行、

クライアントがメインでしたが、以前とは異なり、投資家に対しても良好な

関係を構築する必要があり、従業員に関しては尚更良好な関係を築く必要が

あります。


ちなみに、ステークホルダーのステークとは、利害関係を意味し、

ステークホルダーのホルダーとは、所有者を意味する為、ステークホルダーは

利害関係者を意味することになります。


・ストックオプション

ストックオプションとは、新株予約権を無償で与える制度です。


ストックオプションは主に会社の取締役や従業員に対して業績向上への

インセンティブとして支給され、ストックオプションを付与された者は、

付与された企業の株価が上昇すれば、キャピタルゲインを手にする事が出来ます。


このストックオプションは、自社株を購入することのできる権利です。


ストックオプションには、自社株を購入できる価格(権利行使価格)が

事前に決められており、株価が権利行使価格を超えた場合は、権利行使して、

市場より安い価格で自社株を購入することができる出来るのが

ストックオプション制度なのです。


また、ストックオプションは、大企業に比べて給与水準が低い中小企業や

創業まもないベンチャー企業が、優秀な人材を確保するために給与を

補完するものとして支給するケースや、実績を挙げた従業員に賞与以外に

出来高給の代わりにとしてストックオプションを付与する場合があります。


このストックオプションを税制上優位に活用する為には、

税制適格ストックオプションの要件を満たす必要があります。


その要件の項目は、付与対象者、権利行使期間、年間の権利行使価額の限度額など

があり、税制適格ストックオプションの適用ができれば、課税を売却時まで繰り延べ

ることができ大幅な節税効果が期待できます。


尚、ストックオプションの権利を付与したときや権利を行使されたときには

バランスシートに新株予約権を計上したり、各会計期間にPLに

ストックオプションの公正な評価額を費用計上する必要があります。


・株主代表訴訟

株主代表訴訟とは、取締役や監査役を株主が提訴できる制度のことです。


通常、株主代表訴訟は取締役や監査役が違法行為を行い、

株主に損害を与えた場合に訴追するもので、株主代表訴訟は一般株主でも

比較的容易に訴えを起こすことが可能です。


この株主代表訴訟は、6ヵ月以上株式を所有していれば、

訴えを起こすことが可能で、訴訟費用も一律8,200円となっています。


また、企業の、株主代表訴訟に対する防衛手段として、

損害保険である役員賠償責任保険に加入する企業が確実に増加しています。


ちなみに、会社法では、役員が、法令・定款に違反した場合に善意で

重過失がなければ、巨額の株主代表訴訟を起こされても、株主総会の

特別決議により賠償責任額が、次の範囲に制限されています。


①代表取締役(報酬等の6年分)
②代表取締役以外の取締役(報酬等の4年分)
③社外取締役、監査役等(報酬等の2年分)


尚、社外取締役や社外監査役等は、責任限定契約を結ぶことができます。


責任限定契約とは、社外取締役や社外監査役等が善意で重過失がない場合は

株主代表訴訟に備えて、定款に定めた額の範囲内であらかじめ定めた額と、

会社法の責任限度額のどちらか高い方を限度として賠償責任を負う契約を

事前に定めることが出来ます。


・コーポレートガバナンス

コーポレートガバナンスとは、 企業統治のことです。


コーポレートガバナンスの役割は、内部統制を確立し、内部統制を整備・運用させる

ことであり、コーポレートガバナンスはステークホルダーに対して、企業がどうある

べきかを示す考え方です。


企業における内部統制の整備・運用の責任者といえば、CFOになりますが、

CFOには、コーポレートガバナンスの知識は必須となります。


このコーポレートガバナンスを機能させて、経営者や組織、執行役員や社員の独走

・暴走・違法行為をチェック・阻止するためには、下記のような手段があります。


①社外取締役や社外監査役の選任
②法務部の設置
③内部監査室の設置
④内部統制の強化
⑤企業としての行動規範の設定
⑥情報開示体制の確立


また、コーポレートガバナンスは、内部統制上の形式が守られているだけで

良いのではなく、コーポレートガバナンスで重要な要素の1つは、企業価値を

毀損する経営者や社員を企業から退場させる仕組みづくりが重要な要素の

1つなのです。


そして、コーポレートガバナンスは重要なものではありますが、

過度に内部統制を確立し、内部統制を整備・運用をしようとすると、

コーポレートガバナンスが企業を官僚的な組織体制にしてしまい、

組織が硬直化してしまいがちになります。


よって、必要以上にコーポレートガバナンスを意識し過ぎて、内部統制に力を

入れすぎることは、企業業績にプラスになることはありませんので、

コーポレートガバナンスの確立は、経営者がポイントを押さえて、

やるべき事とやらなくてもよい事を明確に指示する必要があります。


・コンプライアンス

コンプライアンスとは、法律や規則などのルールに従うことで、

法令順守ともいわれています。


コンプライアンスは、コーポレートガバナンスにおいても必要なことであり、

コンプライアンスは、企業が誤った行動をして、企業価値を毀損することを

防ぐ役割があります。


このコンプライアンスは、最近頻発している、企業の不正会計や食品の

偽装表示、クレームの隠蔽等の様々な事件が背景となり、企業のコンプライアンス

の重要性の認識が浸透してきています。


また、コンプライアンスを機能させて、経営者や組織、社員の独走・暴走・

違法行為をチェック・阻止するためには、下記のような手段があります。


①社外取締役や社外監査役の選任
②法務部の設置
③内部監査室の設置
④内部統制の強化
⑤企業としての行動規範の設定
⑥情報開示体制の確立


・インサイダー取引

インサイダー取引とは、上場企業の重要事実に詳しい者が、

一般に知られていない内部情報を利用し重要事実の公表前に、

その上場企業の株式を取引することです。


インサイダー取引は、金融商品取引法で規制されている犯罪であり、

インサイダー取引は、株式市場の信頼を損なう不公正な取引なのです。


このインサイダー取引における、重要事実とは、企業の売上や利益の変化等の

決算に関わる事実や、企業価値を大きく毀損する会社の不祥事、

そして新株発行など会社が決定した事実等が含まれます。


また、インサイダー取引における、重要事実の公表前の公表とは、新聞社や

テレビ局等の2以上のマスコミに情報公開後12時間以上経過したことで、

これは、12時間ルールと呼ばれています。


尚、インサイダー取引をした場合は、個人の場合は、5年以下の懲役もしくは

500万円以下の罰金に処され、又はこれらの両方の場合もあり、法人の場合は、

5億円以下の罰金に処されます。


・ディスクロージャー

ディスクロージャーとは、情報公開のことです。


ディスクロージャーは一般的に、投資家や債権者などの利害関係者に経営成績や

財政状態等の各種情報を公開を義務付ける情報開示制度のことを指しています。


ディスクロージャーはIR活動のなかでも重要な位置づけなのです。


このディスクロージャーの制度は、金融商品取引法と会社法によって

定められたものがあります。


金融商品取引法のディスクロージャーとは、上場している企業が、投資家に対して

十分な投資判断を行う情報を提供する為の制度です。


会社法のディスクロージャーとは、株主に対して、株主総会に必要な計算書類と

事業報告書の提供を義務付けているものです。


また、ディスクロージャーは、投資家の立場からは、投資する際の

重要な判断材料の1つにもなります。


ディスクロージャーに前向きでない企業は、株価の値下がりが続いている企業の場合は、

何か重大な悪い情報を隠していると見られる可能性もあります。


逆に、ディスクロージャーに積極的な企業は、投資家の信頼を得ることによって、

株価の値上がりをサポートすることにもなるので、IR活動であるディスクロージャー

は企業にとって大きな影響を与えるものなのです。


ちなみに、ディスクロージャーに関する事件では、西武鉄道が有価証券報告書(有報)

の虚偽記載(株式保有比率の虚偽記載)により上場廃止に至る結果にもなっています。


企業が法律に基づく情報開示する内容を虚偽の記載をすることは重大な企業犯罪と

みなされるため、ディスクロージャーは企業にとって非常に重要なIR活動なのです。


・キックオフミーティング

キックオフミーティングとは、プロジェクトを開始する時や、

プロジェクトを立ち上げる際に開催する、集まりや打ち合わせのことです。


キックオフミーティングの目的は、プロジェクトメンバーと

プロジェクトの位置付けやプロジェクト目標などを共有することです。


株式公開準備のキックオフミーティングには、経理部や経営企画部のメンバー

だけでなく、各部署の主要なメンバーが参加する必要があります。


このキックオフミーティングは、プロジェクトメンバーのやる気を向上させる為にも

必要なものであり、プロジェクトの開始時に、キックオフミーティングを開催すること

は、プロジェクトを成功させる為の重要なポイントといえます。


ちなみに、キックオフミーティングの主要項目は下記の通りです。


キックオフミーティングの主要項目

①プロジェクトの概要
②プロジェクトの目的
③プロジェクトのスケジュール
④プロジェクトメンバーの自己紹介
⑤プロジェクト内の役割と作業の分担


尚、プロジェクトの成功には、プロジェクトメンバーが、お互いを知ることが

欠かせませんので、キックオフミーティングの後に、懇親会を開催することも

必要なことといえます。