株式


■株式と株主

・株式

株式とは、株式会社が投資家から資金の出資を受けた際に発行する

出資証券のことです。


株式を発行する理由は、株式会社が事業活動をして利益をあげるために、

会社の元手となる資金が必要な為です。


株式には、その持分に応じて、法律上の権利である株主権があり、株式を保有する

ことは、その保有している企業の経営に間接的に参加していることになります。


非上場株式の評価の方法としては、国税庁方式があります。


また、企業価値評価とは、株式の価値の評価のことです。


特定の関係にあるグループを1つに纏めて、3つのグループ以下の株主グループに

よって株式の50%超を保有されている企業のことを、同族会社と呼びます。


また、株式は、金融資産の1つではありますが、預貯金と異なり、

投資した元本は保証などされないため、投資した企業が業績不振により

倒産した場合は、その企業の株式の価値は限りなく無価値になります。


株式を保有する株主の法的な責任は、株式を取得する際に出資した金額の範囲内での

責任のみで、経営責任などを問われることは一切なく、株主にとっての最悪の責任は、

出資した株式が無価値になることです。


なお、企業で株式などの有価証券の管理をするのは、総務部の役割です。


・株主

株主とは、株式会社に出資し株式会社の株式を保有する個人・法人・組織のことです。


株主は、株主権を有し、主な株主権には、経済的権利(自益権)である配当請求権や

経営参加権(共益権)である議決権があります。


株主の議決権とは、株主総会に出席して、取締役や監査役などの役員の選任や

経営方針などに対して決議する権利のことです。


投資家は、企業の経営戦略を見極めて、その企業の株主になるかどうかを決定します。


株主は、株式を購入する為に出資した金額のみに責任を負う有限責任なので、

株主の責任が問われるケースとしては、100%減資により、株式の価値が消滅する

場合が、唯一の、株主の責任が発生するケースといえます。


ちなみに、会社法104条に、株主の責任に関する、株主有限責任の原則が規定され

ており、株主有限責任の原則とは、その所有する株式の引受価額を超えて、会社の損失

や債務について会社の債権者に対して責任を負わないとする原則です。


また、株主は、持株比率によって、株主の権利が変わってきますので、

株主総会において特別決議を阻止することが出来る株主の拒否権を持ちたければ、

持株比率は3分の1以上が必要となります。


尚、株主の権利と持株比率の関係で重要となる持株比率は、持株比率3分の2、

持株比率2分の1、持株比率3分の1です。


株主権を行使できる議決権比率別(議決権ベース)の種類は下記の通りです。


株主権を行使できる議決権比率別(議決権ベース)の種類

・1%以上(株主総会で審議する議案を提案することができる)
・3%以上(臨時株主総会の召集請求でき、会計帳簿を閲覧することができる)
・10%以上(会社の解散を請求することができる)
・3分の1超(株主総会の特別決議を阻止することができる)
・50%超(取締役の専任と解任、監査役の選任、計算書類の承認)
・3分の2以上(定款変更・株主総会の特別決議、株主総会の特殊決議、監査役の解任)


■安定株主と浮動株主

・安定株主

安定株主とは、企業の短期的業績や日々の株価の変動などの、

目先の動きには左右されることなく、長期的視点で株式を保有する

株主のことです。


安定株主としては、企業の経営者、従業員持株会、取引先金融機関、

取引先企業などがあります。


この安定株主が少なければ、経営が不安定になったり、敵対的買収を

しかけられる可能性も増すことになりますので、経営を安定化させる為には、

安定株主のみで、発行済み株式の過半数を所有することが必要です。


また、近年は、持ち合い解消によって、取引先金融機関や取引先企業などの

持ち株比率が低下して、安定株主が減少している企業が増加しています。


尚、安定株主を増やす為の行動が、安定株主工作であり、安定株主と反対の用語が、

浮動株主です。


・浮動株主

浮動株主とは、企業の短期的業績や日々の株価の変動などの目先の動きに反応して、

短期的視点で株式を保有する株主のことです。


浮動株主の代表例がヘッジファンドや個人投資家で、浮動株主の反対の

用語が安定株主です。


尚、浮動株主が多いデメリットとしては、経営が不安定になることで、

浮動株主が多いメリットとしては、株式市場での流動性が高く、

売買注文が多少増えても、株価が乱高下しにくいことです。


■非上場株式と優先株式

・非上場株式

非上場株式とは、東京証券取引所等の証券取引所に株式が公開されていない

企業の株式のことです。


非上場株式は、会社法にて定款で株式の譲渡制限を付けることが認められており、

市場に流通しない株式しか発行していない非上場会社は、非上場企業、未公開会社、

未公開企業と呼ばれることもあります。


非上場会社が、株式公開企業となる為には、株式公開準備をして証券会社や証券取引所

の上場審査をパスする必要があります。


株式を公開することを株式公開(IPO)と呼んでいます。


また、非上場株式も減損会計の適用対象ですが、減損処理の要否の判定基準は

下記の通りです。


非上場株式の回復可能性ありの判定基準

回復可能性ありと判定できる場合は、時価の下落が一時的であり、おおむね期末後

一年以内に時価が取得原価まで回復する見込があることを合理的な根拠による予測

できる場合です。


合理的な根拠には、翌期の経営計画に基づいた企業の業績見込みである

予算や財務計画も含まれます。


非上場株式の時価は、1株純資産(BPS)を適用するのが一般的なので、予算貸借対照表

の作成が当然必要で、予算キャッシュフロー計算書(CF)の作成もしていないと、

企業の財務計画とは認められないでしょう。


非上場株式の回復可能性なしの判定基準

回復可能性なしと判定できる場合は、時価が過去二年間に渡って大きく下落し、

債務超過になっている場合や二期連続で損失を計上し、翌期の経営計画に基づく

予算や財務計画においても損失が予想される場合です。


よって、予算貸借対照表(BS)を作成して、1株純資産(BPS)が取得価格を回復

していたり、業績についても黒字転換をすることを示すことができれば、回復可能性

なしと判定される可能性は低くなるでしょう。


なお、非上場株式の評価方法には、国税庁方式である財産評価基本通達による

配当還元方式、純資産価額方式、類似業種比準方式などがあります。


・優先株式

優先株式とは、普通株式に比べて配当金の支払や残余財産の分配をする際に、

優先的取扱を受ける株式です。


優先株式には、普通株が無配となった場合でも、配当が行われる場合もあり、

優先株式は、単に優先株とも呼ばれます。


この優先株式の種類には、累積的優先株式、非累積的優先株式、参加的優先株式など

の種類があり、これらの優先株式は、配当優先株式とも呼ばれ、それぞれの優先株式

の種類の説明は下記の通りです。


優先株式の種類の説明

・累積的優先株式とは、当期に配当金の支払いが受けられなかった不足金額を、
翌期以降に繰り越して受け取らるタイプの優先株式。

・非累積的優先株式とは、当期に配当金の支払いが受けられなかった不足金額が
あったとしても、翌期以降に不足金額を受け取ることができないタイプの優先株式。

・参加的優先株式とは、優先配当率を超えた場合でも、会社に配当可能利益が
残っている場合に、残利益配当に参加できる優先株式。

・非参加的優先株式とは、優先配当率を超えた場合に、会社に配当可能利益が
残っていたとしても、残利益配当に参加できない優先株式。


また、優先株式に議決権が無い場合は、会社の支配関係である持株比率を変動させる

ことことなく、新株発行による資金調達が可能です。


優先株式が企業の再生を目的として発行される場合は、企業が再生するまでの

一定期間後に、優先株式を普通株式に転換できる条項や優先株式を買い戻す

(優先株式の償還)為の買戻権が付与されている場合が多いようです。


尚、優先株式は、他の株式と比較して、配当や残余財産の分配が優先されて

いますので、議決権制限がつけられたり、議決権自体が無いことが一般的です。


・債務の株式化

債務の株式化とは、企業が新株式を発行して、債務を株式に転換することです。


債務の株式化は、金融機関が業績不振で過剰債務の貸付先企業を支援する目的で

行なうケースが多く、債務の株式化は英語でデットエクイティスワップといい、

DESと略して呼ばれることもあります。


また、銀行等が債務の株式化に応じるメリットとしては、企業の業績が回復した際は、

当初の貸付による利益以上のキャピタルゲインを得られる可能性があることです。


銀行等が債務の株式化に応じる理由としては、過剰債務に苦しむ貸付先企業に、

債務の株式化等の再建策を施さなければ、過剰な債務が企業の経営を更に

圧迫することで、結果として貸付先企業が破綻してしまえば、担保等が無い場合は、

焦げ付いた融資の回収もほとんど出来ない可能性もあるからです。


このように、経営不振の企業に対して、銀行等が企業に対して債務の株式化を

行なうことは、銀行等と企業の双方にとってメリットのあることで、債務の株式化は

企業の過剰債務を減らす即効性がある1つの手段なのです。


尚、債務の株式化をした場合、企業が新株式を発行することになるので、

発行済株式数が増加して希薄化することで、既存株主の利益が損なわれてしまうので、

債務の株式化を実行した場合は、株主代表訴訟等を起こされる可能性もあります。


■株式のリターン

・配当性向

配当性向とは、企業が稼ぎ出した税引後利益の当期純利益から、

どれくらい配当金を支払っているかを示す指標です。


配当性向が仮に100%であれば、当期純利益を全て株主に配当金として

還元したことになります。


配当性向が低いことは、税引後利益の内部留保率が高いことを意味し、

配当性向は、企業の資本政策の重要な要素の1つです。


この配当性向が100%を超えている場合は、利益のすべてと余剰金を取り崩し、

株主に還元したことになります。


また、配当性向は一般的に、成長企業の場合は配当性向が低く、

成熟企業の場合は配当性向が高い傾向があります。


配当性向を高めれば、配当利回りも高くなる為、新規の株主も多数増加することで

株価の上昇要因になり、結果として安定株主を増やし敵対的買収を防ぐ効果が

あります。


このような地道な企業価値を高める施策が敵対的買収を仕掛けられることを

防ぐことに繋がり、買収防衛策にもなります。


なお、配当性向は、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)とともに、

株式投資をする際の投資尺度の1つであり、配当性向の計算式は下記の通りです。


計算式・・・配当性向(%) = 配当支払額 ÷ 当期純利益 × 100


ちなみに、配当性向が高く安定配当をする株式のセクターには、電気・ガス業セクター、

医薬品セクター、陸運業セクターがありますが、それらの企業は、総称して、

ディフェンシブ銘柄と呼ばれています。


・配当金

配当金とは、株式を所有している株主に対して、会社の業績に応じて利益還元を

する為に支払われるお金のことです。


配当金は、業績が悪化している企業や、会社の成長を優先して内部留保を

優先する企業では支払われないケースもあります。


この配当金は、以前は、1年に2回支払われることが一般的でしたが、

近年は、会社法の施行によって、定款を変更すれば、株主総会の決議により、

1年に4回・四半期こどに、配当金を受け取ることが可能となっています。


配当金を増やすことを、増配といい、配当金を減らすことを、減配といいます。


また、配当金を受け取るためには、配当権利確定日までに株式を取得する

必要があります。


配当金支払基準日は、基本的に企業の決算期末日となります。


次に、配当金の受取方法は、配当金受領書か郵便振替支払通知書で受け取る場合と、

銀行振り込みにて受け取る方法があります。


配当金受領書は、銀行で現金を受け取り、郵便振替支払通知書は、郵便局で現金を

受け取ることになります。


配当金を受け取る際は、配当金の源泉税が差し引かれた金額を受け取る

ことになります。


配当金を受け取る際には、源泉税として所得税15%と住民税5%が差し引かれて

いますので、配当金を確定申告すると源泉徴収されていた所得税が還付され税金

を取り戻すことができますし、配当金を確定申告すれば、配当控除などの税制優遇

も受けることができます。


尚、配当金の良い企業は投資魅力が高い株式といえますが、配当金を基準に株式に

投資する場合は、配当利回りと配当性向のチェックは必須となります。


・みなし配当

みなし配当とは、法人が、分割型分割、解散、合併、株主への金銭等の交付を伴う減資、

自己株式の取得や会社の組織再編等をした場合に一定条件に該当すると配当とみなして

所得税が課税されるということです。


みなし配当にも、一般の配当と同様に配当控除が適用されて、益金不算入となります。


このみなし配当は、所得税の源泉徴収においても、通常の配当と同様に源泉徴収を

する必要があり、みなし配当の20%を源泉税として源泉徴収して、徴収した翌月

10日迄に納付する必要があります。


また、みなし配当は、支払調書の提出義務がありますので、法定調書として税務署に

提出することになります。


減資がみなし配当となる場合は、帳簿上の資本金額を減少させ欠損の填補をはかる

無償減資は該当せず、会社が、事業規模を縮小する等の理由で会社財産を株主に

返還する有償減資の場合にみなし配当に該当する場合があります。


尚、みなし配当は、基本的に確定申告をする義務がありますが、みなし配当金額が

20万円以下なら確定申告をするかどうかは任意となっています。


・自己株式

自己株式とは、株式会社である自社が発行した株式を、

その会社自身で取得し、保有している株式のことです。


自己株式は、金庫株と呼ばれることもあり、自己株式の取得は、

既存株主にメリットがあるので、配当政策の一環でもあります。


金庫株は、以前はストックオプションや消却目的等例外的に認められて

いるたげでしたが、平成13年の商法改正により、金庫株は全面的に解禁

となりました。


この金庫株は、無期限・数量制限なく保有が認められています。


この金庫株である自己株式の取得とその活用方法は、企業経営においても

非常に重要なことです。


また、金庫株を消滅させる自己株式消却をすれば、発行済株式数が完全に

自己株式を消却した株数だけ減少することになり、1株当たり利益(EPS)が

上昇することで、株価収益率(PER)が低下する為、自社の株式の価値が高まり、

株価も上昇しやすくなったり、株価の下支え効果も期待できます。


非上場会社の場合は、金庫株を活用した相続税対策をすることも可能です。


例えば、自社へ持株を売却し、その売却資金が、相続税の納税資金の際は、

税制上の優遇措置もあります。


また、株主が分散している場合に、経営権の確保などの為に、分散した自己株式を

買い取って株主構成を整理することも出来る為、非上場会社の場合の方が、

金庫株の利用価値はあるといえます。


この自己株式の取得は、定時株主総会か臨時株主総会での株主総会の決議が必要です。


株主総会で決議する自己株式の買取内容は、買付ける株式の種類と

株式総数及び買付ける株式の取得価格の総額等になります。


自己株式を取得した場合は、自己株式は発行済株式数には含めませんので、

時価総額を計算する際や、BPS・EPS等を算出する際も当然、自己株式は計算には

含まれないことになります。


なお、自己株式を保有している場合は、その自己株式に対して配当を

支払うことはないために、自己株式保有分だけ配当支払い総額は減少します。


・自己株式消却

自己株式消却とは、企業の自社株を市場価格で買い戻し、買い戻した株式を

消滅させることです。


自社株買いと自己株式消却は全く別のプロセスです。


自己株式消却は、取締役会設置会社では、会社法により、

保有する金庫株(自己株式)の消却が、取締役会の決議で行えます。


以前は、自社株買いをすることなどで保有する金庫株の取り扱いは、

出来るだけ早い時期に処分や消却をすることになっていました。


現在は、保有期間や保有株式数の制限が撤廃され、

以前に比べると自己株式消却手続きが単純化されたことが影響して、

現在では自己株式消却をする企業は確実に増加しています。


また、自己株式消却は、株主にメリットがあるので、

配当性向などとともに、資本政策の一環でもあります。


・自社株買い

自社株買いとは、企業が自らの自己資金で、自社株を株式市場の内外で

市場価格にて買い戻すことです。


自社株買いをすると、1株当たり利益を増加させることができます。


この自社株買いは、基本的には株主総会の決議を必要としますが、

株主総会で定款変更することにより、株主総会の決議を得ず、

取締役会のみで自社株買いの規模である自己株式取得枠や自社株買いの時期を

決定できるようになりました。


また、自社株買いは、既存株主にメリットがあるので、配当性向とともに、

配当政策の一環でもありますので、配当金の支払総額と自社株買いの金額を

合計した金額が、企業が株主に実質的に還元した総額になります。


但し、自社株買いも、配当金の支払いと同様に資金の流出を招く為、

基本的には、企業の資金繰りに影響を及ぼさない為に、FCFの範囲内で

実施することが基本となります。


また、企業の株価が1株純資産(BPS)やPER(株価収益率)と比較して、

著しく下落している時は、資金調達をしてでも自社株買いをすることが、

合理的な経営判断だといえます。


企業は自社株買いをすることで、余剰キャッシュや株主資本が減少し、

バランスシートを圧縮することで資本効率が改善されますので、

総資産利益率(ROA)や株主資本利益率(ROE)の改善にも繋がります。


なお、自社株買いを実行し、手元に金庫株として自己株式を保有しておけば、

M&Aの手段の1つである、株式交換の際に金庫株を活用することもできます。


・増配

増配とは、株主に支払う配当金の金額を前期よりも増やすことです。


増配には、業績好調に伴う普通増配、企業の設立周年などの記念増配、

特別の意味をこめた特別増配があります。


増配の反対の用語が、減配です。


企業が増配する時は、基本的に、業績の先行きに自信を持っている

ことが多いので、増配の発表は、企業の株価には上昇要因となります。


増配には、株式分割をすることで株数が増えて、1株当りの配当金が

変化していなくても、受取配当金の金額が増える実質増配もあります。


なお、増配をすると、配当性向も上昇しますので、増配は、株主への利益還元策の

基本といえます。


・減配

減配とは、株主に支払う配当金の金額を前期よりも減らすことです。


減配には、業績不調に伴う普通配当の減少、一時的な記念配当の減少、

一時的な特別配当の減少があります。


減配の反対の用語が、増配です。


企業が普通配当を減配する時は、基本的に、業績の先行きに自信を失っている

ことが多いので、減配の発表は、企業の株価には下落要因となります。


これまでの日本の企業では、一定の配当を継続的に行う安定配当が、株主への

利益還元策の基本でしたが、最近では、欧米企業のように、業績に応じた

配当を行う企業が増えています。


また、前期と比較して当期純利益に変化が無い場合に減配をすると、

配当性向が下落することになります。


・権利落ち

権利落ちとは、配当や株式分割などの株主にとっての権利を取得できる

期日が通過した状態のことです。


権利落ち日には、理論的には、配当や株主優待などの当該権利に相当する

金額だけ下落することになります。


権利落ち日とは、配当や株主優待などの株主にとっての権利を取得できる

日である権利付最終日の翌日のことです。


この権利落ちには、配当権利落ちや株主優待権利落ちがあります。


権利確定日は、一般的には、決算月の月末です。


権利確定日とは、配当や株主優待などの株主にとっての権利が

確定する日のことです。


株の受け渡しには3営業日を要しますので、権利落ちの日は、

権利確定日の2営業日前になります。


権利落ちのスケジュール例

1/25(水) 4営業日前
1/26(木) 3営業日前 (権利付最終売買日:この日までに購入)
1/27(金) 2営業日前 (権利落ち日:この日以降は売却可)
1/28(土) 証券取引所お休み
1/29(日) 証券取引所お休み
1/30(月) 1営業日前
1/31(火) 権利確定日



配当や株主優待などの権利がある株式の権利落ち前後は、

株価が大きく動きやすい期間です。


また、配当や株主優待などの権利を取得したい場合は、権利落ちの日の前営業日

である、権利付き最終売買日には、株式を購入する必要があります。


権利付最終日とは、配当や株主優待などの株主にとっての権利を取得できる

最後の日のことです。


尚、権利落ちの日は、カレンダーや企業によって異なりますので、権利落ちの日は、

権利確定日の2営業日前であると、覚えておく方がよいでしょう。


■株式の評価

・配当利回り

配当利回りとは、現在の株価や株式の取得価格に対して配当金が

どれくらい入ってくるかを利回りに換算したものです。


配当利回りは、1株当たりの年間配当金を現在の株価や取得単価の株価で割って算出し、

配当利回りは、株価の価値を判断できる重要な指標です。


企業が稼ぎ出した税引後利益の当期純利益から、どれくらい配当金を支払っているかを

示した指標が、配当性向です。


また、配当利回りが低い企業より、配当利回りが高い企業のほうが、

当然、投資する価値が高い企業と判断することは出来ます。


しかし、配当利回りに関してもPBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)の

ように計算した数値の結果だけを見て投資を判断することは好ましい

ことではありません。


その理由として、配当利回りは、その配当金が支払われた時に

初めて実現する利回りである為、配当金が確実に支払われる可能性が

ある企業にのみ、その配当利回りの数値は信頼することが出来ます。


予定している配当金を確実に支払える可能性がある企業の主な条件としては、

その企業の業績が安定していることと、その企業の財務が健全で多額の株主資本を

持っていることなどが主なポイントです。


そのような、配当利回りが、ほぼ確実に実現される業種として、

電力・ガス、鉄道、通信などの業種があります。


それらの業種に共通していえることは、それらの企業が事業を営む地域や業界で、

ほぼ独占的に事業を展開している為、業績が安定していることが共通しています。


ゆえに、結果として予定している配当金を支払える可能性が高く、

それらの業種の企業の配当利回りは信用できるものなのです。


ちなみに、電力・ガス、鉄道、通信などの業種の企業の株式は、

ディフェンシブ銘柄(ディフェンシブストック)と呼ばれています。


尚、配当利回りを高くして、個人株主という安定株主を増やすことは、

買収防衛策の方法の一つといえます。


計算式・・・配当利回り(%)=(1株当たり配当金÷株価)×100


・株式益回り

株式益回りとは、1株利益(EPS)を株価で割り算出したものです。


株式益回りは、PER(株価収益率)の逆数であり、株式益回りが

高ければ高いほど、その企業の株価は割安であると判断できます。


株式益回りは、株式に投資する際は欠かすことが出来ない指標の1つです。


また、株式は金融商品の1つなので、投資家が投資を実行する際は、

他の金融商品と比較することになりますが、株式を、他の金融商品と

比較する際に利用されるのが株式益回りです。


一般的には、株式益回りと長期金利(10年物国債)を比較し、

その株式が割安で投資を実行するに値するのかを判断します。


株式益回りを債券の長期金利と比較する理由として、株式と債券では

投資リスクが全く異なり、債券の方が株式よりも確実に期待利回りを

得ることが出来る為、もし、株式と債券の利回りが同じであれば、

債券に投資家が集まることになるからです。


そこで、どれくらい株式益回りと長期金利(10年物国債)に

利回りの差があれば、株式に投資をするに値するのかを判断する

基準として、イールドスプレッドというものがあります。


そのイールドスプレッドとは、長期金利(10年物国債)から株式益回りを

引いたもので、イールドスプレッドが小さければ小さいほど株式が割安である

ことを示し、過去の統計では長期金利と株式益回りのイールドスプレッドは

平均3%~4%になっています。


計算式・・・株式益回り(%)=1株利益(EPS)÷株価


・1株利益(EPS)

1株利益(EPS)とは、当期純利益を発行済み株式数で割ったものです。


1株利益はPER(株価収益率)を算出する為にも必要です。


この1株利益は、実績よりも、予測の1株利益の方が重要です。


現在の1株利益だけで、企業の収益力を判断するのはナンセンスで、

企業の潜在的な1株利益や将来の1株利益がどう変化するかが

企業価値評価では特に重要になります。


企業が、自己株式消却をすると、発行済株式数が減少することで、1株利益(EPS)

が上昇します。


また、成長企業の1株利益は、その伸び率が大きい為に、

PER(株価収益率)は、一般の企業よりも高くなることが一般的です。


これと反対に、成熟した企業では、1株利益の伸び率が鈍化するか、

ゆるやかに1株利益が減少傾向になっていく為に、PER(株価収益率)は、

一般の企業に比べると低くなることが一般的です。


投資をする際には、投資対象企業の1株利益やPER(株価収益率)だけで

判断するのではなく、規模別・業種別平均の1株利益やPERと比較して、

その企業の1株利益やPERから見た企業価値を評価することになります。


・PER(株価収益率)

PER(株価収益率)とは、株価を1株利益で割ったものです。


PERは1株利益の何倍まで株価が買われているかを示しています。


PERが低いほど企業価値が割安であると判断できます。


このPERは実績よりも、予測のPERの方が重要です。


現在のPERだけで、企業の収益力を判断するのはナンセンスで、

企業の潜在的なPERや将来のPERがどう変化するかが企業価値評価

では特に重要になります。


成長ステージがスタートアップしたばかりの創業まもないころや、

アーリーステージである成長の初期段階の企業であれば、株価も将来の

利益を織り込む動きになって、成長性というプレミアムによりPERも

一般の企業よりは高くなります。


逆に、成長ステージが進展した成熟した企業は、PERも低くなる傾向があります。


尚、企業の成長ステージは大きく次の4段階に分けることができ、

それぞれの成長ステージによって、利益の成長スピードも変化する為に

PERも成長ステージ毎に変化することになります。


企業の成長ステージ

①スタートアップ(設立前もしくは創業まもない段階)

②アーリーステージ(柱となる商品があり、その事業を開始している段階)

③ミドルステージ(事業が軌道に乗って、本格的な成長を遂げる段階)

④レイターステージ(企業活動が軌道に乗って業績が安定期に入った段階)


・1株純資産(BPS)

1株純資産(BPS)とは、企業の資産から負債を差引いて計算された

株主資本を、発行済株式数で割ったものです。


1株純資産はPBR(株価純資産倍率)を算出する為にも必要です。


PBRは1株純資産の何倍まで株価が買われているかを示し、

1株純資産は企業価値を評価する上でも重要な指標です。


この1株純資産は、企業がその時点でが解散した場合に株主に還元される

1株当たりの金額なので、1株純資産は企業の解散価値ともいわれています。


また、収益力の源泉になる版権等の法的な権利を大量に保有し版権ビジネスを

展開している企業は、資産が権利に値する金額で貸借対照表(BS)上評価されて

いないことがほとんどなので、そのような資産を大量に保有している企業は、

正確な1株純資産を示していない場合があります。


尚、1株純資産が企業の正確な価値を表わしていない場合は、

下記のケースです。


1株純資産が企業の正確な価値を表わしていない場合

・粉飾決算をしている場合
・隠れた不良債権が多額にある場合
・版権等の法的権利がその権利に値する金額で評価されていない場合
・簿外負債がある場合
・貸借対照表の資産と負債が正確な時価になっていない場合


・PBR(株価純資産倍率)

PBR(株価純資産倍率)とは、株価を1株純資産で割って算出したものです。


PBRは1株純資産の何倍まで株価が買われているかを示しています。


PBRが低いほど企業価値が割安であると判断でき、PBRは企業価値を評価する

上でも重要な指標です。


例えば、PBRが1倍を割れている企業に投資をし、企業がその時点で解散した

場合に、解散後資産を売却し負債を支払い手元に残った1株当り純資産が取得単価

を上回った場合は、差額が利益になる可能性があります。


・Qレシオ

Qレシオとは、PBR(株価純資産倍率)の指標に、純資産の含み損益を

加算して計算し、時価ベースのPBRを算出したものです。


Qレシオは実質株価純資産倍率とも呼ばれ、Qレシオは1980年代のバブル相場時に、

地価高騰によって企業価値が割安であること裏付けるために使われた指標です。


Qレシオが、1倍を下回っていれば企業価値は割安で、Qレシオが1倍を

上回っていれば企業価値は割高と判断します。


またQレシオは、設備投資をする際に実物資産に設備投資をするか、

それとも株価が下落して割安な同業他社を買収するかの投資判断をする際にも

Qレシオが判断材料として参考にされます。


Qレシオが判断材料として参考にされる具体例として、

下記のようなケースがあります。


ある半導体企業のA社が生産能力増強の為500億円の設備投資を検討している

とします。


次に、同業のB社はA社が設備投資を検討している全く同じ設備を

既に保有しているとします。


そして現在、B社の株価は市況の影響を受けて時価総額が100億円にまで

下落しているとします。


そこで、Qレシオの出番になりますが、そのようなケースの時にあえて実物資産

への投資である500億円の設備投資を実行するか、それともB社の買収を検討する

かの判断をする際に、Qレシオを算出し経営判断をするのです。


■上場株式を取引する際の基本事項

・気配値

気配値とは、売買が成立していない株式の買い注文や売り注文が出ている

株価のことです。


気配値の見方としは、左側が売り注文の状況を示して、右側が買い注文の状況

を示しています。


気配値は板情報で確認することができます。


この気配値には、注文状況によって下記の4つの種類があります。


気配値の種類

①買い気配
②売り気配
③特別売り気配
④特別買い気配


証券会社の端末やネット証券では、各銘柄の買い注文と売り注文の状況

をリアルタイムで確認することができます。


この注文状況の情報のことを、板情報や板と呼んでいます。


ちなみに、株式市場においては、個別銘柄の株式の株価を新聞やテレビなど

で表示する際に、買い気配の場合は、カイと表示し、売り気配の場合は、

ウリ又はヤリと表示されています。

板情報の見本

売数量 株価 買数量
1,000 500  
2,000 499  
1,300 498  
1,500 497  
1,000 496  
  495 1,100
  494 2,000
  493 1,500
  492 1,500
  491 1,000



・買い気配

買い気配とは、ある時点に株式市場に買い注文が出ている中で最も高い

買い注文価格と株数のことです。


・売り気配

売り気配とは、ある時点に株式市場に売り注文が出ている中で最も低い

売り注文価格と株数のことです。


・特別売り気配

特別売り気配とは、ある時点に株式市場に大量の売り注文が発生して、

その売り注文に見合う買い注文がない状況の場合の最も低い売り注文価格

と株数のことです。


東京証券取引所などの証券取引所は、大量の売り注文が発生して、

その売り注文に見合う買い注文がない状況の場合は、周知を図る為に、

特別売り気配を表示します。


一般的に、特別売り気配となった場合には、売買が成立するまで、

板寄せ方式によって、一定の時間毎に気配を切り上げます。


・特別買い気配

特別買い気配とは、ある時点に株式市場に大量の買い注文が発生して、

その買い注文に見合う売り注文がない状況の場合の最も低い売り注文価格

と株数のことです。


東京証券取引所などの証券取引所は、大量の買い注文が発生して、

その買い注文に見合う売り注文がない状況の場合は、周知を図る為に、

特別買い気配を表示します。


一般的に、特別買い気配や特別売り気配となった場合には、売買が成立するまで、

板寄せ方式によって、一定の時間毎に気配を切り上げます。


・出来高

出来高とは、ある期間に取引が成立した合計株式数のことです。


出来高には、市場全体の出来高と個別銘柄ごとの出来高があります。


出来高は、相場の勢いをみる上で非常に参考になる指標です。


株式の出来高の単位は株で、先物取引の出来高の単位は枚です。


この出来高は、強気相場の場合は、上昇する場面で出来高が増加し、

下落する場面では出来高が減少することが傾向があります。


また、弱気相場の場合は、下落する場面で出来高が増加し、上昇する場面で

出来高が減少することが多いようです。


また、出来高は株価の動きに先行する場合が多く、株価と出来高を両方見ることで、

株式の買いと売りのタイミングを確認できます。


出来高急増ランキングをチェックしておけば、絶好のタイミングで、株式の買いと

売りのタイミングを見つけることが出来る可能性もあります。


主な出来高の特徴としては下記の様なケースがあります。


主な出来高の特徴

①株価が長期低迷した後の出来高増加は株価反転の可能性あり。

②出来高を伴った下落が続いた後に、それまでの出来高より明らかに大きな出来高
を伴った日が出現すれば、下落相場終了のシグナルの可能性が高くなり、一般的に
その様な動きのことをセリングクライマックスと呼んでいます。

③株価が高値圏での出来高の増加は、下降トレンドが開始する可能性あり。


尚、出来高の少ない株式は、証券取引所の規定によって、上場廃止になる場合

があります。


ちなみに、東京証券取引所第一部の過去最高出来高は、

平成25年4月5日の64億4千万株です。


・前場

前場とは、株式市場においては、午前中の取引時間のことを意味しています。


・後場

後場とは、株式市場においては、午後の取引時間のことを意味しています。


・ザラバ

ザラバとは、寄付と大引けの間の取引時間中のことです。


ザラバにおいては、価格優先、時間優先の基準に従い売買が成立します。


・寄り付き

寄り付きとは、前場に最初に売買された取引のことです。


前場寄付と後場大引けの売買は、板寄せ方式によって行われています。


・前引け

前引けとは、最後に売買された取引のことです。


・後場寄り

後場寄りとは、後場に最初に売買された取引のことです。


・大引け

大引けとは、後場の最後に売買された取引のことです。


大引けの売買は、板寄せ方式によって行われています。


・寄り前

寄り前とは、取引時間前の時間帯のことです。


ちなみに、外国人投資家は、一旦投資スタンスを変更すると継続的に株式の

買い越しを続けたり、継続的に株式の売り越しを続ける傾向がありますので、

この様な観点からも、外国証券寄付前成行注文状況は市場から注目されるわけです。