人事


■人事とは


人事とは、従業員の報酬や福利厚生、異動や退職など社員情報の管理、採用活動、

人事制度構築、従業員の教育や研修など、「人」に関する業務全般を行う業務

のことです。


人事といえば、人事部の役割になりますが、大半の中小企業においては、

総務部という組織で、人事の仕事を行っています。


企業経営において、人材は、最も重要な経営資源なので、人事に関する職務は、

企業の競争力に直結する業務といえます。


■給与に関する事項

・所定内給与額

所定内給与額とは、就業規則や労働協約等の規則に基づいて支給される超過労働手当

である所定外手当を除いた給与のことです。


所定内給与額は、賃金の実態を労働者の雇用形態別・就業形態別・職種別・性別

・年齢別・学歴別・勤続年数別に状況調査している賃金構造基本統計調査の調査項目

で、所定内給与額は、所定内給与や所定内賃金とも呼ばれています。


この所定内給与額に含まれるものとしては、基本給、職務手当、精皆勤手当、

通勤手当、家族手当、住宅手当等があります。


・基本給

基本給とは、従業員の能力・従業員の職務内容、従業員の年齢等や従業員の評価基準

によって支給される基本的な給与のことで、基本給は、所定内給与額に含まれます。


・職務手当

職務手当とは、会社が特別な技能を必要とする職務と認めた者に支給する給与の

ことであり、職務手当は、所定内給与額に含まれます。


・精皆勤手当

精皆勤手当とは、欠勤が無く仕事によく励んでいることに対する給与のことであり、

精皆勤手当は、所定内給与額に含まれます。


・通勤手当

通勤手当とは、従業員が事務所などに通勤するための交通費として支給する給与

のことであり、通勤手当は、所定内給与額に含まれます。


・家族手当

家族手当とは、配偶者や子供等の扶養親族がいる社員に対して支給する給与の

ことであり、家族手当は、所定内給与額に含まれます。


・住宅手当

住宅手当とは、社員が負担する賃貸家賃や社員が所有する住宅の維持費等を補助

する為に支給する給与のことであり、住宅手当は、所定内給与額に含まれます。


・給与

給与とは、公務員や民間企業等に従事している人に支払う報酬のことです。


・給料

給料とは、民間企業が従業員に支払う報酬のことです。


・賃金

賃金とは、労働者が労働を提供した対価として企業や雇用主等が支払う

報酬のことです。


・超過労働手当

超過労働手当とは、就業規則や労働協約等の規則に基づいて支給される所定内給与額に

含まれない給与のことで、超過労働手当は、所定外手当とも呼ばれています。


また、所定内給与額に含まれない超過労働給与額である所定外手当としては

下記のような項目があります。


所定内給与額に含まれない超過労働給与額(所定外手当)

・時間外勤務手当 
・深夜勤務手当 
・休日出勤手当 
・宿日直手当 
・交替勤務手当
・交替手当 


・時間外勤務手当

時間外勤務手当とは、所定労働日以外の勤務に対して支給される給与のことであり、

時間外勤務手当は、超過労働手当(所定外手当)に含まれるものです。


・深夜勤務手当

深夜勤務手当とは、深夜の勤務に対して支給される給与のことであり、

深夜勤務手当は、超過労働手当(所定外手当)に含まれるものです。


・休日出勤手当

休日出勤手当とは、所定休日の勤務に対して支給される給与のことであり、

休日出勤手当は、超過労働手当(所定外手当)に含まれるものです。


・宿日直手当

宿日直手当とは、本来の職務外としての宿日直勤務に対して支給される給与の

ことであり、宿日直手当は、超過労働手当(所定外手当)に含まれるものです。


・交替勤務手当

交替勤務手当とは、臨時に交替制勤務対して支給される給与のことであり、

交替勤務手当は、超過労働手当(所定外手当)に含まれるものです。


・交替手当

交替手当とは、労働時間の位置により支給される給与のことであり、

交替手当は、超過労働手当(所定外手当)に含まれるものです。


■人事に関する規則

・就業規則

就業規則とは、社員が働く上で守るべき会社の規律や就業時間や賃金等の労働条件

について定めた規則のことです。


労働基準法においては、常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を

作成する義務があり、就業規則は、会社で社員が働く上でのルールブックと

いえるものです。


・労働協約

労働協約とは、労使である労働組合等と会社が団体交渉によってお互いの合意の基

に取りきめた項目を書面にして当事者双方が署名又は記名押印したもののことです。


労働協約の内容は、労働関係法等に反しない限り、労使である労働組合等と会社が

自由に取り決めすることが可能です。


・給与規定

給与規定とは、所定内給与額の決定・給与の計算方法・給与の締め日と給与の支払日・

昇給に関する事項等を定めた規定です。


一般的に、就業規則の中に給与に関する事項を規定するよりも、別途、給与規定を

作成している企業が多いようです。


ちなみに、給与規定は、会社によって名称が異なりますが、賃金規則や賃金規定

という名称を使用する企業も有ります。


この給与規定を作成する際のポイントとしては、人事制度や賃金体系と関連させて

作成する必要があります。


また、給与規定が作成されていないと、社員が辞める時などに、締め日や給与の

計算方法についてトラブルになりやすいので、給与規定は、従業員とのトラブルを

未然に防ぐ為にも必要といえるでしょう。


・人事考課

人事考課とは、従業員の処遇を決定するために、管理者が部下の実績、

能力、勤務態度などを評価することです。


人事考課を実施することにより、賃金の決定や昇進・降格を決定することができます。


人事考課の仕組みを整備することは、人事制度構築の重要なポイントの1つです。


人事考課で高い評価の人ほど、転職をする可能性が高く、その様な人は、在職中から、

人材紹介会社を利用して転職活動をしていたり、特に優秀な人は、ヘッドハンティング

されることもあります。


この人事考課を上手く機能させる為には次の項目は確実に準備する

必要があります。


①従業員に、人事考課のルールを事前に明示すること
②事業年度の途中での人事考課ルールの変更やルールの追加はしないこと
③人事考課が経営計画・予算管理と連動していること
④人事考課の結果が賃金の決定や昇進・降格に直結していること


また、人事考課で考慮されるべき内容は主に下記の内容です。


①規律性、責任性、協調性、積極性などの態度の観点からの考課
②知識、技能、実行力、指導力、判断力などの能力の観点からの考課
③仕事の量、仕事の質、仕事の完成度、業務目標の達成度などの実績
の観点からの考課


人事考課制度導入の目的は、企業業績の向上の為なので、

従業員のモチベーションを向上させ、適正な労働分配をし、人材育成にも

役立て、人材の適材適所への配置、そして従業員モラルを向上させる

人事考課でなければ意味がありません。


尚、人事考課を画一的に導入してしまうと、制度自体が形骸化してしまい、

社員のモチベーションが低下し、企業業績自体に悪影響が及び兼ねない為、

他社の人事考課制度をそのまま自社に持ち込むような、性急な導入は

逆効果になりますので注意が必要です。


・みなし労働時間

みなし労働時間とは、実際に働いた時間ではなく、一定の時間を一日の

労働時間とみなすことです。


みなし労働時間が適用出来るのは、主に事業場外労働と裁量労働の場合で、

みなし労働時間は、労働基準法38条の2第1項に規定されています。


このみなし労働時間を適用する事ができる場合は、社外で業務の

直接的命令・監督を受けずに働ける場合や業務上指示を受けなくとも

労働者の判断で自由に仕事を進められる職種の場合は、みなし労働時間を

適用する事ができます。


また、株式公開準備には、労働基準法に沿った、従業員の労働時間の

適正管理などに必要な、就業規則等の整備や36協定の締結が重要になります。


この36協定とは、労働組合か従業員の過半数の同意を得て、時間外労働・休日労働に

関する協定を締結することで、36協定は、締結した内容を記載した書類を

労働基準監督署に届出ることにより有効になります。


しかし、社内でみなし労働時間の適用を決定したとしても、労働基準監督署に届出を

していなければ、法律上は何ら有効ではなく、みなし労働時間の採用に限らず、

従業員に時間外労働や休日労働をさせるときは、36協定を、労働基準監督署に

届出ることが義務付けられています。


みなし労働時間をめぐっては曖昧な点が多く、例え、みなし労働時間を

採用していたとしても、従業員が時間外労働や休日労働に関して不服を申し立てる

ことが多いのが現状です。


また、会社と従業員の労働時間も多発しており、みなし労働時間を含めた

従業員の労働時間の問題が、株式公開準備上の大きな課題やネックになっており、

株式公開(IPO)を果たす上では、従業員の労働時間の問題への対策が不可欠です。


・ワークシェアリング

ワークシェアリングとは、仕事を分かち合うことです。


ワークシェアリングは、社員一人一人の労働時間を短縮し人員削減を回避する方法

でもあり、ワークシェアリングの導入は、失業者を減少させることにも繋がります。


このワークシェアリングの目的は、労働時間の短縮により雇用の維持・創出を

図ることです。


企業側の、ワークシェアリング導入の目的は、人件費の削減であり、

一種のリストラといえます。


一度、ワークシェアリングを導入した企業の従業員の年収は、

企業の業績がワークシェアリング導入前に戻っても、従業員の年収が

元に戻るとは限りません。


また、ワークシェアリングを導入するに当たり重要な事は、就業規則にて、

副業又は兼業(アルバイト)を認める事です。


しかし、社員に副業又は兼業(アルバイト)を認めると、自社の業務に集中しなくなり、

生産性が低下することによって、職場の中に沈滞ムードが漂い、会社全体のやる気

が低下して、更に、企業の業績が悪化してゆく悪循環に陥りかねないことが懸念事項

です。


よって、ワークシェアリングを導入すると、本来であれば企業にとっては辞めて

欲しくない人材の流出を招く事態にもなりかねないので、企業の業績が悪くなった

だけの理由で、ワークシェアリングを導入することは、更に、企業を追い詰める

ことにもなりかねないので注意が必要です。


・ハロー効果

ハロー効果とは、評価対象をある特定の際立ったところだけで評価を

してしまうことです。


ハロー効果は主に社員の人事評価の際に散見されます。


また、ハロー効果の具体例としては、ある特定の非常に優れたところが

あった場合に、その他の点も全て優れていると思い込んでしまうことです。


ハロー効果の発生原因は、評価対象の表面だけを見て本質が

見えていないことが原因であり、違う説明をすれば、ハロー効果が

起こる原因は固定観念にあるのです。


ハロー効果が起こる原因の固定観念とは、例えば、一流大学卒、

一流企業出身の経歴の人をどのように思うかということです。


間違いなく、一流大学卒・一流企業出身=仕事が出来る人、

と思ってしまうことが多いはずです。


それがハロー効果であり、一流大学卒・一流企業出身という経歴が、

仕事が出来ることを保証してくれているわけではないのです。


また、ハロー効果のような評価をしてしまう人は、官僚的で融通が利かず

仕事が出来る人はほとんどいないと言っても過言ではありません。


そのハロー効果を起こすことを防ぐには、一般的に人間の意識の中に

深く根ざしている固定観念を取り払うしかないでしょう。


ちなみに、ハロー効果は、後光効果とも呼ばれ、後光効果の後光とは、

後光が差すなどと使われると時の後光と同様の意味であり、

ハローを直訳すると後光という意味になります。


■退職金に関する事項

・退職金

退職金とは、従業員が一定期間にわたり会社に勤務した労働対価として退職する時に

支給される手当てのことです。


退職金は、退職一時金と呼ばれる場合もあります。


退職金の所得税の計算と退職金の住民税の計算をする際は、

他の所得と区別して退職金だけで税金の計算をする分離課税となっています。


退職金も、退職給付費用の構成要素です。


この退職金には、勤続年数に応じた所得控除があり、勤続年数20年以下の場合は

勤続年数×40万円(最低80万円)が退職所得から控除され、勤続年数20年以上の

場合は、(勤続年数-20年)×70万円+800万円が退職所得から控除されること

になります。


また、退職金に関する規定は、退職金規定として別途作成するか、給与規定に

含めて作成することになります。


代表的な退職金の算出方法は、下記の通りです。


退職金算定方法

①勤続年数に応じた一定金額を支給する方法
②退職金算定基礎額×支給係数+一定金額を支給する方法
③退職金算定基礎額×支給係数を支給する方法


退職金制度を導入している企業の主な目的としては、従業員の定着率の向上と

雇用調整機能がある点です。


退職金制度が従業員の定着率の向上に繋がる理由としては、勤続年数が長いほど

退職金支給額が増加する点です。


雇用調整機能が退職を促進することに繋がる理由としては、一定の年齢に達した社員に

退職金を支給する制度があると、結果的に退職を促進させることになるからです。


・退職給付費用

退職給付費用とは、退職給付会計基準に基づき計上する費用のことです。


以前の企業会計では、将来支払いが予想される退職給付債務は、正式な債務として

認識されず、これまでは隠れ債務(オフバランス)となっていました。


退職給付会計では、労働対価の後払いとして、退職時や退職後に従業員などに

支給が予想される退職給付債務支払総額を、市場金利を考慮し割引率を用いて

現在価値に割引き退職給付債務とします。


この退職給付費用の構成要素は下記の通りです。


退職給付費用の構成要素

・勤務費用
・利息費用
・期待運用収益
・過去勤務債務
・数理計算上の差異
・会計基準変更時差異


また、退職給付費用の計算式は下記の通りです。


確定給付型企業年金制度を実施している場合

・退職給付費用=勤務費用+利息費用-期待運用収益+過去勤務債務の償却費用+
       数理計算上の差異の償却費用+会計基準変更時差異


退職一時金制度を実施している場合

・退職給付費用=勤務費用+利息費用+過去勤務債務の償却費用+
       数理計算上の差異の償却費用+会計基準変更時差異


過去に引当金計上した退職給付引当金を超える金額を支給をする際は、

支払時に退職給付費用として処理することになります。


・退職給付債務

退職給付債務とは、従業員が一定期間にわたり会社に勤務した労働対価として

退職以後に支給される予定の退職金である退職一時金と確定給付企業年金に関する

退職給付費用を過去から現在まで累積したもののことです。


退職給付債務は、企業の期末のバランスシートに計上されている退職給付引当金

ということもできます。


よって、退職給付債務と退職給付費用は違うものです。


・勤務費用

勤務費用とは、一定期間の労働対価として発生したと認識される退職給付費用

の構成要素のことです。


勤務費用は、割引計算によって算出されます。


・利息費用

利息費用は、割引計算により算定された期首時点の退職給付債務について、

期末までの時間経過を計算した退職給付費用の構成要素のことです。


利息費用の計算式は下記の通りです。


利息費用の計算式

利用費用 = 期首退職給付債務 × 割引率


・期待運用収益

期待運用収益とは、企業年金制度における年金資産の運用で想定している

合理的な収益のことです。


この期待運用収益は、退職給付費用を計算する際は控除項目となります。


期待運用収益の計算式は下記の通りです。


期待運用収益の計算式

期待運用収益 = 期首年金資産額 × 期待運用収益率


・過去勤務債務

過去勤務債務とは、退職給付水準の改訂等により改訂前の退職給付水準との

差異として発生する退職給付費用の構成要素のことです。


過去勤務債務の計算式は下記の通りです。


過去勤務債務の計算式
 
過去勤務債務の償却費用 = 未認識の過去勤務債務の発生額 ÷ 平均残存勤務期間以内
            の一定年数


・数理計算上の差異

数理計算上の差異は、年金資産の期待運用収益と実際の運用成果との差異、

退職給付債務の数理計算に用いた計算基礎率(見積数値)と実績値との差異、

退職給付債務の数理計算に用いた計算基礎率(見積数値)の変更により発生した

差異のことです。


数理計算上の差異の計算式は下記の通りです。

数理計算上の差異の計算式

数理計算上の差異の償却費用 = 未認識の数理計算上差異の発生額 ÷ 平均残存勤務期間
              以内の一定年数


・会計基準変更時差異

会計基準変更時差異とは、新しい退職給付会計基準を採用したことによる計上

すべき金額と従来の退職給付会計基準で計上されていた金額の差額として発生

する退職給付費用の構成要素のことです。


この会計基準変更時差異は、企業によっては相当多額になることが予想されるので、

新基準を採用する際に一括して費用処理せずに、会計基準変更時差異を一定期間に

わたって償却できる規定が定められています。


会計基準変更時差異の計算式は下記の通りです。


会計基準変更時差異の計算式

会計基準変更時差額の償却費用 = 会計基準変更時差額 ÷一年又は一定年数


・確定給付企業年金

確定給付企業年金とは、厚生年金適用事業所の事業主が、単独又は共同して、

確定給付企業年金法の規定に基づいて実施する年金制度のことです。


確定給付企業年金は、401kとも呼ばれています。


この確定給付企業年金は、退職金である退職一時金とともに従業員が一定期間にわたり

会社に勤務した労働対価として退職以後に支給される予定の退職給付会計基準に基づく

債務である退職給付費用です。


■福利厚生に関する事項

・福利厚生

福利厚生とは、従業員の勤労意欲を向上させる為の、社員とその家族に対する、

精神面や経済面の援助・サービス等の制度や快適な住環境・健康・娯楽等の施設面の

環境を充実させることです。


福利厚生は、企業毎に独自に設けている制度であるので、企業によって、

福利厚生の待遇面は雲泥の差があります。


ちなみに、福利厚生の福利とは、幸福と利益という意味で、福利厚生の厚生とは、

生活・精神・身体等を豊かにするという意味です。


社会保険である健康保険・厚生年金・労働保険・雇用保険等の法定福利費は福利厚生に

該当しますが、これらの費用を会社負担で支出する場合、法定福利費という勘定科目を

設けていれば、法定福利費で会計処理し、福利厚生費という勘定科目に、法定外福利費

を計上することになります。


また、企業における福利厚生は従業員から見ると経済的利益なので、

フリンジベネフィットと呼ばれています。


この福利厚生の代表的なものとしては、社宅、社員寮、社員食堂、住宅融資制度、

財形貯蓄、社員旅行等がありますが、最近は、更に進んだ福利厚生の制度として、

カフェテリアプランという制度があり、カフェテリアプランは、選択型福利厚生制度

とも呼ばれています。


・社宅

社宅とは、従業員の福利厚生の制度として、会社が従業員の為に用意した

住居のことです。


社宅には、会社に近い地域に土地を取得して建物を建設して用意する場合と、

会社が賃貸マンションや賃貸アパートを借り上げて用意する場合があります。


社員に社宅を貸与する場合は、会社が、社員から1か月当たり一定額の家賃を

受け取っていなければ、賃貸料相当額が給与手当として課税されることになります。


ちなみに、賃貸料相当額とは、下記の3項目の合計額です。


・その年度の社宅建物の固定資産税の課税標準額×0.2%

・12円×(社宅建物の延床面積(㎡)/3.3(㎡))

・その年度の社宅敷地の固定資産税の課税標準額×0.22%


・社員寮

社員寮とは、従業員の福利厚生の制度として、会社が従業員の為に用意した

住居のことです。


社員寮には、会社に近い地域に土地を取得して建物を建設して用意する場合と、

会社が賃貸マンションや賃貸アパートを借り上げて用意する場合があります。


この社員寮は、社員が未婚の場合や社員が一定年齢以下という条件に合う者を対象に

していることが多いので、社員寮は、独身寮とも呼ばれています。


また、社員に社員寮を貸与する場合は、会社が、社員から1か月当たり一定額の家賃を

受け取っていなければ、賃貸料相当額が給与手当として課税されることになります。


ちなみに、賃貸料相当額とは、下記の3項目の合計額です。


・その年度の社宅建物の固定資産税の課税標準額×0.2%

・12円×(社宅建物の延床面積(㎡)/3.3(㎡))

・その年度の社宅敷地の固定資産税の課税標準額×0.22%


・社員食堂

社員食堂とは、従業員の福利厚生の制度として、会社が事務所内に保有する

食堂施設のことです。


社員食堂の運営は、企業が運営している場合と、外部に社員食堂の運営を

アウトソーシングしている場合もあり、社員食堂は、社食ともいわれています。


日本の税制においては、社員食堂の費用は、食事をする際に要した半分以上の

金額を社員が負担せず、食事の価額から社員が負担している金額を算出した

金額が1か月当たり3500円(税抜き)以下でなければ、現物給与とみなされます。


また、社員食堂を利用した時に無料であっても、社員食堂を利用した分は実質的

な課税対象となり、無料の社員食堂を利用すると、所得税・住民税・社会保険料が

増加する可能性があります。


・住宅融資制度

住宅融資制度とは、従業員の福利厚生の一環として、会社がマイホームを取得

する社員の為にマイホームの購入費用を融資する制度のことです。


住宅融資制度は、金融機関が融資をするのではなく、会社が従業員に融資をするので、

審査も厳しくありませんし、金利も低いことがメリットといえます。


この住宅融資制度は、自社の社員の為の制度なので、もし転職をする場合は、

住宅融資制度を利用して借りたお金を全額返済する必要が生じますので、

その点は、転職を考えている人にとっては、住宅融資制度で気をつける点といえます。


また、住宅融資制度は、どの企業にもある制度ではなく、大企業にしかないことが

多い制度なので、中小企業に勤めている人は、マイホームを購入する際は、金融機関

の住宅ローンを利用するしかありません。


・財形貯蓄

財形貯蓄とは、従業員の福利厚生の一環として、社員が毎月の給与や賞与から

一定金額を天引きされて行う貯蓄のことです。


財形貯蓄の種類には、一般財形貯蓄、財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄の3種類があり、

財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄については、550万円まで利子が非課税となる優遇措置

があります。


この財形貯蓄を利用すると、会社によっては財形貯蓄として給与天引きされた

金額の数%を奨励金として補助してくれるところもあります。


もし、財形貯蓄を解約する際も、自分で金融機関の窓口に行き、財形貯蓄の解約を

したい旨を告げると、解約手続きの用紙を貰えますので、その用紙に勤務会社名・

会社の住所・勤務者の番号等の所定の項目を記載すれば、何時でも解約すること

が可能です。


その時に持参するものとしては、身分証明書・印鑑・過去の給与明細書

などがあります。


・社員旅行

社員旅行とは、従業員の福利厚生の一環と社員同士の親睦を深め一体感や連帯感を

一層高めるための会社の行事のことです。


一時は、社員旅行に行きたくない社員が増えた時期には、社員旅行を廃止する企業も

ありましたが、最近では、社員旅行復活の兆しがあります。


社員間のコミュニケーションを活性化する為に効果があると見た企業が増加して、

社員旅行見直しの機運が高まっているようです。


この社員旅行は、旅行の内容と社員の参加人数によっては、旅行費用が従業員の

給与として課税される場合があり、社員旅行費用が従業員の給与手当として課税

され無い為には、下記の要件を何れも満たしている必要があります。


社員旅行費用が従業員の給与として課税されない為の条件

・社員旅行期間が4泊5日以内であること。(海外の場合は、目的地の滞在日数による。)

・社員旅行に参加する従業員等の数が全従業員等の50%以上であること。
(工場や支店単位等で行う場合には、それらの従業員の50%以上であること)


・カフェテリアプラン

カフェテリアプランとは、勤務地域・年齢・性別・家族構成等の個人差による

格差の解消を目的として、利用者である従業員自らが自分に必要なサービスを

選択することが出来る制度です。


カフェテリアプランでは、従業員に対して、その従業員が一年間で使用可能な

福利厚生費の枠をポイントとして付与し、そのポイントの枠の範囲内で、

自分に合った福利厚生メニューを選択して利用するのが一般的です。


カフェテリアプランは、選択型福利厚生制度とも呼ばれています。


このカフェテリアプランで選択可能な福利厚生サービスとしては、医療サービス、

育児サービス、介護サービス、自己啓発サービス、リフレッシュサービス、

住宅サービス、娯楽サービス等があります。


また、企業がカフェテリアプランを導入するメリットとしては、

下記の様な項目があります。


主なカフェテリアプランを導入するメリット

・少ない予算で従業員の多様なニーズに対応できる
・一定コストの範囲内で新しい福利厚生サービスを追加できる
・社員を採用する際の宣伝効果


このカフェテリアプランを導入する際は、福利厚生アウトソーシングを利用する

ケースが多く、福利厚生アウトソーシング企業では、企業ニーズに応じてカスタマイズ

したカフェテリアプランの設計から運用までのコンサルティングとサポートを提供

しています。


実際のカフェテリアプランの運用では、従業員のポイント申請の受付から従業員

ごとの利用ポイントを管理して、その従業員毎のポイントデータを定期的に提供
しています。


カフェテリアプランのポイントについては、社員が利用した内容に応じて課税・

非課税を判断することになり、カフェテリアプランのポイントを現金に換金できる

場合は、全て課税されることになりますので要注意です。


カフェテリアプランのポイントを使用し課税されるケース

・家族旅行に利用
・家族でレストランを利用
・映画・観劇のチケット


・現物給与

現物給与とは、食事の現物支給や商品の値引販売などのように金銭以外の方法で

従業員が受ける経済的利益のことです。


現物給与に該当する場合は、給与所得の収入金額とされますので、

所得税・住民税も発生することになります。


この現物給与に該当するケースには下記の様な項目があります。


現物給与に該当するケース

・物品や資産を無償又は著しく低い価額により譲渡した場合
・土地・家屋・金銭その他の資産を無償又は著しく低い対価により貸し付けた場合
・福利厚生施設の利用などの用役を無償又は著しく低い対価により提供した場合
・個人的債務を免除又は負担した場合


・フリンジベネフィット

フリンジベネフィットとは、給与以外で支給される経済的利益のことです。


代表的なフリンジベネフィットには、社宅、社員寮、社員食堂、住宅融資制度、

財形貯蓄、社員旅行、カフェテリアプラン等があります。


このフリンジベネフィットを従業員が享受した場合には、その経済的利益が、

現物給与に該当する場合があります。