非上場株式の評価


■国税庁方式

国税庁方式とは、非上場株式の評価をする際に、財産評価基本通達に基づき、

株価の評価をする方法のことです。


財産評価基本通達とは、相続税や贈与税を計算する際の財産の評価方法を

国税庁が定めたものです。


財産評価基本通達では、土地や株式だけではなく、様々な財産の評価方法が

定められており、財産評価基本通達における時価は、一般的な時価とは異なります。


企業における非上場株式の評価業務は、財務部の役割ですが、財務部が設置されて

いない企業では、経理部の役割です。


一般的な株式の評価方法については、「企業価値評価」か「デューデリジェンス」の

頁ををご覧ください。


この財産評価基本通達では、相続税や贈与税を計算する為に必要な、相続税評価の金額

を計算する為の評価方法が定められており、財産評価基本通達における上場株式の

相続税評価額は、評価時の時価ではなく、下記のうち、最も低い金額となります。


財産評価基本通達における上場株式の相続税評価額

①課税時期の日の最終価格

②課税時期の月の最終価格の月平均額

③課税時期の前月の最終価格の月平均額

④課税時期の前々月の最終価格の月平均額


また、国税庁方式には、配当還元方式、純資産価額方式、類似業種比準方式などの

評価方法があります。


同族関係者間にて、非上場株式を取引する場合は、税務上のトラブルを回避する為に、

国税庁方式にて株価の評価をすることが一般的です。


この国税庁方式により、取引相場のない株式を評価する際は、原則として、最初に、

会社を、従業員数、総資産価額、売上高などの評価基準で、大会社、中会社、小会社

に区分します。


次に、大会社と判定された場合は、類似業種比準方式で評価し、小会社と判定された

場合は、純資産価額方式で評価し、中会社と判定された場合は、類似業種比準方式と

純資産価額方式の両方で評価することになります。


また、国税庁方式では、土地や株式の保有が一定割合以上の、株式保有特定会社や

土地保有特定会社は、原則として純資産価額方式にて評価することになります。


尚、国税庁方式による株価の評価方法は、非上場会社の株式を相続した際や

贈与した際に発生する、相続税や贈与税を計算する際に利用されることがほとんどです。


■非上場株式の評価方法

・配当還元方式

配当還元方式とは、取引相場のない株式を評価する際に配当される金額に基づいて、

株価の評価をする方法のことです。


配当還元方式は、国税庁方式である、財産評価基本通達による評価方法の1つです。


配当還元方式は、特例的な株価の評価方法であり、配当還元方式が利用できる場合は、

同族株主以外の株主等が取得した株式に限定されます。


・純資産価額方式

純資産価額方式とは、取引相場のない株式を評価する際に課税時期においての

正味財産に基づいて、株価の評価をする方法のことです。


この純資産価額方式は、課税時期における資産と負債を、相続税評価額で評価し、

資産の含み益がある場合は、その評価差額に対する法人税額等相当額を控除して

評価する方式です。


純資産価額方式における、評価差額に対する法人税額等を計算する際は、

評価差額に45%を乗じて算出します。


・類似業種比準方式

類似業種比準方式とは、取引相場のない株式を評価する際に事業内容が類似する

上場企業の株価等を基にして、株価の評価をする方法のことです。


この類似業種比準価額方式は、類似業種の、株価、1株当たりの配当金額、

利益金額、純資産価額と、評価会社の、1株当たりの配当金額、利益金額、

純資産価額を用いて評価する方式です。


類似業種比準方式で用いる類似業種の数値は、国税庁が公表している

データを用いることになります。


■国税庁方式における特殊な会社に該当するケース

・土地保有特定会社

土地保有特定会社とは、取引相場のない株式を評価する際に、

保有する資産の大半が、有形固定資産である土地で占められている

様な特殊な会社のことです。


土地保有特定会社に該当すると、純資産価額方式による評価方法が適用されます。


この土地保有特定会社に該当するケースとしては、国税庁方式にて株価の

評価をする際に、総資産に占める土地等の価額の割合が、大会社で70%以上、

中会社で90%以上、占めている場合です。


小会社の場合は、業種と総資産の金額を考慮して、土地保有特定会社に該当するか

を判定します。


・株式保有特定会社

株式保有特定会社とは、取引相場のない株式を評価する際に、保有する

資産の大半が、株式等で占められている様な特殊な会社のことです。


株式保有特定会社に該当すると、純資産価額方式による評価方法が適用されます。


この株式保有特定会社に該当するケースとしては、国税庁方式にて株価の評価

をする際に、総資産に占める株式等の価額の割合が、大会社では25%以上、

中会社と小会社では50%以上の場合です。