版権ビジネスと知的財産権の保護・活用


版権ビジネスとは、版権保有者が保有しているキャラクターコンテンツ等を、

企業に使用させて、売上に応じて一定の使用料を受取る知的財産ビジネスです。


ちなみに、版権は、著作権の法律上の旧名称です。


企業は、各種自社商品に、人気のあるアニメやマンガのキャラクターコンテンツ等

を使用することで、他社の商品と差別化して、売上を上げようとするのです。


企業が、人気のあるキャラクターを利用しようする場合は、そのキャラクターの著作権

を持つ権利保有者と利用契約(著作物利用許諾契約)をして、企業が販売する

各種商品に活用することができるようになります。


当然人気のあるアニメ・マンガ・映画等のキャラクターを利用する

商品は売れて権利保有者の収入も比例して増えます。


更に、権利保有者から見るこのビジネスの美味しいところは、

1度あるビジネスの目的で製作したキャラクターを再利用できるところで、

簡単に言うと原価は当然限りなく0円に近い非常に高利益率の事業なのです。


このビジネスで世界的に有名な企業はキラーコンテンツを多数持つ米国の

ウォルトディズニーです。


ウォルトディズニーの名前を聞けばこのビジネス用途の広さといかに

儲かる商売かは理解できると思います。


当然、人気のキャラクターを多数保有していないと、この美味しいビジネスで

儲ける事はできませんので、この事業で美味しい商売を出来る企業は世界

でも数えるほどしかないようです。


この種の企業を調査する時に注意すべき点は、利益の源泉であるキャラクターの

著作権の価値が、バランスシートの無形固定資産には反映していない点です。


よって、この種の株式の企業を他の企業と同様にBSやPLの数値だけで判断すると、

この主の企業の本質的価値を見誤ることになります。


例えば、ある企業の版権事業の売上が100億円だった場合に、純資産が100億円しか

なければ、この事業の高利益率を考えると、この企業の本質的な価値は

バランスシートの純資産以上あることは間違いないでしょう。


版権ビジネスの価値と高利益率を考えると、ウォーレンバフェットが

ウォルトディズニーに投資していた理由がよく理解できます。


このように、知的財産権の1つである、著作権は、企業に莫大な収益をもたらす

可能性があるわけです。


ゆえに、企業においては、いかにして自社の知的財産権を保護して、自社の知的財産権

をどのように活用していくのかは、重要な経営課題といえます。


そこで、知的財産権とは、どのようなもので、代表的な企業の知的財産権には、

どのような種類があるのかを確認してみます。


知的財産とは、発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動

により生み出される無形資産のことです。


商標、商号その他事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密

その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報も知的財産に含まれます。


また、この財産権には、特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権等

があり、その他の知的財産に関して法令により定められた権利又は法律上保護される

利益に係る権利についても知的財産権に含まれます。


企業の知的財産権は、バランスシートの無形固定資産の部に計上されています。


ちなみに、のれん代(営業権・のれん)が発生する主な企業としては、含み資産が

多額に存在する企業や特許権などの法的な権利である資産を多数保有して

いる企業です。


次に、代表的な、企業の知的財産権である、著作権、特許権、商標権の概要について

解説します。


著作権

著作権とは、著作権者が創作した、小説、脚本、論文、講演その他の言語の作品、

音楽のコンテンツ、舞踊又は無言劇の作品、絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物、

建築の作品、地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形のコンテンツ

、映画のコンテンツ、写真の著作物、プログラムの著作物等の著作権者の財産的な権利の

ことです。


この著作権と特許権の違いですが、特許権はアイデア(発明)を保護する法的権利

ですが、著作権は各種のアイデア(発明)自体の表現を保護する法的権利です。


もう一つの違いとしては、著作権は、特許権の様に特許庁等の

行政庁への出願や著作権登録申請をしなくても、著作物が誕生した時点で、

一切の手続きを必要とせず知的財産として認められることです。


また、著作物の保護期間としては、権利者が実名の著作物の場合は、死後50年まで

で、著作権者が実名でないコンテンツの場合は、公表後50年となっています。


そして、著作物であるコンテンツとは、テレビ、ラジオ、Webサイト、紙媒体を通じて

視聴することができるテキスト、静止画像・動画等の映像、音楽や音声等の娯楽や教養

の為の情報内容のことです。


会計処理をするうえでは、ソフトウエアとコンテンツは、同一の会計処理

にはなりません。


ちなみに、キラーコンテンツとは、ある媒体を飛躍的に普及させるきっかけになる

コンテンツのことです。


尚、各媒体の主なコンテンツには下記の様なものがあります。


各媒体の主なコンテンツ

映像・・・版権ビジネスを展開する企業が提供しているキャラクター
(ミッキーマウス・くまのぷーさん・ハローキティ・ウルトラマン)

映像・・・テレビ局や映画会社が提供しているドラマや映画

ニュース・・・各テレビ局や新聞社が提供しているニュース

出版・・・出版会社が出版している雑誌や書籍(漫画・小説・週刊誌等)

音楽・・・音楽会社が提供している音楽

ゲーム・・・ゲーム会社が提供しているゲーム

ビデオ・・・テレビ局や映画会社が制作したドラマや映画をビデオにしたもの


特許権

特許権とは、創作者が知的創造活動によって発明した新規性のあるアイデア等が

特許法により特許を受けた発明が一定期間独占的に実施できる法的権利のことです。


この法的権利を得る為には、特許庁に特許出願を行い、特許庁の審査を受けて特許法の

承認を受ける必要があります。


ちなみに、この法的権利が法律で保護される期間は、原則として出願してから20年と

なっています。


商標権

商標権とは、文字、図形、記号や立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと

色彩とを組み合わせた結合体であるマークを商品や役務の提供に独占的に使用できる

法的権利のことです。


この法的権利は、特許庁に商標登録を申請して、 特許庁から登録が認められると、

保護の対象となります。


また、この法的権利は、特許権等と異なり、存続期間が到来しても独占的に使用

できる期間を更新することが認められている知的財産です。


なお、知的財産権でお悩みのことがございましたら、当事務所の24時間対応の

電子メールによるお問い合わせをご利用下さいませ。