はじめての予算作成


■経理初心者や経営企画初心者の方は必読


「鈴木君、2週間後の14日火曜日までに、当社の来年度の予算を作成してくれないか」


入社したばかりなのに、いきなり、田中社長から、このように指示をされ、

仕事を引き受けてしまいました。


それも致し方ありません。


なぜなら、鈴木さんは、入社する際の面接のときに、予算作成の実務経験がある

という点を、特に評価されて経理部の主任として採用された経緯があるからです。


しかし、田中社長から指示をされた火曜日の期日まで残り1週間しか残されていません。


鈴木さんは、どのように予算作成の仕事をしたらよいのか分からないまま、

時間だけが空しく過ぎていき、その日の就業時間も終わりが近づいていました。


これから皆さんは、自分を、このような状況下にある、食品スーパーの経理部に入社

したばかりの鈴木さんだと思って、この頁を読んでいってください。


特に、経理初心者の方や、経営企画部に配属されたばかりの方にお勧めです。


ここで登場してきた、鈴木さん自身に関する紹介をすると、新卒で中堅メーカーに入社

し、経理の仕事として6年実務経験があったのですが、やりがいと給料アップを求めて、

この会社に転職して1ヵ月が経ったところです。


鈴木さんが所属する経理部には、鈴木さんと、部下が2名いるだけです。


鈴木さんの会社概要に関しては下記の通りです。

会社概要

  • 業種は食品専門スーパー

  • 年商20億円、営業利益1億円、店舗数5店舗

  • 従業員数90名(役員・アルバイト・パート含む)

    ※従業員数内訳

    ・役員数3名
    ・経理部3名
    ・総務部2名
    ・A店舗20名
    ・B店舗13名
    ・C店舗15名
    ・D店舗17名
    ・E店舗12名 

  • その他備考

    ※6階建ての本社ビルがあり、そのビルの1階から4階がA店舗として使用され、
    5階が経理部、総務部、応接室、会議室等があり、6階が社長室を含めた役員の
    部屋とA店舗の事務所となっています。

    ※社長以外の役員は、社長の奥さんと、社長のお母さんです。



鈴木さんは、経理としての実務経験は既に6年あったので、自分で月次決算や年次決算

業務をするぐらいなら、問題なくこなせるのですが、実際のところ、予測財務諸表

作成実務経験は全くなかったのです。


二つ返事で、社長からの仕事を引受けた理由は、前任者の人が作成した過去の予算が

あるはずなので、その計画を見本にすれば、来年度の予算を作成することができると

思ったからです。


しかし、その期待は、淡くも打ち砕かれることになります。


確かに、前任者が作成した前期の予算はあったのですが、それは、次のような内容の

ものでした。


前任者が作成した前期の予算

店舗名 売上高予算 営業利益予算
A店舗 5億円 3千万円
B店舗 5億円 3千万円
C店舗 5億円 3千万円
D店舗 5億円 3千万円
E店舗 5億円 3千万円
合計 25億円 1億5千万円



「やっとみつけたのに、こんな計画じゃ、参考にならないよ」

思わず、鈴木さんは、そうつぶやきました。


そうこうしているうちに、田中社長から指示を受けてから1週間が経過

してしまったのです。


■予算作成の本を購入


鈴木さんは、藁をもすがる気持ちで、帰宅する途中で本屋さんに立ち寄り、

予算作成にかんする書籍を1冊購入しました。


帰宅して、その本を読み始めると、予算についての説明が最初に記載されていました。

  • 予算とは、会社の理想の姿であり、あるべき姿でもあるので、この数値計画を作成することで、経営問題や経営課題を顕在化させることができる



そして、本を読み進んでいくと、予算を大別すると、次のような構成であるという

説明がありました。


  • ①総合予算が、予算作成のゴールである。

  • ②総合予算は、経常予算と資本予算で構成されている。

  • ③経常予算は、損益予算と資金予算で構成されている。

  • ④資本予算は、設備予算と投資予算で構成されている。



この解説を見て、はじめて、鈴木さんは、総合予算体系というものを目にしたわけ

ですが、ここで、鈴木さんの頭の中にある疑問が1つ浮かびました。


それは、田中社長から、来年度の予算を作成して欲しいという指示はうけましたが、

どんな種類の予算を作成するかまでは、具体的に聞いていなかったのです。


鈴木さんは、この点については、直接、田中社長に確認するしかないと思いました。


そこで、更に、本を読み進んでいくと、予算を作成する準備段階として、

次の点が重要だとという解説がありました。


  • ①予算を作成する目的(銀行に提出するためか、会社の計画として必要なのか)

  • ②予算の作成範囲を決定する

  • ③前期の予算を検証する

  • ④会社の過去の予算編成のやり方を確認する



鈴木さんは、上記の項目を見て、①と②については、田中社長に確認すれば

解決しそうですが、③の前期の予算を検証するというのは、どんなことをするべき

なのかと思いました。


次の頁を読むと、③の前期の予算の検証方法の具体例が紹介されていました。


  • 検証方法の具体例

    ・部門別の実績と計画の差異を確認する
    ・差異の大きな項目がどこにあるかを特定する
    ・差異の原因を把握しているかを確認する
    ・ギャップを解決するための改善策が決定しているか確認する



上記の検証方法の具体例の中では、この会社では、店舗別の実績と計画の差異を確認

することはできますが、その項目以外は、会社に資料が何も保存されていませんでした。


④の会社の過去の予算編成のやり方を確認する理由としては、本には、次のような

説明がありました。


  • 会社の予算を作成する際は、会社における独自のルールややり方が存在しているはずなので、まずは、そのルールややり方を把握して、そのルールややり方で、カバーできない項目については、予算作成における一般的な理論で対応するのが基本で、何から何まで一般的な理論を当てはめていたら、その会社に最適な計画とはいえません。



その説明を読んで、鈴木さんは、田中社長から仕事の指示を受けてから、一度も、

会社内の誰にも過去の予算編成が、どのように行われていたのか、聞いていなかった

ことに気づいたのです。


鈴木さんは、本は読み始めたばかりだったのですが、これまでの何をするべきか全く

分からない状態から、予算を作成するにあたって、何から手を付けるべきかが、

ようやく分かってきたので、一筋の光が見えてきたような感じがしました。


鈴木さんは、明日は、社内の誰かに意見を聞くことからはじめようと思って、

その日は眠りについたのです。


次の日、会社に出社して、早速、誰かに意見を聞いてみようと思ったのですが、

まず、誰に話を聞くべきか迷っていたら、昨日読んだ本に次のような記載があった

ことを思い出しました。


  • 会社の内部情報を聞きたい場合は、経理部か総務部の古株の社員の人に、その会社のこれまでの歴史を聞いてみると、仕事を進めるうえでの、ヒントを聞くことができる



鈴木さんは、その方法に従って、会社一番の古株の、総務部の伊藤部長をランチに

誘って、現在の会社の中で、予算編成業務に携わった人が誰なのかを聞いたところ、

A店舗店長の黒木さんと、B店舗店長の宮本さんだけだということがわかりました。


そして、総務部の伊藤部長からは、次のような情報も入手することができました。


「黒木店長は、田中社長の学生時代からの友達だから、田中社長は、会社の経営に
関しては、黒木店長の意見を特に重要視しているみたいだね」


「宮本店長は、田中社長の奥さんの弟だから、田中社長に何でも意見を言える、
会社の中でも貴重な存在なんだよね」


「それと、ここだけの話だけど、田中社長は、次の社長を宮本店長にしようと
思っているみたいだよ」


ランチのお店を後にして、オフィスに戻った鈴木さんは、直接、予算編成に関わる話は

聞けなかったけど、この会社で仕事をするうえで、貴重な話を聞けたと思ったので、

総務部の伊藤部長とは、情報交換は必要だなと感じたのでした。


鈴木さんは、午後一番で、田中社長に予算に関する事項を確認して、そのあとで、

A店舗店長の黒木さんと打ち合わせをしたいと思ったので、早速、田中社長とA店舗店長

の黒木さんに連絡して、打合せの了解をもらいました。


まずは、田中社長との打ち合わせですが、社長室に出向き、気になっていた2つの質問を

したところ、次のような返答がありました。


「今回、予算の作成を依頼したのは、新店舗の設備投資資金を調達したいので、
経営計画を銀行に提出する必要があったからだよ」


「銀行に融資を頼むのだから、損益計算書と資金計画位は提出する必要がありそうだね」


「銀行に提出する期日まで、後6日だけど、予算の作成は順調に進んでいるかな」


それに対して、鈴木さんは、

「指示を頂いた業務に関しては、順調に進んでいます」

と、全く進んでいなかったにも関わらず、そのように返答してしまいました。


鈴木さんは、社長室をでて、一人になった時に、

「予算は、銀行融資に使うのか、大変だな」

と思わず呟きました。


ここで、ワンポイント解説をしますが、組織内においては、上司から指示された業務を

遂行する場合は、その仕事が、何日間かの業務期間を要する場合は、上司に仕事の状況

確認をされる前に、必ず途中経過を報告することが、仕事の報連相の原則です。


今度は、A店舗店長の黒木さんとの打ち合わせです。


「予算についての打合せとのことだが、何から話したらいいのかな」

と黒木さんから、質問されたので、鈴木さんは、

「前期の予算は、どのように作成していたのかをお聞きしたいのですが」

と質問しました。すると、黒木さんは、

「前の経理の責任者から、売上の計画だけ作成して欲しいと頼まれたので、A店舗の
売上計画を月別に作成して、資料を渡したよ」

と返答しました。そして、鈴木さんは、

「その売上計画とは、どんな計画なのですか?」

と質問したところ、黒木さんは、

「こんな計画だよ」

と言って、下記の様な去年のA店舗の予算を見せてくれました。


去年のA店舗予算

セグメント名 売上高予算 営業利益予算
青果部門 1億円 1千万円
精肉・鮮魚部門 1億円 5百万円
グロサリー部門 2億円 1千万円
惣菜部門 1億円 5百万円
A店舗合計 5億円 3千万円



その計画は、鈴木さんが見つけた、前期の予算の資料と異なり、部門別の計画が立て

られていました。


その計画を見て、鈴木さんは、

「田中社長から、来期の予算を作成するように頼まれたのですが、A店舗の来期の
売上予算は作成されていますか」

と尋ねたところ、黒木さんは、

「まだ作ってはいないけど、必要なら、明日くらいまででよければ、作れるよ」

と返答があったので、鈴木さんは、

「では、明日までに売上計画を頂けると、非常に助かります」

と返答すると、黒木さんは、


「了解、明日までに作成して、資料を渡すからね。他には、用件はないかな」

と言われたので、鈴木さんは、

「他の店舗の来期の売上予算については、私が、各店長に作成を依頼した方が
宜しいでしょうか」

と尋ねたので、黒木さんは、

「私から、他の店長には、連絡しておくから、任せといて」

と言われたので、鈴木さんは、

「黒木店長、ありがとうございます。売上予算の件、宜しく願いいたします。」

と言って、この打ち合わせは終わりました。


鈴木さんは、黒木店長との打ち合わせを終えて、売上の予算さえ手に入れば、

来週の期日までには、予算を作成することができそうだと思い、少し、気が楽に

なりました。


鈴木さんは、自分の席に戻り、経費の予算の準備をしようと、販管費の元帳を確認

していたところ、B店舗の宮本店長から電話が入りました。


「鈴木君、明日までに、売上の予算が必要だということは、黒木さんから聞いたが、
これまでは、私が、全店舗の売上の予算を取り纏めていたのだから、今後は、その
ような依頼は、私に直接するようにしてくれないかな」

と言われたので、鈴木さんは、

「失礼いたしました。今後は、宮本店長に、直接お願いするように致します。」

と答えました。


鈴木さんは、会社内のパワーバランスという社内政治にも配慮しないと、仕事を円滑に

進められないと実感しました。


気を取り直して、販管費の元帳を精査していた時に、本に次のような解説があった

ことを思い出しました。


販管費予算の作成する際の留意点

  • ①人員が今期と比較して、来期は増えるのか減るのか

  • ②固定費と変動費を分類する

  • ③来期に特別な支出の予定があるか



人が1人増えただけでも、給料、法定福利費、通勤手当、その他の経費が必ず増加

しますので、人員を増やす計画があれば、当然、販管費は増えるでしょうし、来期に

新規の出店をしたりする設備投資が実施される場合も、販管費を増やす要因になります。


ここで、鈴木さんは、田中社長から、新店舗を出店する予定があるということを聞いて

いたので、次の点を、田中社長に確認する必要があると思いました。


  • 何店舗新規出店するのか

  • 人を何人採用するのか

  • どれくらいの店舗投資を予定しているのか



以上の点を確認しなければ、販管費予算や設備投資予算が固まりませんし、全社ベース

の売上計画も確定することができないと、鈴木さんは考えたのです。


それと、元帳を確認しただけでは、各店舗別の人件費が把握できないので、給与計算を

している総務部に、各店舗別の人件費を教えてもらう必要があると鈴木さんは思いま

した。


早速、鈴木さんは、総務部の伊藤部長に依頼をしたところ、伊藤部長から次のような

ことを言われました。


「人件費は、個人別ではなく、店舗毎の合計金額でいいよね。それでよければ、
明日には資料を渡せるよ」

と返答があったので、鈴木さんは、

「それで、お願いいたします」

と答えたのでした。


ここで、ワンポイント解説をしますが、会社にとって個人の給料の金額は

トップシークレット事項です。


一般的に、どの会社でも、個人別の人件費のデータを入手することは難しいので、

その場合は、部署ごとの合計金額でデータを貰うことになります。


話を、元に戻しますが、鈴木さんは、明日には、各店舗別の売上予算と人件費データ

が手に入るので、人件費以外の店舗別の販管費予算さえ自分で作成すれば、予算が

ほとんど完成すると思っていたのでした。


今まで、予算作成の仕事が停滞していたのが嘘のように、この日は、かなり仕事が進展

した一日だったので、鈴木さんは、これから、帰宅して、また予算作成の本の続きを

読もうと思っていました。


いよいよ、予算作成の本も準備段階の頁から、作成のプロセスに関する解説がされて

いる最終頁まで一気に読み終えたのですが、本を読み終わった時点で、幾つか気になる

点が頭に浮かびました。


その気になる点とは、以下の項目です。


  • ①予算は1種類のみの作成でよいのか

  • ②田中社長は、どのような予算を望んでいるのか

  • ③銀行に提出する計画は、見栄えの良い計画にすべきなのか

  • ④資金計画は、どのように作成するのか

  • ⑤新店舗の売上計画や人員計画は誰が決定するのか



予算の本を読むと、計画数値は、目標が高すぎず、低すぎない程度の、頑張れば達成

できそうな位が最適だと説明されていました。


確かに、その説明の通りだと鈴木さんも思ったのですが、では、その予算の数値は

最終的に誰が決めるのかという疑問が浮かびました。


しかし、予算の本には、予算の最終決定は、誰がするのかについての説明は

ありませんでした。


鈴木さんは、予算の最終決定は、会社の社長がすることになるぐらいのことは想像

できたのですが、問題は、完成した予算を見て、田中社長がOKをだすかどうかと

いう点が気になりました。


もし、田中社長がOKをださなければ、予算を再修正する必要がでてくるでしょうから、

期日ギリギリではなく、早めに提出する必要があると、鈴木さんは考えたところで、

その日は眠りについたのです。


■総合予算の完成


次の日、鈴木さんが出社して、パソコンを立ち上げると、なんと、黒木店長からは、

各店舗別の売上計画ファイルがメールで届いており、伊藤部長からは、人件費の実績

データファイルがメールで届いていました。


鈴木さんは、後は、自分が、販管費の予算を作成できれば、今日中に予算が完成する

かもしれないと思い、かなり気が楽になりました。


販管費の予算に関しては、予算の本に次のような経費計画の見本がありましたので、

そのフォームを利用して、部門別の販管費予算を作成しようと思っていました。


販管費計画の見本

勘定科目名 固定費 変動費 経費合計
人件費 ○○○円 △△△円 □□□円
店舗家賃 ○○○円 △△△円 □□□円
光熱費 ○○○円 △△△円 □□□円
広告宣伝費 ○○○円 △△△円 □□□円
消耗品費 ○○○円 △△△円 □□□円
租税公課 ○○○円 △△△円 □□□円
リース料 ○○○円 △△△円 □□□円
支払手数料 ○○○円 △△△円 □□□円
通信費 ○○○円 △△△円 □□□円
修繕費 ○○○円 △△△円 □□□円
雑費 ○○○円 △△△円 □□□円
合計 ○○○円 △△△円 □□□円



田中さんは、今日の最初の仕事として、田中社長に、新店舗に関する確認をしようと、

社長室に向かいました。


「田中社長、新店舗に関することで確認したいことがあるのですが」

と鈴木さんが言うと田中社長が、

「30分位なら時間があるから、話を聞こうか」

と返答があり、打合せをすることになりました。鈴木さんが、

「新店舗の売上計画や人員計画は誰が決定するのですか」

と尋ねたところ、田中社長は、

「新店舗の店長は、新規に採用するから、新店舗の売上はA店舗と同じ売上で頼むよ」

「それから、新店舗のオープンは、下半期がスタートする初日にするつもりだから、
A店舗の下期の売上計画と新店舗の初年度の売上計画が同じということだね」

と答えたので、鈴木さんは、

「新店舗の売上計画については了解しました。粗利益率と新店舗の人数や店舗家賃は、
どのように計画しましょうか」

と質問したので、田中社長は、

「新店舗の、粗利益率、店舗の人数、店舗家賃は、A店舗の計画に合わせて作成
してくればいいよ」

と答えたので、鈴木さんは、

「田中社長、打合わせ有難うございました。予算の作成は、明日中には、一旦纏まり
そうですので、完成しましたら、田中社長に確認をして頂こうと考えておりますが、
宜しいでしょうか」

と話したところ、田中社長は、

「随分早くできるんだな、それでは、明日、楽しみに待っているよ」

と返答があって、鈴木さんは、社長室を退室しました。


鈴木さんは、自分の席に戻って、今日から、明日にかけては、予算の纏めに集中しよう

と思っ時に、予算の本に次のような記述があったことを思い出しました。


  • 部門別に予算を作成する際は、経理部や総務部などの間接部門の予算も作成する
    必要があり、当然、役員などの経営陣に関する予算も必要です。

  • 但し、間接部門や役員などの経営陣に関する予算は、一纏めにして、本社部門として予算を作成し、その本社経費を、何らかの合理的な配賦基準を用いて、収益部門に配賦することになります。



そうすると、経理部門・総務部門・経営陣の人件費のデータもなければ、予算が完成

しないと思ったので、鈴木さんは、総務の伊藤部長が、それらのデータも送ってくれて

いるかを確認したところ、経理部門・総務部門・経営陣の人件費のデータは、送られて

きていませんでした。


これでは、予算が完成するはずはありませんので、早速、鈴木さんは、総務の伊藤部長

のところへ行き、次のように話しました。


「伊藤部長、経理部門・総務部門・経営陣の人件費のデータを頂けませんか」

言うと、伊藤部長が、

「それらのデータは、社長の許可がないと渡せないな」

と返答したので、鈴木さんは、

「分かりました。社長の許可をもらってきますので、その後で、データをお願い
いたします」

と言ったところ、伊藤部長は、

「そういえば、社長は、さっき外出して、今日は、会社に戻らないと言ってたよ」

と言って、鈴木さんは、

「分かりました。では、社長にメールをして許可をもらうことにします」

と返答して、鈴木さんは、自分の席に戻って、早速、社長にメールをしました。


社長からは、直ぐに、OKのメールが返信されてきたので、伊藤部長に、そのメールを

転送して、再度、経理部門・総務部門・経営陣の人件費のデータをお願いしたのでした。


伊藤部長からは、直ぐに経理部門・総務部門・経営陣の人件費を合算したデータが

送られてきたので、間接部門については、部門別に予算を作成するのではなく、

本社部門として一括して作成することになったのです。


これで、総合予算を作成するために必要な材料は、ほぼ揃った感じではありますが、

これから総合予算を完成させる際に、経理部として気にすべき重要なポイントを

挙げると次の通りです。




上記の項目を考慮して、総合予算を完成させるわけですが、皆さんなら、どのようにして

総合予算を完成させるでしょうか。


上記の論点を理解せずに総合予算を纏めることはできませんので、総合予算の作成

スキルを身につけたい方は、上記の論点を理解する必要があるといえます。


予算編成の方法や管理会計の上級スキルである財務計画作成スキルを身に付けたい方に

は、弊所の予算作成セミナーの、 総合コースのセミナー がお勧めです。