行列のできるお店のマーケティング


皆さんが、町中を歩いていると、10人前後の行列のできるお店を見かけることは

珍しくないと思いますが、大行列ができているお店を見かけるとどう思うでしょうか?


しかも、客足が途切れず、行列がどんどん長くなっている光景を目の当たりにして

どう感じるでしょうか?


さすがに、「どんなお店なんだろと」と皆さんは気になるはずです。


更に、そのお店の近くを通りかかるたびに、大行列ができている光景を目にすれば、

尚更、どんなお店なのかを知りたくなるはずです。


そうすると、皆さんは、行列を見かけた時に、そのお店の近くまで行き、

どんなお店なのかを確かめたり、その場で、お店の名前と住所だけを確認して、

後でネットで検索し、どんなお店なのかを確かめることでしょう。


ここに、行列のできるお店の秘密が1つ隠れています。


その秘密とは、バンドワゴン効果のことで、バンドワゴン効果が威力を発揮すると、

客が客を呼びお店に行列が絶えない現象が起こるのです。


バンドワゴンとは、行列の先頭の楽隊車のことを意味しており、 多勢に与する、

勝ち馬に乗る、時流に乗るという意味があります。


このバンドワゴン効果をもう少し噛み砕いて説明すると、 バンドワゴン効果とは、

ある商品が流行っていると、それを見つけた 多くの人々が、自分も乗り遅れまいと、

その商品を買い求めるように なる状態のことです。


周囲の目を気にして、大勢が群れをなし同じ方向を向いて泳ぐような性質を持つ、

イワシ民族の日本人には、特に有効な心理手法といえるのが、 このバンドワゴン効果

なのです。


ちなみに、バンドワゴン効果と逆の効果がスノッブ効果であり、 スノッブ効果とは、

同じような商品ばかりが流行ると、他人とは異なる商品 が購入したくなる現象

のことです。


要するに、そのお店のことをよく知らなくても、大勢の人がわざわざ並んでいる

のだから、良い商品を売っていると思ったり、美味しい料理を提供するお店だろう

と勝手に思い、思わず並んでしまうことが バンドワゴン効果といえます。


行列ができるように、何らかの広告や販促活動をして、行列ができている状態を

多くの人に見せつけることで、バンドワゴン効果が威力を発揮して、 行列が絶えない

状況をつくりだすことはできるでしょう。


しかし、バンドワゴン効果が何時までも続くことはありません。


皆さんも経験があるかと思いますが、そのような大行列ができている飲食店で

食事をした場合でも、稀に料理の味は普通というお店がありませんか?


現実に、料理の味が普通というお店でも、行列ができているお店は結構あるのです。


例えば、テレビで、美味しいお店として紹介されたり、読者が多い雑誌やアクセス数

が多いサイトで紹介されると、紹介された直後から一定期間の間は行列ができたり

しますよね。


しかし、行列ができれば良いということではありません。


例えば、いくら行列ができたとしても、並んでいるお客さんの期待値を超える

ことができなければ、期待を裏切られたお客さんは、そのお店のことを人に話し

悪い評判が口コミで広がると、お店から行列がなくなって いくでしょう。


また、最近では、ブログ、ツイッター、フェイスブックなどのSNSでお店の不満が

語られることでも、お店から行列がなくなっていく原因 になるはずです。


このようなことを考慮すると、飲食店オーナーシェフは、小手先のマーケティング手法

を使って意図的にお店に行列をつくる前に、 やるべきことがあるはずです。


それは、売れるメニューを開発することです。


飲食店のオーナーシェフは、売れるメニューを開発し、リピーターを増やし、

結果として行列ができるお店にすることだけを考えるべきです。


間違っても、自分よがりの美味しいメニューを開発しようとしていては、

日本を代表する名だたる企業がその罠に陥って競争力を失った、良い商品を開発

することが重要なんだシンドロームの泥沼にはまってしまいます。


飲食店のオーナーシェフは、売れるメニューと美味しいメニューは全く異なること

を理解するべきです。


なお、下記に示したような、飲食店を営業するうえで不利な立地に店舗を構えている

飲食店でも、内外環境分析をして、マーケットでの成功要因を見つけることができ

れば、行列ができるお店にすることは可能です。


飲食店を営業するうえで不利な立地

・駅や繁華街から離れている立地。
・人通りが少ない立地。
・空中店舗や路地裏の立地。
・近所にチェーン展開をしている店舗が多い立地。
・近所に、同業のお店が多い立地。


このように、行列のできるお店に必要なマーケティングは、小手先の集客手法で、

一定期間内だけ行列ができるようにすることではなく、内外環境分析をして、

売れる商品やメニューの開発をすることといえるでしょう。