業種の種類


■業種の種類


業種とは、個人や企業が営んでいる、事業や営業の種類です。


よって、業種の意味は、事業や営業の種類ということになります。


業種は、セクターと呼ばれることもあります。


ほとんどの業種では事業活動をする際に、何らかの、「営業許可」が必要な

場合があります。


一口に業種の種類といっても、分類基準によって、幾らでも細分化することが

できますので、公的な機関が公表している業種の種類を確認します。


業種の種類を公表している公的機関は数多くありますが、一般的に最も馴染みが

ありそうな、東京証券取引所の業種の種類を確認してみます。


東京証券取引所では、証券コード協議会が定めた業種区分に基づいて、

上場銘柄を33の業種に区分しています。


東京証券取引所は、この33業種に基づいて、業種別株価指数を公表しています。


業種別株価指数とは、株式を上場している企業を業種別に分類し

指数化した株価指数です。


業種別株価指数は、Sector Indexとも呼ばれています。


日本では、一般的に業種別株価指数は、東証業種別株価指数のことを

指しています。


セクターと業種は、同じ意味で使われています。


この東証業種別株価指数とは、証券コード協議会が定めた33の業種区分に基づいて

区分されて株価指数です。


東京証券取引所が、東証業種別株価指数を算出公表しており、その他の業種別指数

としては、日本経済新聞社が算出、公表している業種別日経平均があります。


業種別日経平均は、日経500種平均株価で採用されている

銘柄を36業種に分類した株価指数です。


また、東証が公表しているその他の株価指数としては、大型株指数、中型株指数、

小型株指数、TOPIX Core30などがあります。


この業種別株価指数は、株式市場全体の動きを示す、NYダウ、S&P500、

日経平均株価や東証株価指数 (TOPIX)の動きだけを見ていては分からない、

業種毎の株価の方向性を掴むのに適しています。


業種別株価指数は、それぞれの業界の現状の景況感や先行きを示す先行指標でも

あるため、株式投資の際は、株式市場全体の方向性を確認した後は、投資を検討

している企業が属している業界の株価指数をチェックする必要があります。


ちなみに、米国の代表的な業種別株価指数は、S&Pが算出・公表するS&P500に

採用されている企業が分類されたS&P500業種別株価指数です。


このS&P500業種別株価指数は、10種類のセクターに分類されています。


S&P500業種別株価指数の10種類のセクターは下記の通りです。


S&P500業種別株価指数一覧

  • セクター名称

    No1 生活必需品
    No2 消費循環
    No3 公益
    No4 エネルギー
    No5 金融
    No6 ヘルスケア
    No7 素材
    No8 テクノロジー
    No9 通信
    No10 工業



また、日本の業種別株価指数は東証業種別株価指数では33業種に分類されて

いますが、この33業種のうち、株式市場全体に特に強い影響力を持つセクターが、

電気機器、輸送用機器、銀行業の3つのセクターです。


この3つの巨大セクターは、時価総額は言うに及ばず、売上高や営業利益の面

でも他のセクターとは雲泥の差があるため、日本の株式市場の動向に大きな

影響を与えています。


企業において、金融マーケットを調査する業務は、経営企画部の役割です。


■東証業種別株価指数33業種各セクターの解説

・水産・農林業セクター

水産・農林業セクターとは、農業・林業・水産業を合わせた業種のことです。


水産・農林業セクターは、第一次産業に分類されるセクターです。


水産・農林業セクターは、人の生活の中で必要不可欠な食料を生産する

セクターであり、食料安全保障の観点からも重要な業種です。


この水産・農林業セクターは、人の生活の中で必要不可欠な食品の原料となる

食料を供給している業種なので、これらの世界の水産・農林業セクターを

押さえるものが世界を制するということができるといえるほど、

最も重要なセクターの1つです。


また、水産・農林業セクターには、世界的な競争力を持つ、一代雑種を

意味する交配種であるF1と呼ばれる種子を研究開発生産する種苗会社もあります。


このF1種子とは、人工的に開発された種子で、昔ながらの種子である固定種等の

既存品種に比べて、収穫量が多い種子、成長が早い種子、品質が均一な

種子等の特徴を持つ種子で、ハイブリッド種子とも呼ばれています。


新しい品種を開発したら、品種登録出願を行います。


世界最大の種苗会社は、パイオニアハイブレッドインターナショナル社です。


パイオニアハイブレッドインターナショナル社などの世界の主要な種苗会社は、

主要な穀物である大豆、トウモロコシ、小麦などのF1種子も研究開発生産

しています。


これらの穀物は家畜の飼料としても必要なものであるため、牛・豚・鶏の

食肉需要に対応する為には、当然これらの飼料の供給を増加させないと、

牛・豚・鶏の食肉の供給量を増加させることはできません。


また、この種苗業界はバイオテクノロジーも駆使することで、更に世界の食に

関わる産業の中で存在感を増しています。


水産資源の現状は、世界的に水産資源の減少・枯渇は年を追うごとに進んで

いるのが現状です。


世界の水産物需要は増加の一途であり、その世界の水産需要に対応する為に

世界の主要な水産企業による、水産資源の管理・囲い込みの争奪戦は、

ますます激しさを増しています。


・鉱業セクター

鉱業セクターとは、原油、天然ガス、石炭、鉄、プラチナ、金、銀、銅等の

鉱物資源を採掘する産業のことです。


鉱業セクターは、鉱脈や油田を発見し開発する、探鉱開発事業が事業の中心

であるため、世界規模での鉱物資源獲得競争でいかに自社の鉱脈や油田の

権益を獲得できるかがポイントになる業種です。


この鉱業セクターは、大きく、原油、天然ガス、石炭などのエネルギー資源、

鉄など鉄資源、プラチナ、金、銀、銅、レアメタル(希少金属)などの

非鉄資源に大きく分類することができます。


世界的に各セグメントは一握りの主要企業や国家がかなりのシェアを独占

する寡占状態になり価格決定力を持っているものが多いのが現状です。


この鉱業セクターの世界的な主要企業の利益は、そのことを裏付けるほど

巨額な利益を稼ぎ出しています。


鉱業セクターは、CRB指数の構成要素でもある、WTI原油などのマーケット

に強く影響を受けるセクターです。


また、鉱業セクターに特有なこととしては、これらの鉱物資源は有限で

あるため、いかに有望な鉱脈や油田を発見しどれだけ自社の権益を

最大化することができるかが、企業の利益に直結します。


ちなみに、権益とは、出資持分に応じて産出された鉱物資源を引き取れる

権利のことで、鉱業法により鉱業権として貸借対照表の無形固定資産の

部に計上されます。


鉱業セクターは、BRICsなどの新興国の経済発展に伴うエネルギー需要や、

旺盛な消費に後押しされることによる国際商品市況の高騰により、近年、

鉱業セクター各社は空前の利益を計上しています。


しかし、最近のエネルギー価格の高止まりなどを受けて、脱石油化の為の

本命のエネルギー技術である、太陽電池・リチウムイオン電池・燃料電池などの

開発や、電気の発電コストが最も廉価なエネルギー源であり、CO2の排出量が

少ない原子力発電の発電所が世界各国で建設ラッシュとなっています。


・建設業セクター

建設業セクターとは、建設業法に規定されている土木工事や建築工事など

の建設工事の完成を請け負う業種のことです。


建設業セクターは内需型の業種であり、建設業セクターの事業は、

大きく公共工事と民間工事に分類することができます。


建設業セクター特有の課題としては、利益率の低さがしばしば指摘

されています。


この建設業セクターの企業が取り扱う主な工事の種類として、建築物を

建設する工事、トンネル工事、道路工事、堤防工事、ダム工事、港湾工事、

地下鉄工事、地下工作物工事、鉄道軌道工事、橋梁工事、土木工作物の

解体・除去工事、アスファルト舗装工事、コンクリート舗装工事、

プラント設備工事、鉄塔工事、石油・ガスなどの貯蔵用タンク設置工事などが

あり、社会インフラ設備の建設に貢献する業種といえます。


また、建設業セクターの中で特に売上高の大きいゼネコンのことを

スーパーゼネコンと呼んでおり、スーパーゼネコンと呼ばれている企業は、

建設業セクターの売上高ランキングの上位5社の企業です。


建設業セクターの企業は、国や地方公共団体が公共工事の発注を年々削減

しているので、民間工事に活路を見出すべく、マンション建設の比重を

高めている企業もあります。


サブプライムローン問題が発生した前後は、不動産市況の低迷や

資源価格高騰による資材価格の上昇により、受注工事の減少・貸倒の増加

・利益率の低下で倒産する企業が増加していました。


また、今後の建設業セクターの大きな動向としては、高度経済成長期に

大量建築され耐用年数を迎える建物が増えることから、建物の改修や解体工事が

増え、それに伴い建物の新築工事も増加することが予測されています。


ちなみに、建設業セクターの企業は、2つ以上の都道府県に営業所を設ける

場合は国土交通大臣の建設業許可が必要です。


1つの都道府県のみに営業所を設ける場合は、各都道府県知事許可が

必要となります。


上場企業などの、ある程度規模が大きな企業の場合は、大規模な工事の受注が

できるように、特定建設業許可を取得しています。


・食料品セクター

食料品セクターとは、人が食べたり飲んだりする為の加工食品を

製造しているメーカーや畜産物や水産物の飼料を製造している

メーカーなどの業種のことです。


食料品セクターは、内需型の業種で、食料品セクターは、円高のメリットを

受ける業種です。


この食料品セクターの主な分類としては、製粉、飼料、ペットフード、

製糖、菓子、パン、乳飲料、食肉、ハム・ソーセージ、アルコールや

ソフトドリンクの飲料、調味料、即席麺、冷凍食品、インスタント食品、

たばこ等があります。


この食品セクターに分類されている事業をはじめる際は、食品関係営業許可が

必要になります。


衣食住の食に関わる業種である為、売上高や利益の安定している企業が多い為、

ディフェンシブセクターであるともいえます。


また、食料品セクターは、海外から原材料を輸入して加工し、

主に国内で販売している為、為替相場が業績を左右する大きな要因の

1つとなります。


このセクターは、企業の想定為替レートが円高になると業績にプラスに作用し、

企業の想定為替レートよりも円安になると、原価である原材料価格が

増加する為、利益を圧迫する要因になります。


食料品セクターの業績を左右するもう1つの大きな要因としては、

小麦・砂糖・とうもろこし・大豆などの農産物価格の高騰です。


これらの農産物の多くは輸入に頼っている為に、新興国の経済発展に伴い

食料需要も急激に増加しているおり、農産物国際価格もその動きに歩調

を合わせる様に上昇傾向が継続しています。


ちなみに、食料品セクターの企業は、個人投資家に人気がある、

自社製品を株主に贈呈する株主優待を実施している企業が多いのも

特徴の1つです。


・繊維製品セクター

繊維製品セクターとは、天然繊維である動物・植物・鉱物・食物の繊維や

化学繊維であるガラス・合成・半合成・炭素・再生の繊維の素材や

その素材を基にした製品を生産する業種のことです。


繊維製品セクターが生産する素材は、一般家庭製品から宇宙で使用される

製品まで様々な用途があります。


この繊維製品セクターの企業が生産する繊維は、大きく、天然繊維と

化学繊維に分類することができます。


天然繊維とは、綿や麻などの植物繊維、絹や羊毛などの動物繊維、

石綿や岩綿などの鉱物繊維、人体内の消化酵素で消化されない

食物繊維などです。


化学繊維とは、アクリル・ポリエステル・ナイロンなどの合成繊維、

アセテート、トリアセテート、プロミックスなどの半合成繊維、

天然の高分子を原料とする再生繊維、アクリル繊維やピッチを原料

とする炭素繊維などがあります。


また、繊維製品セクターの企業が生産する炭素繊維は、重さは鉄の

約4分の1と軽く、強度は鉄の約10倍と強く、腐食せず、更に導電性や

耐熱性などの特長も持つ素材です。


このような特性を持つ炭素繊維は、ゴルフシャフトや釣りざおなどの

スポーツやレジャーの分野からFIなどのレーシングカーの分野、航空機や

宇宙で利用されているスペースシャトルなどの素材として利用されています。


この繊維製品セクターの企業が生産する炭素繊維の世界シェアは、

日本企業のシェアが非常に高く、日本の繊維メーカー3社で世界シェアの

約7割を占めています。


しかし、これだけの高機能な素材である炭素繊維にも欠点があり、

その炭素繊維の唯一の欠点とはコストが高いことで、このコスト高が

本格的な普及を阻害しています。


また、繊維製品セクターには、衣料品の企画・製造・卸を行なうアパレル業界も

含まれていますが、このアパレル業界は、近年は、ユニクロをはじめとする、

製造小売業(SPA)企業の攻勢を受けて厳しい経営を余儀なくされています。


・パルプ・紙セクター

パルプ・紙セクターとは、古紙や木材を原料にして、紙製品を生産している

業種です。


パルプ・紙セクターが原料として使用する木材(パルプ)は輸入材比率が

約70%です。


パルプ・紙セクターは、為替相場が想定為替レートより円安ではなく円高に

なると業績にプラスとなります。


ちなみに、日本一の土地保有企業は、王子製紙で、その後に、日本製紙が

続いており、王子製紙や日本製紙は、広大な森林資源を保有しているので、

豊富な水資源を保有している企業といえます。


近年は、世界中で、水資源の獲得競争が激しくなっているので、

豊富な水資資源を保有する企業は、M&Aの有力な対象と見られています。


このパルプ・紙セクターが生産する製品には、新聞用紙、出版印刷用紙、

段ボール原紙、建材原紙、紙器用板紙、包装用紙、特殊加工紙、

トイレットペーパー、ティッシュペーパーなどがあります。


また、パルプ・紙セクターは、古紙や木材を原料にして、紙製品を生産して

いますが、原料となる古紙や木材は、それらを単独で原料として利用したり、

それらを両方使用して、各種紙製品を生産しています。


パルプ・紙セクターは、紙製品を生産する際に、原油燃料を大量に消費する

為に、WTI原油等の原油価格の動向は、為替と共に業績を左右する大きな要素

の1つとなっています。


また、パルプ・紙セクターが生産する製品である商品カタログや商品を

梱包する紙・板紙の需要は景気に左右されやすいので、景気敏感株と

呼ばれる、シクリカルな企業のセクターともいえます。


パルプ・紙セクターの原料の1つでもある古紙は、日本では古紙回収

システムが整備されていることもあり、世界でもトップクラスの

古紙回収率で、古紙の利用率においても高水準を維持しており、

古紙のリサイクルでは世界の先頭に位置しています。


・化学セクター

化学セクターとは、さまざまな製造業に素材や原料を供給し、繊維、洗剤、

化粧品、医薬、塗料、農薬、プラスチックなどの製品を供給する業種です。


化学セクターは、バイオテクノロジー、IT技術の研究開発も活発なセクターで、

化学セクターの企業は、株式市場では、景気敏感株(シクリカル銘柄)、素材株、

市況関連株などと呼ばれています。


この化学セクターは、大きく有機化学と無機化学に分類できます。


有機化学には、石油化学、天然ガス化学、石炭化学、高分子化学、油脂、

精密有機化学(有機ファインケミカルズ)があります。


無機化学には、ソーダ工業、アンモニア工業、硫酸工業、精密無機化学

(無機ファインケミカルズ)があります。


化学セクターはこれらの技術を活かし、さまざまな製造業に素材や原料を

供給したり、繊維、洗剤、化粧品、医薬、塗料、農薬、プラスチックなどの

製品を供給しています。


また、化学セクターは、生活に密着している製品や製品の製造に欠かせない

素材や原料を供給している業種なので、景気の動向に業績が左右されやすい

ところから、株式市場では、景気敏感株、素材株、市況関連株等と呼ばれ

ています。


化学セクター企業の生産動向・業績や株価の動向は景気サイクルの

ピークである景気の山やボトムである景気の谷の先行指標ともなるので、

この化学セクターに属する企業の生産活動の向上による業績回復の兆しが

見えない限り、景気の回復はありえないともいえます。


また、化学セクターにおいても、他の業種で繰り広げられているような、

M&Aをすることによるスケールメリットを活かし、コスト競争力の向上や

設備投資負担の軽減を求めて、業界再編機運が高まっています。


・医薬品セクター

医薬品セクターとは、家庭や病院などで病気の治療や予防又は診断等の

為の薬などを開発・生産している業種です。


医薬品セクターが生産する薬には、一般用医薬品(大衆薬)と医療用医薬品

などがあります。


一般用医薬品とは、ドラッグストアなどで誰でも購入することができる薬

のことです。


医療用医薬品とは、病院に行った時に、医師の診断に基づき処方される薬

のことです。


医薬品セクターの企業は、独自の製品を開発する為に、製品化できるか

どうか分からない、リスクの高い研究開発投資に力を入れています。


その企業行動の背景として、その研究開発が成功した際には、特許を取得

することで特許期間満了の時まで、その製品を独占的に販売し非常に高い

リターンを得ることが出来るのが理由です。


医薬品セクターの企業が開発し取得した特許権が消滅した後に、

その製法を活用して新たに開発した同じ効果がある医薬品のことを、

ジェネリック医薬品(後発医薬品)と呼んでいます。


このジェネリック医薬品(後発医薬品)は、開発コストが小さい為に、

同じ成分で同じ効き目の医薬品であっても販売価格を低価格にすることが

できるのが特徴です。


ジェネリック医薬品の問題点としては、安全性、普及の妨げともなりうる

流通の問題、製品に対する情報量の少なさなどが指摘されています。


また、世界的に医薬品セクターは、規模の拡大による効率化と開発・製品の

パイプラインの充実の為に、積極的にM&A(企業の合併・買収)を行っています。


・石油・石炭製品セクター

石油・石炭製品セクターとは、原油を精製しガソリンや灯油を製造して

小売などをする業種です。


石油・石炭製品セクターは、原油の開発や採掘の川上産業に対して、

原油の精製と販売を主にするため川下産業に位置しています。


石油・石炭製品セクターの原油を精製して販売する企業は、

一般的に、元売りと呼ばれています。


この石油・石炭製品セクターは、ほぼ原油を精製して販売する企業ばかりで

占められています。


石油・石炭製品セクターは、鉱業セクターとは異なり、原油の開発や

採掘事業である川上産業の売上高は非常に小さい為、欧米の国際石油資本

(メジャー)などと違い、WTI原油価格上昇のメリットをフルに受ける業界

ではありません。


石油・石炭製品セクターの企業は、海外から原油を輸入して、

その原油を原油精製施設で精製することで、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、

重油、アスファルトなどの生産をしています。


原油は不純物を取り除かないと安定した燃焼効率を実現できない為、

石油・石炭製品セクターの企業が保有する原油精製施設で原油を精製しない限り、

原油をそのままの状態で使用することはできません。


近年、石油・石炭製品セクターの企業は、石油精製施設の石油精製能力と

現実の需要の過大なギャップを埋める為に、過大な石油精製施設の削減を

進めてきました。


石油・石炭製品セクターの企業は、典型的な円高メリットを享受できる

セクターなので、為替相場が企業の想定為替レートより円高になると業績に

プラスに作用します。


なお、企業の想定為替レートよりも円安になると利益を圧迫する

要因になります。


石油・石炭製品セクターの企業は、原油を海外から大型タンカーを利用して

輸入する為、バルチック海運指数(BDI)などが上昇し海上輸送コストが

増加すると業績の下押し要因となります。


・ゴム製品セクター

ゴム製品セクターとは、天然ゴムや合成ゴムを原料として、タイヤ、ゴムホース、

などの製品を生産する業種です。


ゴム製品セクターは、タイヤセクターと呼べるほどタイヤメーカーの存在感が

際立つ業種です。


ゴム製品セクターは、天然ゴムや原油などの資源価格や為替の動向に、

業績が影響を受けやすい業界といえます。


このゴム製品セクターが生産する製品の主原料は、ゴムノキの樹液である

天然ゴムや石油から得ることが出来る炭化水素を原料とする合成ゴムです。


これらを原料として各種ゴム製品を生産していますが、ゴム製品セクターが

生産する主な各種ゴム製品には、自動車用などの各種タイヤ、ゴムホース、

ゴムベルト、ワイパー、コンドームなどがあります。


また、ゴム製品セクターに属するタイヤメーカーは、自動車・バイク・自転車等の

タイヤだけでなく、航空機用や建設機械などの特殊なタイプや大型タイプの

タイヤも生産しており、それらのタイヤの中でも航空機用タイヤを生産できる

タイヤメーカーは世界でも限られています。


ゴム製品セクターの製品の原料となる天然ゴム価格は、気象に価格が左右される

ものです。


合成ゴムの原料である炭化水素は、石油から得るものなので、合成ゴムの原料価格

は、WTI原油価格の動向に影響を受けやすいため、これらの価格の動向はゴム製品

セクターの業績に影響を与えます。


また、ゴム製品セクターのタイヤメーカーが生産する自動車などのタイヤは

消耗品ではありますが、新車装着用タイヤの売上は、新車販売の動向に左右される

ので、新車装着用タイヤの売上が増加するには、新車の売れ行きが改善される

必要があります。


尚、世界のタイヤメーカーのトップ3は、下記の通りです。


・フランスのミシュラン
・日本のブリヂストン、
・アメリカのグッドイヤー


・ガラス・土石製品セクター

ガラス・土石製品セクターとは、粘土、石灰石、珪砂、ソーダ灰などの

原料を高熱処理してガラス、セメント、コンクリート、陶磁器などを

製造する業界です。


ガラス・土石製品セクターの企業が製造する製品は、建築物・車・AV機器

・ハイテク機器には欠かせない製品です。


このガラス・土石製品セクターで製造されている製品としては、

建設・自動車用ガラス、液晶・プラズマテレビ用ガラス、光学ガラス、

医療用ガラス、ガラス瓶、石膏、れんが、研磨材、カーボン、セメント、

コンクリート、セラミック、陶磁器、碍子などがあります。


また、ガラス・土石製品セクターに含まれる、セメント業界が生産する

セメントの用途は土木建築用が大半を占める為、公共工事の減少と共に

年々、セメントの生産量は減少傾向であり、今後も国内の飛躍的な需要の

増加は期待できません。


そこで、社会インフラ設備においても成長が期待できる中国を中心とした

アジア諸国への輸出拡大を掲げている企業が多くなっています。


このセメントを輸出するネックとしては、重いセメントを輸送するコストが

多額に発生することです。


しかも、近年は資源価格高騰にともなうバルチック海運指数(BDI)も高騰し、

更に輸送コストが増加してこのセメント業界の収益を圧迫しています。


また、ガラス・土石製品セクターに含まれる、ガラス業界が生産するガラスは、

建築物向けの需要は伸び悩んでいますが、薄型テレビ、パソコン、ゲーム機、

携帯電話、カーナビなどや自動車用ガラスの用途においては、需要が年々増加

しており、ガラスメーカー各社はこれらの成長分野に力を入れています。


・鉄鋼セクター

鉄鋼セクターとは、主原料の鉄鉱石やコークス、石灰石、石炭などを

原料とする高炉メーカーと鉄くずを主原料とする電炉メーカーなどで

構成される業種です。


鉄鋼セクターは、多額な設備投資による大きな固定資産を必要とする

資本集約型の素材産業であり、鉄鋼セクターの企業が生産する製品は、

社会インフラに必要な重要な素材の1つです。


この鉄鋼セクターの企業が生産する製品には、普通鋼である、H形鋼、

山形鋼、I形鋼、鉄道などのレールの軌条、鋼矢板、棒鋼である丸鋼や

異形棒鋼、線材、厚中板、薄板である熱延薄板類と冷延鋼板類と

電磁鋼板、表面処理鋼板である亜鉛めっき鋼板と塗覆装鋼板とブリキ、

鋼管である溶鍛接鋼管と継目無鋼管(シームレスパイプ)、特殊鋼である

構造用鋼・ばね鋼・軸受鋼・耐熱鋼・快削鋼・ステンレス鋼などがあります。


普通鋼とは、高炉で生産される鉄鉱石を主原料とするものや、

電炉で生産される鉄スクラップを主原料とするものです。


特殊鋼とは、鉄スクラップを主原料とし、副原料に炭素鋼である普通鋼に

ニッケルやクロムなどの特殊元素を添加し成分調整し電炉を利用し生産する

もので、普通鋼よりも、耐熱性、耐食性に優れています。


また、鉄鋼セクターの企業が生産する製品に、高級鋼と呼ばれる、

表面処理鋼板、シームレスパイプ(継目無鋼管)、電磁鋼板、高張力鋼板等が

ありますが、これらの製品は、世界的にも生産することができるメーカーは

限られている為、日本の高炉各社は、これらの高級鋼に生産能力の大半を

振り向けています。


尚、鉄鋼セクターが海外へ製品を輸出する際は、当然、船舶を利用する

ことになりますが、鉄鋼製品はバルチック海運指数算出の対象貨物の1つ

となっています。


・非鉄金属セクター

非鉄金属セクターとは、金、銀、銅、アルミ、鉛、亜鉛、ニッケルなどの

鉄以外の全ての金属の製錬や製品の製造を行う業種のことです。


非鉄金属セクターの企業の中には、金、銀、銅などの鉱物資源の

鉱脈を発見し開発する探鉱開発事業にも積極的で、非鉄金属セクターは、

景気敏感株と呼ばれる、シクリカルな企業のセクターです。


この非鉄金属セクターには、金、銀、銅、アルミ、鉛、亜鉛、ニッケルなどの

非鉄金属の精錬、電線、ダイカスト、ワイヤハーネス、非鉄金属のリサイクル、

光ファイバー、ケーブルなどの製造や事業を営む企業が含まれています。


また、非鉄金属セクターの特徴としては、業績が景気に連動し循環的に

変動する業種であることから、非鉄金属セクターの企業は、景気敏感株と

呼ばれたり、シクリカル企業と呼ばれています。


シクリカルとは、「周期的な」、「循環的な」という意味で、

シクリカル(cyclical)は、サイクル(cycle)の派生語です。


非鉄金属セクターは、景気だけではなく、為替の影響を受けやすいことも

特徴の1つです。


非鉄金属セクターでも、業績の見通しや事業計画の前提条件である為替相場

を事前に決定していますが、その想定為替レートより実際の為替レートが

円安ではなく円高になり企業業績に影響を与えることがないように、

為替予約をしています。


また、非鉄金属セクターの企業の中には、世界有数の資源国に匹敵する

日本の都市鉱山を活用するリサイクル事業に取組む企業もあります。


非鉄金属セクターの各社は、携帯電話等のIT機器に含まれている金、銀、

レアメタル(希少金属)等を回収し再利用しています。


・金属製品セクター

金属製品セクターとは、鉄鋼や非鉄金属を加工した製品を製造している

業種のことです。


金属製品セクターは、缶、建設資材、橋梁、ばねなどの製品のメーカーが多く、

金属製品セクターは、鉄や非鉄金属を主原料とするため、これらの価格動向

に業績が影響を受けやすい業界です。


この金属製品セクターには、ブリキ缶、ドラム缶、橋梁、鉄骨、鉄塔、

アルミ建材、ばね、業務用厨房機器、住宅設備機器、製紙用網、

ワイヤロープ、LPG容器、ネジ、くぎ、シリコン、シリコンウェハなどを

製造するメーカーが含まれています。


また、金属製品セクターでは、ドラム缶、18リットル缶、食缶、一般缶等の

各種缶を製造しているメーカがあります。


このうち食缶においては、これら缶の需要先の企業が、輸送コストを軽減する

為や省資源化などを理由として、プラスチックを原料とするペットボトルなど

の容器に需要がシフトしている影響で、年々需要が減少し、市場規模も縮小

しています。


金属製品セクターには、各種ばねを製造しているメーカーもありますが、

ばねの主な用途としては、自動車関連、情報通信関連、その他産業や身近な

生活に関連する様々なところで使用されています。


その中でも情報通信機器の発達に伴い、精密ばねの需要は確実に

増加しています。


また、金属製品セクターの住宅設備機器メーカの特徴としては、

不動産であるマンションや戸建の販売動向に強く影響を受ける為、

不動産市況に業績が左右されやすい業界といえます。


・機械セクター

機械セクターとは、さまざまな動力によって動く装置やその装置に欠かせない

機械要素を製造している業種です。


機械セクターでは、工場で使用される切削工具、人や物を運ぶ装置、

ベアリングなどの機械要素、機械を作るための装置などを製造しています。


機械セクターの業績は、景気の行方を左右する設備投資の動向に大きく

影響を受けます。


この機械セクターは、土木・建築の作業に利用される機械、工場で使用される

切削工具、ビルで人を乗せるエレベーター、トラクターやコンバイン等の農業機械、

新聞輪転機、自動編み機、ポンプ、建設用クレーン、パチンコ・パチスロの遊技機、

ゴミ焼却設備、原動機、プラント、蒸気・ガスタービン 、ロケット 、

産業用ディーゼルエンジン、ヘリコプター・民間機・戦闘機、ベアリング

などの機械要素、機械を作る為の装置などのメーカーで構成されています。


この機械セクターには、工作機械メーカーも含まれます。


工作機械とは、機械を作るための機械で、全ての製造業の製品の製造工程に

必要不可欠なものです。


このような理由から、工作機械は、マザーマシン・母なる機械と呼ばれ、

あらゆる産業の基盤を支える物づくりの中核の産業です。


また、工作機械を大きく分類すると、万能工作機械と単純工作機械に分けること

ができます。


工作機械の性能が飛躍的に発展するきっかけになったのが、NC(数値制御装置)

加工が出来る生産効率の高い万能工作機械が誕生してからです。


このNC装置とは、工作機械の仕組みの中では、人間でいうと頭脳に当たる部分で、

NC装置が指令を出すことにより、工作機械が手足のように動くことになります。


機械セクターの動向としては、近年の資源価格高騰により、鉱山などの開発が

活発になり、建設機械の需要が飛躍的に伸びていることと、新興国の経済が

急激に伸びている影響により各種プラントの建造も大きく増加しています。


また、機械セクターの業績は、景気の行方を左右する設備投資の動向に大きく

影響を受ける為、内閣府が調査・公表している機械受注統計の動向に、

機械セクターの企業の株価は影響を受けます。


・電気機器セクター

電気機器セクターとは、産業用電気機器が中心の総合電気メーカー、

民生用電気機器が中心の家電メーカーやAV機器メーカー、電子部品メーカー、

半導体や半導体製造装置メーカーなどが含まれているセクターです。


電気機器セクターは輸送用機器セクターと並ぶ日本の2大セクターです。


電気機器セクターは、輸出比率が高く、国際競争力がある国際優良銘柄と

呼ばれる企業が多いセクターです。


この電気機器セクターは、社会インフラである、電力・ガス・水道・

交通制御システムなどのライフラインに必要な産業用電気機器と家電や

AV機器などの一般消費者向けの民生用電気機器、そしてそれらに必要不可欠

な電子部品と半導体などのメーカーで構成されています。


現代社会においては、どれ1つが欠けても社会生活に重大な支障をきたす

ものばかりであり、電気機器セクターは社会にとって非常に重要な業界です。


また、このこの電気機器セクターは、世界的に競争の激しいセクターで

ある為、このセクターに属する企業の売上高や利益は大きく変化します。


電気機器セクターは、市場規模も巨大である為、数兆円以上の売上高を

もつ巨大企業も多数存在し、日本企業の売上高ランキングでも上位を

占めている企業が多数あります。


電気機器セクターは、エネルギー問題の解決にも繋がる脱石油化の為の

エネルギー技術の開発にも力を入れているメーカーが多数あります。


太陽電池・リチウムイオン電池・燃料電池などは次世代エネルギー技術

として期待されています。


また、既存の完全に実用化されているエネルギー技術としては、

原子力発電がありますが、この原子力発電は、電気の発電コストが

最も廉価なエネルギー源で、CO2の排出量が少ないことも特徴の1つであり、

現在世界各国で原子力発電所は建設ラッシュとなっています。


日本の電気機器セクターの中で圧倒的に世界的な競争力を持つ分野が

電子部品の分野です。


この電子部品の分野は日本企業の世界シェアが圧倒的に高く、

日本の電子部品メーカーの受注動向は世界のIT企業の業績の先行指標

の1つともいえます。


また、電気機器セクターには、海外の売上比率が高い企業が多い為、

これらの企業の業績は為替相場の水準に左右されやすく、大半の

電気機器セクター企業は、業績の見通しや事業計画を策定する際に、

その計画の前提条件である為替相場を事前に決定しています。


・輸送用機器セクター

輸送用機器セクターとは、自動車メーカー、自動車部品メーカー、鉄道車両メーカー、

造船メーカーなどで構成されるセクターです。


輸送用機器セクターは、電気機器セクターと並ぶ日本の2大セクターでその産業

のすそ野は広い業種です。


輸送用機器セクターは、海外売上比率が高く、国際競争力がある国際優良銘柄

と呼ばれる企業が多いセクターです。


この輸送用機器セクターは、社会インフラの物流システムの一部である、

鉄道・船舶・トラックメーカー、人々の移動手段である乗用車メーカー、

そしてそれらの製品を構成する部品メーカーで構成されています。


それらの物流システムや人々の移動手段である乗用車は、現代社会においては、

それらの輸送手段の機能が停止すれば社会機能そのものが停止してしまう

ほど重要な産業です。


また、輸送用機器セクターは、エネルギー問題や環境問題とも密接な関係が

あるセクターです。


日本の場合でも石油消費量の約37%が自動車の需要であるため、原油資源の

減少・枯渇の影響と世界的な自動車重要の拡大の影響により、近年はWTI原油

価格も上昇傾向が続き、それに比例してガソリンの価格も上昇しているため、

ガソリンに代わる自動車の新しいエネルギー源の開発が世界的に進んでいます。


この輸送用機器セクターにおいて、脱石油化の為の本命のエネルギー技術と

いわれているのが、リチウムイオン電池や燃料電池を動力とする電気自動車です。


この電気自動車の動力源であるリチウムイオン電池や燃料電池の性能向上と

低価格化が電気自動車の普及の決め手になる主要な要素である為、これらの

リチウムイオン電池や燃料電池の開発競争は世界中で繰り広げられています。


また、現在は、輸送用機器セクターにおいては、エネルギー問題の過渡期でもあり、

政府のエコカー減税や新車買い替え補助金制度も影響して、輸送用機器セクターの

中では、ハイブリッド車(HEV)の需要が急激に増えています。


・精密機器セクター

精密機器セクターとは、光学技術や精密加工技術をベースにし、

光学レンズや光学ガラスなどを利用して精密機器を製造している

業種のことです。


精密機器セクターの企業が製造する主な製品には、複写機、カメラ、プリンター

などがあります。


精密機器セクターは、輸出比率が高く、国際競争力がある国際優良銘柄と呼ばれる

企業が多いセクターです。


この精密機器セクターの企業が製造する製品には、アナログ複写機、

デジタル複写機、カメラ、プリンターやFAXの機能等がついた複合機、

プリンター、時計、医療用機器、医療用器具、コンタクトレンズ、

光学レンズ、半導体製造装置などがあります。


また、精密機器セクターの複写機メーカーは、複写機やプリンターを

販売した後の消耗品や保守メンテナンスで利益をあげるを仕組を

構築しています。


複写機メーカーの顧客の側から見ると、複写機メーカーは、顧客のイニシャルコスト

ではなく、顧客のランニングコストを主要な収益源にすることで、安定的に高収益

をあげるビジネスモデルとなっています。


精密機器セクターの企業は、光学技術や精密加工技術を活かして、カテーテル、

内視鏡、人工透析器具などの医療機器分野にも進出しています。


・その他製品セクター

その他製品セクターとは、他のどの業種にも分類できない、その他製造とされた

企業を集めた業種です。


その他製品セクターには、印刷、玩具などの企業が含まれています。


その他製品セクターの特徴としては、どちらかというとあまり大きな市場規模

がある業界は含まれていません。


この、その他製品セクターの分類としては、印刷、玩具、宝飾品・貴金属、

育児用品、医療・介護用ベッド、オフィス家具、事務用品、釣り具、住宅設備機器、

スポーツ用品、かつら・育毛サービス、ディスクロージャー事業、楽器、防塵・

防毒マスクなとがあります。


その他製品セクターには印刷業も含まれていますが、印刷業とは、新聞、書籍、

新聞折込チラシ、DM、パンフレット、各種取扱説明書、各種案内状、商品を包む

包装紙などの紙を利用し印刷をするだけではありません。


一般的に印刷とは無縁であると思われているような、布・プラスチック・金属、

建装材、電子部品などや生の花びらのような特殊なものまで、日常生活から

ビジネスに至るまで、印刷できないものはないといえるぐらい、あらゆる物が

印刷可能なのです。


また、その他製品セクターには世界的な玩具メーカーも含まれ、その企業一社の

株価が変動するだけで、その他製品セクターの株価指数が影響を受ける

ようなこともあります。


このセクターの株価指数だけを見ていては、このセクターの個別企業の株価の

動向が適切に把握できないケースもあるため注意が必要です。


・電気・ガス業セクター

電気・ガス業セクターとは、住宅・事務所・工場などに電力やガスを

供給する事業を主要な収益源としている企業を集めた業種です。


電気・ガス業セクターの特徴としては、特定の地域毎にその地域の

大半の電力やガスを供給する企業が存在することです。


電気・ガス業セクターは、原油や液化天然ガス(LNG)と為替が

業績に大きく影響します。


この電気・ガス業セクターに属する電力会社の主な発電手段としては、

火力発電、原子力発電、水力発電があります。


火力発電とは、原油、液化天然ガス、石炭などを使用し、その熱によって

発生した蒸気を利用して、発電機を活用し電気をつくる発電手段です。


水力発電は、川や湖の水の力を利用して電気をつくる発電手段です。


原子力発電は、ウランなどを燃料として、核分裂の際に発生する

熱エネルギーを利用して発電する方法です。


また、電気・ガス業セクターに属するガス会社は、都市ガスを供給して

いますが、その原料は天然ガスで、ほぼ全量を輸入に依存しています。


天然ガスは、産出国で液化され液化天然ガス〈LNG〉の状態で輸入をし、

LNGタンクで貯蔵されて、貯蔵している液化天然ガスを液体から気体に

変換してパイプラインを通してガスを供給しています。


天然ガスは、メタンを主成分とし不純物をほとんど含まない

クリーンエネルギーです。


電気・ガス業セクターの業績は、為替相場や資源価格の動向に影響を

受けますが、他の業種に比べて業績は安定しており、社会インフラとして

必要不可欠な業種であるため、電気・ガス業セクターの企業は、

ディフェンシブ銘柄と呼ばれています。


このセクターは原料の大半を輸入し、国内の売上がほぼ100%である為に、

資源価格の下落や、為替レートが円安ではなく円高になると業績に追い風

となります。


・陸運業セクター

陸運業セクターとは、鉄道、バス、トラック、車などの陸上輸送機器で

人や物を運ぶ業界のことです。


陸運業セクターに含まれる、鉄道セクターの企業はディフェンシブ銘柄と

呼ばれています。


陸運業セクターは、物流の中心を担う社会インフラとして欠かせない業界です。


この陸運業セクターを分類すると、国鉄が分割民営化されて誕生した、

各地域のJR、各地の地域のみを地盤とする私鉄やバス会社、トラックを

主な輸送手段とする物流会社に区分することができます。


また、陸運業セクターの鉄道各社は、その立地や事業の特性を活かす、

自社駅の集客力や交通の利便性を活かした駅ビルの商業施設や

オフィスビルの開発、駅から近距離のマンションや戸建分譲事業、

駅から近距離のレジャー施設の開発などの本業の鉄道と相乗効果の

あるこれらの事業に各社とも力を入れています。


物流は、大きく、空運、海運、陸運に分類することができます。


空運や海運で輸送された貨物も最終的には、陸運のトラックを輸送手段として、

最終目的地まで輸送されることを考えると、陸運が物流の要となる社会インフラ

であることは間違いありません。


また、陸運業セクターのトラックを輸送手段とする物流各社は、

燃料価格高騰の影響を受けやすい業界である為、WTI原油の

価格動向次第では、業績に大きな影響がでる可能性があります。


近年は、陸運の輸送手段として、エネルギー効率が低く、二酸化炭素を大量

に排出するトラックよりも、エネルギー効率が高く、二酸化炭素をあまり放出

しない鉄道の利用を拡大しようという気運も高まってきています。


・海運業セクター

海運業セクターとは、人や物を旅客船、貨客船、貨物船により海上輸送する

事業を営む企業で構成されているセクターです。


海運業セクターの海上輸送は、空運や陸運の輸送手段に比べて多くの人や

大量の貨物を輸送することに適しており、世界の貿易商材の90%が海運業

セクターによる海運輸送で占められています。


この海運業セクターが所有する船舶は用途や機能により、貨物船、旅客船、

貨客船に分類することができます。


海運業セクターが所有する旅客船とは、大洋航路船、外国航路船、遠洋定期船

であるオーシャンライナー、観光船や遊覧船などのクルーザーなどが該当します。


次に、海運業セクターが所有する貨客船とは、人と物を同時に輸送することが

できるフェリーなどが該当します。


最後に、海運業セクターが所有する貨物船とは、貨物コンテナ(海コン)を運ぶ

コンテナ船、車両を収納できる甲板を持ち、車両を自走で搭載したり、車両を自走

で揚陸したりできる構造のRORO船、原油や液化天然ガス等の液体を運ぶタンカー、

鉄鉱石、石炭、穀物、砂糖、肥料、原木、鉄鋼製品、セメント、木材製品など

乾貨物(ドライバルク)を輸送するバルクキャリア(バラ積み貨物船)等が

あります。


また、海運業セクターの業績の動向を見るうえで重要な指標が、

バルチック海運指数(BDI)です。


海運業界では決済通貨が米ドルである為、海運業セクターの業績は、米ドル円

為替相場が想定為替レートより円安ではなく円高になると業績悪化要因と

なるため、為替予約により為替の変動に対応しています。


また、海運業セクターは、総コストに対する燃料費の比重が高く、燃料コストである

バンカーオイル(船舶用C重油)価格は原油価格に比例して変動する為、WTI原油価格の

動向は、業績に大きな影響を与える要因です。


・空運業セクター

空運業セクターとは、飛行機などの航空輸送機器で人や物を運ぶ

航空会社(エアライン)と、飛行機を使って写真撮影をし、その写真に

基づき測量図面や地図を作成する航空測量の企業で構成されている

業種です。


空運業セクターの業績は、WTI原油の価格と為替相場の動向に大きく

影響を受けます。


この空運業セクターは、セクターを構成する企業数が6社と最も企業数が

少ないセクターです。


空運業セクターの株価指数は、航空業界大手2社の株価の動向次第でセクター

の株価指数の動向が大きく影響を受けます。


株価指数の面から見れば、空運業セクターと呼ぶよりは、航空業セクターと

呼ぶ方が適切なセクターになります。


また、空運業セクターである航空会社は、コスト全体に占めるジェット燃料費の

割合が高く、ジェット燃料は原油を精製して生産されている為、為替が円安

ではなく円高になれば原油の輸入価格が下落する為、航空会社の燃料コスト

であるジェット燃料費の価格も低下することになります。


空運業セクターの航空会社は、原油価格が高騰しジェット燃料費が上昇して

くると、燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)を導入します。


燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)とは、利用者の航空運賃に燃油価格の

上昇分を価格転嫁することです。


尚、空運業セクターに含まれる航空業界の現状と課題としては、欧米の

航空会社や新規参入企業との価格競争や燃料費の高騰などで業績が

大きく圧迫されており、現在は、他社と差別化をする為の価格以外の質を

重視した経営への転換が必要な時期といえます。


・倉庫・運輸関連業セクター

倉庫・運輸関連業セクターとは、 荷物の保管・搬出入・仕分け、荷物の検品・

梱包・組立てなどの流通加工、フォワーダー事業などを営む業界です。


倉庫・運輸関連業セクターは、大規模な土地や設備を必要とするところから

装置産業と呼ばれています。


倉庫・運輸関連業セクターは、陸海空の各輸送手段を結ぶ重要な社会インフラ

の業種なのです。


倉庫事業をはじめる際は、倉庫業登録が必要です。


この倉庫・運輸関連業セクターの企業が提供するサービスには、

荷物の保管、流通加工、フォワーダー事業、港湾運送、航空貨物運送など

のサービスがあります。


また、倉庫・運輸関連業セクターが荷物の保管をする倉庫は、空港・港・

高速道路と一般道路の接合地点であるインターチェンジ付近などの物流や

交通の要所にあり、大量の荷物を保管するために、大規模な土地や設備を

必要とするので、事実上、新規参入が難しい業界です。


倉庫・運輸関連業セクターの企業が提供するフォワーダー事業とは、

様々な荷主から貨物を預り、それらの貨物を仕分けして大型貨物にし、

陸海空の各輸送事業社に、貨物輸送の目的地までの運送を依頼する事業の

ことです。


輸送の依頼を受けた貨物が、国際貨物の時は、通関事務業務も代行しています。


また、倉庫・運輸関連業セクターの企業は、倉庫業だけでは売上高の増加を

見込むのが難しい為、豊富な不動産を活用した、商業施設・オフィスビル・

賃貸住宅などの不動産開発事業や不動産賃貸事業を展開しています。


・情報・通信業セクター

情報・通信業セクターとは、テレビ、新聞、ラジオ、インターネット、

雑誌や書籍の出版などを通じた映像・音声・文字などの情報の伝達や

サービスの提供、固定通信・移動体通信の手段である、固定電話や

携帯電話などを通して通信サービスを提供するサービス、プログラムの

作成により情報の処理提供を行なうサービスなどを提供する業種です。


情報・通信業セクターは、公共性の高いディフェンシブ銘柄の企業もあり、

一般大衆に強い影響力を持つ業種といえます。


この情報・通信業セクターの主な分類としては、固定電話や携帯電話の

通信サービス、地上波テレビジョン放送業、CATV事業、BS・CS衛星放送事業、

出版業、映画・ドラマ・アニメの制作会社、インターネットサービスのプロバイダー、

ポータルサイトの運営、ゲームソフト開発、業務用データベース・ソフトウェア・

システムなどの構築・制作の情報サービス業などの業態があります。


また、情報・通信業セクターは、ほとんどの企業が日本国内向けの売上が

大半を占める内需型の企業ですが、情報・通信業セクターのゲームソフトの

開発をする企業は、海外でもシェアを拡大している国際的な競争力を持つ

企業も多数存在しています。


そゲームソフトと並んで世界的な競争力を持つのが、アニメの制作会社です。


これらの企業は、日本でも放送したアニメを海外でも放映し、そのアニメの

キャラクターなどの版権も活用することで高収益を誇っています。


また、以前は、テレビ局が提供するコマーシャル(CM)広告や新聞、ラジオ、

雑誌などが有力な宣伝媒体でしたが、インターネットの普及とともに既存の

それらの媒体の取扱広告高は減少するところが多く、広告宣伝費の宣伝効果が

客観的に把握しやすいネット広告が年々増加する傾向が続いています。


インターネットの普及や様々な娯楽が増加しているなどの影響もあり、

出版業界は売上高の減少傾向が続いている企業が大半になっています。


・卸売業セクター

卸売業セクターとは、生産者と小売業の中間に位置し、商品流通プロセスの

最終段階に位置している消費者に商品を販売する小売業に商品を卸売りする

企業のことです。


卸売業セクターの企業は、総合的にあらゆる商品を取り扱っている企業と

特定の商品のみを取り扱っている企業が存在し、卸売業セクターの企業は、

商社、卸、問屋などと呼ばれることもあります。


この卸売業セクターは、社会に流通するあらゆるものを取り扱う企業と、

特定の業種・分野・商品のみを取り扱う企業に大きく分けることができます。


最近の卸売業セクターの特徴としては、卸売業で養った業界経験を活かして、

製品を開発・生産・製造する子会社を設立したり、特定の製品を生産・製造する

企業を子会社化する動きが広がることで、卸売業セクターの課題でもある

利益率の改善や企業としての存在意義も高まっています。


また、卸売業セクターの重要な役割や機能としては、流通機能、

マーケティング機能、金融機能、情報機能があります。


この業界で特徴的な機能としては、貿易金融と商社金融です。


貿易金融とは、商品を輸出入する時に必要な資金を融通し、輸出入などの

外国為替を決済する際に信用供与することです。


商社金融とは、商品の支払サイトをコントロールすることで代金の支払を

先延ばしにすることで、実質的に取引先の企業に融資を実行しているのと

同じ状態にすることです。


卸売業セクターは、生産者と小売業の間に入っているだけで、中抜きを

している業界にすぎないとのと批判や、最近は製造業の企業が直接小売まで

手掛ける様な、製造小売業も増加していることから、しばしば、卸売業セクターの

不要論(商社不要論)が話題になることが多い業界です。


中抜きという現象だけを捉えて、卸売業セクター不要論(商社不要論)を

持ち出すことは短絡的であり、ビジネスの本質が見えていないともいえますし、

卸売業セクターの企業自身も進化していますので、この業界が不要になること

はありえないでしょう。


ちなみに、日本の業種別売上高ランキングで最も大きな業種は、当然、

卸売業セクターです。


また、卸売業セクターの企業は、有望な製品を開発・生産・製造する企業を

見つけたら、その企業と独占販売権などを結び自社の販売を強化する為に、

その企業に出資をすることが一般的です。


同じように企業に出資をする投資銀行や投資ファンドの投資スタンスと

卸売業セクター企業の投資スタンスは明らかに異なります。


卸売業セクター企業の投資スタンスは、自らの事業に繋がる投資なのですが、

投資銀行や投資ファンドは、投資した企業を高値で転売して利益を上げること

が目的になっています。


卸売業セクターの中には、総合商社のように、鉱業セクターの企業と同じ鉱脈

や油田を発見し開発する、資源探鉱開発事業を行なっています。


資源事業の利益が利益の大半を占めているような企業もあり、日本企業の中で

世界的な資源会社といえるのは、総合商社の数社のみといえます。


・小売業セクター

小売業セクターとは、卸売業セクターの企業などやメーカーである

生産者から仕入れた商品を、最終消費者に販売する業種のことです。


小売業セクターの事業の成否を左右する重要なポイントは立地です。


良い立地の不動産を見つけることが店舗の業績を左右します。


この小売業セクターに含まれる主要な業態としては、百貨店(デパート) 、

スーパーマーケット 、コンビニエンスストア 、ディスカウントストア 、

100円ショップ、各種専門店、外食産業である飲食業、店舗を持たない

業態である、ネット販売、通信販売、訪問販売、移動店舗販売があります。


スーパーマーケットには、様々な物を取り扱う総合スーパーと食品専門の

スーパーがあります。


各種専門店には、家電量販店、ドラッグストア、衣料品店、ホームセンター、

家具、書店、食料品店、古本などの古物商、自動車販売店やカー用品店など

があります。


また、小売業セクターの販売形態別売上構成比は、統計によると店頭販売の

構成比が80%前後で、ネット・通信・カタログ販売が20%前後となっています。


近年は、インターネット環境が整備されネットの通信料金も定額制になったこと

などが大きな要因となり、ネット販売の市場規模が急増しています。


小売業セクターの2006年の経済産業省作成の店舗数データによると、

日本全体で約120万店舗ぐらいあります。


そのうち昔ながらの個人商店が約72万店舗になっており、その他が、チェーンストア

やフランチャイズなどの店舗になっています。


また、近年は、メーカーである生産者が直接小売を行なう事例も増えてきている為、

小売業セクターの企業が自ら商品を企画・開発・生産して、消費者に直接小売する

業態も増えています。


このような小売業セクターの企業が自ら製造小売する業態のことを、製造小売業(SPA)

と呼んでいます。


製造小売業(SPA)は製造から小売りに至るプロセスを一貫して行う為、流通コスト

を中抜きし、コスト削減をすることができ、店頭で直接接する消費者の顧客ニーズを

共有し商品開発に繋げ、自社開発による低価格を武器にして売上を伸ばす企業は確実

に増加しています。


小売業セクターに含まれる、外食産業である飲食業も近年の経済環境を

反映して、価格競争が激しさを増しており、最近の外食産業の動向としては、

低価格の業態が業績を伸ばしており、業界の売上高ランキングも変化しています。


また、小売業セクターの企業は自社のHP上で月次売上高を公表しているところが

数多くあるので、月次売上高を公表しているセクターの業績は、四半期決算の公表

の前でも、ある程度、業績の予測をすることが可能といえます。


・銀行業セクター

銀行業セクターとは、企業や個人から預金を集めて、その集めた預金を

貸付けたり、運用をすることで収益をあげる業種のことです。


銀行業セクターは、信用創造のメカニズムにはなくてはならないものであり、

銀行業セクターは、高い公共性がある業種です。


この銀行業セクターの種類には、大きく普通銀行と信託銀行に分類すること

ができます。


普通銀行には、俗に言うメガバンク、地方銀行、第二地方銀行、

インターネット専業銀行などがあります。


この銀行業セクターは、1980年代後半から1990年初めのバブル崩壊を期に、

不良債権問題がきっかけとなり、一気に再編が進んで、都市銀行と言われ

ていた十数行の銀行は、ほぼ、メガバンク3行に集約されてしまいました。


また、銀行業セクターは、国際取引を行う場合は、国際決済銀行(BIS)の

BIS規制により自己資本比率8%の維持が条件となっており、国内業務のみ

に特化した銀行は、自己資本比率は最低4%を維持する必要があります。


銀行業セクターは、電気機器セクターや輸送用機器セクターとともに、

時価総額が大きいので、日経平均株価や東証株価指数 (TOPIX)などの

株価指数に大きな影響を与えるセクターでもあります。


尚、銀行業セクターは、信用創造のメカニズムにとってはなくてはならないもので

あるため、このセクターが信用不安を起すことがあれば、銀行からの資金供給が

極端に細り、世の中にお金が行き渡らず、お金が滞ってしまい、金融システム不安

が発生し、信用創造のサイクルが逆回転して、経済が縮小してしまいます。


・証券・商品先物取引業セクター

証券・商品先物取引業セクターとは、主に証券市場で委託売買や

自己売買をしたり、原油・金・とうもろこし等の商品市場で先物取引の

委託売買や自己売買をしたりする企業が含まれています。


証券・商品先物取引業セクターには、ネット専業で委託売買をする

企業もあり、証券・商品先物取引業セクターは、委託手数料が

完全自由化されて、手数料競争が激化している業界です。


この証券・商品先物取引業セクターには、証券会社・商品先物取引会社・

ベンチャーキャピタルなどの企業が含まれています。


証券会社には、有価証券の委託売買、引受、募集、自己売買等ができる

総合証券やインターネット委託取引に特化したネット専業証券会社があります。


ネット専業証券会社は、店舗を持たない強みをフルに生かし圧倒的に

安い委託手数料を武器に、個人投資家の大半をネット専業証券会社が

囲い込んでいます。


また、証券会社は、一般企業のエクイティファイナンス等の直接金融を

サポートしたり、株式公開準備を支援したりする業務も行なっています。


また、商品先物取引会社とは、大豆、とうもろこし、コーヒー等の農産物

や原油・プラチナ・金・銀・銅等の鉱工業材料の先物取引の委託売買や

自社でリスクを取る商品先物取引の自己売買をする企業です。


商品先物取引会社では、金地金、プラチナ地金、銀地金を購入することも

でき、商品先物取引会社で、金地金、プラチナ地金、銀地金を購入する方が、

一般の小売店で金地金などの現物を購入するより、手数料が安く済みます。


ベンチャーキャピタル(VC)とは、高い成長性が期待できる未上場企業に

対し資金提供し経営コンサルティングも行う投資家です。


ベンチャーキャピタルは企業の株式公開(IPO)も支援し、

高い投資資金のリターンを狙う企業です。


・保険業セクター

保険業セクターとは、死亡・病気・事故などが起こった時に保証をする

生命保険と災害や事故などが起こった時に保証をする損害保険の事業を

営む企業の業種です。


保険業セクターの主な収入源は、保険契約者から受取る保険料とその受け

取った保険料を運用して収益を得る資産運用益です。


保険業セクターの企業は、機関投資家とも呼ばれています。


この保険業セクターの企業には、生命保険会社と損害保険会社があります。


生命保険会社の利益の源泉は、死差益・利差益・費差益です。


死差益とは、想定した死亡率により見積もった保険金の支払より、

実際の死亡で発生した保険金の支払が少なかった場合の利益です。


利差益とは、想定した予定利率で見積もった運用収入より、実績の

運用収入が多かった場合の利益のことです。


費差益とは、想定した事業費や経費の支払より、実績の事業費や経費の

支払が少なかった場合の利益です。


これらの死差益・利差益・費差益の3つが生命保険会社の基礎利益と

呼ばれています。


損害保険会社利益の源泉は、危険差益・利差益・費差益です。


危険差益とは、想定した予定の損害率により見積もった損害額より、

実績の損害額が少なかった場合に生ずる利益のことです。


利差益とは、想定した予定利率で見積もった運用収入より、

実績の運用収入が多かった場合の利益です。


費差益とは、想定した事業費や経費の支払より、実績の事業費や経費の

支払が少なかった場合の利益です。


これらの危険差益・利差益・費差益の3つが損害保険会社の基礎利益と

呼ばれています。


また、最近の保険業セクターの動向としては、景気低迷による不良債権の

増加や金融市場低迷による低金利などの影響で、契約者に約束している

運用利回りを確保できない時に発生する逆ザヤで収益が圧迫されています。


保険業セクターの企業は、この逆ザヤを解消する為に予定利率を引き下げる

動きもあります。


尚、保険業セクター企業の健全性を示す指標に、ソルベンシーマージン比率

という保険の支払い余力を示すものがあり、このソルベンシーマージン比率

が高い数値の企業ほど財務内容が健全な企業です。


・その他金融業セクター

その他金融業セクターとは、銀行と異なり預金を集めず個人や法人に

融資をする金融機関です。


その他金融業セクターには、信販会社、リース会社、消費者金融会社など

の企業が含まれています。


その他金融業セクターは、ノンバンクと呼ばれています。


このその他金融業セクターには、クレジットカードを発行する信販会社、

カードローンを発行する消費者金融会社、リース会社、債権回収代行会社、

証券金融会社、事業者金融会社、流動化組成会社、証券取引所などの企業が

含まれています。


また、その他金融業セクターの資金調達は、銀行と異なり、預金を集めて

資金調達を行なうのではなく、銀行や生命保険会社などから主に資金調達を

行なっている為、銀行などよりも、資金調達コストは高くなっています。


その他金融業セクターの消費者金融会社は、個人への貸付の際は、基本的に

無担保・無保証で短期間の審査で融資しています。


このような担保を取らない短期間の審査での貸付が実現できるのは、各社独自

の貸付の際の事業経験やノウハウをシステム化していることで可能となります。


これらのシステムを用いて、与信管理も行なわれている為、貸倒も低水準で

押さえることができています。


その他金融業セクターは、金利の二重構造である、いわゆるグレーゾーン金利

を上手く事業に活用して、各社とも高収益を謳歌してきました。


しかし、改正貸金業法によって上限金利の引き下げが行なわれることにより、

各社とも大きな収益減となり、合従連衡による業界再編が一気に進みました。


・不動産業セクター

不動産業セクターとは、不動産の開発・分譲、不動産の売買・賃貸仲介、

不動産の賃貸などを行なう業種です。


不動産業セクターの企業は、基本的に宅地建物取引業法の規制を受けています。


不動産業セクターの事業をはじめる際は、宅建業免許を取得する必要があります。


不動産業セクターの大手企業は、旧財閥系、鉄道系、ゼネコン系などの

系列企業が多数を占めています。


この不動産業セクターの分類としては、不動産の開発、不動産の分譲、

不動産の売買仲介、不動産の賃貸仲介、不動産の管理、不動産の賃貸、

不動産の証券化などがあります。


不動産業セクターの企業は、基本的に宅建業法の規制を受けていますが、

不動産賃貸業と不動産管理業の専業企業は宅建業法の規制は無い為、

これらの会社を設立する為に宅建免許は不要となります。


不動産業セクターの企業は、住宅ローン減税などの税制の影響を

受けやすいセクターでもあります。


不動産業セクターの企業の中で、デベロッパーと呼ばれている

企業は、不動産の開発・分譲を行なっている企業になります。


また、不動産業セクターの企業の特色としては、旧財閥系、鉄道系、

ゼネコン系、銀行系、商社系、証券系、メーカー系の企業が多くなっています。


これらの企業は、独立系の新興不動産会社と異なり、自社の信用力や

親会社の信用力を背景に、厳しい金融情勢の下でも問題なく資金調達を

行なうことができる企業がほとんどです。


また、近年は、資産運用を宣伝文句にして、新築マンションや中古マンション

などを投資用不動産として販売している不動産会社も増加しています。


・サービス業セクター

サービス業セクターとは、形が無く目に見えないものや消費者の

気持ちを満足させたりすることなどの役務を提供する業種のことです。


サービス業セクターが提供するものは、形が無く目で見ることが

できないものが多い為、役務の提供や商品を購入する前に試用したり

見たりするのが難しいことが多く、サービス業セクターでは、

その事業の特性から在庫が残らない企業がほとんどです。


このサービス業セクターの主な分類としては、DVD等のレンタル、

人材派遣、広告、コンサルティング 、宿泊サービス 、エンターテイメント、

レジャーサービス、理容美容、情報サービス、旅行サービス、レンタルサービス 、

医療サービス 、教育サービス 、アウトソーシングサービスなどがあります。


サービス業セクターの特徴として、その提供しているものには形がない為、

同じ様な業態でサービスを提供している企業が複数存在しても、

その提供するサービスを客観的に比較するのが難しいことがあります。


また、サービス業セクターでは、生産性を高めることや、売上原価の低減を

追求しすぎると、消費者が期待するようなサービスを提供することが難しく

なります。


尚、サービスとは、奴隷を表すラテン語のServusが語源で、ホスピタリティは、

客人の保護者を意味するラテン語のHospesが語源です。


この2つの語源を見るだけでも通常のサービスのレベルで終わってしまう

企業は競争力が劣ることは言うまでもありませんし、ホスピタリティのレベルの

サービスが提供できる企業が、消費者や投資家にとって魅力的な企業です。