営業停止になる前に(消防法違反使用停止命令)


■消防法違反で使用停止命令がでる前に


店舗や事務所を借りて商売をしている方にとっては、何らかの行政上の義務違反をして、

営業停止になるのは、一部の無許可営業をしている人に限られると思っている方が多い

ようですが、必ずしもそうではないのです。


必要な営業許可を取って事業をされている方でも、営業停止の行政処分を命じられる

ケースがあるのです。


そのケースとは、消防査察により消防法違反が発覚して命じられる、防火対象物全体に

対する使用停止命令の発動です。


ちなみに、消防法違反が発覚するケースは、消防査察だけではなく、お客さん、

周辺住民、 従業員、元従業員からの苦情、密告、通報等により発覚するケースの

方が多いといえます。


確かに、消防法だけを根拠にして、営業停止の行政罰を科されることはありません。


しかし、消防法違反による、防火対象物全体に対する使用停止命令がでると、

店舗や事務所を使用することができなくなりますので、実質的に、営業停止の行政処分

を命じられたことと同じなのです。


では、どのような場合に、消防長や消防署長が、防火対象物全体に対する使用停止命令

をだす可能性があるのかを確認します。


消防長や消防署長は、防火対象物の位置、構造、設備の状況、そして、これらの管理状況

を考慮し、下記のいずれかに該当する場合には、消防法に基づいて、店舗や事務所など

の使用の禁止、停止、使用制限を命ずることができます。


防火対象物全体に対する使用停止命令が発動される場合

  • 火災の予防に危険であると認める場合

  • 消火、避難その他の消防の活動に支障になると認める場合

  • 火災が発生したならば人命に危険であると認める場合

  • 消防法の規定による命令では、火災の予防の危険、消火、避難その他の消防の活動の支障又は火災が発生した場合における人命の危険を除去することができないと認める場合

  • 消防法の規定により必要な措置が命ぜられたにもかかわらず、期限までに完了する見込みがない場合

  • 消防法の規定により必要な措置が命ぜられたにもかかわらず、必要な措置が履行されない場合

  • 消防法の規定により必要な措置が命ぜられ、必要な措置が履行されたが不十分な場合



このような、防火対象物全体に対する使用停止命令を受けない方法としては、消防法に

基づいた設備を備え、その設備の管理をし、必要な許可を得て、必要な届出書を提出

するということなのです。


この解説は、一見、当たり前なことのようですが、意外に、消防法を遵守していない

事業者は多いのです。


例えば、皆さんは、収容人員30人未満の店舗や事務所でも、消防法による規制により

必要な報告や届出があることを、ご存じでしょうか?


店舗には、当然、飲食店も含まれますし、小規模な飲食店や事務所で、消防計画書

防火対象物使用開始届出書を提出している事業者が、どれだけいるでしょうか?


そのような、消防法を遵守していない事業者の店舗や事務所を狙い撃ちして、

消防署は、消防査察を実施しているわけです。


最近は、痛ましい火災事故が多いことなどの影響により、消防法が規制強化

されています。


消防署では、消防査察をすることで火災を予防しようという方針が打ち出され

ていますので、今後は、消防法違反による、防火対象物全体に対する使用停止命令

を受ける事業者が増えることが予想されています。


なお、法務部が設置されていない企業では、消防法を含めた法務への対応は、

総務部の役割です。


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対応まで対応している、東京都千代田区秋葉原駅徒歩 1分の場所に士業ビジネスの拠点

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