CVP分析の問題点と限界


CVP分析といえば、簿記の勉強をしたことがある方なら誰しもが知っている、

管理会計における理論の1つです。


はじめて、CVP分析の理論を知った方は、この計算方法を理解すれば、

経営に関わる仕事においても、力を発揮できると思った方も多いことでしょう。


しかし、CVP分析を実務で何度も利用したことがある方は、この分析をする

目的について疑問を感じるようになるでしょうし、CVP分析に、疑問を感じる

ことがない方は、ご自分の実力が、経理や財務のペーパードライバーレベル

であることを認識するべきでしょう。


CVP分析は、コスト(Cost) 、販売量(Volume) 、利益(Profit) の関係を分析

するので、これらの頭文字を取り、CVP分析と呼ばれていますが、日本語の

呼び名は、損益分岐点分析です。


このCVP分析では、通常の利益を算出する為の計算式である、

売上高 - 費用 = 利益を下記の様に手を加えて計算しています。


①変動費  + 固定費 = 費用

②売上高  - 変動費 = 限界利益  

③限界利益 - 固定費 = 利益


簿記を学んだことある方なら、この基本的な計算式に色々と手を加えて、

損益分岐点(BEP)の売上高を導きだしたり、安全余裕率なるものを計算

したりしたことを思い出すことでしょう。


CVP分析は、利益構造を単純化するためには、良い考え方であることは

間違いありませんが、経営をするうえでは、CVP分析の考えたかは、

参考程度にしかならないことに留意すべきです。


このCVP分析をすると、各数値をいじくるだけで、損益分岐点の売上高が

変化したり、利益が変化したりしますが、それこそが危険なことなのです。


例えば、全体の費用を減らそうと思えば、変動費や固定費を削減しようと

思うでしょうし、限界利益を増やそうと思えば、売上高を増やすか、変動費

を減らそうと考えるでしょうし、利益を増加させようと思えば、限界利益を

増やすか、固定費を減らそうと考えるはずです。


このようなことを机上で考えるだけで、利益計画ができてしまいそうですが、

ここで注意すべきことは、CVP分析とは、結果である数値を、ただ単に机上の

上でいじくっているだけなのです。


売上を増やすと言ったり、変動費や固定費を削減すると言うことは、

まさしく、「言うは易し行うは難し」ということであり、売上を増やしたり、

費用を削減する為の具体的な方法論こそが最も重要なのです。


CVP分析のような、小難しい理論を持ちだすまでもなく、売上を増やすか、

費用を減らせば、利益が増えることは、誰しもが知っている当たり前のこと

なので、そのような当たり前なことを、更に、緻密に分析して、

会社の利益が増えるのかという点を認識する必要があるのです。


先ほども説明しましたが、利益を増やすために重要なことは、

売上を増やしたり、費用を削減する為の具体的な方法論なのです。


ゆえに、CVP分析の考えたかは、参考程度にしかならないので、

ここまでに指摘したようなことが、CVP分析の問題点と限界ということ

になるのです。


これで、皆さんは、CVP分析には問題があり、CVP分析には限界がある

ということを知ったわけなので、売上を増やしたり、費用を削減する為

の具体的な方法論を学ぶ必要があるのです。


売上を増やしたり、費用を削減する為の具体的な方法論は、財務の知識

でなんとかなるものではありませんので、経理や財務に携わる人や、

企業の幹部クラスの人は、経営戦略やマーケティング戦略の基本を

知る必要があるのです。


財務の上位概念である経営戦略やマーケティング戦略を知れば、

財務の限界を知ることができますし、具体的な方法論がない、財務計画が、

いかに絵に描いた餅であるのかを実感できるはずです。


要するに、経営戦略やマーケティング戦略を知ることが、

企業が儲ける為に何が重要であるのかを教えてくれることになるのです。


このような企業経営の常識を知ることで、プロフェッショナルな経理マン

やプロフェッショナルな財務マンになることができるので、財務の理論

ばかりを追い求めても、何時まで経っても一人前になることはできないのです。


CVP分析などの管理会計に関する基本知識を身につけて、管理会計の主役

である財務計画が作成できるようになった方は、プロフェッショナルな

経理マンやプロフェッショナルな財務マンになるためにも、経営戦略や

マーケティング戦略の基本を身につけるべきでしょう。